(2024.11.14)
 マカオ当局による2024年1〜9月の違法喫煙違反検挙数は2877件…未成年飲酒事案も9件
ヤフーニュース(マカオ新聞) 10月23日
 マカオでは世界的な健康意識の高まりを受け、マカオでは屋内公共エリア及び公園などの大半を禁煙とする「喫煙予防及び管理法(新禁煙法)」が2012年1月1日に施行。また、昨年(2023年)11月5日に「未成年者飲酒予防・管理制度法(酒類管理法)」が施行されたことを受け、市内ではマカオ政府衛生局(SSM)煙酒管理弁公室の法執行官が昼夜を問わずパトロールを行っている。
 SSMは10月22日、今年(2024年)1〜9月の煙酒管理弁公室及び警察当局、市政署、カジノ規制当局、税関等による規制対象場所パトロール状況を明らかにした。法執行官によるパトロール場所の数は延べ19万6198ヶ所(単日平均延べ716ヶ所)で、たばこ(新禁煙法関連)3057件、酒類(酒類管理法関連)37件の違反を検挙したとのこと。
 たばこに関しては、検挙数全体の94.1%にあたる2877件を違法喫煙を占めた。その他については、電たばこを携行しての出入境が89件、18歳未満への販売を禁止する旨のサイネージ実掲出(不適合表示たばこ製品販売)などその他規定違反が91件。違法喫煙の検挙場所別では、飲食店が全体の15.6%、空港が10.0%を占めた。なお、SSMとカジノ規制当局の合同によるカジノ施設のパトロールは延べ499ヶ所で、検挙数は343件だった。
 酒類の検挙数は37件で、うち9件が未成年者へのアルコール飲料販売・提供事案。その他は、酒精飲料広告の警告文や店舗における酒類コーナーの表示、未成年者への酒類提供を禁止する旨のサイネージ、アルコール度数表示などに関する違反だったという。
 新禁煙法では、マカオ国際空港とカジノに設置された喫煙所を除く屋内パブリックエリアが全面禁煙となったほか、屋外に関してもバス停・タクシー乗り場の周囲10メートルを新たに禁煙ゾーンに設定。コンビニエンスストア、スーパーマーケット、新聞スタンド等の店頭におけるたばこ製品の公開陳列が禁止となり、禁煙ゾーンにおける違反喫煙に対する罰金が従来の2.5倍に相当する1500パタカ(日本円換算:約2.8万円)になるなど、各種罰金が大幅に引き上げられた。
 酒類管理法については、すべての未成年者(18歳未満)に対するアルコール飲料(アルコール度数1.2%以上)の販売と提供が禁止され、購入者・被提供者の年齢に疑問がある場合、販売・提供側は相手に身分証の提示を要求することが義務付けられ、相手の年齢を確認できなかったり年齢に疑いがある場合は推定未成年としてアルコール飲料の販売・提供を拒否しなければならないほか、アルコール飲料の販売・提供を行う場所では目立つ場所に所定様式のアルコール飲料の販売・提供を禁止するサイネージを掲出、セルフ式のサービスを採用する場合はアルコール飲料とノンアルコール飲料の陳列ゾーンを明確に分けること、アルコール飲料広告についても中国語、ポルトガル語、英語で警告文を掲載することなどが規定されている。

【写真】マカオ政府衛生局煙酒管理弁公室の法執行官によるパトロールの様子(写真:SSM)
【写真】マカオ政府衛生局では対象施設に対して法律で義務付けられているたばこ及び酒類の管理に関するサイネージの掲出を呼びかけている(写真:SSM)


(2024.11.14)
 加熱式たばこの路上喫煙で2千円徴収 東京・千代田区
ヤフーニュース(テレ朝news) 11月1日
 東京・千代田区は路上で「加熱式たばこ」を吸っている人からも過料を徴収することを始めました。
 千代田区は2002年に全国で初めて紙巻きたばこ路上喫煙を禁止し、区の指導員が巡回して違反者から2000円の過料を徴収しています。
 区は加熱式たばこのポイ捨てなどが目立ってきたことから、今月1日から加熱式たばこの路上喫煙にも過料を徴収することにしました。
千代田区安全生活課 尾上成臣課長
「喫煙者の皆様については、たばこは喫煙所で吸っていただきますよう、よろしくお願い致します」


(2024.11.14)
 阪神・11月から「全面禁煙」導入 球児監督改革第1弾 チーム活動時は選手もスタッフも首脳陣も
スポニチ・アネックス 10月30日
 阪神が来月からチーム活動時や活動エリアでの「全面禁煙」を導入することが29日、分かった。高知県安芸市で秋季キャンプがスタートする11月1日から実施予定。この日、甲子園球場での秋季練習に参加した首脳陣、選手、スタッフにも通達された。健康増進やパフォーマンス低下の防止が導入の理由で、藤川球児新監督(44)の意向も反映されたもよう。来季は甲子園球場のクラブハウスなどの喫煙スペースがなくなり、ビジター球場でも同様のルールが適用される。

 阪神が、球界では異例の「禁煙ルール」を導入する。この日、秋季練習前に球団関係者が首脳陣、選手、スタッフらに通達。「禁煙ルール」は高知県安芸市で秋季キャンプが始まる11月1日から施行される予定で、シーズン中のホーム、ビジター球場での全面禁煙とともに、遠征の際の宿舎滞在時やプライベートの時間に関しては適用されないことも伝えられた。

 NPBでは日本ハム、ロッテ続いて3球団目でセ・リーグでは初。球団では過去に2軍で禁煙ルールを導入した期間もあるが、1軍でシーズンを通して実施するのは今回が初めてだ。導入には藤川新監督の意向も反映されたもようで新指揮官が断行する大きな改革と言える。最大の理由が選手の「健康増進」だ。

 もう一つはパフォーマンスの向上と低下の防止。タバコの煙には有害物質の1つである「一酸化炭素」が含まれる。体内の一酸化炭素が増えれば、体内での酸素運搬が滞る可能性が高まってしまい運動能力の低下や息切れが起きやすくなる。

 また、一酸化炭素の影響で血中酸素濃度が低くなれば筋肉は酸欠状態で硬くなり、選手のフィジカル強化に欠かせないウエートトレーニングにも悪影響を及ぼす。禁煙は、プロアスリートとして最良のコンディションで最高のパフォーマンスを維持することに直結する近道と言える。

 早速、秋季キャンプでは、監督、コーチ、選手らチーム関係者は安芸市営球場で全面禁煙。この日までに安芸市に球団の意向が伝えられ、安芸タイガース球場の灰皿などが撤去された。来季のシーズン中もユニホーム着用時はもちろん、クラブハウス内でも喫煙スペースはなくなる予定だ。

 チーム内には愛煙家も少なくないが、ある選手は「これを機に(タバコを)やめようと思ってます」と早くも“タバコ断ち”を宣言。コーチやスタッフの一部喫煙者も今回の禁煙ルールを好意的に受け止めているという。

 藤川阪神の“改革第1弾”と言える禁煙ルール。元守護神らしく選手の健康も守る!V奪回へ逆襲ののろしは上げても、タバコの煙は立てない。


(2024.11.14)
 【英国】たばこ販売禁止法案を提出 英政府「最大の健康リスク」制限
ヤフーニュース(NNA) 11月6日
 英政府は5日、「たばこ・電子たばこ法案」を提出した。たばこ販売を段階的に禁止し、屋外で喫煙禁止の対象となる場所を拡大するほか、電子たばこの広告も禁止する。公共医療の重点を治療から予防に移行する方針の一環として、最大の健康リスクとされる喫煙を制限する。  同法案では、今年時点で15歳以下へのたばこ販売は今後、恒久的に禁止される。導入されれば、現在15歳以下の若年層は生涯、たばこを買うことができない「スモークフリー世代」となる。この措置はスナク前首相が提案したものだが、スターマー政権もこれを引き継ぐ方針を示していた。
 喫煙禁止の対象となる屋外スペースについては、
子どもの遊び場や、学校・病院の周辺などが提案されており、法案は意見公募を経て決定する。政府は当初、パブの屋外席も候補としていたが、業界の反対を受け断念した経緯がある。
 電子
たばこについては、広告やスポンサーシップが禁止されるほか、香り付けや商品の陳列、包装などが制限される。
 政府によると、
英国では喫煙に起因する死亡者が年間8万人に上る。喫煙による病気の検査や治療は国民医療制度(NHS)の大きな負担となり、年間31億ポンドの財政コストをもたらしているほか、病気休暇による生産性の低下などで180億ポンドの経済損失を招いているという。


(2024.11.14)
 JTの株価続落 カナダ訴訟の和解金負担警戒
日本経済新聞電子版 10月21日
日本たばこ産業(JT)が続落している。一時、前週末比139円(3.27%)安の4111円まで下げた。JTと米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの3社が、カナダで起きたたばこの健康リスクを巡る訴訟で、計325億カナダドル(約3.5兆円)の和解案を提示されたことが18日わかった。(後略)


(2024.11.14)
 阪神・11月から「全面禁煙」導入 球児監督改革第1弾 チーム活動時は選手もスタッフも首脳陣も
ヤフーニュース(スポニチ アネックス) 10月30日
  阪神が来月からチーム活動時や活動エリアでの「全面禁煙」を導入することが29日、分かった。高知県安芸市で秋季キャンプがスタートする11月1日から実施予定。この日、甲子園球場での秋季練習に参加した首脳陣、選手、スタッフにも通達された。健康増進やパフォーマンス低下の防止が導入の理由で、藤川球児新監督(44)の意向も反映されたもよう。来季は甲子園球場のクラブハウスなどの喫煙スペースがなくなり、ビジター球場でも同様のルールが適用される。
 阪神が、球界では異例の「禁煙ルール」を導入する。この日、秋季練習前に球団関係者が首脳陣、選手、スタッフらに通達。「禁煙ルール」は高知県安芸市で秋季キャンプが始まる11月1日から施行される予定で、シーズン中のホーム、ビジター球場での全面禁煙とともに、遠征の際の宿舎滞在時やプライベートの時間に関しては適用されないことも伝えられた。  NPBでは日本ハム、ロッテ続いて3球団目でセ・リーグでは初。球団では過去に2軍で禁煙ルールを導入した期間もあるが、1軍でシーズンを通して実施するのは今回が初めてだ。導入には藤川新監督の意向も反映されたもようで新指揮官が断行する大きな改革と言える。最大の理由が選手の「健康増進」だ。
 もう一つはパフォーマンスの向上と低下の防止。タバコの煙には有害物質の1つである「一酸化炭素」が含まれる。体内の一酸化炭素が増えれば、体内での酸素運搬が滞る可能性が高まってしまい運動能力の低下や息切れが起きやすくなる。
 また、一酸化炭素の影響で血中酸素濃度が低くなれば筋肉は酸欠状態で硬くなり、選手のフィジカル強化に欠かせないウエートトレーニングにも悪影響を及ぼす。禁煙は、プロアスリートとして最良のコンディションで最高のパフォーマンスを維持することに直結する近道と言える。
 早速、秋季キャンプでは、監督、コーチ、選手らチーム関係者は安芸市営球場で全面禁煙。この日までに安芸市に球団の意向が伝えられ、安芸タイガース球場の灰皿などが撤去された。来季のシーズン中もユニホーム着用時はもちろん、クラブハウス内でも喫煙スペースはなくなる予定だ。
 チーム内には愛煙家も少なくないが、ある選手は「これを機に(タバコを)やめようと思ってます」と早くも“タバコ断ち”を宣言。コーチやスタッフの一部喫煙者も今回の禁煙ルールを好意的に受け止めているという。
 藤川阪神の“改革第1弾”と言える禁煙ルール。元守護神らしく選手の健康も守る!V奪回へ逆襲ののろしは上げても、タバコの煙は立てない。
 ▽プロ野球の禁止令
 ★ひげ 「常に紳士たれ」がモットーの巨人は、原則としてひげ、茶髪、長髪が禁止。日本ハム時代に口ひげがトレードマークだった小笠原道大はFA加入した06年オフ、入団会見にひげなしの巨人スタイルで登場。
 ★肉食 徹底した「管理野球」を行った広岡達朗は、西武監督就任の82年からチーム全体に肉の摂取量の制限。玄米食・自然食の推奨。禁酒、禁煙、禁麻雀を通達。広岡監督が退任する85年まで続いた。
 ★お前 中日・与田剛監督は19年、球団チャンステーマ「サウスポー」の歌詞「お前が打たなきゃ誰が打つ」の「お前」に「子どもたちが歌うのは、教育上よろしくないのではないか」と指摘。球団と応援団が曲使用の自粛を決めた。


(2024.10.24)
 喫煙規制法施行、来年1月から職場も禁煙対象に
ASIA INFONET.COM 10月9日
【プトラジャヤ】 電子たばこ製品の規制を盛り込んだ「2024年公衆衛生のための喫煙製品規制法」が10月1日に施行されたが、これに伴い2025年1月1日付けで官民の職場とコインランドリーが禁煙場所に含まれることになった。ズルキフリ―・アハマド保健相が明らかにした。

同法の下で禁煙エリアとして指定されたのは、▽カジノを除く娯楽施設または劇場▽病院・クリニック▽エレベーター・公衆トイレ▽飲食店▽空調付き店舗▽コインランドリー▽公共交通機関ターミナルビル▽政府庁舎▽国会議事堂▽教育機関▽保育所▽ショッピングセンター▽ガソリンスタンド▽スポーツ複合施設エリア▽宗教施設▽図書館▽インターネットカフェ▽職場の建物▽公共駐車場を除く休憩・レクリエーションエリア▽公共交通機関内▽空港(喫煙エリアを除く)――など28のエリア。

保健省は喫煙率を2025年末までに15%に引き下げることを目標に掲げている。「マレーシア2023年世界成人喫煙調査(GATS)」によると、国内の15歳以上の480万人、率にして19%が喫煙しているという。

同法は電子たばこや電子喫煙器具を含むたばこ製品、喫煙材料、たばこ代替品の未成年者への売買を禁止、18歳未満の者への喫煙関連サービスの提供を禁止することを目的としたもので、今年2月2日に公布されたものの施行は先送りとなっていた。
(マレー・メイル、10月3日)


(2024.10.24)
 横浜市 受動喫煙防止へ 市管理の公園 来年4月から禁煙に
NHK 首都圏 NEWS WEB 10月9日
受動喫煙を防ぐため、観光名所の山下公園など横浜市が管理するすべての公園で来年4月から喫煙を禁止することがこのほど正式に決まりました。

横浜市は、「子育てしたいまち」の実現に向けて、受動喫煙することなく安全に遊べる公園にしようと、喫煙を禁止する条例の改正案を先月開会した議会に提出し、このほど可決されました。
対象となるのは市が管理するおよそ2700か所の公園すべてで、市内有数の観光名所の「山下公園」や「港の見える丘公園」なども含まれています。
喫煙が禁止されるのは来年4月1日からで、違反した場合の罰則は5万円以下の過料となります。
市は今後、対象となる公園に看板を設置したり、SNSを活用したりして事前に広く周知したいとしています。
一方、多くの人が訪れる大規模なイベントが公園で行われる際に隠れて吸うケースを防ぐため、仮設の喫煙所を設けることを検討するということです。
議会の答弁で、横浜市の山中竹春市長は「禁煙を条例で明確に位置づけて多くの子どもが集まる公園で望まない受動喫煙をなくし、誰もが安全で安心して遊び、快適に過ごす環境を実現していく」と述べていました。


(2024.10.24)
 損保ジャパン「全社禁煙」の衝撃。社内禁煙外来、治療費の補助、禁煙ガムの配布は企業のニューノーマルとなるのか?
ヤフーニュース(集英社オンライン) 10月18日
横浜市や大阪市など行政を含む、全国各地で禁煙化がすすんでいる。そんな中、大手損害保険会社の損保ジャパンは2025年4月から、全社員を対象に就業時間内の禁煙を始める。なぜ、大胆な禁煙化に踏み切ったのか。 “健康応援企業”として、1999年から先駆けて禁煙を推奨してきた、損保ジャパンの担当部署に話を聞いた。 【画像】SOMPOひまわり生命「全社員における喫煙率の推移」

企業、行政…広がる全国の禁煙化

日本全国で、禁煙化の波が止まらない。 損害保険ジャパン(以下、損保ジャパン)は来年4月から、全社員に向けた就業時間内の禁煙を始める。 全拠点の喫煙スペースを段階的になくし、25年度中の全面廃止をめざす。同時に、喫煙者は社内の診療所で禁煙外来を受診し、治療費の補助を受けることができる。 このニュースは愛煙家を中心に、激震が走った。 とはいっても、行政など全国的に見れば、ここ近年、禁煙化の動きは顕著だった。横浜市では全ての公園で来年4月から喫煙禁止となった。また、半年後に万博を控える大阪市では、今まで一部の地区のみ路上喫煙禁止にしていたが、来年1月からは市内全域に広げ、120か所の喫煙所を新設する予定だ。 厚生労働省によると、5月31日の「世界禁煙デー」には、全国の自治体でも禁煙化に向けたイベントが催されている(※1)。 なぜ、ここまで全国で禁煙化が進んでいるのか。

禁煙化が進む理由はWHOの「たばこ規制枠組条約」

そもそもの禁煙化の背景には、国際条約であるWHOの「たばこ規制枠組条約」がある。 たばこの消費が健康に与える悪影響を軽減することを目的として策定され、たばこの広告や包装の表示規制、受動喫煙の防止、未成年者への販売の禁止など、様々な規制が定められている(※2)。 日本も2004年に署名し(※3)2009年末までに 168 カ国が調印し、国連史上最も広く受け入れられた条約のひとつとなった(※4)。日本にとどまらず、世界各国で禁煙化の動きが進んでいるといえる。

「ガム」と「書籍」で禁煙

今回の「損保ジャパン」の全面禁煙化について、話を戻そう。SOMPOグループの中核会社である損保ジャパンでは、実は1999年から禁煙に向けた取組みを開始し、日本で先駆けて禁煙をすすめてきた。 グループのパーパス「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」の実現には、その原動力である社員とその家族の、心と体の「健康」が大切という考えに基づき、社員の健康維持・増進を経営の重要なテーマと位置づけ、健康経営に取り組んできた。就業時間内の禁煙に関する取組みはその一環だという。 実際に、損保ジャパンでは2017年に17.4%だった喫煙率を、2023年には14.3%(▲3.1%)まで減少させている。同グループのSOMPOひまわり生命でも、2016 年度に20.8%だった喫煙率を、2021 年 1 月末時点で 11.9%(▲8.9%)にまで喫煙者を減少させた(※5)。 さぞかし厳しいルールをひいているのかと思い、損保ジャパンの健康開発を司る、人事部総務・健康開発グループに話を聞いてみた。 「2025年4月から就業時間内の禁煙をスタートしますが、就業規則には盛り込んでいません。ルールで縛るだけでは、真の浸透は難しいと考えているからです」(人事部総務・健康開発グループ、以下同) では、これまでどうやって禁煙化を推進してきたのか。 「健康保険組合の取組みとして、禁煙外来補助事業を行ってきました。社内に診療所があり、看護師がマンツーマンでメールやオンライン面談、禁煙外来でサポートをしています。徐々に喫煙者が減ってきたところで、今年度より新たに『禁煙ガム』によるサポートを導入しました」 禁煙ガムは保険適用とならず、一般医薬品となる。これを会社が支援してくれるのは、大きな助けになるだろう。 「もちろん、ずっとガムに頼るわけではありません。最もつらい時期が禁煙後3日〜1週間なので、離脱症状を和らげる禁煙ガムと看護師によるサポートを実施しています」 他にも今年度より3か月間の禁煙プログラム「みんチャレ禁煙」も導入したという(※6)。禁煙を目指す仲間同士がチームを組み、禁煙補助薬を活用しながら、進捗を報告しあう禁煙プログラムだ。 プログラムには、エーテンラボ株式会社によって開発された習慣化アプリ「みんチャレ」を使用する。「今日は禁煙できたよ」というお互いに報告をし合うことで、達成感を得ることができたり、互いに監視できたりする。 他にも、あるものを喫煙スペースに置くだけで効果があったという。 「『読むだけで絶対やめられる禁煙セラピー』(ロングセラーズ)『にこニコドライブ 〜ふたつの禁煙物語〜』(予防医療研究所)という2冊の本を、喫煙スペースなどの場所に置きました。すると、社員より『この本を読んだら喫煙をやめられた』という報告があったんです」 SOMPOグループのパーパスは「“安心・安全・健康”であふれる未来へ」。その実現に向けて、「来年春から就業時間内禁煙をスタートさせたからといって、急に喫煙率が下がるわけではないでしょう」と前置きをしたうえで、人事部総務・健康開発グループはこう語った。 「でも、社員が自身や家族、周りの社員の健康について考えるきっかけになると考えています。また、この機会に禁煙をチャレンジしてみようと思った社員には丁寧な支援を続けていきます」 ――人生100年時代を安心・安全に送るには、心やからだの「健康」に気を配る必要がある。しかし、忙しい毎日で、個人では健康にまで意識が及びにくいだろう。 企業が「喫煙対策」をはじめとした健康へのきっかけさえ与えてくれれば、煙にまかずに取り組んでいけるのかもしれない。
出典元 ※1 厚生労働省 「禁煙週間」における自治体の取組 
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000202210_00014.html ※2 WHO FCTC (WHO Framework Convention on Tobacco Control) https://www.who.int/europe/teams/tobacco/who-framework-convention-on-tobacco-control-(who-fctc) ※3 外務省 たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約https://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/who/fctc.html ※4 国立がん研究センター たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約の歴史https://www.ncc.go.jp/jp/cis/divisions/tobacco_policy/project/fctc/FCTC_History.pdf ※5 SOMPOひまわり生命 『健康経営における 5 年間の禁煙推進の取組み』https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2021-03-03.pdf?la=ja-JP&force_isolation=true ※6 みんチャレ https://minchalle.com/for-biz/quitsmoking/ 取材・文/綾部まと


(2024.10.24)
 メキシコ、公共の場を全面禁煙に 世界「最厳格」の法律を施行
BBC NEWS JAPAN 2023年1月16日
(ウィル・グラント、メキシコ・中米特派員)
メキシコで15日、世界で最も厳しいレベルの「反たばこ法」が施行され、公共の場での喫煙が全面禁止となった。

メキシコは2021年にこの措置を承認。タバコの広告も禁止となった。

中南米のいくつかの国も、たばこの煙のない公共空間を作るため、法律を制定している。

しかしメキシコの法律は、米大陸で最も強力かつ広範なもので、世界的にも最も厳しい反喫煙法の1つとなった。

メキシコの現在の法律は2008年に制定され、バー、レストラン、職場での禁煙スペース確保を定めている。それが今回、すべての公共の場所を禁煙とするよう変更された。公園、ビーチ、ホテル、オフィス、レストランなどが対象。

また、たばこ製品の広告や宣伝、スポンサーになることも全面的に禁止された。商店の中でも、たばこを陳列できない。

VAPEなどの電子たばこも、特に屋内において、より厳しく規制される。

汎米保健機構(PAHO)は、この措置を歓迎。メキシコ政府の取り組みをたたえた。

PAHOによると、「たばこの使用」は世界で最も予防可能な死因となっている。米大陸では毎年100万人近くが、直接の喫煙や副流煙にさらされることで死亡しているという。

一方でメキシコの喫煙者の一部は、新たな法律の強権性を不安に思っている。多くの人は、自宅などの個人的な住居でしか喫煙できなくなる。

また、この法律の実効性を疑問視する向きもある。メキシコの警察では腐敗が広く横行しているため、公の場での喫煙行為に本来の罰金を科さず、賄賂を受け取る手段にする警官も出るのではないかと、多くの人が懸念している。


(2024.10.10)
 損保ジャパン、就業時間内の「喫煙NG」 25年春から
日経電子版 10月9日
損害保険ジャパンは2025年4月から、全社員を対象に就業時間内の禁煙を始める。社員向けにガイドラインを作成して周知を図るほか、就業規則に盛り込むことも検討する。(後略)


(2024.10.10)
 加熱式たばこの路上喫煙、罰金徴収へ 東京・千代田区、指導員が巡回
朝日新聞デジタル 10月1日
 東京都千代田区は、加熱式たばこの路上喫煙者に対し、区の生活環境条例に基づき、2千円の罰金(過料)を徴収する方針を決めた。11月1日から実施する。区は全国で初めて路上喫煙を罰則付きで禁じる条例を制定したが、近年急増している加熱式たばこも取り締まることにした。

 加熱式たばこは、たばこの葉やその加工品を専用の電気機器で加熱し、ニコチンを含む蒸気を発生させて吸うもの。受動喫煙の懸念や規制強化で紙巻きたばこの販売数量が減る一方、近年、加熱式たばこの市場は急拡大。区などによると、2023年の販売数量は20年と比べて約4割増えた。若年層を中心に浸透しているという。(後略) 石平道典


(2024.10.10)
 オーストラリアの空港で日本人4人摘発 タバコ14万本余密輸か
NHK NEWS WEB 9月26日
オーストラリアでは、たばこへの増税で代表的な銘柄が1箱、日本円でおよそ5000円となっていますが、9月にオーストラリアの空港で、日本人の男4人が大量のたばこ密輸しようとしたとして、摘発されていたことがわかりました。

9月7日にオーストラリア東部ブリスベンの空港で日本人の男4人が、14万本余りのたばこを申告せずに持ち込もうとしたとして、国境警備当局に摘発されていたことが関係者への取材でわかりました。

4人は、観光客として入国しようとし、スーツケースの中に大量のたばこを隠していたということです。

オーストラリア政府は喫煙者を減らそうとたばこへの増税を行っていて、代表的な銘柄のたばこは1箱25本入りでおよそ50オーストラリアドル、日本円でおよそ5000円となっていて、この10年で2倍以上となっています。

こうした中、外国からオーストラリア国内にたばこを密輸しようとして摘発されるケースが相次いでいて、ことし7月以降、摘発された日本人は合わせて24人にのぼり、このうちの1人は「報酬をもらうはずだった」と述べたということです。

オーストラリアの国境警備当局のマッカーン担当官は、NHKの取材に対し「違法なたばこは組織犯罪を助長し、収益源にもなっている」として、取締りを強化する考えを示しました。


(2024.10.10)
 大麻の過剰使用、頭頸部癌のリスクを増やす
日経メディカル 8月30日
 米国Southern California大学のTyler J. Gallagher氏らは、医療データベースTriNetXを利用して、2004〜24年に大麻関連障害で外来受診した患者と、傾向スコアをマッチさせた対照群患者の頭頸部癌(HNC)リスクを比較する後ろ向きコホート研究を行い、前者で様々な部位の頭頸部癌発症リスクが高かったと報告した。結果は2024年8月8日のJAMA Otolaryngology-Head & Neck Surgery誌電子版に掲載された。

 喫煙はヒトパピローマウイルス陰性のHNC発症の主要な危険因子だ。大麻の煙には、たばこと同様の発がん物質が含まれている。従って、たばこと同様に中咽頭、鼻腔と副鼻腔上皮、喉頭、肺などに有害な影響が現れる危険性がある。しかし、大麻の使用と頭頸部癌リスクを調べたこれまでの研究では、一貫した結果は示されていなかった。そこで著者らは、大麻使用は頭頸部癌リスクを増やすという仮説を検討するために大規模な後ろ向きコホート研究を実施した。(後略)(大西淳子)


(2024.8.30)
 喫煙率14.8%、過去最低 国民健康・栄養調査
NIKKEI.COM 8月28日
厚生労働省の2022年国民健康・栄養調査で、たばこを習慣的に吸っている20歳以上の男女の割合は14.8%だったことが28日、分かった。前回19年調査(16.7%)を下回り、03年に現行の設問になって以降の過去最低を更新した。

政府の健康づくり計画「健康日本21(第2次)」で定めた22年度の目標値12%には達していないため、厚労省担当者は「啓発を通じ、喫煙をやめたい人のモチベーションを保てるようにしたい」としている。

20歳以上の喫煙率の男女別は、男性24.8%(前回比2.3ポイント減)、女性6.2%(1.4ポイント減)で、いずれも過去最低となった。年齢別で最も高いのは男性が30代の35.8%、女性は40代の10.5%。喫煙者のうち、たばこをやめたいと思う人は25.0%だった。

受動喫煙の機会がある人の割合も調査。対策を強化した改正健康増進法の施行が影響したとみられ、場所別では前回19年に比べ、飲食店は半減の14.8%、遊技場は3分の1程度の8.3%となった。一方、高かったのは路上23.6%(3.5ポイント減)や職場18.7%(7.4ポイント減)だった。

新型コロナウイルス感染拡大の影響による体重や生活習慣の変化を尋ねたところ、体重が増えたとした男性は13.2%、女性は16.7%。1週間あたりの運動日数が減ったと回答したのは男性が12.7%、女性が13.8%となった。

調査は22年11、12月に実施し、全国の約2900世帯から回答を得た。コロナの影響で20、21年は調査中止となったため、今回は3年ぶりに実施した。〔共同〕


(2024.8.28)
 名古屋市が“卒煙”をサポート 医療機関での治療費など助成
NHK 東海NEWS WEB 8月19日
名古屋市はたばこからの卒業を目指す「卒煙」をサポートしようと市民向けに医療機関での治療の助成などを始めました。
名古屋市が始めた「卒煙プログラム」は市民を対象に2種類の禁煙支援事業が用意されています。
1つはスマートフォンやパソコンを使うプログラムです。
市のウェブサイトを通じて申し込み、6か月間専門の保健師などからオンラインで面談を受けたり、3000円の自己負担でニコチンパッチなどの禁煙補助薬を利用したりすることができます。
もうひとつは医療機関に通うプログラムで、ニコチン依存症と診断を受けるなど一定の条件を満たした人がおよそ3か月間で5回の診察を受け薬などを使って治療するもので、治療が終わったあとに市に書類を提出すると自己負担額の半額が1万円を上限に助成されます。
名古屋市では4年前、子どもの受動喫煙を防止する条例を制定して対策を進めてきましたが、受動喫煙を減らすには喫煙者を減らすことが最も効果的だとして「卒煙プロ-グラム」を始めたということです。
名古屋市健康増進課は「多くの禁煙を希望する市民に利用してほしい」としています。


(2024.8.28)
 JT、米たばこ4位を3780億円で買収 加熱式の原資を捻出
Nikkei.Com 8月21日
日本たばこ産業(JT)は21日、米たばこ大手のベクター・グループを買収すると発表した。買収額は3780億円で全株式を取得する。2024年12月期中に株式の取得が完了する見通し。世界的に普及が進む加熱式たばこで出遅れており、規模拡大で挽回のための投資原資を捻出する。
ベクター・グループは米国4位のたばこメーカーで23年12月期の売上収益は14億2400万ドル。(後略)


(2024.8.28)
 カナダ、無煙たばこの販売制限 若者の乱用懸念
ヤフーニュース(KYODO)8月25日
【ニューヨーク共同】カナダ政府は28日から、口に含んでニコチンを摂取するタイプの無煙たばこの販売を、薬局でのカウンター越しの対面に制限する。成人用の禁煙補助剤として昨年販売が許可されたが、喫煙経験のない若者が乱用しているとの懸念から対策が必要と判断した。 
 「嗅ぎたばこ」と呼ばれるこうした商品は日本でも販売されており、タバコの葉を包んだ袋を唇の裏に挟んで使用する。日本の厚生労働省は、若者が使用しても周囲から口に入れていることが分かりづらく、結果的に喫煙につながる可能性があると警告している。  カナダではコンビニやガソリンスタンドの店頭にも置かれていた。28日以降は薬局のカウンターでのみ購入可能となる。また政府は若者向けとされる風味付き商品をミントとメンソールに限定して他の商品の回収を命じ、若者をターゲットにした広告を禁止する。  カナダ保健省は「ニコチンは中毒性が高く、特に若者は悪影響を受けやすい。気分や注意力、学習能力をつかさどる脳の機能を害する恐れがある」と強調した。


(2024.7.24)
 体操・宮田が五輪辞退 主将が公然とルール違反…同情の余地なし なぜ事前に指導できなかったのか
ヤフーニュース スポニチアネックス 7月20日
 日本体操協会は19日、東京都内で緊急会見を開き、パリ五輪女子代表主将の宮田笙子(19=順大)に代表行動規範の違反が認められたため、出場を辞退したと発表した。情報提供をもとに18日午後にフランスから緊急帰国した本人に聞き取り調査し、6〜7月に喫煙と飲酒行為があったことが確認された。開幕までちょうど1週間。故障など以外では日本選手団五輪史上初の出場辞退で、海をまたいで大きな衝撃が走った。 【写真】宮田笙子のインスタには男女チームJAPANのメンバーとピースサインする笑顔の写真も 【記者の目】  今回の宮田の五輪代表辞退は当然であり、同情の余地は全くない。日本体操協会には「日本チームとしての活動の場所においては、20歳以上であっても原則的に喫煙は禁止する」という行動規範があるが、宮田はまだ19歳で、行動規範以前の問題だ。今の時代に五輪は国の代表だのフェアプレーが大切だのと声高に言う気は毛頭ないが、19歳にもなればスポーツ選手でなくてもやっていいこととやってはいけないことの区別はつくはずで、やったことの責任は本人が取るしかない。
 以前から体操選手の喫煙率は他の競技に比べると高く、疑問や心配する声があったのは事実だ。ただ、喫煙自体は個人の嗜好(しこう)なので強制的に取り締まるわけにもいかず、協会としてもあくまでも「原則的に禁煙」とするしかなかった。  日本代表チームの主将という立場にもかかわらず、19歳で喫煙と飲酒をした宮田の責任は重いが、それを周囲の大人が全く気づかなかったとは考えにくい。代表チームの主将でありながらなぜ公然とルールを破るような行動を取ったのか、なぜ事前に周囲が指導できなかったのか、その本質的な部分を解明することが何よりも大切だ。五輪辞退だけでうやむやにすることは絶対に許されない。(編集委員・藤山健二)


(2024.7.24)
 豪州、電子たばこ販売を薬局に限定の新法施行 先駆的措置と誇示
ヤフーニュース(CNN) 7月11日
オーストラリアで電子たばこの販売を医師の処方箋の提示を受けた薬局に限定するなどの規制を盛り込んだ新法がこのほど施行された。
ニコチン含有量を含む電子たばこの販売を抑制するための措置で、世界で最も厳しい電子たばこ対策と誇示している。今月1日から発効した新法で許される風味は、たばこ、メントールやミントの3種類のみとなっている。
世界では多数の国が使い捨て方式の電子たばこを禁止しているが、商店や小規模小売店などでの販売を禁じる法案は世界でも先駆的としている。子どもたちをニコチン中毒にさらしかねない多種多様な風味を持つ電子たばこの終わりを告げる新法とも位置づけた。
ただ、新法への支持を勝ち取るための政治的な駆け引きの影響もあり、新法は今年10月に効力を失う。処方箋が必要なのは18歳未満の未成年者とも限った。
成人は処方箋なしでも薬局で購入可能だが、主要な薬局チェーンが在庫分の拡大は否定しているため確保は困難になるとみられる。
ただ、闇市場が出現するとの懸念も一部で出ている。たばこへの一部の課税率が世界でも最高水準にある豪州で同様な闇市場が生じたことの再来となる可能性もある。
たばこが20本入りの1箱の値段は約35豪州ドル(約3815円)で、米国や英国よりかなり高い。たばこ税は今年9月にさらに5%上がる見通しともなっている。
たばこの値段が上昇したとしても、電子たばこ市場から閉め出された若年層がニコチンが恋しくなりたばこの購入に走るとの危惧もある。


(2024.7.24)
 消えゆく存在?たばこ自販機 新紙幣対応見送り多数&成人識別装置も必要「売り上げ減、重い負担」 
ヤフーニュース(岐阜新聞) 7月11日
  新紙幣の発行から1週間たつが、たばこの自動販売機の大半が新紙幣に対応していない。たばこ店の店主は「売り上げが落ちている自販機に設備投資する余裕はない」と口をそろえる。2026年3月末にはICカードを使ったたばこ自販機の成人識別システム「taspo(タスポ)」が終了し、その後は免許証とマイナンバーカードに対応した成人識別装置を取り付ける必要があるため、たばこの自販機は消えゆく存在になりつつある。
 「2台は新500円硬貨を使えないが、何とかなっている。今回も急ぐ必要はないかな」。岐阜市の柳ケ瀬商店街でたばこ店「伊藤商店」を営む伊藤雅章さん(58)は打ち明ける。保有する3台全ての新札対応を見送った。
 紙幣の識別装置の更新には8〜10万円、新台の購入には80万円以上かかる。1台当たりの販売量は1日10個に満たず、投資は難しい。新紙幣が発行された3日、自販機に「新千円札は使用できません」と書かれたステッカーを貼った。「たばこの自販機はなくなると思う」とつぶやく。
 日本自動販売システム機械工業会(東京)によると、全国のたばこの自販機は、02年末の62万9100台をピークに減り続ける。昨年末は7万5300台まで減った。
 背景には、たばこの需要減に加えて、08年のタスポ導入に伴って消費動向がタスポがなくても買えるコンビニに流れたことや、たばこメーカーが自販機を無償で貸し出すリース事業から撤退したことなどがある。
 日本たばこ産業(JT)は昨年末、自販機での販売減を主要因にリース事業から撤退した。03年には25万4千台を貸し出していたが、今ではたばこの販売本数の8割をコンビニが占め、採算が合わなくなっていた。広報担当者は「小売店と調整しながら、徐々に減らしていった」と説明。数年かけて売却、撤去し、貸し出し数をゼロにした。
 伊藤商店は2年ほど前にJTから自販機1台を数万円で買い取った。かつては修理などメンテナンス費をJTが受け持ってくれたが、今は自費だ。
 東海たばこ販売協同組合連合会(名古屋市)によると、県内の組合員数は約330で、毎年10%ずつ減少。片岡孝夫事務局長は「新千円札とタスポ終了後に対応した新型自販機を組合員にあっせんしているが、岐阜県内からの申し込みは現状では十数台。厳しい」と話す。

【写真】「新1000円札は使用できません」のステッカーが貼られたたばこの自動販売機=岐阜市柳ケ瀬通、伊藤商店


(2024.6.28)
 一般施設や飲食店などの第二種施設で「屋内全面禁煙」の割合が増加 令和4年度「喫煙環境に関する実態調査」より
保健指導リソースガイド 6月24日
 厚生労働省はこのほど令和4年度「喫煙環境に関する実態調査」の結果を公表した。
 受動喫煙を防ぐため、多くの人が集まる施設では敷地内禁煙や原則屋内禁煙とすることが法律で定められており、その実施状況を確認するもの。
 今回の調査では、多数の人が利用する一般施設や飲食店などの第二種施設で屋内全面禁煙の割合が増加していることが明らかになった。
第二種施設の敷地内全面禁煙が増加
 肺がんだと新たに診断される人の数は年々増加しており、2018年には12万3000人に上った。罹患数の増加に伴い、死亡率も上昇。現在、肺がんはがん死因の1位で、2020年には約7万6000人が亡くなっている。
 肺がんの原因として、たばこを吸う本人以外が周囲に流れる煙を吸う「受動喫煙」も問題視されている。そのため平成30年に成立、令和2年4月に全面施行された「健康増進法の一部を改正する法律(改正健康増進法)」では、多数の人が利用する施設などで受動喫煙防止の措置義務を課した。
 一方、施行後5年を経過した時点で、更なる対策が必要かどうかを検討するため、厚生労働省では定期的に喫煙環境に関する実態調査を続けている。今回は4回目の調査となった。
 令和4年度「喫煙環境に関する実態調査」
 【調査時期】2023年1月〜2月
 【有効回答数】9,322件
 【対象】・第一種施設(学校や医療施設、児童福祉施設、行政機関の庁舎など、受動喫煙により健康を損なう恐れが高い人が主に利用する施設)・第二種施設(一般施設・事業所、飲食店、不動産管理事業者、鉄道・バス事業者、旅客線・旅客線ターミナル)
 改正健康増進法では、第一種施設は「敷地内禁煙」、第二種施設は「原則屋内禁煙(喫煙専用室内でのみ喫煙可)」とすることとしている。ただし第一種施設では受動喫煙を防止するために必要な措置がとられた場所に「特定屋外喫煙場所」を設置することができる。第二種施設では、「喫煙専用室」または「加熱式たばこ専用喫煙室」のいずれかが設置できる。
 令和4年度の調査結果を見ると、第一種施設では、火をつけて喫煙するたばこと加熱式たばこを「敷地内全面禁煙」にしている施設の割合は全体の86.3%。施設の種類別に見ると、病院は100%、幼稚園から高校までの学校施設は91%と高かった。一方、全面禁煙にしている割合が最も低かったのは行政機関で61.3%
 敷地内全面禁煙にしていない第一種施設のうち、特定屋外喫煙場所を設置している割合は61.7%。施設の種類別では専修学校や職業・教育支援施設などが100%、行政機関が94.5%など高い。
出典:令和4年度「喫煙環境に関する実態調査」の調査結果(概要)を公表します(厚生労働省)
 第二種施設で火をつけて喫煙するたばこを屋内全面禁煙にしている割合は、2021年度から22年度にかけて2.5ポイント増加し74.1%。施設種別では、司法機関(国)が100%。次いで、公民館や図書館、美術館や植物園などの施設が95.9%、都道府県や市町村の立法機関が92.5%などと続く。一方、パチンコホール(16.1%)やバー・キャバレー・ナイトクラブ・スナック(22.3%)が低かった。
 第二種施設で火をつけて喫煙するたばこの喫煙専用室を設置している割合は9.7%。施設種別では、パチンコホールの83.3%が最も高かった。
 第二種施設で加熱式たばこを屋内全面禁煙にしている割合は72.2%で、前年比1.9ポイント増加。加熱式たばこ専用の喫煙室や飲食できる部屋の設置割合は1.2%。経年比較は以下のとおりとなった。
出典:令和4年度「喫煙環境に関する実態調査」の調査結果(概要)を公表します(厚生労働省)


(2024.6.15)
 「原則禁煙」から4年、今も吸える居酒屋の謎、「喫煙目的施設」とは
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 6月7日
 改正健康増進法が2020年4月に全面施行され、飲食店などが「原則禁煙」になってから4年。
 だが、繁華街を歩くと、いまだに店内で自由にたばこを吸える飲食店があちこちにある。
 一体、なぜか。
 改正法では、飲食店などでは屋内が原則禁煙となった。
東京都内では、さらに厳しい受動喫煙防止条例も全面施行された。
 改正法施行前から営業していた小規模店が届け出た場合は、喫煙可能な店として営業できる。
 ただし、同条例がある都内では、従業員がいない場合などに限られ、あくまで例外的な位置づけだ。
 一方、従業員を雇って客席が広くても、「喫煙できる居酒屋」として運営しているケースがある。
 根拠は、同法に基づく「喫煙目的施設」という定義だ。
厚生労働省によると、たばこの対面販売をしており、喫煙場所の提供を主な目的として飲食営業をする施設で、バーやスナックを念頭に置く。
 都健康推進課によると、本来とは異なる趣旨で喫煙目的施設として営業する居酒屋が一定数あることは、苦情などを通じて把握しているという。担当者は、健康増進法のあいまいさを挙げて「『違反』とする基準がなく、明確な指導ができない」と話す。(小川聡仁)

【写真】居酒屋が立ち並ぶ繁華街には、「喫煙目的店」「喫煙OK」などと掲げる店も多い=2024年5月17日午後6時14分、東京都、小川聡仁撮影



(2024.6.15)
 川崎市 公園禁煙化、「望む」が54% 6カ所でアンケー
タウンニュース 中原区版 6月7日
 川崎市は、等々力緑地など市内6カ所の公園利用者に行った「公園禁煙化のアンケート調査」の結果を5月28日に公表した。全面禁煙を希望する人が半数を超える一方で、分煙を望む声も3割超あった。市では、今年度中に公園での喫煙の在り方を検討し、来年度には方針を決定する考え。
 市は、望まない受動喫煙、火災の懸念などについて、公園利用者から苦情や相談が複数件寄せられていたことを受け、3月1日から4月30日まで、区内の等々力緑地やこすぎコアパークなど市内6公園で「全面禁煙化」の取り組みを試行。周知看板やポスター等を掲示したほか、調査員が見回りを行った。公園内での喫煙について、利用者にはアンケート調査を実施した。
 アンケートには518人が回答。喫煙習慣があるかの問いには、「よく吸う」が11%だったのに対し、「吸わない(禁煙した)」が85%だった。喫煙のどういうところが気になるか(複数回答可)については、「におい」が最も多い346件で、次いで「ポイ捨て」が298件、「けむり」が285件だった。公園での喫煙をどう思うかの問いには、「全面禁煙がいい」が54%で、「分煙がいい」は34%という結果だった。寄せられた意見では「禁煙化の取組の看板をもっと増やしてほしい。
看板やポスターがあると利用者からも注意しやすい」「禁煙にしても喫煙する人は必ずいる。喫煙できる場所を設置すべき」といった声があがった。

来年度に方針決定
 市は、武蔵小杉駅前周辺など市内7カ所を「路上喫煙防止重点区域」に指定することで喫煙者に過料を課す「路上喫煙防止条例」を施行しているが、公園は対象外。
喫煙者へ配慮のお願いや注意喚起の看板を設置するなど、喫煙者のマナーに委ねられているのが現状だ。
 今回のアンケート結果について、市の担当者は「禁煙を求める声が多かったが、分煙を求める声も一定数あり、両方の意見を聞くことができた。それらの意見を踏まえ、他市の取り組みも参考にしながら、公園での喫煙についての考え方を検討していきたい」と話す。市は、今年度中に公園内の受動喫煙対策や、たばこの火による安全性などの課題を検討し、パブリックコメントなどを経て、来年度には方針を決めていくとしている。


(2024.6.15)
 副知事が喫煙で懲戒処分 庁舎内は禁煙なのに週5回から8回程度加熱式たばこを吸う 岐阜県
ヤフーニュース(メーテレニュース) 6月5日
 禁煙となっている岐阜県庁の庁舎内で喫煙していたとして、副知事に懲戒処分です。
 けん責の懲戒処分となったのは、河合孝憲副知事(66)です。
 県によりますと河合副知事は、2020年4月から今年2月初めまでの間、週に5回から8回程度、副知事室で加熱式たばこを吸っていました。
 健康増進法の規定で現在県庁の敷地内は禁煙になっています。
 河合副知事は「副知事の業務が忙しく時間的余裕がない状態になり、副知事室で喫煙するようになった」と話しているということです。
 岐阜県では今年3月、防災課の課長級の職員2人が庁舎内で喫煙したとして懲戒処分を受け、県は職員約5500人に対し庁舎敷地内での喫煙についてアンケートを行いました。
 その結果判明したもので、河合副知事以外にも喫煙していた18人の職員が訓告や厳重注意などとなっています。


(2024.5.30)
 加熱式たばこのリスク知って 医師が訴え
中日新聞しずおかWEB 5月29日
 浜松市の医療関係者らでつくる「こどもをタバコから守る会」は、加熱式たばこのリスクなどを周知するパンフレットを作成した。31日の世界禁煙デーを前に、同会の代表で医師の加藤一晴さん(64)が、市役所で禁煙の重要性を訴えた。
 パンフレットでは、加熱式たばこにも紙巻きたばこと同様に、ニコチンをはじめとした有害物質が含まれていることなどを説明。加熱式たばこの受動喫煙が及ぼす影響について調べた日本の研究グループによる研究結果も紹介した。(後略)


(2024.5.30)
 「たばこは有害、若者を守ろう」 仙台でフォーラム 禁煙学会理事長が講演
河北新報ONLINE 5月27日
 禁煙と受動喫煙対策について考えるフォーラムが26日、仙台市青葉区の藤崎一番町館であった。日本禁煙学会の作田学理事長が講演し、若者の喫煙対策や加熱式たばこの危険性などを解説した。
 作田氏は、若者の喫煙は強い依存体質になると指摘。「若者を守るため製品を売り込むたばこ産業の活動を止めさせなければならない」と述べた。
 加熱式たばこに関して、依存症と受動喫煙が発生するのに「安全と思い込む人が多い」と警告。吸い殻のフィルターがマイクロプラスチックとなって海を汚染しているとも説明した。
 フォーラムは、31日の世界禁煙デーに合わせてNPO法人禁煙みやぎ(角田市)が開催。市民ら約80人が参加した。31日から6月6日まで受動喫煙防止を呼びかける「イエローグリーンキャンペーン」が実施され、県医師会館(仙台市青葉区)などが夜間に黄緑色のライトで照らされる。


(2024.5.30)
 アメリカ「メンソールたばこ禁止」に踏み切る理由 これまでにない「厳しい規制」に評価の声も
東洋経済 ONLINE 5月30日
(The New York Times 2022年5月12日)
アメリカ食品医薬品局(FDA)は4月28日、メンソールたばこの国内販売を禁止する方針を示した。公衆衛生の専門家からは、過去10年以上にわたる政府のたばこ規制の中で最も有意義な取り組みだと評価する声が上がった。
とくに影響を受けると考えられるのが、黒人の喫煙者だ。政府の調査によると、メンソールたばこを吸う人の割合は黒人の喫煙者では85%近くと、白人の29%を大きく上回る。
アメリカには依然1850万人の愛煙者たばこは合法的に入手できる嗜好品の中でも、とりわけ有害な製品の1つだ。メンソールたばこの販売禁止が喫煙そのものの減少につながれば、慢性疾患や寿命の短縮といった健康被害を大幅に減らせる可能性がある。
メンソールたばこは、ミントから抽出したり実験室で合成したりした化学物質を添加することで、刺激を抑え、吸い心地を向上させた商品。約800億ドルに上るアメリカのたばこ市場の3分の1を占め、アメリカには約1850万人の愛煙者がいる。
ハビエル・ベセラ保健福祉長官は、メンソールたばこを禁止できれば「子どもが将来、喫煙者となるのを防ぎ、成人の禁煙を促すのにも役立つ」と語った。黒人の喫煙関連死も大幅に減らせるという。

たばこ業界はロビーイングによって激しい抵抗を繰り広げていた。メンソールたばこでアメリカ最大の販売シェアを持つレイノルズの親会社ブリティッシュ・アメリカン・タバコの最高マーケティング責任者キングズリー・ウィートンは、たばこのリスクを下げるにはメンソール禁止よりも有効な手法がいくつもとあるというのが同社の見解だと語った。
公衆衛生の専門家らは、メンソールたばこは黒人向けに積極的なマーケティングが展開され、深刻な健康被害を生んでいると指摘している。アメリカ疾病対策センター(CDC)によると、アメリカでは黒人男性の肺がん率が最も高い。
アメリカ黒人地位向上協会(NAACP)会長のデリック・ジョンソンは、今回の禁止提案を「正義の勝利」と呼んで評価した。
「メンソールたばこは、私たちの子どもたち、親たち、兄弟姉妹たちを殺し、生活を破壊してきた」と、ジョンソンは声明で述べた。「メンソールたばこという死の嗜好品と何十年にもわたる戦いを繰り広げてきたアメリカの黒人にとって、今日は勝利の日だ」。

ティーンの喫煙の入り口にも
喫煙率はパンデミックが原因で2020年に微増となったものの、全体としては過去20年にわたり減少傾向をたどっている。それでも、喫煙が原因で死亡する人は毎年48万人と推計され、喫煙を始める人の間ではメンソールたばこの人気が高い。ティーンエイジャーの喫煙者の約半数が、メンソールたばこを吸っているという調査結果もある。
そのため、メンソールたばこを市場から排除できれば、喫煙率のさらなる引き下げにつながると期待されている。
メンソールたばこを禁止したカナダの経験がアメリカにも当てはまるとすれば、130万人が喫煙をやめ、潜在的に何十万人という人々が喫煙で寿命を縮めなくてすむようになると、国際たばこ規制政策評価プロジェクトの主任調査官ジェフリー・フォンは語った。
メンソールたばこの禁止は「避けられる死や病気の最大の原因となっている喫煙を減らすうえで、極めて画期的な政策となる可能性を秘めている」という。
メンソールの電子たばこ(加熱式たばこ)は今回の禁止対象には含まれないが、FDAは現在、販売継続を許可するかどうかを見極めるため、アメリカで販売されている全ベイピング製品の調査を進めている(ベイピング製品の販売が開始された当初、FDAには同製品に対する規制権限がなかった)。
メンソールたばこ販売禁止の骨子は、5月4日の連邦官報で規制案として公開され、その後少なくとも60日間にわたり一般から意見を募ったうえで最終案となる。意見公募の結果、修正が施される場合もある。FDAはまた、6月に一般からの意見を聴取する場も設ける予定だ。
メンソールたばこの禁止には、少なくとも1年を要するとみられている。たばこ会社は規制に反対して訴訟を起こす公算が大きく、そうなれば法廷闘争が長引き、販売禁止がさらに遅れる可能性もある。
アメリカのメンソールたばこ販売で約9%のシェアを持つフィリップモリスUSAの親会社アルトリアの広報担当者は、メンソールたばこを禁止すれば、監督が行き届かない闇市場で違法に取引されるようになり、不幸な健康被害をもたらすと警告した。

圧力をはねのけて規制を強化
アメリカ肺協会で啓発・政策提言活動を担当するエリカ・スウォードは、規制の草案を読み込んだうえで、強力な規制のように思われると評価した。同草案では、フレーバー付きの小さな葉巻(シガリロ)も禁止対象になっている。「規制案を弱めようとする試みが避けられなかった中で、そうした圧力をはねのけたことは特筆に値する」と、スウォードは語った。
ホワイトハウスの記録からは、アメリカ心臓協会やアメリカ小児科学会など、メンソールたばこの販売禁止を支持する団体との会合がここ最近、何度か行われていたことが確認できる。
一方、アメリカ税制改革協議会やタックス・ファンデーションといった経済団体は、メンソールたばこの販売を禁止すれば、連邦税と州税を合わせて1年目で66億円もの税収減になると、ホワイトハウスの当局者を牽制した。
FDAは今回の発表で、「喫煙者個人によるメンソールたばこ、またはフレーバー付き葉巻の所持、使用を禁じることはできないし、禁じることもない」と明確に述べている。
(執筆:Christina Jewett記者)


(2024.5.27)
 国民向け小冊子『禁煙は愛』2024年版並びに東京タワーライトアップイベントについて/日本医師会プレスリリース
日医 on-line 5月15日
 黒瀬巌常任理事は5月15日、記者会見を行い、このほど、国民向けの小冊子『禁煙は愛2024年版』が完成したこと並び5月31日の世界禁煙デーに併せてイベントを行うことを明らかとした。
 『禁煙は愛』は、国民の生命と健康を守る立場から広く国民に禁煙を呼び掛けるため、2017年にその初版を制作したもので、これまでに2回にわたって改訂を行ってきたが、多くの医療機関で配布頂くばかりでなく、多数の企業で社員の禁煙教育などで活用してもらっている。
 今回完成した2024年版では、特に近年、若年層の間で煙が出ないために、害はないとの誤解から主に加熱式たばこと電子たばこといった新型たばこを使用する方が増えていることを踏まえ、その害を知って頂くため、新たな項目として「禁煙は未来への愛」を設けてページ数を増やし、その内容を充実させた他、全体の見直しを行い、従来の内容についても最新の知見を盛り込んで制作。希望する会員医療機関に1施設当たり10冊ずつ差し上げている他、日本医師会ホームページにはPDFデータを掲載している。
 黒瀬常任理事は「若いうちから喫煙を始めてしまうと、がんや虚血性心疾患などの危険性が高まるばかりでなく、喫煙が習慣化し、新型たばこから紙巻きたばこの喫煙に移行してしまう方も多い」と指摘。ぜひ、本冊子を活用することで禁煙を進めて欲しいとするとともに、マスコミにも注意喚起に対する協力を呼び掛けた。
 一方、イベントについては、スポーツ団体として受動喫煙防止に取り組んでいる日本サッカー協会様の協力を得て、東京タワーのライトアップイベントを行うことになったことを報告。イベントは、新型たばこを含む喫煙による健康への影響や受動喫煙防止の必要性について、啓発することを目的として行うものであるとするとともに、当日は日本サッカー協会の宮本会長と本会の松本会長によるトークセッションの他、東京タワーをイエローグリーンにライトアップする点灯式を行うことを明らかにした。
 また、同常任理事は、イエローグリーンという色について、「この色には『受動喫煙をしたくない、させたくない』という思いが込められており、例年各地でもライトアップや啓発活動(イエローグリーンキャンペーン)が行われており、今回のイベントもこのキャンペーンに賛同する形で行うものである」と説明。当日の模様は、日本医師会の公式YouTubeチャンネルでもライブ配信する予定であるので、ぜひ多くの方に視聴して欲しいとした。
 なお、日本医師会では今回のイベントの他、禁煙週間である5月31日から6月6日までの期間に東京タワーのフットタウン2階の通路スペースにおいて、禁煙に関する啓発展示も行う予定となっている。


(2024.5.27)
 世界禁煙デー前に松山でパレード 健康被害や受動喫煙
の影響訴え(愛媛)
愛媛新聞オンライン 5月19日
 31日の世界禁煙デーを前に、NPO法人禁煙推進の会えひめ(愛媛県松山市、松岡宏会長)の会員や学生ら約30人が19日、松山市中心部の商店街をパレードし、買い物客らに禁煙推進や受動喫煙の危険性を訴えた。
 新型コロナウイルスの影響で5年ぶりの開催。今年のテーマは「子どもたちをタバコの魔の手から守ろう!」。
参加者は松山三越前(大街道2丁目)を出発し、喫煙による健康被害や受動喫煙の影響を紹介するパネルを手に「タバコと無縁(無煙)の社会で子どもを育てよう」などとアピールしながら行進した。


(2024.4.24)
 たばこ一箱4200円のイギリス、2009年生まれ以降への紙巻きたばこ販売が禁止へ 今年後半にも法案成立か
ABEMA TIMES 4月24日
イギリスで2009年以降に生まれた人が生涯にわたってたばこ製品を買えなくなる、という法案が今年中にも成立する見通しだという。

世界で最も厳しくたばこを規制する国になるのか? イギリスのたばこ事情も含め、ANNロンドン支局の佐藤裕樹記者に聞いた。

━━イギリスでは禁煙のエリアが多いのか?

「建物の中は基本的に禁煙だ。だが、屋外では喫煙OK、カフェのテラス席などでも問題なく、屋外での歩きたばこもよく見かける」

━━法案提出の経緯は?

「きっかけは去年10月にスナク首相が発表した『今たばこを吸えない世代に、生涯たばこを売らないことを目指す』とする政策であり、16日に下院で与野党が賛成して可決され、下院の中で次のステップに進んだ。今後、下院で修正が加えられる可能性があるが、与野党が賛成していることもあり、下院での最終的な採決や上院での採決などを経て、この法案は今年後半にも成立するとみられている」

━━法案が成立すれば、2009年生まれ以降への販売が禁止されるのか?

「2007年までは16歳からたばこを買うことができたが、現在は18歳以上にたばこを販売している。これを2027年以降、毎年1歳ずつ引き上げて、2009年以降に生まれた人が18歳になっても、生涯たばこを買えないようにしようとしている。ちなみに現在、紙巻きたばこは1箱20本入りで、22ポンド。日本円でおよそ4200円。高額であるため、多少安い自分で紙を巻いて作る手巻きたばこが人気だ」

━━イギリスのたばこのパッケージはどのようなものか?

「たばこの銘柄によって、パッケージの色が違うのではなく、統一されている。さらに、たばこのパッケージのデザインに明るい色の使用が禁止され、“世界で最も醜い”とされる色で統一されている。心臓や肺に穴が開いたようなイメージ写真もつけられており、パッケージからたばこを吸いたくならないように工夫されている」

━━今回の法案は、あくまで販売の禁止であり、吸うことはできるのか?

「2009年以降に生まれた人たちへの販売禁止であり、たばこの所持や喫煙は違法ではない。他国で合法的にたばこを購入し、それをイギリスに持ち帰ることも認められている。一方、合法的に買える年代の人が、代わりに買ってあげることは犯罪となる見込み」

━━なぜ、紙巻きだけを対象にするのか? パイプや電子タバコは?

「まずは紙巻きたばこからスタートし、今後、電子タバコなども規制の対象が広がる可能性もある」

━━そもそもイギリスのたばこ事情は?

「実は、喫煙者の数は減少傾向にある。2022年の地点で紙巻きたばこの喫煙者は18歳以上の12.9%であり、過去10年で3分の2ほどになっている。ただ電子たばこも含めた喫煙率は、体感としてはもっと高い」

━━法案はスナク首相肝いり政策とのことだが、なぜ力を入れている? たばこを将来的にどうしたいのか?

「とにかく喫煙者の数を減らしたい、若者がたばこを始めることを阻止したいという考えだ。原因の一つは、医療崩壊。イギリス政府は、喫煙が積み重なったことを起因とした病気によって、医療機関を受ける人が多いとして、喫煙が医療のひっ迫の要因の一つと指摘している。イギリス政府は『30歳になる前に辞めた人は、寿命が10年延びると推定されている』とも指摘している」

━━反対の声は上がっているか?

「販売が禁止されることで、たばこの闇市場を生み出すという懸念もある。さらに、トラス前首相などは人権の問題を指摘していて、『たばこを買うか買わないか選択できる権利を奪う』などと主張している。『店頭での年齢確認が面倒になる』という声もある」

━━たばこ農家、工場など雇用への懸念は?

「業界団体は、将来の販路を失うわけで、当然反対している」


(2024.4.18)
 英国が2009年生まれ以降への「タバコ販売禁止」へ、法案可決
Forbes JAPAN 4月17日
英国下院は4月16日、2009年以降に生まれた人へのタバコの販売を禁止する法案を可決した。スナク首相は、英国に「喫煙のない世代」を作るために、保守党の反発を浴びつつこの法案を推し進めた。

383対67の賛成多数で承認されたタバコ・ベープ法案(Tobacco and Vapes Bill)は、2009年1月1日以降に生まれた人へのタバコ製品の販売を禁止するものだが、タバコの所持や喫煙を全面的に禁止するものではない。

現在、合法的にタバコを購入できる人はこの法案が成立しても影響を受けないが、その年齢は、18歳から毎年1歳ずつ引き上げられる。

この法案はまた、電子タバコを含むニコチン製品のマーケティングやパッケージングを規制し、子どもにとって魅力的でないものにするための規定が含まれている

保守党は57票の反対票が投じたが、全体では178人がこの法案に賛成した。左派の労働党の議員らはこの法案に賛成した。

英紙ガーディアンによると、この法案は年齢や小売店の免許要件などの点で修正が加えられる可能性が高い。上院はこの法案を6月に採決し、最終承認を得る見通しだ。

ボリス・ジョンソン元首相は、この法案が「絶対におかしい」と述べ、保守党が「葉巻の禁止」を検討していることが「狂っている」と主張していた。リズ・トラス前首相(スナク首相の前任者)は、この法案が人々の自由を制限すると述べていた。

英国政府はこの法案を提案するにあたり、複数の医療関係者や団体からの支持を挙げていた。英国のニール・オブライエン公衆衛生相は昨年、この法案が「子どもたちの世代をタバコにまつわる害から守るものだ」と述べた。英国癌研究所のイアン・ウォーカー事務局長は、この法律が「タバコのない最初の世代を作るための重要な一歩」だと主張した。YouGovによる10月の世論調査では、英国人の29%が即時の喫煙の全面禁止を支持し、33%は段階的な禁止を支持していた。

国家統計局によると、英国人口の約12.9%にあたる640万人が喫煙者とされている。米国では成人の約11.5%(2830万人)が喫煙者とされている。

スナク首相は昨年、ニュージーランドで同様の法律が導入された数カ月後にこの法案を提案した。他の国々でも近年、厳しい禁煙法が施行されており、ポルトガル政府は昨年5月、2040年までに「タバコのない世代」を作るために、公共の場での喫煙禁止を拡大し、タバコの販売を制限する計画を発表した。
forbes.com 原文)


(2024.4.16)
 受動喫煙、特有の遺伝子変化でがん悪化か 煙による炎症で
毎日新聞 4月16日
 受動喫煙が引き起こす肺がんのメカニズムの一端を明らかにしたと、国立がん研究センターなどのチームが16日発表した。喫煙者とは異なるタイプの遺伝子の変異が肺にたまり、がんの悪性化を促進している可能性があるという。

 受動喫煙は、肺の末梢(まっしょう)にできる肺腺がんを誘発しやすいことが知られていたが、メカニズムはわかっていなかった。

 チームは、同センター中央病院(東京都中央区)で肺腺がんの手術を受けた主に50代以降の女性で、非喫煙者(291人)と喫煙者(122人)の計413人について、切除したがんのゲノム全体の変異数やその特徴を調べた。

 すると、非喫煙者291人のうち、受動喫煙があった213人と受動喫煙がなかった78人を比べると、あった人の変異の割合が有意に高かった。

 変異のタイプを調べると、「APOBEC型」と呼ばれる変異の割合が、受動喫煙があった人は15・6%あり、なかった人(7・32%)に比べて目立った。

 一方、喫煙者では「たばこ型変異」と呼ばれる、たばこに含まれている発がん物質による直接的な変異がほとんどだった。

 APOBEC型は、たばこの煙を吸って起こる炎症に伴ってできる変異。肺にたまると、初期のがん腫瘍ができた際、悪性化を促進することが過去の研究でわかっていたが、実際の患者でわかったのは初めてという。

 記者会見した国立がん研究センターの河野隆志ゲノム生物学研究分野長は「女性だけに限ったのは受動喫煙の環境を合わせるためだが、男性でも同様のことが言えると考えている」と話した。

 成果は、2月19日に国際専門誌「ジャーナル・オブ・ソラシック・オンコロジー」に掲載された。【渡辺諒】


(2024.4.16)
 アオキスーパーnews|5月に事業所内禁煙、たばこ販売も’24年度に全店で中止
商人舎 流通スーパーニュース 4月15日
(株)アオキスーパー(愛知県名古屋市、青木俊道社長)は5月から全事業所内を全面禁煙とする。また5月から店頭でのタバコの取り扱いを順次中止し、2024年度中に全店で販売を中止する。

すでに同社では2020年4月の健康増進法の改正以降、受動喫煙の防止を図るために、店頭灰皿の撤去や喫煙所の廃止を実施している。

同社では一店舗当たりのタバコの販売金額は過去20年で1/4程度にまで縮小している。タバコを継続販売することで得られる収益より、販売を中止することで、地域住民の健康増進につながることを優先した。


(2024.4.5)
 ドイツで嗜好目的の大麻使用解禁 大麻所持と栽培可能に
FNNプライムオンライン 4月2日
 ドイツで1日、嗜好(しこう)用の大麻使用が合法化された。新しい法律では、18歳以上の成人は乾燥大麻を公共の場で25グラム所持できるほか、自宅で大麻草を3株まで栽培できる。
 一方で、大麻の売買は禁止されたままで、自宅での栽培か認可を受けた非営利団体を通じてのみ、大麻を入手することができる。
 ドイツ当局は、流通を管理することで、未成年者の消費防止や闇市場での取引撲滅につながると説明をしている。
 ただ、合法化により若年層の消費拡大を懸念する声も上がっていて、一部の専門家は精神障害の発症リスクが増大する可能性があると指摘している。


(2024.4.5)
 喫煙者がタバコを吸う目的…「かっこいいから」「コミュニケーションの一環として」「習慣だから」を超えた1位は?
まいどなニュース 2014年3月29日
 喫煙者のみなさんは、どのような目的でタバコを吸っているのでしょうか。株式会社NEXER(東京都豊島区)と日本製加熱式スティックの『The Third』が共同で実施した調査によると、最も多かったのは「ストレス解消や気分転換として」でした。また、タバコを選ぶ際に重視している要素は「吸いごたえ」や「味」などに回答が集まったそうです。

 調査は普段タバコを吸っている・過去に吸っていた全国の男女467人を対象として、2024年3月にインターネットで実施されました。

 タバコを吸う目的としてもっとも当てはまるもの(提供画像)
  まず、「タバコを吸う目的としてもっとも当てはまるもの」を、1つだけ選んでもらったところ、全体の66.4%が「ストレス解消や気分転換として」と回答。次点は「習慣だから」(24.4%)となりました。また、「コミュニケーションの一環として」(3.9%)、「かっこいいから」(1.5%)と続きました。

 回答者からは、「考え事ができるから」(30代男性)、「気分がリラックスするから」(30代女性)、「気持ちが切り替わるから」(30代女性)といったコメントのほか、「息抜き、間のつなぎ、コミュニケーション、日課でと様々あるが、一言で言えば中毒」(40代男性)、「長年吸っており、習慣化しているから」(30代女性)などの声も寄せられました。

【「ストレス解消や気分転換として」を選んだ人】どういった要素を重視してタバコを選んでいるか(提供画像)
 次に、タバコを吸う目的として「ストレス解消や気分転換として」を選んだ310人に、「タバコを選ぶ際に重視している要素」を尋ねたところ、「吸いごたえ」(35.5%)や「味」(30.6%)に回答が集まりました。

 それぞれの回答理由については、「吸った気分をきちんと味わいたいから」(20代女性)、「吸いごたえが無ければ吸ってないのと一緒」(30代男性)、「美味しい方がいいから」(30代女性)、「味が大事」(40代男性)などの声が寄せられています。

 「習慣だから」を選んだ人】どういった要素を重視してタバコを選んでいるか(提供画像)
 他方、「習慣だから」を選んだ114人にも同様に尋ねたところ、こちらも「吸いごたえ」(32.5%)と「味」(30.7%)が上位を占め、タバコを吸う目的によって、タバコを選ぶ基準が大きく変わることはないことがうかがえる結果となりました。
   ◇  ◇
【出典】
 ▽日本製加熱式スティック『The Third』
 https://the3rdfree.com/


(2024.4.5)
 岸博幸氏、米NYのたばこ価格に驚愕「この値段なら禁煙できるかも
日刊スポーツ 4月2日
元内閣官房参与で慶大大学院教授の岸博幸氏(61)が2日、X(旧ツイッター)を更新。米ニューヨークで販売されているたばこの価格に驚きをつづった。

岸氏は「ちょっと用事があって久しぶりにNYに来たら、タバコが高いとこで1箱20ドル(3,000円)、安くても16ドル!」と、物価高騰が続く米国の現状に悲鳴をあげ、「あらゆるものの値段が日本より凄まじく高いけど、このタバコの値段には腰抜そうになった。この値段なら禁煙できるかも。。。」とつづった。

愛煙家の岸氏だが、昨年7月に多発性骨髄腫を公表し、退院後の同11月には「やっと今日、1週間の入院が終わって退院できたけど、退院してタバコを吸ったら胸が苦しい。。。」と吐露。「8月の抗がん剤の時はなかった症状。新しい治療で使い出した注射&薬が強いのか、タバコとの食い合わせが悪いのか。。。しかしタバコは止められないし、、、悩ましい」と心境を明かし、フォロワーから「タバコやめましょうか」「タバコは百害あって一利なしですよ!ご自愛ください!」などと心配する声が寄せられていた。


(2024.4.5)
 「タバコが切れてイライラ」包丁ちらつかせタバコ8箱奪う 強盗容疑などで53歳の自称派遣社員の男逮捕
TBS NEWS 3月29日
きのう、埼玉県朝霞市のコンビニエンスストアに包丁を持った男が押し入り、タバコ8箱が奪われた強盗事件で、警察は近くに住む53歳の男を逮捕しました。

この事件はきのう午前4時半すぎ、朝霞市膝折町の「ローソン朝霞膝折町一丁目店」に男が押し入り、男性店員(25)に対して包丁をちらつかせるなどして脅したうえ、タバコ8箱が奪われたものです。

警察は強盗事件として捜査していましたが、きょう、コンビニの近くに住む自称・派遣社員の安藤光成容疑者(53)を逮捕しました。

警察によりますと、安藤容疑者は店員に対し、緊急時などに押す非常ボタンを出すよう求めましたが、店員から「非常ボタンは固定されているので出せない」と拒否されると、上着の中に隠し持っていた包丁の柄の部分をちらつかせ、タバコ8箱を奪って逃げたということです。

取り調べに安藤容疑者は「包丁で店員を脅してタバコを奪った」「タバコが切れてイライラしてやった」と容疑を認めているということです。image.png


(2024.3.19)
 新幹線車内「100%禁煙」が実現 消えゆく昭和の記憶、日本で唯一残る“喫煙OK”の鉄道路線とは
ENCOUNT の意見 3月17日
「近年の健康増進志向の高まりや喫煙率の低下を踏まえて」

2024年春から、鉄道での旅行中にたばこをたしなむことはほぼ不可能になりそう。3月16日のダイヤ改正で、東海道・山陽・九州新幹線から喫煙ルームが全廃になり、列車内での喫煙スぺースが国内からなくなる。そこには「時代の流れ」けで片づけられない事情も見え隠れする。(取材・文=大宮高史)
JR東海・西日本・九州の3社は2024年春のダイヤ改正で、運行する東海道・山陽・九州新幹線に残っていた車内喫煙ルームを全て廃止する。3社の主力車両のN700系は座席は全席禁煙としながらも、車内デッキに喫煙ルームを設けて喫煙客のニーズに応えていた。同時に500系(JR西日本)の喫煙ルームも撤去して、東京から鹿児島中央までの全線・全列車での禁煙化が実現する。駅ホームの喫煙所での喫煙は可能が、列車に乗ってから降りるまで喫煙は一切不可能になった。
「近年の健康増進志向の高まりや喫煙率の低下を踏まえて、車内の喫煙ルームを廃止することにしました」(JR東海広報室)というのが、今春の車内全面禁煙化の趣旨である。

すでにJR他線の新幹線と在来線特急では車内の喫煙ルームもなくなっていて、今春をもって国内新幹線の車内全面禁煙化となった。私鉄でも、唯一喫煙ルームを設けていた近鉄が「ひのとり」など各特急車両で3月1日からルームを撤去し、全面禁煙化に踏み切った。

残る例外は、東京〜出雲市・高松間を走行する寝台特急「サンライズ出雲・瀬戸」で、全14両編成のうち6号車・13号車の1人用B寝台個室の全室、4号車と11号車のA寝台個室とB寝台2人用個室の半数が喫煙可能になっている。それ以外の普通・特急・快速など全列車から、喫煙席も喫煙スペースも姿を消した。

昭和の時代には普通列車も特急や急行も、灰皿があって車内の喫煙が当たり前ったが、新幹線では1976年に初めて禁煙車が登場。この時は16両編成中の1両のみ、しかも『こま』運用でのみったが、以後世の中の禁煙化にともなって拡充されていく。平成後期には、既存車両の喫煙車も改修して禁煙化を進めることが当たり前になった。

JR東日本は17年前に全面禁煙化

全面禁煙化はJR東日本が先行し、2007年春に東北・上越など同社の各新幹線と、夜行列車を除く特急の全面禁煙化を達成。以後の車両には喫煙ルームも設置しておらず、その後延伸していった北陸新幹線・北海道新幹線でも同様在来線特急でも、2010年代のうちに夜行列車以外のJR各社で全面禁煙になった

流れを加速させたのは03年施行の健康増進法である。受動喫煙の防止を各業界の事業者に義務付け、鉄道各社でも乗客と従業員の受動喫煙対策としての禁煙化が加速した。

他方で東京から西に向かう東海道・山陽新幹線では喫煙車が残り、07年導入のN700系で初めて全車両を禁煙席とした上で、デッキに喫煙ルームを設けた。九州新幹線でも山陽新幹線に直通するN700系7000番台の『さくら』『みずほ』で喫煙ルームを設けていたが、今春に全廃する。

なぜ、他社での全面禁煙化後も喫煙車と喫煙ルームを残していたか。JR東海はこの点を「東海道新幹線をご利用のお客様の中には、一定程度の喫煙者がいらっしゃったため、2007年7月のN700系デビュー以来、喫煙ルームを設置していました」と説明する。

喫煙サービスを残していた路線列車は、東海道新幹線にせよ近鉄特急にせよ、ビジネス需要が多く、観光地よりも大都市同士を連絡する役割本数の多い路線も担っていたであったことが特徴でもある。東京から博多にかけては航空路線との競合も激しく、喫煙ユーザーへの配慮で喫煙車を残してきた。航空路線は2000年代初頭までには禁煙化が達成されていたので、差別化するメリットはあった。

確かにたばこが吸えるからとJRより近鉄を選ぶユーザーも一定数いたものの、その数は少数でしたし、結局は時代の流れにあらがえなかったということでしょう」。こう推測指摘するのは鉄道・交通ライターの新田浩之氏。「中高年のビジネスマンとなるとたばこが吸えるのが当たり前の時代を生きてきていますし、行楽・ファミリーでの移動とは違うニーズに応える必要もありましたが、世の中の禁煙化はこれからも進むでしょうからサンライズ瀬戸・出雲の喫煙個室もいまで継続できるか分かりません」

健康増進法は東京五輪を控えた20年4月に改正案が施行され、受動喫煙対策がさらに強化。公共交通機関は原則車内全面禁煙となったことも、今春の決定に影響していそう

廃止した喫煙スペースを転用して新しいビジネスを始める試みも始まっている。JR東海でも、N700Sの7・8号車デッキ部の喫煙スペースを撤去し、ワーキングスペースとして使えるビジネスブースを22年春より導入している。ブースの利用は有料時間制で、空間を遊ばせておくよりも収益になるというわけ今後はこの編成中間部のビジネスブースと別にに加え、3号車・10号車・15号車の喫煙スぺースを災害時の非常用飲料を配備するスペースに転用していく。

東海道新幹線では昨年10月に車内ワゴン販売を全廃、山陽新幹線でもこの3月16日改正でグリーン車を除いて全廃が決まっている。こうなると自動販売機もない車内での緊急時の飲食物確保に懸念が残るゆえ、喫煙ブースの転用は周到に考えられたといえよう。“コスパ・タイパ”にも厳しい時世、輸送サービスにおいて、喫煙ニーズに応えることはもはや末席レベルの優先度になってしまったよう

全面禁煙化での影響にいて、JR東海は利用者から特別の反応はなく、喫煙客に向けては「駅の喫煙ルームの場所にいて、当社ホームページや各駅でのご案内を強化しております」と取材に答えている。愛煙家にとっては、余裕を持って駅に着いてホームや構内にある喫煙所でくろぐ、これが旅のスタンダードになりそう。大宮高史


(2024.3.19)
 岐阜県 禁煙の庁舎内で加熱式たばこを吸った職員2人を戒告処分
CBCニュース 3月12日
11日、岐阜県は庁舎内の一室で加熱式たばこを吸った職員2人を戒告処分にしたと発表しました。

11日付けで戒告の懲戒処分を受けたのは、いずれも危機管理部防災課で課長級の54歳と62歳の男性職員です。

岐阜県によりますと、54歳の男性職員はことし1月中旬ごろから先月7日ごろにかけて1日3回程度、62歳の男性職員は去年8月中旬ごろから12月末にかけて週に1、2回程度、ことし1月1日から先月7日ごろにかけては1日5、6回程度、庁舎内のモニター室で加熱式たばこを吸っていたということです。

岐阜県庁の敷地には喫煙所がなく、それぞれの職員は県の聞き取りに対して「能登半島地震の災害対応で長時間席を離れられなかった」「雨で外に出るのが億劫った」などと話しているということです。


(2024.3.19)
 ドイ、大麻を嗜好品として承認へ 合法化は9カ国目 最大3株まで栽培可能
ロイター 2月24日
ドイ連邦議会は23日、嗜好品としての大麻の使用を限定的に認める法案を可決した。個人消費用に最大3株の栽培と、最大25グラムの所持が認められる。


(2024.3.19)
 大場久美子「家を出ました」と報告「たばこの受動喫煙」が理由で家族、愛犬とも離れホテル住まい
スポニチアネックス 2月29日
 女優で歌手の大場久美子(64)が28日、自身のYouTubeチャンネルを更新し、家族と別居をしていることを明かした。

 大場は「家族と別居しています。私の今後にいて。」と題した動画を公開。「実はタイトル通り、家を出ました」と報告。理由にいて「主人と結婚してから住んでいるマンションで、アレルギーを起こすようになりました。2回くらい呼吸困難で救急車で運ばれました。最初の頃ですね…すごく大きかったのは。パニック障の経験もあるので『パニック発作なのかな?』って思ったんですけど、実はアレルギーったという」と明かした。

 10年くらいアレルギー科に行き薬をもらって飲んでおり、その原因にいて「たばこの受動喫煙。たばこを吸ったときに出る煙の中のアレルギー物質の中の何かに反応しているのかもしれない」と説明した。

 副流煙は、マスクや空気清浄機でも防げず、24時間ずっと鼻の奥に痛みを感じており、心拍数や血圧も上がっり湿疹が出たりしてしまったという。自宅の換気扇のそばに行くと、外からの副流煙の影響が出てしまうものの、家族には何の症状も出ず、大場けなことから周囲の理解を得ることが難しかったという。

 近頃は呼吸困難で目が覚めることもあり、マンションのエントランスの副流煙が来ない場所に段ボールを敷いて避難することもあったという。管理会社の理解を得てテントや寝袋も購入して寝ていたが、さすがに寒さに耐えられなくなり、マンションを離れることを決断したという。

 夫の職場が近いことと、年老いた愛犬が現在の家に慣れていることから、家族での転居は考えず。現在は老犬2匹の世話をしに数時間自宅に戻りながら、ホテル住まいをしていると言う。「この先のことはまわかりません」としながらも、自宅から出たことで症状が軽くなってきて薬も飲まないで過ごせるという。「どんどん元気になっておりますので、突然皆様にご心配をかける動画となりましたが、元気にそれぞれ頑張っておりますので、これからも応援していたけたらうれしいです」と語った。


(2024.2.26)
 禁煙政策はいかに心臓発作を減らしたか シンガポール
Science Portal ASEAN 2月5日
シンガポールでは2013 年の禁煙拡大政策により心臓発作が減少した。これは、デューク大学-シンガポール国立大学医学部 (Duke-NUS Medical School)の研究者による分析により分かった。

喫煙は心疾患などの血管関連疾患の主要なリスク要因である。受動喫煙であっても、これらの病気を発症するリスクは高まる。逆に、禁煙をし、または喫煙者に近づかないことで血管関連疾患のリスクは減少し、時間の経過とともに非喫煙者と同じレベルまでリスクが低下することもある。

このため、多くの国が禁煙法を制定するようになった。 心臓発作に対する喫煙の影響は、量に応じて高くなることが知られている。したがって、禁煙は喫煙者だけでなく、非喫煙者にとっても煙への曝露が減少するため有益である。

シンガポールの喫煙規則は最も厳しく、頻繁に更新されている。2013年、国は廊下や階段など住宅の公共スペースにも禁煙を拡大した。2016年には禁煙が公園や貯水池にも拡大された。2017年には、別の法律によりタクシー、民間バス、教育施設にも規制が拡大された。

これらはプラスの効果を意図した動きだったが、禁煙スペースを拡大することで公衆衛生上の利点が向上するかどうかは明らかではなかった。これを明らかにしようと、研究者たちはシンガポールの禁煙法がシンガポール人の心臓発作の発生率に及ぼす影響を調査した。

研究者たちは研究結果をBMJ Global Health誌に発表し、心臓発作の数が2010年から2019年の間に減少したことを明らかにした。デューク大学-シンガポール国立大学医学部の疫学者で、この研究の責任著者であるアイク (Aik) 氏は「禁煙法は65歳以上の人々、特に男性に利益をもたらしました」と語った。

研究チームがシンガポール心筋梗塞レジストリの心臓発作例の月次報告を分析したところ、2013 年の法律は保護効果があることが分かった。2013 年の法律が制定される前は、心臓発作の発生率は毎月100万人あたり0.9例ずつ増加していた。2013 年の法律の施行後、心臓発作の発生率は相変わらず増加を続けていたが、毎月の増加は 100 万人あたり 0.6 例であり、程度は低くなった。

チームは、2013年の法律がなかったら、さらに2万1,000例近くの心臓発作が発生し、そのうち93%が65歳以上だろうと試算した。対照的に、2016年の法律による禁煙拡大の後は、保護効果は得られなかった。

2017 の法律による禁煙拡大後のデータは保護効果を示したが、統計的に有意なものではなかった。しかし、その効果が年齢層や男女を問わず一貫していたという事実があることから禁止により何らかの利益が生まれた可能性が考えられる。

診断技術が向上してリスクを持つ人々を特定できるようになったというのが心臓発作の減少の理由の一つであろう。また、心臓発作は副流煙による死亡経路の1つにすぎない。さらに研究を進め、禁煙が呼吸器疾患や脳卒中などの他の心血管疾患の発症に影響を与えるかどうかを調査しなければならない。

禁煙の実施または拡大を検討している都市にとって、都市の中で最も喫煙者が集中する場所と時間を特定するための監視を実施することは重要である。アイク氏は、監視を行い、まず非喫煙者が受動喫煙にさらされる可能性が最も高い場所を集中的に禁煙エリアとすれば、リスクベースのアプローチが可能になると述べた。

禁煙や公衆衛生介入の実施には、多額の公的支出が伴う。政府は、それぞれの介入が国民の健康に利益になると思い込むべきではない。「楽観的になるのは良いことですが、意図した効果について政策を評価することが常に重要です」とアイク氏は話した。



(2024.2.26)
 健康リスクの基準“純アルコール量” 厚労省「飲酒ガイドライン」
TBS NEWS 2月20日

ビール中瓶1本の純アルコール量およそ20グラム、健康リスクはどれほどあるのでしょうか。

厚生労働省が初めて作成した「飲酒ガイドライン」では、「純アルコール量」が健康へのリスクを示す基準となります。

「純アルコール量」とは、飲んだ酒の総量にアルコール濃度などを掛け合わせたもので、ビールの中瓶1本ではおよそ20グラム。

政府は、生活習慣病のリスクを高めるとされる、1日あたり男性40グラム以上、女性20グラム以上を飲む人について減らすことを目標としています。

また、病気別では、▽大腸がんは20グラム、▽脳梗塞は男性が40グラム、女性は11グラムを超えると、それぞれ発症リスクが高まるなどとしています。



(2024.2.26)
 在宅での酸素ボンベ、たばこはダメ! 3年で15人が火災で死亡
毎日新聞ニュース 1月23日
 呼吸機能が低下した患者が在宅酸素療法の装置を利用中に火災が発生し、2021年以降の3年間で60〜90代の男女15人が死亡していたことが一般社団法人「日本産業・医療ガス協会」の調査でわかった。このうち喫煙が原因(推定含む)と判断されたのは4件あった。患者の中には喫煙の習慣を続けている人もいるとみられ、同協会は火気とは距離を置いて酸素供給装置を利用するよう呼びかけを強めている。  
 この治療法では、肺や心臓の疾患で呼吸機能が低下した患者の鼻に、酸素ボンベなどからチューブを通じて酸素を送る。「慢性閉塞(へいそく)性肺疾患」(COPD)の患者が利用することで知られ、COPD患者の大半が喫煙経験者とされる。 
 同協会によると、利用者が自宅で火災に遭って死傷する重大な事故は、03年10月〜23年11月末では103件に上り、94人が死亡していた。火災の原因は喫煙が39件(約4割)を占め、原因特定された中では最多だった。
  漏電は7件、ストーブや線香などの「その他」は16件、原因が不明だったのは41件だった。装置自体が火災の原因になったケースはなかった。協会の担当者は「治療の上でも良くないのに、喫煙を続けている人が多いのでは」としている。
  在宅酸素療法の装置を利用中に火気が近くにあると、酸素が燃焼を促して、チューブや洋服などに燃え移る恐れがある。厚生労働省は室内で装置を使う時は、2メートル以内に火が出るものを置かないよう注意を呼びかけており、担当者は「(装置の)使用経験が浅く使い方に不安がある人や、逆に慣れていて漫然と使っている人は特に注意してほしい」と話している。【高橋由衣】


(2024.1.26)
 喫煙者2030年に12億人下回る WHO推計、「良い進展」
産経新聞ニュース 1月17日
 世界保健機関(WHO)は16日、世界中の15歳以上の喫煙者が2022年に12億4500万人おり、30年には12億人を下回るとの推計を発表した。00年の13億6200万人から減少が続いている。WHOは「近年のたばこ規制で良い進展が見られる」と評価し、公衆衛生向上のため各国政府にさらなる規制を呼びかけた。

 推計によると、15歳以上の人口に対する喫煙者の割合も、22年の20・9%(男性34・4%、女性7・4%)から30年には18・1%(男性30・6%、女性5・7%)に減る見通しだ。


(2024.1.12)
  近鉄の特急列車が全面禁煙に ことし3月1日から列車内の喫煙室を廃止
CBCニュース 1月10日
近畿日本鉄道(近鉄)は、ことし3月から特急列車の喫煙室を廃止すると発表しました。

近鉄では2020年3月に特急列車の喫煙車を廃止したあとも、列車に喫煙室を設けていましたが、健康増進志向の高まりを踏まえて廃止を決めたということです。

現在、喫煙室となっているスペースの今後の活用法については未定としています。

今回の喫煙室の廃止により、近鉄の列車は全て禁煙となります。

また、駅については喫煙ルーム以外は全て禁煙となっています。

〇喫煙ルームが設置されている駅
大阪上本町、鶴橋、京都、大阪阿部野橋、布施、大和八木、生駒、学園前、大和西大寺、丹波橋、高の原、橿原神宮前、近鉄四日市、津(14駅)