(2018.9.20)
 千葉市の受動喫煙防止条例が成立 罰則付きは市町村で初めて 飲食店原則屋内禁煙に
産経ニュース 9月19日
 
 全会一致で可決された受動喫煙防止条例=19日、千葉市議会(平田浩一撮影) 
 
 従業員がいる飲食店は客席面積にかかわらず、原則屋内禁煙とする罰則付きの千葉市の受動喫煙防止条例案が19日の市議会本会議で全会一致で可決され、成立した。罰則付きの受動喫煙防止条例は神奈川県、兵庫県、東京都に次いで4例目で、市町村では初めてとなる。
 
 国の改正健康増進法に市独自の規制を加え、より厳しい規制内容とし、6月に成立した東京都の受動喫煙防止条例とほぼ同じ内容となっている。国、都に合わせ来年以降、段階的に施行され、2020年東京五輪・パラリンピック直前の平成32年4月に全面施行される。
 
 千葉市の条例は、国が客席面積100平方メートル以下を規制対象外としているのに対し、都の条例と同様に従業員がいる飲食店は、面積にかかわらず原則屋内禁煙とした。違反した場合は、5万円以下の過料を科す。
 
 ただ、都条例と異なり、風営法に該当するキャバレーやナイトクラブなどは経過措置として当面の間、努力義務とした。市内の約3200の飲食店のうち66%が従業員を雇用しており、原則屋内喫煙の対象となる。また、国や県、市などの行政機関の庁舎は敷地内を完全禁煙とした。
 
 加熱式たばこは飲食可能な専用喫煙室を設ければ利用でき、従業員がいない既存の小規模店は、禁煙か喫煙を選べる。


(2018.9.19)
 ここが変だよ、日本のたばこ規制 内に甘く外に厳しく
NIKKEI STYLE 9月18日
 
 たばこによる健康被害は医学的に明白である。吸わない人々にも受動喫煙で被害は広がる。スポーツを楽しむ健康的な生活にも悪影響を与える。
 国際オリンピック委員会(IOC)は1988年から五輪の会場を禁煙とし、2010年には世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を目指すことで合意した。昨今の五輪は開催地に選ばれた都市や国が受動喫煙防止のため、競技会場内だけでなく飲食店などの屋内施設を全面禁煙とする罰則付きの法や条例を整備するのが慣例となっている。
 08年北京、12年ロンドン、16年リオデジャネイロとも飲食店は全面的な屋内禁煙となった。五輪の開催は、たばこの健康被害を防ぐ対策を一気に進める絶好の機会でもある。
 20年東京に向けても準備は進んでいる。東京都は6月、受動喫煙防止条例を可決した。20年4月に全面施行となる。従業員を雇っている店はすべて屋内禁煙で、都内の飲食店の84%が対象となる。国際レベルの規制に近いものだが、個人経営の店や専用ブース内での喫煙を認めたのは過去の五輪開催都市と比べれば厳しくない。
 政府の法による規制は、はるかに緩くなりそうだ。現在の案では「客席面積が100平方メートル以下」の店が当面は例外となるため、対象が全国の飲食店の半分以下にとどまるという。国際社会から批判の対象になりかねない。
 一方、日本は屋内喫煙には規制が甘くても屋外での喫煙を禁止する条例を定める自治体は海外よりはるかに多い。屋外の喫煙場所もあまり整備されていない。現状のままでは海外から訪れる愛煙家も戸惑うことだろう。
(編集委員 北川和徳) [日本経済新聞朝刊2018年9月13日付]


(2018.9.19)
 職場で受動喫煙3割、男性喫煙者初めて3割切る
ビッグローブ・ニュース(読売新聞) 9月13日
 
飲食店で普段たばこを吸わない人の4割が受動喫煙を経験した??。厚生労働省が11日に発表した昨年の国民健康・栄養調査で、東京五輪・パラリンピックを控え、受動喫煙防止が十分に進まない実態が改めて浮かび上がった。
 
調査は昨年11月、全国の保健所を通じて行われ、喫煙など生活習慣に関する質問は、20歳以上の約6600人から回答を得た。
 
非喫煙者のうち、1か月以内に飲食店に行き、他人のたばこの煙を吸ったと答えたのは42%だった。パチンコ店など遊技場に出かけて受動喫煙を経験したのは37%。同様に路上32%、職場30%、公共交通機関13%、医療機関7%だった。こうした割合は、ここ数年、ほぼ横ばいで推移している。
 
喫煙者の比率は減少が続き、男性は29・4%と初めて30%を切った。女性は7・2%で、いずれも調査を始めた1986年以来、最低を更新した。


(2018.9.17)
 大阪府 受動喫煙防止で条例案へ
NHK NEWS WEB  関西NEWS WEB  9月15日
 
他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ぐため、独自の条例の制定を目指している大阪府は、有識者などでつくる委員会の初会合を14日開き、年内に条例案の方向性を取りまとめた上で来年2月の定例府議会に提出する方針を確認しました。
 
受動喫煙対策をめぐって、大阪府は、健康や長寿などをテーマに2025年の万博誘致を目指す立場から、国を上回る厳しい基準を盛り込んだ独自の条例の制定を目指しています。
これに向けて、大阪府は、有識者などでつくる委員会を発足させ、14日に初めての会合を開きました。
会合では、府の担当者が、受動喫煙の実態を把握するため、およそ12万軒ある府内の飲食店から1万軒を抽出した上で、客席の面積や店内での喫煙を認めているかどうかなどを調べるアンケートを、来月にかけて実施することを報告しました。
委員からは「規制を強めれば路上喫煙が増える可能性もあり、慎重な対応が必要だ」といった指摘や、「飲食店に、煙を遮断する喫煙場所を設けることなどを条例に盛り込むことが、吸わない人の健康を守ることにつながる」などの意見が出されました。
そして、委員会では、年内に条例案の方向性を取りまとめた上で、来年2月の定例府議会に提出する方針を確認しました。


(2018.9.14)
 受動喫煙が多いのは「飲食店」:
 男性の喫煙率、3割切る 20代のたばこ離れも加速 厚労省調査で判明
ITmediaビジネス 9月12日
 
 厚生労働省はこのほど、「平成29年 国民健康・栄養調査」の結果を発表した。調査によると、2017年の時点で習慣的に喫煙している人の割合は、前年比0.6ポイント減の17.7%だった。男女別の喫煙率は、男性が29.4%、女性が7.2%で、男性の数値が初めて30%を切った。
 
 習慣的に喫煙している人の割合は、男性では「30〜39歳」が39.7%で最多。「40〜49歳」(39.6%)、「50〜59歳」(33.4%)、「60〜69歳」(30.6%)、「20〜29歳」(26.6%)、「70歳以上」(16.2%)と続いた。
女性では、「40〜49歳」(12.3%)が最多。「50〜59歳」(9.8%)、「30〜39歳」(8.5%)、「60〜69歳」(7.3%)、「20〜29歳」(6.3%)、「70歳以上」(2.9%)という結果だった。
 
 喫煙者の中で「たばこをやめたい」と考えている人の割合は、前年比1.2ポイント増の28.9%。男性では26.1%、女性では39.0%が禁煙の意向を持っていた。
 男女年代別では、男性では「20〜29歳」(30.4%)、「70歳以上」(28.3%)、女性では「70歳以上」(58.1%)、「50〜59歳」(47.1%)に、たばこをやめたい人が特に多かった。
 
 たばこを吸っていない人が受動喫煙する機会が多い場所は、「飲食店」が42.4%でトップ。「遊技場」(37.3%)、「路上」(31.7%)、「職場」(30.1%)も多かった。
 調査は17年11月に実施。全国の3076世帯に健康状態や習慣を聞いた。


(2018.9.14)
 男性の喫煙率 初めて3割下回る
NHK NEWS WEB 9月11日
 
たばこを習慣的に吸っている人の割合は去年、男性が29%と初めて3割を下回ったことがわかりました。厚生労働省は、たばこによる健康被害が広く知られたほか、受動喫煙対策が進んでいることも要因ではないかと分析しています。
 
厚生労働省は去年11月、全国の20歳以上の男女6500人余りを対象に喫煙の状況などについて調査しました。
 
それによりますと、たばこを習慣的に吸っている人は男性が29.4%となり、調査を始めた昭和61年以降で初めて3割を下回りました。
 
一方、女性は7.2%で男女あわせた喫煙率は17.7%と、こちらも最も少なくなりました。
 
喫煙率は10年間で男性が10ポイント、女性は3.8ポイント、全体では6.4ポイント低下しています。
 
さらに、たばこを吸っている人のうち、喫煙をやめたいと思っている人は男性が26.1%、女性は39%に上っています。
 
喫煙率が低下したことについて厚生労働省は「たばこによる健康被害が広く知られるようになったほか、受動喫煙対策が進み、喫煙できる場所が減っていることなども要因ではないか」と分析しています。
 
厚生労働省は4年後までに喫煙率を今の17.7%から12%まで引き下げる目標を掲げていて、たばこをやめたい人には禁煙外来の受診を呼びかける取り組みなどを進めています。


(2018.9.13)
 タバコフリーの五輪は実現するか? 東北大の全キャンパス全面禁煙に力を尽くした医師は語る
BuzzFeedNews 7月13日
 
呼吸器科医で、東北大の統括産業医でもある黒澤一さんインタビュー後編です。東京都の受動喫煙防止条例の意外な評価とは?
岩永直子

たばこが原因の呼吸器疾患の専門家で、東北大学の統括産業医でもある黒澤一さんのインタビュー後編は、東北大の全キャンパス敷地内全面禁煙を実現した道のりと、2020年の五輪開催地となる東京都の受動喫煙防止条例について伺いました。
 
東北大の全キャンパス敷地内全面禁煙、どう実現したか
??ところで、東北大の全面禁煙はどう実現したのですか?
 
話せば長くなるのですが、元々東北大学病院の呼吸器内科で医者をやっていた私は、喫煙によって起こるCOPD(慢性閉塞性肺疾患)を専門としていました。
 
2000年に大学の人事で福島労災病院に出まして、その時の新任挨拶を始めようとした瞬間に、一番前のテーブルに座っていた人がライターでたばこに火をつけたんです。当時は院内であっても吸えていた時代ですが、そこで何かのスイッチが入ってしまって、「まず院内を全面禁煙にします」と所信表明したんです。
 
みんなポカンとしていましたけれど、後ろの方でわーっと拍手が起きたのを見逃しませんでした。煙に悩まされている人はたくさんいたのだと思います。翌年には当時の院長はじめ、みなさんの同意を得ることができて、建物内禁煙になりました。
 
その時に、時間があったので思う存分禁煙の勉強をすることができました。2002年に再び大学に戻った時に、推薦されて大学病院の喫煙対策委員会の委員になりました。
 
この時、僕は東北大学病院を一気に建物内禁煙を飛び越えて敷地内禁煙にしようとしたのですが、職員にアンケートをとった結果、衝撃的なことに、喫煙者だけでなく非喫煙者からも反対の声が上がったんです。
 
「非喫煙者が喫煙者の権利を奪うのはやりすぎじゃないか」という声でした。非喫煙者に対する啓発も必要だったのです。コンセンサス不十分で時期尚早と断念し、その時は建物内禁煙で決着しました。
 
ところが、案の定、建物内禁煙にしたら、建物を一歩出たところで吸う人が出てきました。救急の出入り口でさえです。煙幕の中を救急搬送された人が入ってくる。それはさすがにまずいのではないかと、2006年には病院の敷地内禁煙を実現しました。
 
禁煙範囲を拡大
2010年には大学の統括産業医になり、ちょうど大学の中期計画を決めるタイミングだったので、「大学敷地内全面禁煙」を打ち出しました。事務方は乗り気ではありませんでした。「そんなのできるはずない」と思われていましたし、達成できない目標を盛り込むことを嫌ったのだと思います。
 
それでも、当時のセンター長の理解もあって、「健診受診率100%」と「敷地内全面禁煙」を中期目標になんとか採用してもらい、大学の幹部による会議の議決を得て、2010年10月には「キャンパス全面禁煙宣言」を大学総長から出してもらいました。そこから1年経って、全面禁煙を達成しました。
 
東北大のキャンパス内に掲げられた全面禁煙の表示
 
??スムーズですね。
 
決してそうではありません。大学病院での教訓から、大学周囲も禁煙ということを当初から呼び掛けていたはずでしたが、それでも、敷地内全面禁煙となってから、隣の公園や大学を一歩出たところで吸う人が出てきたんです。
 
近隣から苦情もいただきましたし、学内ではその対応に追われました。「子供のいる場所だから」ということだったと思います。仙台市の判断で、結局、公園全体が禁煙になりました。
 
一方、「道路は禁煙にできない」というのが仙台市側の回答でしたから、その代わりに「一方的に働きかけるだけなら」と認めてもらって、大学の周りを歩いて声をかけたり、看護師さんにも協力してもらって、見舞いに来る家族や出入りの業者さんにも大学の周りで吸わないよう呼びかけたりして来ました。
 
ゼロとは言いませんが、以前の喫煙者鈴なりの状態はかなり改善し、だいぶん浸透して来ています。
 
喫煙と受動喫煙を分けるべきではない
??たばこの議論になる時、喫煙と受動喫煙は分けて考えようという話になります。まずは望まないのにたばこの被害を受ける人からなくすべきだと。
 
いや、それは大間違いです。本来、同じく論じられなくてはいけません。喫煙と受動喫煙を分けるのは、要するに、「喫煙を望む人には吸わせよう」という考え方に忖度するからです。財務省が管轄する「たばこ事業法」という法律があるため、たばこ販売は国策です。厚生労働省が「喫煙対策」と正面切っては言えない事情があるのかもしれません。
 
??「たばこを吸う権利だってあるじゃないか」「不健康になる権利、愚行権だってあるじゃないか」と喫煙者は反論するでしょう。
 
少なくとも、たばこを吸う権利を明文化した法律はありません。しかし、最高裁の判例があって、それは監獄でたばこを吸わせないのは基本的人権の侵害だというものでした。
 
その判例は結局、喫煙の権利は、基本的人権の一つとして認められるかもしれないとしつつも、いつでもどこでも認められる性質の権利ではないとされています。つまり条件つきです。その場の管理者が吸ってはいけないと定めていたら、禁煙を守らなくてはいけません。
 
??よく引き合いに出されるアルコールも、体に悪いとわかっていても飲みます。たばこと同様、禁止されてもいません。
 
現在、日本医師会や、厚生労働省からアルコール1日摂取量の適量が示されています。つまり、ある程度までの許容量があるのです。
 
一方、たばこは許容量がありません。1本でも吸うことは許容されていません。発がん物質には許容量として、それより多い場合はだめというラインが引かれているものもあるのですが、発がん物質としてのたばこの煙については、許容量はありません。
 
自分で喫煙することでも受動喫煙でも、ちょっとでもあったらだめなんです。全世界の保健衛生関係者の常識だと思います。
 
??「1日1本までならよしとしよう」などと自分でコントロールできないものなんですね。
 
 
元来、アルコールとニコチンでは、依存の起こす作用の強さが違います。
 
アルコールの場合は、ものすごくいっぱいアルコールを消費しなければ、アルコール依存症にはなりません。2、3日連続で深酒したからって、日中アルコールを飲まないと手が震えるほどになるかと言えば、そうはなりません。
 
ところがニコチン依存症は、数本続けてたばこを吸ってしまうと依存になってしまう可能性があります。ニコチンの依存を起こす力はアルコールに比べて桁違いに強いのです。ですから、そういう意味でも、いくら少しだといっても吸ってはだめなのです。
 
もちろんお酒も発がんに関係していますし、酔って事故を起こすこともあるので、節度を持って飲むことが奨められるのですが、ニコチンとは全く事情が異なる点があるわけです。
 
財務省と厚労省 日本の政策の矛盾
??ところがたばこは麻薬のように法律で禁じられていません。それほど依存性が高くて、健康に有害であることもはっきりわかっているのに、コンビニでもどこでも自由に買えます。吸うか吸わないか個人の裁量に任せているのに、矛盾していませんか?
 
厚生労働省と財務省が相反した立場です。確かに日本の中でも矛盾した政策になっています。財務省はたばこ事業法に即してたばこを売ろうとするし、厚労省は健康目標がある限り、たばこをやめさせようとする方向です。
 
この日本の政策の矛盾は、日本のリーダーが見識をもって解決すべきではないかと思います。
 
喫煙率低下の目標を掲げながら、たばこを売ろうとする政策の矛盾がある
 
??ところがそのリーダーである政治家たちは吸っている。
 
そうです。今回の法案では、官公庁ではなく「行政機関」となっていることから、立法府である国会は対象外であると読めなくもありません。国会はなかなか正論が通らず、システムが硬直化していて大変なところだと思いました。
 
そうであってもやはり、議員さん一人一人がちゃんとたばこの害を理解したうえで、国民のためにこうしなくちゃいけないのだ、と国民をリードして法案を作ってくれることを私は望んでいます。
 
タバコフリーの五輪は実現するか
??東京都は東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙規制を広げた条例を作りました。
 
言わせていただくと、一勝一敗ですね。敷地内禁煙の範囲が広がっているし、従業員のいるところは吸えなくなっているので、そこは厳しくなって一勝。ただ、加熱式たばこは緩和されているので一敗。
 
??たばこフリー五輪は実現できなそうですか?
 
そこが微妙なところで、他の国でも名目上は完全禁煙を定めているのに、実質あまり徹底されていなかったことがあるんです。
 
日本で東京のような都市が、実質、条例を徹底して実行したら、もしかしたら今までの五輪で一番空気が綺麗になるかもしれない可能性はあります。
 
受動喫煙防止条例について説明する小池百合子都知事
 
例えば、外で吸ってはいけない千代田区の条例ができた途端、今、東京に行くと誰も歩きたばこをしていないんです。趣味で東京と仙台で、スタバなどの外で路上喫煙する人を数える観察をしているのですが、どちらもほとんど吸っていません。
 
??となると、今回の条例は中途半端とはいえ、かなり実効性のある規制になるかもしれないのでしょうか?
 
道路も吸えなくしている条例があちこちにありますからね。一応、広い範囲で敷地内禁煙になるし、従業員のいるところはほぼ全て禁煙になるし、ひょっとしたら良い環境になるかもしれません。わからないですけれどもね。
 
もう一つ、オリンピックの会場は東京だけでなく、千葉や埼玉、神奈川、宮城、福島などに広がっているので、東京都並みの条例ができればいいですね。これは日本オリンピック委員会などが呼びかけるべきだろうと思いますが、今のところその動きは全体には広がっていません。
 
国の法案はもしこのまま通すなら、5年と言わずすぐに見直しを始めるべきだと思います。それを待たずに、全国の自治体で東京都並みのたばこ規制が広がっていくといいですね。


(2018.9.9)
 飲酒・喫煙経験率が低下 中高生、厚労省の研究調査
教育新聞 9月5日
 
 中高生の飲酒と喫煙の経験率が減少傾向にあることが、厚労省の研究班が9月5日までにまとめた調査報告書で分かった。
 
 尾ア米厚鳥取大学教授を研究代表者とする厚労省の「飲酒や喫煙等の実態調査と生活習慣病予防のための減酒の効果的な介入方法の開発に関する研究班」が、2017年度に中高生の飲酒や喫煙行動について、中学校98校、高校86校を抽出して質問紙調査を実施した。
 
 その結果、飲酒経験率は中学で16.2%、高校で29.4%だった。14年度に実施した前回調査と比較すると、男女、各学年ともに飲酒経験率や習慣的な飲酒率はいずれも減少した。1カ月の飲酒日数や飲酒量を見ると、男女とも学年が上がるにつれて多くなった。飲酒者が酒を飲むときの飲酒量は、中1ではコップ1杯未満、高3ではコップ3-5杯が最も多かった。
 
 喫煙については、使用頻度は紙巻きタバコが最も高く、次いで電子タバコ、加熱式タバコの順だった。紙巻きタバコの経験率は中学で2.6%、高校で5.1%だった。紙巻きタバコの喫煙経験率は学年が上がるにつれて増加していたものの、前回調査より減少傾向にあった。高3の喫煙者の喫煙本数は、男女とも1日2〜5本が最も多かった。タバコをやめたいと思うかどうかを尋ねたところ「やめたい」「やめることを取り組んだことがある」が多く、実際に禁煙に取り組んだ割合は学年が上がるごとに高くなる傾向にあった。


(2018.9.9)
 <アンケ>喫煙可の飲食店 6割が入店避ける 分煙も2割強
毎日新聞ニュース 8月29日
 
 ◇日本医療政策機構がネット調査結果を公表
 喫煙できる飲食店に入るのを避けたい人は58%に上るとのインターネット調査結果を、民間シンクタンク「日本医療政策機構」がまとめた。分煙でも4分の1の人が入店を避けるという。国民の嫌煙志向が色濃く出た結果といい、飲食店は対応を迫られそうだ。
 7月に成立した改正健康増進法では、資本金が5000万円以下で、客席面積100平方メートル以下の既存の飲食店は、「喫煙可」と店頭に表示などをすれば経過措置として店内での喫煙が認められる。加熱式たばこも専用の喫煙室を設けて分煙すれば、飲食しながらでも喫煙できる。
 同機構が6月、成年男女1000人を対象に、行こうとした店が喫煙可(分煙含まない)だったら入るのを避けると思うか尋ねたところ、「そう思う」が58%と過半数を占めた。男女別では、女性が63%で、男性(53%)より多かった。行こうとした飲食店が分煙でも避けると答えた人は25%。加熱式たばこによる受動喫煙の健康への影響が気になる人も36%だった。
 同機構シニアアソシエイトの今村優子さんは「飲食店ではたばこを避けたいと思う人が多いことを結果は表しており、店側は禁煙対策を一層推し進める必要がある」と指摘する。
 また、厚生労働省の終末期の治療方針をまとめたガイドラインについて知っているか尋ねると、89%が「知らなかった」と回答。終末期医療について、身近な人と話し合いたい人が66%に上った一方、話し合ったことがある人は25%と約4分の1にとどまった。【河内敏康】


(2018.9.3)
 職場での受動喫煙44%減少=家庭での減少率はやや低め/ブラジル
ニッケイ新聞 8月31日
 
8月29日の「国際禁煙デー」にちなみ、ブラジルでも喫煙に関する記事が出ているが、閉鎖空間での喫煙禁止や税負担引き上げなどが奏功し、職場での受動喫煙は44・6%減ったと同日付現地紙サイトが報じた。
 
「慢性病の危険度や保護に関する電話調査」は連邦直轄区と州都で行われ、5万3034人が回答。2009年と17年を比べると、職場での受動喫煙者は12・1%から6・7%に減った。
 
受動喫煙は、周囲の人が吸う煙草の先から上る副流煙を吸う、間接的な喫煙をさす。副流煙は煙草を吸う時の3倍の有害物質を含み、健康被害が大きい。具体的には、肺ガン発生率は2倍、心筋梗塞発生率は4割増になり、白内障や糖尿病を起こす率も高い。妊婦が喫煙を続けると早産や未熟児出産となる可能性が高く、乳児期から呼吸器疾患や耳の炎症などを起こし易い。幼くして死亡する例も出ている。
 
職場での受動喫煙を男女別に見ると、男性は17%が9・6%に43・5%減った。女性は7・9%が4・3%に45・6%減っている。男性の受動喫煙者は45〜54歳が多く、女性は35〜44歳が多い。また、男女共、高学歴者ほど受動喫煙が少ない。これは、低学歴者の喫煙率が13・2%だったのに、12年以上就学した人の喫煙率が7・4%だった事と関係がありそうだ。
 
職場での受動喫煙者最少はポルト・アレグレの3・7%で、最多はポルト・ヴェーリョの9・7%だった。男性の受動喫煙率は5・2%〜14・5%、女性は2・1%〜6・4%だった。
 
一方、家庭内での受動喫煙は、12・7%から7・9%に37・8%減少した。性別で見ると、男性は11・9%から7・4%に37・8%、女性は13・4%から8・4%に43・3%減少した。
 
家庭内での受動喫煙者が多いのは、男性が25〜34歳、女性は18〜24歳だった。市別の受動喫煙最多はマカパーの10・4%、最少はパウマスの5・2%だった。


(2018.9.3)
 受動喫煙ないまちへ 習志野市 防止条例制定へ
東京新聞 TOKYO WEB 8月28日
 
 習志野市は二十七日、受動喫煙のないまちを目指して受動喫煙防止条例を制定すると発表した。市内の全七駅周辺や幼保育所、こども園、小中高校などを重点区域に指定し、違反者には過料を科す。同市によると、県内では初の条例となる。
 
 重点区域は市長が指定し、駅では半径百〜三百メートルを想定。巡回員によるパトロールを実施する。条例上の過料は一万円以下だが、実際の徴収は二千円程度になる見込みという。条例案を九月定例市議会に提案し、来年一月からの施行を予定している。宮本泰介市長は「たばこの煙が嫌だという市民もおり、受動喫煙による市民の健康被害を防ぎたい」と話した。 (保母哲)


(2018.9.1)
 「タバコと乳がんについての最新知見」を掲載致しました
日本禁煙学会 8月31日
 
 私たちの大好きであったちびまる子ちゃん、その生みの親のさくらももこさんが乳がんで53歳の若さでなくなりました。
 
 さくらさんはヘビースモーカーであったことが知られています。
 
 「私は大の愛煙家だ。朝起きてまずタバコを吸い、昼間から夕方まで仕事をしている間もずっと吸い、夜眠る直前までタバコを吸う_。」と、本人も言っています。
 
 そして、こうも言っています。「タバコは私に健康の大切さを考えさせ、吸うからにはまず健康を確保しろということに気づかせてくれた。」
 
 これはタバコと乳がんとの関連をまったくご存じなかったとしか思えません。
 
 今後は、このような悲劇がおこらないように、このパンフレットを公開いたします。
 
 一般社団法人 日本禁煙学会 理事長 作田 学
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若い女性の乳がん(閉経前乳がん:日本のデータ):   
 タバコを吸うと 3.9 倍、受動喫煙で 2.6 倍
 タバコを吸わなければ、乳がんの 75%が予防できます。すぐに禁煙を!
 禁煙と受動喫煙防止をしっかり実行したなら、日本の若い女性の乳がんを半減できます!
 
タバコを吸っていた女性では乳がんの生存率が大きく下がります
 10 年生存率:非喫煙者 90%、喫煙者 60〜70%台
 一刻も早く禁煙しましょう!


(2018.9.1)
 アメリカ 電子タバコが爆発か
TV TOKYO 7 WBSニュース 8月29日
 
アメリカ・カリフォルニア州のテレビ販売店で男性客のひざの辺りから突然、火花が激しく飛び散りました。男性がはいていたズボンはももの辺りが焼け落ち、肌が露出しています。男性のポケットに入っていた電子タバコが爆発した様子を店の防犯カメラが捉えていたということです。アメリカでは電子タバコが爆発した事例が度々、報告されていて今年5月には男性1人が亡くなっています。


(2018.8.31)
 モーニングにも禁煙の波 でも「常連客を考えると…」
 朝日新聞デジタル 西川迅、日高奈緒 7月18日
 
 たばこを吸わないのに、他人のたばこの煙を吸い込むことで健康への悪影響が心配される受動喫煙。各地で対策に向けた機運が高まっている。モーニングなどの日常生活で多くが利用する名古屋の喫茶店でも、禁煙化の動きが出始めた。
 
 名古屋の繁華街・栄の地下街にある老舗喫茶店「コンパル」栄西店は改装を機に、今年4月から店内を禁煙にした。「これで孫を連れて来られる」。年配の女性客に歓迎され、家族連れや女性グループが増えたという。
 
 それまではどの席でも喫煙可能で、店長の野田晋さん(53)は「夕方は帰宅前にたばこを一服するお客さんが8割だった」と話す。禁煙当初は売り上げが減ったが、5月の大型連休ごろには戻った。灰皿の片付けが不要になり、やにで壁が汚れなくなったなど、店側の利点もあるという。
 
 愛知県は2012年、県内の飲食店8558店舗を対象に、店内を禁煙にした時の影響などについて調査し、結果を公表した。回答があった7080店のうち、全面禁煙に変更したのは1163店(16・4%)。このうち94・6%が客数や売り上げに「変化なし」だった。禁煙実施率が低いとされる居酒屋や焼き肉店、お好み焼き店のいずれの店舗(計7店)でも、禁煙化後に客数や売り上げは減らなかったという。
 
 調査をまとめた県健康対策課の宇佐美毅・総括専門員は「禁煙化しても客数や売り上げの減少などの影響は少ないと考えられる。飲食店は禁煙化を検討してほしい」と話す。
 
 ただ、常連客のことを考えて、禁煙に消極的なケースもある。名古屋市中区にある喫茶店「さんぱうろ」を経営する、愛知県喫茶飲食生活衛生同業組合の理事長を務める舟橋左門さん(73)は「最近は路上で吸うのも難しい。たばこを吸いに来るなじみの客がいるのでなかなか禁煙化に踏み出せない」と話す。(後略)
 
 (補足:愛知県の宇佐美毅氏の調査結果が引用されています。)


(2018.8.25)
 コンビニで刃物突きつけ、たばこ3箱強奪 愛知・西尾市(愛知県)
日テレニュース 8月25日
 
 22日午前9時半すぎ、愛知県西尾市のコンビニエンスストア「ローソン西尾丁田町店」で、たばこ3箱(1410円相当)を強奪する事件がありました。警察によると、男がアルバイト店員に「たばこが欲しい」と話しかけた後、突然、包丁のようなものを突き付けて「騒ぐな」と脅しました。店員は事務室に逃げ込み、男は店員が用意したたばこ3箱を奪い逃走しました。男は、60代から70代ぐらいで身長170センチほどのやせ型、黒の帽子をかぶり、迷彩柄の半スボンをはいていたとみられます。


(2018.8.24)
 社員の禁煙外来受診費用を全額負担し「喫煙率ゼロ」目指す企業あらわる 社員からは「もう一度禁煙にチャレンジしてみたい」と好評
キャリネコニュース 8月23日
 
 WEB事業や人材事業を展開するDYMは8月17日、社員が提携クリニックの禁煙外来を受診する場合、費用を全額負担する制度を始めたと発表した。禁煙外来は通常、3か月間で5回通院し、内服薬や貼り薬が処方される。治療費は約1万3000円〜2万円ほどだが、これが会社負担となる。
 
 同社の社員数はパート、アルバイト、関連会社の社員も含め456人。そのうち禁煙委員会が把握している現役の喫煙者は65人。「これまで以上に社員の健康を守っていきたい」という水谷佑毅代表の発案で、社内に「禁煙促進委員会」を立ち上げた。
 
 社内にはイベント委員会や図書委員会、美化・挨拶委員会などがあり、禁煙促進委員会はそのうちの一つ。委員会は現役の喫煙者を含む5人で結成されていて、社内の共有ツールで禁煙を促す投稿を行い、禁煙への意識を高めていく。


(2018.8.24)
 県庁が全面禁煙へ…喫煙室31日で閉鎖/福島
Yomiuri Online 8月22日
 
 県庁西庁舎の耐震工事に伴い、県は西庁舎2階の喫煙室を31日で閉鎖する。これにより、県庁敷地内は全面禁煙となる。受動喫煙対策を強化する改正健康増進法を受け、今後新たな喫煙所は設置しない方針だ。
 
 県施設管理課によると、敷地内の喫煙所は1999年の18か所から徐々に減り、2008年には西庁舎の1か所のみとなっていた。


(2018.8.22)
 JTたばこ関連のテレビCM「ただちに中止を」 - 日本禁煙学会が麻生財務相に要望書
ヤフーニュース(医療介護CBニュース) 8月21日
 
 日本たばこ産業(JT)のテレビCMをただちに中止するよう指導を―。たばこによる健康被害・依存症の対策などに取り組んでいる日本禁煙学会(昨田学理事長)は、麻生太郎財務相に対し、JTのCMに関する要望書を提出した。同学会はJTの加熱式たばこと推察されるMについて、「国際条約に違反し、国民を新しい脅威にさらしている」と主張している。【新井哉】
 同学会は、CMの「火を使わないたばこ、煙の出ないたばこ、においがつかないたばこ。私たちJTの研究から新しいたばこが生まれ、吸う人と吸わない人の新しい関係が生まれていきます。製品も、マナーへ」といった表現を問題視している。
 こうした表現は、日本も締結している「たばこ規制枠組み条約」の13条(誤った印象を生じる恐れのある手段による広告、販売促進などの禁止)に抵触していると指摘。加熱式たばこは「実際に火を使わなくても蒸し焼きにしている」とし、煙やにおいがはっきりと認められるとしている。
 さらに、JTの表現は「害がないように誤解させる手口」とした上で、加熱式たばこは害を避けにくくなった製品で、化学物質過敏症の人などには「大変な脅威」になっていると指摘。また、カートリッジが従来の紙巻きたばこよりも小さいため、乳幼児の誤飲事故が多発しているという。
 JTの広告などをめぐっては、同学会が7月、毎日新聞社に対し、JTのロゴが付いた「充実の“ひととき”」と題したコラムの掲載を中止するよう求めていた。「紫煙をくゆらせながら」といった文言が盛り込まれた同社の松田喬和特別顧問のコラム(7月2日付)に関しては、紙面だけでなくウェブ版にもJTのロゴが使われていることを指摘。このようなコラムの掲載が条約違反であることなどを挙げ、「JTの商業的利益につながる全ての行為を速やかに中止すべき。新聞の有する自由と責任の名においても節度が求められる」としていた。
 
 【写真】たばこに関するJTのテレビCM中止を求める要望書


(2018.8.22)
 札幌・円山動物園 来年から全面禁煙
北海道新聞 どうしん電子版 8月21日
 
 札幌市円山動物園(中央区)は21日、来年1月1日から園内を全面禁煙にすると発表した。現在は分煙。来年から市役所本庁舎と各区役所が全面禁煙になるのに合わせて実施する。道内の公立動物園の全面禁煙は初めて。
 
 円山動物園には現在、駐車場を含む敷地(約25ヘクタール)内に3カ所の喫煙所があるが、入園者の4割近くを占める中学生以下の子どもたちの受動喫煙を防ぐため、全面禁煙を決めた。
 
 また円山動物園は今年3月のホッキョクグマ館開館で入場者が増加。今秋のゾウ4頭の公開でさらなる増加が見込まれる。混雑すると受動喫煙のリスクが強まるため、完全に禁煙にする。(石川実和)


(2018.8.20)
 受動喫煙対策 五輪会場自治体の4分の1が独自条例検討
毎日新聞 8月15日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックの競技会場がある自治体の受動喫煙対策を毎日新聞が調査したところ、4分の1に当たる8自治体が独自条例の制定や改正を検討していることが判明した。6月に東京都の受動喫煙防止条例、7月に国の改正健康増進法が成立したが、渋谷区と調布市ではさらに規制を強める動きがあり、実現すれば「3階建て」の対策になる。国の対策は「不十分」との指摘も相次いだ。
 
 全43会場を持つ自治体のうち、東京都を除く8道県と25市区町の計33自治体にアンケートした。受動喫煙対策強化の条例は8自治体が「検討する」と答えた。
 
 20年4月に全面施行される改正法と都条例は、いずれも公共の場での屋内禁煙を罰則付きで義務付けるが、改正法では最大55%、都条例でも2割近くの飲食店は規制対象外になる。このため繁華街を抱える渋谷区の担当者は「対象外の店舗も多く、実効性確保に課題が残る」と懸念する。調布市も「喫煙可の範囲が広く不十分」として、全面禁煙の飲食店の公表や会場周辺の屋外禁煙などの独自策を進める方針という。
 
 千葉市は都条例とほぼ同様に、従業員がいる飲食店は面積に関わらず原則屋内禁煙とする条例案を9月議会に提出予定。静岡県も保育施設や学校では屋外の喫煙室設置も認めない「敷地内全面禁煙」を盛り込む条例案の準備を進めている。国と都に先行して条例を設けたものの罰則適用が一度もない神奈川県は、都条例も参考に「対策強化を含めた検討をする」とした。
 
 また、自転車ロードレースのゴール地点の静岡県小山町の担当者は、ルート上での屋外喫煙規制も視野に入れる考えを示し、同県伊豆市は「改正法の規制には限界があり、県の動向を踏まえながら検討する」と答えた。北海道は、議員提案による条例制定の議論が進んでいると回答した。
 
 一方、国の対策については8自治体が「不十分」と指摘。「飲食店はすべて屋内禁煙とすべきだ」(神奈川県藤沢市)など、見直しを求める声が相次いだ。【酒井雅浩】


(2018.8.20)
 <受動喫煙対策>屋外喫煙所も見直し次々 改正健康増進法成立
河北新報 ONLINE NEWS 8月15日
 
他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策への意識が高まる中、宮城県や仙台市が屋外の公共スペースを中心に喫煙所の在り方を改めて見直している。行政機関などに屋内完全禁煙を義務付けた改正健康増進法が7月に成立し、対策の強化が今後、一層進みそうだ。
 
 青葉区の勾当台公園古図広場にあった喫煙スペースが7月31日、姿を消した。近くの市地下鉄勾当台公園駅出入り口までたばこの煙が流れ込むなどして、市民から「臭いが気になる」と苦情が相次ぎ、管理者の市が撤去を決めた。
 市は過去2年間で、市内の公園の喫煙スペース10カ所以上を撤去し、残りは9カ所となった。公園課の担当者は「受動喫煙に対する社会の流れや論調を考えると、今後も減らしていく方針になるだろう」と話す。
 県庁でも分煙を徹底する動きがあった。県庁舎脇の喫煙所が、周辺の歩道にたばこの煙が流れることから、5月下旬に植樹に囲まれたスペースに移った。
 県の2017年度調査によると、建物・敷地内で禁煙に踏み切った県内の行政施設は前年度比1.9ポイント増の93.6%に上った。12年度に比べ10ポイント以上伸びており、受動喫煙対策が加速している。
 県健康推進課は「国の動きを見ながら、喫煙所を撤去するのか、屋外に残すのか検討していく。たばこをやめられない人への支援にも取り組む」と説明する。
 改正健康増進法は東京五輪・パラリンピック開催直前の20年4月に全面施行される。行政機関は19年夏をめどに、原則として敷地内禁煙となる。屋外については「望まない受動喫煙」をなくすよう、配慮義務が盛り込まれた。
 法改正により、悪質な喫煙者には最大30万円の過料を科す。勾当台公園古図広場の喫煙スペース跡地で、電子たばこを吸っていた50代の男性会社員は「これからはもっと肩身が狭くなるのかな」とうなだれた。


(2018.8.17)
 加熱式たばこ、1箱30円の値上げを申請 JT
朝日新聞デジタル 8月14日
 
 加熱式たばこ「プルーム・テック」を展開する日本たばこ産業(JT)は14日、専用たばこの値上げを財務省に申請したと発表した。認められれば、10月のたばこ増税にあわせて現在の1箱460円が490円になる予定。
 
 紙巻きたばこ122品の値上げもあわせて申請した。「メビウス」は1箱440円から480円に、「セブンスター」や「ピース」は460円から500円になる。


(2018.8.17)
 毎日フォーラム・ファイル
 受動喫煙 五輪に不十分な改正法と東京都条例
毎日新聞 8月10日
 
6月から「全席禁煙」を掲げた飲食店は客が増えたという=東京都千代田区の「串カツ田中」で2018年7月11日
 
 多くの人が出入りする場所での喫煙を規制する改正健康増進法が難産の末、7月に成立した。東京五輪・パラリンピックを見据えた改正だが、6月にはより厳しい東京都受動喫煙防止条例が成立、五輪会場を抱える千葉市も条例化の動きもある。厚生労働省は2020年4月の全面施行に向けて詳細な基準を定めるが、飲食店などでの例外措置が目立ち、最近の五輪開催国に比べ国や自治体の規制の甘さも指摘されている。
 
 国際オリンピック委員会(IOC)は1988年に禁煙方針を採択し、同年のカルガリー大会以降、会場内外で禁煙化が進んでいた。10年には世界保健機構(WHO)とIOCが「たばこのない五輪」で合意しすべての屋内施設の全面禁煙が慣例になった。
 
 このため政府は、これまで努力義務だった同法を改正して、罰則規定も設けて受動喫煙防止策を段階的に施行することにした。改正法ではまず、来年中に病院、学校、児童福祉施設、行政機関などの屋内は完全禁煙で、敷地の屋外に喫煙場所を設置することは可能とした。20年4月からは全面施行となり、事務所やパチンコ店、ホテルの客室以外の場所、船・鉄道などの公共交通機関は原則屋内禁煙だが、国が定める基準の喫煙専用室内での喫煙はできる。旅館・ホテルの客室などは適用除外とした。
 
 関係団体などの抵抗が強かった飲食店は、例外的に経過措置を設けた。大規模だったり、チェーン店、新規開店の場合は事務所などと同様に適用されるが、客席面積が100平方メートル以下で、既存の経営規模の小さい店は、入り口に「喫煙可」などと表示すれば吸うことはできる。
 
 最近利用が増えている加熱式のたばこについては飲食もできる喫煙室でのみ可能とし、喫煙可能な施設であっても20歳未満の客・従業員とも立ち入ることができない。
 
 禁止場所での喫煙した違反者には最大30万円、喫煙室が基準に適合しなかったり喫煙室の表示を怠るなど施設の管理者の違反には同50万円の過料がある。同省は今後、喫煙専用室の煙が外に出ないようにするなど具体的な基準について、有識者の意見などを聞き政令や省令で定めるとしている。
 
 同法に先行して6月27日に成立した都条例は、多くの人が出入りする施設の屋内での禁煙は同法と同じだが、幼稚園、小中高校、保育施設では敷地内の屋外でも喫煙所は設置できず厳しくなっている。また、飲食店では面積に関わらず従業員を雇っていれば禁煙となるが、喫煙専用室を設置すれば喫煙でき、従業員がいない飲食店は事業者が喫煙できる場所を定めることができる。違反の場合は5万円以下の過料となる。
 
 これによって都内の84%の飲食店が禁煙となる見込みで、全国約45%の飲食店が禁煙と対象となる改正法の規制よりは厳しくなっているが、「たばこのない五輪」の実現からは程遠い。
 
 東京五輪のフェンシング、レスリングなどの競技会場となる幕張メッセがある千葉市は独自の規制を盛り込んだ受動喫煙防止条例の年内の制定を目指している。同市が示した案では、行政機関の屋外にも喫煙可能な場所を設置しない(努力義務)ことや、従業員がいる飲食店は飲食ができない喫煙室を設けない限り喫煙不可で、違反の場合は5万円以下の過料がある。ただし、キャバレーやバーなど風俗営業法で定めた接待や遊興の飲食店は経過措置として当面努力義務とする、とした。


(2018.8.17)
 健康な大阪、万博へPR…府が条例案
YOMIURI ONLINE 8月9日
 
 大阪府は、府民の健康増進に向けた取り組みを強化する「健康づくり推進条例」を制定する方針を固めた。府が誘致活動を進める2025年国際博覧会(万博)は健康が主要テーマだが、都道府県別の健康指標で府はワースト上位の常連となっており、まずは自らの「体質改善」を図る。
 
 厚生労働省の統計によると、府の人口10万人当たりのがん死亡率(15年)は男女ともワースト5位。平均寿命(同)は男女とも全国で10番目に低い。野菜摂取量(16年)は男性がワースト3位、女性は同2位で、生活習慣病の原因になる1日2合以上の飲酒割合(14年度)は男性が同12位、女性は同4位など、健康の指標は軒並み低迷している。
 
 条例案では、府が取り組む施策として、朝食を取る習慣や栄養バランスの取れた食事の普及啓発、がん検診や保健指導の受診促進などを明記。府はこれに基づき、メタボ検診の受診機会を増やしたり、外食業界に健康的なメニューづくりを促したりする。府民の役割として、健康診断やかかりつけ医師の受診などを通して、心身の状態を把握することも求める。
 
 府は条例制定で、23年度までに▽胃がん検診の受診率(33・7%、16年)を40%▽喫煙率(男性30・4%、女性10・7%、16年)を男性15%、女性5%▽20歳以上の野菜摂取量(13〜15年の平均269グラム)を350グラム以上――など、健康指標の改善を目指す。


(2018.8.16)
 小池知事支持49%、支持しない29% 朝日世論調査
朝日新聞デジタル 7月30日
 
 朝日新聞社は28、29両日、東京都内の有権者を対象に電話による世論調査をした。8月2日に就任2年を迎える小池百合子都知事の支持率は49%で、昨年6月下旬の前回調査の59%から下がった。一方、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙とするなど国の法律より厳しい都の受動喫煙防止条例成立については「よかった」が77%に上った。
 
 小池知事就任後の調査は、昨年4月、同6月上旬、同6月下旬に続き4回目。支持率は1回目の74%から下落が続いている。一方、「支持しない」は29%で、昨年6月下旬の21%から上がった。
 
 「支持する」と答えた人に理由を尋ねたところ、「これまでの知事よりもよい」が45%で最も多く、前回調査の33%から増加。逆に「改革の姿勢や手法」は26%で、前回調査の44%から減った。男女別の支持率は女性が56%、男性は42%で女性の支持が高い。
 
 小池氏は希望の党を率いて昨年10月の衆院選に挑んだが、自らの「排除」発言もあり惨敗。衆院選の一連の対応で小池氏の評価がどう変わったかを聞くと、「悪くなった」は58%。「よくなった」は4%にとどまった。
 
 一方、都独自の受動喫煙防止条例の成立は77%が「よかった」と答え、小池氏の不支持層でも64%が「よかった」とした。条例成立が「よくなかった」と答えた人は20%だった。
 
 ただし、この2年で都政は「よくなった」が17%、「悪くなった」が11%。最も多かったのは「変わらない」で、69%だった。
 
 小池氏は支持率の低下について、朝日新聞の取材に「確実に課題に挑戦し、一歩一歩進める。これに尽きます」と語った。
 〈調査方法〉28、29の両日、コンピューターで無作為に作成した固定電話番号に調査員が電話をかけるRDD方式で、東京都内の有権者を対象に調査した。有権者がいると判明した1480世帯のうち、865人の有効回答を得た。回答率は58%。


(2018.8.11)
 世界の基準は?  受動喫煙対策法案可決するも、屋内完全禁煙に至らぬ日本
Economic News 7月15日
 
 7月12日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案が参院厚生労働委員会で可決され、今国会で成立する見通し。東京五輪・パラリンピック前の2020年4月に全面実施される見込み。改正案では、大勢の人が利用する施設の屋内を「原則」禁煙にするといった内容で、屋内完全禁煙策には至っていない。また、飲食店については客席の面積が100平方メートル以下などの条件を満たす場合、喫煙可能であることを掲示の上、喫煙OKとされる。病院や学校、行政機関などの敷地内は原則禁煙だが、屋外に喫煙所を設置することを認めている。
 
 16年時点で、公共の場を屋内完全禁煙とする国は、英国、カナダ、ブラジル、ロシアなど55か国。これらの国では「公衆の集まる場所」(Public space)、すなわち医療施設・大学・大学以外の学校・行政機関・事務所・飲食店・バー・公共交通機関、の8か所には屋内全面禁煙義務があるとし、法律を定めている。飲食店やバーなども完全禁煙とされているのは、利用する側の利便性以上にそこで働く従業員を受動喫煙から守ることを重視しているため。WHOでも「分煙では受動喫煙を完全に防ぐことは困難」とされている。なお、これらの国では屋外での喫煙に関する法律は定められていない。
 
 日本の受動喫煙対策は、先進国の中では最低レベルとされてきた。東京五輪・パラリンピックまでにWHOとIOCが求めているのは「公衆の集まる場所」(Public space)の完全禁煙なので、今回の改正案でも不十分と言える。日本が完全屋外禁煙に踏み切れないのは、地方公共団体による「路上喫煙禁止条例」を合わせるとまったく喫煙できないエリアが出現することへの懸念も一要因だろう。仮に屋外に喫煙所を設けたとしても、海外からの観光客などが迷うことなく利用できるかというと疑問が残る。北京五輪開催時の中国さえも、公共の場(飲食店含む)の全面禁止を義務付け、違反者への罰金条例も定めた。日本の受動喫煙対策が世界基準に追いついたとは言い難く、規制内容については批判の声が出そうだ。(編集担当:久保田雄城)


(2018.8.10)
 喫煙男性の交通事故死リスク、非喫煙男性の最大1.5倍 運転中の不注意要因か 東北大調査
河北新報 ONLINE NEWS 7月20日
 
 喫煙男性の交通事故による死亡確率が非喫煙男性との比較で最大約1.5倍高まるとの研究成果を、東北大大学院歯学研究科の相田潤准教授(公衆衛生学)のチームがまとめた。事故死の多くは車を運転中の喫煙による不注意と推察され、相田准教授は「スマートフォン同様、運転中の喫煙も規制が必要」と強調する。
 
 研究は茨城県内の40〜79歳の男女計約9万7000人を対象に、1993〜2013年に平均約18年間追跡調査したデータを活用。「非喫煙者」「過去喫煙者」「1日20本未満の喫煙者」「1日20本以上の喫煙者」の四つに分類し、交通事故死の確率を分析した。
 その結果、非喫煙男性との比較では、20本未満の喫煙男性が1.32倍、20本以上では1.54倍も交通事故死のリスクが高かった。運転中、タバコを手に取って火を付けたり、火の付いた状態で落としたりするなど不注意を招いたことが主な要因とみられる。
 相田准教授は「運転中の喫煙の危険性はあまり周知されてこなかったが、規制を含めた対応の必要性が示された」と話した。台湾では運転中の喫煙が規制されており、欧米では子どもが同乗している際の喫煙を規制しているケースが多いという。
 今回の研究では、女性は喫煙者の人数が少なく、解析できなかった。


(2018.8.10)
 加熱式たばこ 20年に市場3割超えも…顧客争奪戦激化
ヤフーニュース(SankeiBiz)  8月3日
 
国内の紙巻きたばこ市場が減少を続ける一方、加熱式たばこ市場は急速に拡大している。紙巻きも含めたたばこ総市場に占める加熱式の割合は2020年に30%を超えるとの試算もある。認知度が高まるのに合わせて利用はさらに増えるとみて、各社は早くも「次の一手」に動き始めた。最後発だった日本たばこ産業(JT)が国内2位に急浮上し、顧客争奪戦は激化している。
業界で先行し、紙巻きたばこからの全面シフトを打ち出すフィリップ・モリス・ジャパンは、加熱式デバイス(喫煙器具)「アイコス」の詰め替え用たばこ「マールボロ」について、1箱(20本入り)当たり40円の値上げを財務省に申請した。10月のたばこ税増税に合わせた措置だが、認められると500円になる一方、紙巻きのマールボロについては50円引き上げの520円になる予定だ。紙巻きよりも加熱式を20円安くし、加熱式シフトを加速させる狙いだ。
これに対し、「グロー」をデバイスとするブリティッシュ・アメリカン・タバコ・ジャパン(BATジャパン)は、詰め替え用たばこの新商品「ネオ」を投入した。これまでは紙巻きたばこと同じ「ケント」のみだったが、「低タールのケントでは物足りない」という喫煙者も多いことから、吸いごたえのある加熱式専用ブランドを業界で初めて創設し、多様な要望に応える。
「プルーム・テック(PT)」をデバイスとするJTは、充電器(バッテリー)のカラフルな限定モデルを発売。専用アクセサリーの販売店も新設するなど、関連商品を含めた顧客囲い込みを目指す。
JTの推計によると、現在、日本のたばこ市場全体に占める加熱式の割合は20%を超え、昨年の12%から急上昇。20年には30%を超える可能性があると試算する。
JTは7月時点でPTのデバイス累計販売が400万台を突破したと発表。加熱式では最後発だったが、今夏に全国販売を始めた結果、一気にBATジャパンを抜き、業界2位に浮上したという。6月に利用者が500万人を突破したと発表する業界首位のフィリップ・モリスにも迫っており、各社のシェア獲得競争も激化しそうだ。(平尾孝)


(2018.8.8)
 たばこ害、総損失2兆円超 喫煙者医療費1兆2600億円
東京新聞 8月8日(夕刊)
 
 たばこの害による二〇一五年度の総損失額は医療費を含めて二兆五百億円に上ることが八日、厚生労働省研究班の推計で分かった。たばこが原因で病気になり、そのために生じた介護費用は二千六百億円で、火災による損失は九百八十億円だったことも判明した。
 
 一四年度も直接喫煙や受動喫煙による医療費を算出していたが、一五年度は介護や火災に関する費用を加えた。研究班の五十嵐中(あたる)・東京大特任准教授は「たばこの損失は医療費だけでなく、介護など多くの面に影響が及ぶことが改めて分かった」とし、さらなる対策が必要だとしている。
 
 推計は、厚労省の検討会がたばこと病気の因果関係が「十分ある」、もしくは「示唆される」と判定したがんや脳卒中、心筋梗塞、認知症の治療で生じた医療費を国の統計資料を基に分析。こうした病気に伴って必要になった介護費用や、たばこが原因で起きた火災の消防費用、吸い殻の処理などの清掃費用も算出した。
 
 最も多かったのは、喫煙者の医療費一兆二千六百億円で、損失額の半分以上を占めた。中でもがんの医療費は五千億円を超えた。受動喫煙が原因の医療費は三千三百億円で、多くを占めたのは脳血管疾患だった。歯の治療費には一千億円かかっていた。
 
 介護費用は男性で千七百八十億円、女性で八百四十億円に上った。原因となった病気別でみると、認知症が男女合わせて七百八十億円と最も多く、次いで脳卒中などの脳血管疾患が約七百十五億円となった。
 
 都道府県別では東京都が二千億円となるなど、人口の多い都市部で金額が膨らむ傾向があった。
 
 一四年度は「因果関係が十分」とされる脳卒中やがんなどに絞って推計。喫煙で一兆一千七百億円、受動喫煙で三千二百億円だった。
 
◆社会全体に大損失
<たばこ対策に詳しい産業医大の大和浩教授の話> たばこが健康に悪影響を与えているだけではなく、社会全体に大きな損失をもたらしていることを示した貴重な研究だ。喫煙はがんや心筋梗塞、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)だけでなく、介護の原因となる脳梗塞や認知症のリスクも高める。つまり医療費だけでなく介護費にも負荷をかけていることになる。また、たばこは火災の原因になるほか、ホテルや賃貸アパートでは部屋の壁紙を頻繁に替える必要が出てくるなど清掃費用も増大させる。より厳しい規制を考えるべきだ。
 
<たばこの健康リスク> 喫煙者が吸うたばこの煙には、発がん性物質が約70種類含まれているとされる。厚生労働省のたばこ白書は、喫煙で引き起こされる病気として肺がんや胃がんなどさまざまながんや脳卒中、歯周病、慢性閉塞(へいそく)性肺疾患を列挙。また認知症の発症も、喫煙との因果関係が示唆されるとしている。受動喫煙で周りの人が吸い込む副流煙はニコチンなどの有害物質が主流煙の数倍も含まれている。受動喫煙は、乳幼児突然死症候群や子どものぜんそくの原因にもなる。


(2018.8.1)
 受動喫煙ゼロ、そろり前進 広がる全席禁煙店
朝日新聞デジタル 7月20日
 
 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策を強化する改正健康増進法が18日、成立した。多くの人が使う施設を原則禁煙とし、罰則付きで義務づけるかつてない規制だ。全面施行は2020年4月。飲食店では半数以上が例外扱いなど骨抜きが目立つが、「受動喫煙ゼロ」に向け、社会は少しずつ動き出している。
 
 受動喫煙対策が急がれるのは命に直結する問題のためだ。「死亡や病気を引き起こす科学的根拠は明白に証明されている」。日本など世界180カ国以上が結んでいる「たばこ規制枠組み条約」は各国にこうした認識を求め、指針は「分煙では効果がない」とする。
 
 受動喫煙による国内の推計死者数は、年間約1万5千人。受動喫煙がある人はない人に比べ、肺がんや脳卒中になる危険性は約1・3倍になるとされ、3千億円超の医療費が余計にかかっているとの研究がある。
 
 一方、たばこを吸わない成人は8割超を占め、習慣的な男性喫煙者は20年前の5割から3割に減少。「たばこ離れ」が進む中、禁煙は広がり出している。
 
 6月から禁煙化した居酒屋チェーン「串カツ田中」では、199店の92%が全席禁煙。東京・代官山店を訪れた会社員の多胡尚美さん(47)は「煙や臭いが気になるので禁煙はありがたい」。禁煙後1カ月間で、直営店86店の売上高は2・9%減ったが客数は2・2%増えたという。担当者は「会社員や男性グループは減ったが、家族や女性が増えて手応えを感じている」と話す。
 
 ファミリーレストラン「ココス」や「サイゼリヤ」は19年9月までに全席禁煙にすると発表。コーヒーチェーン「コメダ珈琲(コーヒー)店」は新規店を禁煙にする予定だ。パチンコ業界でも全国に約400店を展開する「ダイナム」が禁煙店を増やしている。立命館大や信州大、関西外語大は、すでに敷地内を全面禁煙とし、今後も喫煙場所を設ける計画はないという。
 
 喫煙対策に詳しい産業医科大学の大和浩教授は「例外も多く満点ではないが、罰則付きで防止対策を義務づける法が成立したことは評価したい。今後は禁煙店が増え、受動喫煙の健康被害に対する意識も変わっていくだろう。ただ、例外部分は速やかに見直していくべきだ」と話した。(姫野直行、阿部彰芳)
 
改正法、効果乏しいとの指摘も
 「やっとかという気持ち。不十分な内容だが、対策のスタートにはなる」
 
 18日の参院本会議を傍聴した全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は改正法の成立後、そう語った。
 
 改正法の目的は、望まない受動喫煙をなくすこと。施行後は、学校や病院は敷地内禁煙に。それ以外の施設は喫煙専用室以外では基本的に喫煙できなくなる。厚生労働省は近く専門家会議を開き、今秋までに喫煙室の基準をつくる。受動喫煙防止の努力義務を事業所に課す労働安全衛生法の喫煙施設の基準を参考にする予定という。
 
 受動喫煙対策「後進国」だった日本が、罰則付きの義務にかじを切るきっかけは、東京五輪・パラリンピックの開催決定だった。国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は10年に「たばこのない五輪」の推進で合意。以降の大半の五輪開催国では、飲食店やオフィスを屋内禁煙とし、喫煙専用室すら認めていない。
 
 ただ、成立した改正法は他の開催国と比べて大きく見劣りする内容となった。
 
 厚労省は16年10月に示した「たたき台」から、飲食店や事務所に喫煙室の設置を認め、5カ月後の骨子案では30平方メートル以下のバーやスナックは喫煙可能とする例外措置を飲食店に導入。自民党の「たばこ議員連盟」などがさらなる緩和を求め例外対象は広がった。
 
 その結果、飲食店は例外的に客席面積100平方メートル以下などの既存店は喫煙可とし、禁煙の規制対象は全体の約45%。先月成立した東京都の受動喫煙防止条例では約84%が対象とされ、「国の規制は効果に乏しい」との指摘もある。4段階の「最低」だったWHOによる規制状況の評価も、全面施行で1ランク上がるだけだ。
 
 飲食店は受動喫煙を受けやすい場所だ。厚労省の16年の調査ではたばこを吸わない成人が月1回以上、飲食店で受動喫煙に遭う割合は42%。20代に限れば61%に上る。天野さんは「飲食店の経過措置は早期に見直してほしい」と訴えた。


(2018.7.31)
 喫煙者率、17.9%=3年連続で過去最低―JT調査
JIJI.COM 7月30日
 
 日本たばこ産業(JT)が30日発表した喫煙に関する調査によると、2018年5月時点の全国の喫煙者率は、前年から0.3ポイント低い17.9%となり、3年連続で過去最低を更新した。健康志向の高まりや喫煙に対する規制強化などが背景にあるとみられる。
 
 男女別では、男性が0.4ポイント低下の27.8%、女性が0.3ポイント低下の8.7%で、いずれも過去最低を更新。男女合わせた喫煙人口(推計値)は37万人減の1880万人だった。 


(2018.7.31)
 【衝撃】『全国たばこ喫煙者率調査2018』が発表される → 3年連続で過去最低を更新、絶滅危惧種入り待ったなし!
ロケットニュース24 7月30日
 
今に始まったことではないが、喫煙者にとっては世知辛いご時世である。あの店もこの店もタバコは吸えず、公共の喫煙所は減っていく一方。自分はきっちりマナーを守っていても、心無い一部の喫煙者のせいでどんどんイメージも悪くなっていく。

それでも喫煙者にとっては「吸えるだけで御の字」の時代なのかもしれない。というのも、JT(日本たばこ産業)が発表した『全国たばこ喫煙者率調査2018』によると、今や喫煙者は圧倒的な少数派になりつつあるからだ。

・1年間で約37万人がタバコをやめた
男性の喫煙率のピークは、今から50年ほど前の昭和41年までさかのぼる。なんとその喫煙率は驚異の83.7%! 言い方を変えれば「成人男性のほぼ全員が吸っていた時代」であり、真面目な話、電車の中や映画館も喫煙OKであった。

あれから約半世紀──。JTによると2018年の男性喫煙率は27.8%、そして女性の喫煙率は8.7%、平均で「17.9%」まで落ち込んでいる。これは3年連続で過去最低記録を更新したことになり、この1年で約37万人がタバコから足を洗った計算だ。

年代別で見てみると、男性では30代・40代・50代がいずれも30%を超えているものの、20代では23.3%、60代以上でも21.3%となっているから「吸い始める若い人は少なく、やめる年配の方が多い」と言い換えられるだろう。

・絶滅危惧種へ
数値だけを冷静に分析すると、おそらく今後も “喫煙率が増加する可能性” は極めて低いハズだ。つまり冒頭でもお伝えした通り、喫煙者にとっては肩身の狭い時代ではあるものの圧倒的な少数派になりつつあるため「吸えるだけで御の字の時代」とも言えるかもしれない。

また逆の考え方をすれば、喫煙者はそろそろウナギ級の「絶滅危惧種」と言えるハズだ。なので嫌煙家のみなさん、タバコの話題というだけで激怒せず、せめて普通に扱ってもらえないだろうか? ほとんどの喫煙者は迷惑をかけずにタバコを楽しんでおりますので──。

参照元:JT「全国たばこ喫煙者率調査2018」 、 厚生労働省「最新たばこ情報」

執筆:P.K.サンジュン


(2018.7.30)
 社説 受動喫煙対策法が成立 健康被害の防止に万全を
毎日新聞 7月19日 東京朝刊
 
 他人のたばこの煙で健康被害を受けることがないよう、規制を強化する改正健康増進法が成立した。
 
 多くの人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とする初の法律だ。受動喫煙がもたらす健康被害の大きさを認識し、抜け道を許さない規制を徹底すべきである。
 
 改正法により、病院や学校、行政機関、保育園は屋内完全禁煙となる。飲食店や職場などは原則禁煙とし、煙が外に漏れない喫煙専用室での喫煙は認める。悪質な喫煙者には最大30万円、施設管理者には最大50万円の過料を科す。
 
 飲食店は当初、例外なしの禁煙とする予定だったが、飲食業界や自民党内からの反対が強く、緩い規制となった。資本金5000万円以下で客席面積100平方メートル以下の既存飲食店を「例外」として扱い、店頭に「喫煙可」などと表示すれば店内で喫煙できるという。
 
 「例外」とされる店は全体の55%を占める。小規模店を含めすべての店舗をチェックするのは難しく、法規制の甘さは否定できないだろう。
 
 改めて受動喫煙のリスクを周知徹底させる必要がある。受動喫煙による肺がんや心筋梗塞(こうそく)、脳卒中などで年間1万5000人もが死亡しているとの推計がある。乳幼児突然死など幼い子どもへの影響は深刻だ。
 
 国の規制は最低限に過ぎない。
 
 東京都は受動喫煙防止条例を制定し、飲食店の面積には関係なく原則禁煙とした。都内の飲食店の84%で喫煙できなくなる。同様の条例は他の自治体にもある。
 
 憲法は自治体が法律の範囲内で条例を制定できると定めている。地方の実情に応じた規制が必要な場合は、法律より厳しい規制を含む条例も認められるとされている。現実に環境や福祉に関する条例には法律を超える内容のものが多数ある。
 
 東京都は2020年五輪・パラリンピックの開催地であり、「たばこのない五輪」を求められている。飲食店の数も多く、特段の対策が必要だ。住民の健康を守る自治体の取り組みを広げていくべきである。
 
 規制だけでなく、店舗や施設の自主的な取り組みを顧客や住民が評価し、後押しする流れを作ることも必要だ。受動喫煙防止の意義を国民全体で共有しなければならない。


(2018.7.29)
 禁煙化で家族連れ増加 「串カツ田中」土日の開店正午に
朝日新聞デジタル 7月27日
 
 居酒屋チェーンの「串カツ田中」は8月から、土日と祝日の開店時間を、従来の午後2時から正午に2時間早めるなど営業時間を変更する。全店の4割の76店舗で実施する。6月に大半の店舗で全席禁煙化して以降、家族連れの客が増えたため、昼食の需要を掘り起こす狙いだ。
 
 家族連れのほか、日中の親同士の食事会などの利用も見込む。禁煙化で深夜の会社員らの来客が減少したため、午前2時の閉店を午前1時に早める。
 
 売り上げ増加などの効果があれば、営業時間を繰り上げる店舗をさらに増やす。(長橋亮文)


(2018.7.29)
 禁煙エリア*1でも「プルーム・テック」を使用できる飲食店が、全国で2,000店を突破!
ニコニコニュース 7月26日
 
 JTが展開する低温加熱方式の「プルーム・テック」を、禁煙エリア*1でも使用できる飲食店が7月上旬時点で全国で2,000店を超えました。
 禁煙エリアでも「プルーム・テック」を使用できる飲食店では、”NO SMOKING, Ploom TECH ONLY”のプレート/ステッカーを設置・貼付しています。
 
 *1 禁煙エリアとは、喫煙用の製造たばこの使用が禁止されているエリアを指しています
 配信元企業:日本たばこ産業株式会社

 (意見:本当にひどい話です。今後は、基本的には法律違反になりますね。)


(2018.7.27)
 アイコス用たばこ、値上げを申請 460円→500円に
朝日新聞デジタル 7月26日
 
 加熱式たばこ「アイコス」を展開するフィリップモリスジャパンは26日、専用たばこ「ヒートスティック」の値上げを財務省に申請したと発表した。認められれば、現在の1箱460円が500円になる。10月のたばこ増税にあわせて実施する予定。

 加熱式たばこへの増税は今回が初めてで、増税分を価格転嫁するかどうか、トップシェアの同社の対応が注目されていた。「プルーム・テック」の日本たばこ産業、「グロー」のブリティッシュ・アメリカン・タバコも追随する可能性がある。


(2018.7.23)
 受動喫煙対策法が成立するも小規模店は例外扱い
  「全店舗での禁煙が必要」と禁煙学会は訴え
ニフティニュース(キャリコネ) 7月18日
 
 喫煙規制を強化する改正健康増進法が7月18日に成立した。これによって学校や病院、役所をはじめとした行政機関は、屋外の喫煙場所を除き、敷地内禁煙となる。
 
 喫煙できる場所への20歳未満の客・従業員の立ち入りも禁じられた。しかし客席面積が100平方メートル以下で個人または中小企業が運営する飲食店は例外として喫煙することができる。
 
「全ての従業員を受動喫煙の被害から守るためにも、全店舗での禁煙が必要」
 報道によると、学校や病院では2019年夏に、それ以外の場所では東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に施行される。罰則も設けられており、禁煙エリアに灰皿を設置した施設管理者には50万円以下、禁煙エリアで喫煙した人には30万円以下の罰金が課される可能性がある。
 
 喫煙規制に向けて一歩前進した形だが、日本禁煙学会の宮崎恭一理事は、「規制は不十分で、全店舗で禁煙にすべきだ」とさらなる規制強化を訴えた。
 
 「今回、未成年が喫煙可能な場所に立ち入れなくなったことは評価できます。しかし全ての従業員を受動喫煙の被害から守るためにも、室内は全面禁煙にするべきです。もし喫煙できる場所を設けるとしたら、たばこの煙が風で吹き飛ばされる屋外の方がいいでしょう。車の排気ガスと同じで、屋外ならまだしも、屋内では健康への影響が大きくなります」
 
 また喫煙可の場所に未成年が立ち入れなくなると、禁煙を選ぶ店舗が増えるのではないかと期待する。
 
 「高校生や大学1〜2年生のアルバイトを雇っても、特定の部屋に入れないとなると非常に不便です。そのため一部の喫煙者のために喫煙可能な場所を設けるよりも、全面禁煙を選ぶ店舗が出てくるかもしれません」
 
「スペインでは数年で例外を撤廃。日本も同じ道を辿るのでは」
 スペインでは2006年に禁煙法が施行され、職場や公共施設での喫煙が禁じられた。ただし面積が100平方メートル以上の飲食店では、喫煙室を設置すれが喫煙することができ、100平方メートル以下の場合は、経営者が喫煙か禁煙化を選ぶことができた。
 
 しかし2011年にはこの例外が撤廃され全面禁煙になった。宮崎さんは日本も同じような道を辿るにではないかと考えている。
 
 「スペインでは、この規制がなかなか守られませんでした。喫煙できる店舗で『喫煙可』の看板が出ておらず、吸わない人が入店してトラブルになるということもありました。結局、5年後には例外がなくなり、全面禁煙になったのです。日本でも近いうちに全面禁煙になるでしょう」


(2018.7.23)
 (社説)たばこ対策 小さな一歩から前へ
朝日新聞デジタル 7月19日
 
 他人のたばこの煙を吸わされ、知らないうちに健康がむしばまれる。そんな理不尽な話はいつになったらなくなるのか、疑問は残ったままだ。
 
 東京五輪・パラリンピックに向けて、受動喫煙の防止をうたった健康増進法の改正案が、参院で可決・成立した。規制の強化に反発する自民党の抵抗で、対策の多くが骨抜きにされた、いわくつきの法案である。
 
 焦点となった飲食店の扱いでは、個人や中小企業が営む既存の小規模店での喫煙が当面認められた。全国の半数以上の店がこれに当たるというから、「屋内禁煙」の原則と例外が逆転していると言わざるを得ない。
 
 そんな状態をいつまで続けるのか、加藤勝信厚生労働相は「適切に判断する」と述べるだけで、見直しの時期は不明だ。何をもって「既存店」と判断するのかについても、あいまいな部分が依然としてある。
 
 子どもや多くの人が訪れる国会や裁判所が、全面禁煙でないのにも首をひねる。厚労省が昨年春に示した法案の骨子では、「官公庁」全体が全面禁煙だったのに、国会提出時に「行政機関」に後退し、建物内に喫煙室を設けることが可能になった。たばこを吸う議員に配慮したのか。厚労省によれば、世界保健機関が全面禁煙を求める相手には国会も含まれる。ここでも国際基準を逸脱している。
 
 それでも、今よりは公共施設の環境は改善される。小さな一歩ではあるが、これを足場に次のステップに進むしかない。
 
 法律に先立ってできた東京都の条例は、従業員を雇う飲食店を原則禁煙とした。都内では8割以上の店が該当するとされ、国の施策よりは前を行く。
 
 ただし、その都条例でも専用室での喫煙は許される。日本も加盟するたばこ規制枠組み条約の指針は、こうしたやり方を認めていない。受動喫煙の実態を調査・把握し、対策を強化していく必要がある。
 
 受動喫煙対策にいち早く乗りだしたのは神奈川県で、09年に独自の条例を制定した。今回の改正法よりさらに緩い規制だが、それでも抜き打ち検査で、飲食店を中心に毎年約1千件の違反が確認されている。
 
 業者に自主的な対応を促すのが目的で、罰則はあえて適用していないというが、法律や条例を定めても守られなければ意味がない。政府としても神奈川の状況を検証して、今後の対策に生かすべきだ。
 
 「屋内全面禁煙」という世界標準に近づくための、継続的なとり組みが求められる。


(2018.7.18)
 受動喫煙対策法が成立 施設の屋内は原則禁煙
日本経済新聞 7月18日
 
 受動喫煙対策を強化する改正健康増進法は18日、参院本会議で与党などの賛成多数で可決・成立した。事務所や飲食店など多くの人が集まる施設は原則として屋内禁煙とし、違反者には罰則を適用する。ただ飲食店のうち個人や中小企業が経営する客席面積が100平方メートル以下の既存店には例外を認め「喫煙可能」などと標識で示せば喫煙を認める。
 
 東京五輪・パラリンピック開催前の2020年4月に全面施行する。学校や病院、児童福祉施設、行政機関などは敷地内を禁煙とする。屋外に喫煙場所を設けることはできる。喫煙できる場所には20歳未満の客・従業員は立ち入れない。屋外や家庭は周囲の状況に配慮すれば喫煙できる。
 
 葉タバコを燃やすのではなく、加熱して発生する蒸気を楽しむ「加熱式たばこ」も規制の対象とする。禁煙場所で喫煙し、行政の指導や命令に従わない悪質な違反者には罰則を適用する。
 
 今回の規制が施行されても、厚労省の推計では飲食店のうち約55%の店に例外措置が適用されて喫煙できることになる。売り上げ規模で見れば全飲食店の約40%だ。5年で3割強の飲食店が入れ替わるとされており、例外が適用される店は徐々に減るという。
 
 政府は当初、飲食店に対し例外なしの禁煙を目指したものの、たばこ産業や飲食業への影響に配慮する自民党内から反対論が出て、例外措置を広く認めることになった。
 
 東京都では受動喫煙防止条例が6月に成立し、政府よりも厳しい対策が導入される。都内の飲食店は面積に関係なく規制の対象とする。従業員を雇う店は原則屋内禁煙で、煙を遮断する専用室を設ければ喫煙を認める。従業員のいない飲食店は屋内の禁煙、喫煙を選べる。小中高校や保育所、幼稚園は敷地内禁煙とし、屋外の喫煙場所の設置も認めない。


(2018.7.18)
 受動喫煙対策を強化 改正健康増進法成立
NHK NEWS WEB 7月18日
 
受動喫煙対策を強化する改正健康増進法は、18日の参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と国民民主党などの賛成多数で可決・成立しました。
 
健康増進法の改正案は、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ごうと対策を強化するもので、学校や病院、行政機関などは屋内を完全に禁煙にし、敷地内の屋外では、喫煙所の設置が認められています。
 
また飲食店では、規模の大きな店や新たに営業を始める店は喫煙室以外、禁煙とする一方、客席面積が100平方メートル以下の、既存の規模の小さい個人経営などの店は、店先などに表示すれば喫煙が可能となっています。
 
法案は先週、参議院厚生労働委員会で可決されたことを受けて、18日午前、参議院本会議で採決が行われ、自民・公明両党と、国民民主党などの賛成多数で可決され、成立しました。
 
法律が成立したことを受けて、学校や病院、行政機関などでは来年夏ごろから原則禁煙に、飲食店では再来年4月1日から規制が始まります。
 
専門家「一歩前進」
国立がん研究センターの若尾文彦がん対策情報センター長は、受動喫煙の危険性について「受動喫煙をした人はたばこを吸わない人に比べて肺がんのリスクが1.3倍に増える」と指摘しています。
 
今回の法律が成立したことについては「まだまだ完全なものではないが、受動喫煙の対策が遅れていた日本で、望まないたばこの煙を避けられるよう環境が整備されていくことになるので、一歩前進だと思う」と一定の評価をしています。
 
そのうえで、今後も対策を進めていくべきだとして「近年、オリンピック・パラリンピックの開催都市はしっかりと受動喫煙防止の対策を取って、それをきっかけに国全体で対策を広げてきた。日本の取り組みを海外から来た人に知ってもらうという気持ちで臨んでほしい」と指摘しています。
 
また、医師で東京都医師会タバコ対策委員会の村松弘康委員長は「海外に比べると非常に甘い法律になっているし、まだまだ不十分な点は多い。受動喫煙を防止するためには、屋内を完全に禁煙にする必要がある」と指摘しています。
 
そのうえで、村松委員長は「これまでオリンピックの開催都市は屋内完全禁煙の法律や条例を作ってきている。海外の事例を学び、将来的には海外のレベルにあわせた法律に見直していくべきだ」と話しています。
 
肺がん患者「法規制は大きな前進」
日本肺がん患者連絡会の理事長、長谷川一男さん(47)は8年前、突然、肺がんと診断されました。激しいせきが1週間ほど続いたため、病院で検査を受けたところ、右側の肺に6センチほどまで広がった進行した状態のがんが見つかったのです。
 
当時、長谷川さんがノートに記したメモには「生きる!!やれるところまでやる」と病気に立ち向かう決意が書かれています。
 
たばこを吸ったことはありませんでしたが、父親や職場の人たちなど周囲にいた多くの人がたばこを吸っていました。
 
受動喫煙は肺がんなどのリスクを高め、国内では年間およそ1万5000人が死亡しているという推計もあります。
 
長谷川さんは闘病を続けながら、受動喫煙の防止に向けた活動を進めています。
 
今回の法案を審議していた衆議院厚生労働委員会にも参考人として出席しましたが、意見を述べていたところ自民党の国会議員からヤジを飛ばされました。
 
長谷川さんは法案が成立したことについて一定の評価はしていますが、規制の対象が限られるなど決して十分ではないとして、法律が施行されたあとも成果を検証して見直していくことが必要だと訴えています。
 
長谷川さんは「マナーの問題として捉えられてきた受動喫煙が法律で規制されることで、多くの人が重要な問題だと知ったことは大きな前進です。受動喫煙によって命をなくすことがないよう、今後も改善をしてほしい」と話しています。
 
きっかけは2020年の東京五輪
今回の法改正の大きなきっかけとなったのは、2020年のオリンピック・パラリンピックの開催です。
 
IOC=国際オリンピック委員会は、開催国に「たばこのないオリンピック」を求めていて、近年の開催国は受動喫煙の対策を開催に合わせて強化しています。
 
厚生労働省がおととし行った調査によりますと、2010年以降の開催国5か国のうちカナダ、イギリス、ロシア、ブラジルの4か国では、飲食店を完全禁煙にする罰則付きの規制を設けています。
 
韓国では、喫煙専用のブースの設置を認めたうえで、飲食店を屋内禁煙としています。
 
WHOの評価は下から2番目
WHO=世界保健機関は、公共の場所での受動喫煙を防ぐ各国の取り組みを調査し、4段階に分けて評価しています。
 
最も高い評価を受けているのは、飲食店やオフィスなどすべての公共の場所を屋内全面禁煙とする法律などがある国で、去年の調査では、イギリスやカナダ、ロシア、ブラジルなど55か国に上ります。
 
日本は、これまで公共の場所で受動喫煙を防ぐための法律はなく、最低の評価となっていました。
 
今回、日本でも新たに法律が成立しましたが、禁煙となった公共の場所は限定的とされ、WHOの評価は1つ上がるだけで、4段階で下から2番目となります。
 
より厳しい東京都の条例についてもWHOの評価は同じで、下から2番目にとどまります。


(2018.7.16)
 禁煙スパッと先取り 都立の全動物園・水族館、公園、飲食店など
東京新聞 TOKYO WEB 7月14日 (夕刊)
 
 全面禁煙に移行したことを知らせる案内表示=東京都日野市の多摩動物公園で
 
 東京都内の動物園や公園、飲食チェーン店などで禁煙化の取り組みが広がりつつある。受動喫煙を防ぐための健康増進法改正案が近く国会で可決される見通しで、国より規制が厳しい都条例も成立した。条例はまだ施行されていないが、こうした流れを強めたり、先取りしたりする動きが出ている。 (榊原智康、清水祐樹、栗原淳)
 
 多摩動物公園(日野市)は今月五日から、園内二カ所の喫煙所を撤去して全面禁煙にした。一歳の長男と来園した静岡県吉田町の主婦(38)は「妊娠してから煙に敏感になり、すぐに気分が悪くなる」と評価。二歳の孫と来た八王子市の無職森井精一郎さん(66)は、愛煙家だが「孫の前では吸わないし、二、三時間なら我慢できる」と話した。
 
 葛西臨海水族園(江戸川区)と井の頭自然文化園(武蔵野市)も五日から全面禁煙がスタート。上野動物園(台東区)では昨年十二月から禁煙を先行実施しており、都立の動物園、水族館はすべて禁煙になった。
 
 都や東京動物園協会によると、こうした施設の来場者は四割が中学生以下。上野動物園には「喫煙所を再設置してほしい」といった要望が五月末までに約四十件あったが、子どもらの来園が多いことを重視し、禁煙施設を増やすことにした。
 
 今年四月に施行された都の子どもを受動喫煙から守る条例では、公園などで子どもを受動喫煙から守るよう喫煙者に促しているが、罰則はない。六月に成立した都受動喫煙防止条例や国の法案にも、公園に関する規定はない。
 
 これに対し、二〇〇二年に全国で初めて罰則付きの路上喫煙禁止条例を制定した千代田区は、今年四月から外濠(そとぼり)公園など十七公園を区条例に基づき禁煙にした。五月からは違反者に過料二千円の罰則も適用。保育園児らの利用が多い公園などを対象にしたという。豊島区も十月から、公園や広場など五十九カ所を禁煙にする。
 
 都内の飲食店は都条例で二〇年四月から原則禁煙となるが、規制を先取りする動きも出ている。
 
 大手居酒屋チェーンの串カツ田中は六月から、全国百九十二店の九割超で全席禁煙を始めた。禁煙後の一カ月間は、客数が前年同期比で2・2%増えたが、売り上げは2・9%減った。担当者は「家族連れは増えたが、男性グループらは減少した。禁煙化をもっと周知し、売り上げも伸ばしたい」と語る。イタリアンレストランのサイゼリヤは七月二十一日からショッピングセンター内の全国二百七十五店を全席禁煙にする。
 
 このほか、ニッポンレンタカーサービスも十一月から、乗用車とワゴン車を禁煙にする。担当者は「臭いを気にする人が増え、予約は禁煙車から埋まっていく」と話している。


(2018.7.15)
 ハワイ州立・ハワイ大学の全てのキャンパス全面禁煙|アロハホットライン
KZOO HAWAII 7月12日
 
 新しい法案の施行に伴い、ハワイ大学各キャンパス内での一般タバコ、葉巻、電子タバコ、パイプ、チューイングタバコなどの使用による喫煙は全面的禁止となりました。以前設置された喫煙所なども廃止となり、喫煙希望者は大学敷地外で喫煙することになります。全国2,000校以上の大学・カレッジが推進している健康的な環境作りをハワイ大学も目指していくという。
 
 詳細はハワイ大学オフィシャルサイト・ニュースをご覧ください。 https://www.hawaii.edu/news/2018/07/09/all-uh-campuses-tobacco-free/


(2018.7.10)
 豪のたばこ表示規制は正当=健康被害の警告容認―WTO
ヤフーニュース(JIJI.COM) 6月29日
 
 オーストラリアが導入したたばこの箱に健康被害の警告を表示させる規制をめぐる通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は28日、豪州の規制を正当と認定した。

 豪州を共同提訴していたキューバなど4カ国の主張を全面的
に退けた。

 東京都が受動喫煙防止条例を成立させるなど、たばこ規制
が世界的に強まっている。WTOの決定はこの動きを加速させそうだ。

 WTOの報告書は、豪州の規制が「喫煙率を低下させ、公衆
衛生を改善させた」と認める一方、提訴した国々の主張は根拠が不十分と指摘した。

 豪州は2012年12月、他国に先駆けてたばこの箱にロゴの記
載を禁止し、喫煙が招く健康被害の写真などを表示させる「プレーン・パッケージ規制」を実施。これに対し、たばこ生産国のキューバやドミニカ、ホンジュラス、インドネシアは同規制が貿易障壁や商標侵害に当たるとして、12〜13年にWTOに提訴していた。

 WTOの決定を受け、米国の健康増進団体は「たばこ産業の
利益より人々の健康を優先した」と歓迎する声明を発表。ホンジュラスは決定を不服として上訴する方針だ。 

 【写真】健康被害を訴える写真や警告文が表示されたオース
トラリアのたばこの箱=2012年12月1日、シドニー


(2018.7.5)
 都立の動物園と水族園 きょうから全面禁煙
NHK NEWS WEB 7月5日
 
東京都は、子どもの利用が多い施設の受動喫煙対策を強化するため、5日から都立の動物園と水族園の敷地内を全面的に禁煙にします。
 
5日から敷地内が禁煙になるのは、武蔵野市にある井の頭自然文化園と、日野市にある多摩動物公園、それに江戸川区にある葛西臨海水族園で、去年12月から先行して実施されている上野動物園を含め、すべての動物園と水族園が禁煙になります。
 
都によりますと、これらの施設は中学生以下の子どもがすべての入園者のおよそ4割を占めているということで、子どもなどを受動喫煙から守るため、敷地内に喫煙所も設けない全面的な禁煙に踏み切りました。
 
このうち井の頭自然文化園では、4日の営業終了後、園内の2か所に設置されていた喫煙所で、職員が吸い殻入れを撤去していました。
 
たばこを吸いたい人には、再入園できる券を発行し、敷地外にある喫煙所を利用してもらうことにしています。
 
井の頭自然文化園の瀬田学管理係長は「小さな子ども連れのお客様からタバコの煙が気になるという声が寄せられていた。吸う人も吸わない人も快適に過ごせる施設にしていきたい」と話していました。
 
都は、先月の都議会で子どもや従業員を受動喫煙から守るための罰則付きの条例を成立させるなど、受動喫煙対策の強化を進めています。


(2018.7.3)
 受動喫煙で体調崩し解雇の女性 解雇撤回などで調停成立
NHK NEWS WEB 7月2日
 
職場でほかの人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙により体調を崩して休職した結果、不当に解雇されたなどとして、日本青年会議所の元職員の女性が解雇の無効などを求めて申し立てた労働審判で、日本青年会議所が解雇を撤回したうえで解決金として440万円を支払うことで調停が成立しました。
 
日本青年会議所の都内にある事務所で働いていた元職員の30代の女性は、職場の分煙が不十分で受動喫煙により体調を崩しておととしから休職していたところ、去年、解雇されたとしています。
 
これについて、受動喫煙の対策を進めず不当に解雇された、などとして解雇の無効などを求めて東京地方裁判所に労働審判を申し立てていました。
 
この女性が2日、代理人の弁護士と厚生労働省で記者会見し、日本青年会議所が受動喫煙対策が不十分だったことを認め、解雇を撤回したうえで解決金として440万円を支払うことで調停が成立したことを明らかにしました。
 
女性は「結論が出て安どしている。今回、私が経験したことが同じような経験をしている人に少しでもプラスになれば報われる思いだ」と話していました。
 
日本青年会議所は「元職員の方の再起を応援し、受動喫煙対策は今後強化する」とコメントしています。


(2018.7.1)
 従業員がいる東京の飲食店は完全禁煙に…小池都知事はなぜこうも「受動喫煙防止条例」に力を入れるのか?
TOCANA 6月30日
 
従業員がいる飲食店では完全禁煙に…
 愛煙家にとっては悲報、嫌煙家にとっては朗報となるニュースが飛び込んできた。
 
 今月27日、従業員を雇う飲食店は原則的に「屋内禁煙」とする東京都独自の罰則付き受動喫煙防止条例が、都議会で可決・成立した。国会で審議中の法案よりも厳しい規制となることで、注目が集まっている。
 
 現在、国会で審議中の「健康増進法改正」は、客席面積が100平方b以下で、個人などが営む既存の飲食店を喫煙可能としている。一方、今回の都条例は、店の規模にかかわらず、飲食の出来ない専用喫煙所を設けない場合、従業員を雇っている飲食店は原則、屋内禁煙とするというもの。飲食店の面積にかかわらず適用されるもので、違反者には罰金5万円以下が科されるなど、国会で審議中の法案より厳しい内容となっている。
 
 つまり、従業員がいる飲食店については、完全禁煙とするか、もしくは「喫煙専用室」を設置するしかなく、飲食の出来る「喫煙席」はなくなるということだ。個人経営店など従業員がいない場合には、完全禁煙にしてもいいし、全部または一部を喫煙にしてもいいということだ。今回の条例により、都内の飲食店の84%が規制対象になるとも言われている。
 
 
東京都受動喫煙防止条例案についてより
 また、幼稚園・保育所・小学校・中学校・高校などについても、今回の都条例で規制される。国の法案では、屋外に喫煙場所を設けることを認めているのに対し、都条例では「敷地内禁煙」として喫煙所設置も認めていない。一方で、病院や大学、官公庁は国の法案同様、敷地内禁煙で、屋外の喫煙場所設置は可能になる。
 
 条例は年内から段階的に施行され、2020年4月に全面施行される予定だ。
 
受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5000人
 東京都が発表した「東京都受動喫煙防止条例案について」によると、日本では受動喫煙による年間死亡者数は推定約1万5000人に上るという。今回の条例は、健康影響を受けやすい子供や受動喫煙を防ぎにくい立場である従業員を、受動喫煙から守ることを対策の柱としている。よって、たばこから発生した煙が他人の健康を損なうおそれがあることが明らかになっていない「加熱たばこ」については、行政処分や罰則は適用しないという。
 
東京都受動喫煙防止条例案についてより
 小池百合子都知事は、なぜ、ここまでして受動喫煙防止条例に力を入れるのだろうか? 本誌解説委員でジャーナリストの竹村明氏は、東京を世界の標準に合わせていこうしている」と解説する。
 
 「世界の流れを見ても、禁煙化は加速しており、もともとタバコに対して厳しい政策をとっているシンガポールを筆頭に、タイや台湾、韓国などの喫煙に寛大とされていたアジア圏でも、店や路上の喫煙が制限されています。東京五輪を控えている中で、日本もようやく世界の標準に近づいてきたと言えるでしょう」
 
全面施行まで2年弱…ついに小池百合子都知事の「公約」実現
 一方で、「政治的な背景もある」と話す。
 
 「今回の受動喫煙防止条例は、小池百合子都知事の肝いり政策のひとつです。昨年の都議選で掲げた公約のひとつであり、他党との差別化を計るためにも、かなり力を入れてアピールしていた公約です。やはり言ったからには進めなくてはいけないということもあるでしょう。ようやく、これで成立したということになります」(前出・竹村氏)
 
 昨今の日本の禁煙化への流れをみると、厳しいと感じる人も少なくないと思われるが、世界的に見たら日本が遅れているというだけなのだろう。とはいえ、あと2年足らずでの全面施行を考えると、飲食店としては死活問題ともなり得る大きな課題である。東京オリンピックの時、東京はどうなっているのだろうか。
 (文◎朝比奈ゆう)


(2018.6.29)
 豪のたばこ表示規制は正当=健康被害の警告容認−WTO
JIJI.COM 6月29日
 
 【ロンドン時事】オーストラリアが導入したたばこの箱に健康被害の警告を表示させる規制をめぐる通商紛争で、世界貿易機関(WTO)の紛争処理小委員会(パネル)は28日、豪州の規制を正当と認定した。豪州を共同提訴していたキューバなど4カ国の主張を全面的に退けた。
 東京都が受動喫煙防止条例を成立させるなど、たばこ規制が世界的に強まっている。WTOの決定はこの動きを加速させそうだ。
 WTOの報告書は、豪州の規制が「喫煙率を低下させ、公衆衛生を改善させた」と認める一方、提訴した国々の主張は根拠が不十分と指摘した。
 豪州は2012年12月、他国に先駆けてたばこの箱にロゴの記載を禁止し、喫煙が招く健康被害の写真などを表示させる「プレーン・パッケージ規制」を実施。これに対し、たばこ生産国のキューバやドミニカ、ホンジュラス、インドネシアは同規制が貿易障壁や商標侵害に当たるとして、12〜13年にWTOに提訴していた。
 WTOの決定を受け、米国の健康増進団体は「たばこ産業の利益より人々の健康を優先した」と歓迎する声明を発表。ホンジュラスは決定を不服として上訴する方針だ。


(2018.6.29)
 人模様 「嫌煙権」の確立に尽力 渡辺文学さん
毎日新聞 6月28日 東京夕刊
 
 たばこの煙から身を守る「嫌煙権」運動が始まり今年で40年。運動を主導する市民団体「嫌煙権確立をめざす人びとの会」の渡辺文学(ふみさと)代表(80)は「受動喫煙による健康被害がゼロに、愛煙が死語になるまで頑張る」と語る。
 
 39歳までは、1日60本以上吸うヘビースモーカー。反公害運動にも取り組んだが、「たばこの煙も公害」との声を聞き、「喫煙家が環境運動に携わっても賛同を得られない」と禁煙を決意した。
 
 会が発足した1978年当時、新幹線の禁煙車は各駅に停車する「こだま号」に1両のみ。病院待合室、学校職員室でも野放しで、メンバーが日照権のように「嫌煙権」を提案。喫煙者の発がんリスクも報告され、運動は全国に広がった。
 
 公共区域の禁煙は実現し、2年後の東京五輪・パラリンピックに向けた規制も進む。だが、海外に比べて、たばこの価格は安く、受動喫煙の回避につながる屋内全面禁煙にはほど遠い。「煙を憎んで、人を憎まず。吸いづらい、売りづらい、買いづらい社会を目指す」【田中泰義】


(2018.6.28)
 広島大、20年に全面禁煙 屋内喫煙所から順次廃止
中国新聞アルファ  6月28日
 
 広島大は、全キャンパス付属施設を2020年1月から全面禁煙にする。受動喫煙防止やたばこを吸い始める学生を減らす狙い。中国地方の国立大では鳥取大、岡山大に続く3校目。

広島大によると、本部がある東広島キャンパス(東広島市)には、屋内14か所、屋外9か所の指定喫煙場所がある。東千代田キャンパス(広島市中区)と、水産実験所(竹原市)、宮島事前植物実験所(廿日市市)など6付属施設にも各1カ所の屋外喫煙場所がある。

 同大はまず19年3月までに計14の屋内喫煙所を廃止。続いて、同12月末までに16の屋外喫煙所を撤去する。付属病院がある霞キャンパス(広島市南区)はすでに全面禁煙にしている。


(2018.6.28)
 受動喫煙防止条例が成立 東京都、国より規制厳しく
産経ニュース 6月27日
 
 東京都の罰則付き受動喫煙防止条例案は27日午後の都議会本会議で可決、成立する。従業員を雇う飲食店は面積にかかわらず原則屋内禁煙とすることが柱。国会で審議中の健康増進法改正案より厳しい規制となる。
 
 従業員を雇っていない飲食店は禁煙・喫煙を選べる。都によると、都内の飲食店の84%が規制対象となる見通しで、東京五輪・パラリンピック前の平成32年4月に全面施行される。
 
 また、加熱式たばこは、飲食店では専用の喫煙室を設けて分煙すれば、喫煙できる。喫煙室では飲食も可能となる。違反者には罰則(5万円以下の過料)を適用するが、加熱式たばこは健康影響が明らかになるまでは罰則は適用しない。
 
 学校や病院、行政機関は敷地内禁煙とし、子供が出入りする幼稚園や保育所、小中高校は屋外の喫煙場所設置も認めない。


(2018.6.27)
 受動喫煙防止条例が成立=飲食店の対策強化−五輪へ国より厳格化・都議会
JIJI.COM  6月27日
 
 東京都の受動喫煙防止条例が27日の都議会本会議で、自民党を除く賛成多数で可決、成立した。焦点の飲食店をめぐっては、従業員を雇う場合は広さに関係なく店内を原則禁煙とするなど、今国会で審議中の健康増進法改正案より厳しい独自基準が盛り込まれた。罰則は5万円以下の過料。今後段階的に施行し、東京五輪・パラリンピックが開催される2020年の4月に全面施行する。
 
 本会議後、小池百合子知事は記者団に「たばこを吸う人も吸わない人も快適な東京を目指す。都条例をきっかけに『健康ファースト』の都政を進めたい」と述べた。
 
 国の改正案が客席面積100平方メートル以下などの飲食店を喫煙可能とするのに対し、都は親族以外の従業員がいれば屋内禁煙とし、「喫煙専用室」でのみ喫煙を容認。健康被害が明らかでない「加熱式たばこ」については、国と歩調を合わせ、分煙すれば飲食しながらの喫煙も認める。
 
 一方、敷地内禁煙とする施設のうち、幼稚園や保育所、小中高校では、国が屋外での喫煙場所設置を可能とするのに対し、都は受動喫煙の害を受けやすい子どもを守るため、屋外の喫煙場所設置も認めない。
 
 採決前の討論では、自民党が「従業員の有無という基準は抽象的かつあいまい。従業員か親族かは判断が難しく、机上の空論だ」と批判した。賛成した公明党も「受動喫煙防止対策の強化によって影響を受ける飲食店については、都が課題をしっかり受け止め、丁寧に対応することを強く求める」と注文を付けた。


(2018.6.26)
 都の受動喫煙防止条例案、委員会で可決 27日に成立へ
朝日新聞デジタル 6月25日
 
 東京都が独自に制定を目指す受動喫煙防止条例案が25日、都議会厚生委員会で賛成多数で可決された。面積にかかわらず従業員を雇っている飲食店を原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とするのが特徴で、規制対象は国会で審議中の健康増進法改正案よりも広い。自民党と共産党が修正案を提出したが、否決され、条例案は27日の本会議で可決、成立する見通し。
 
 条例案が成立すれば年内から段階的に施行し、罰則(5万円以下の過料)は2020年4月の全面施行時から適用される。幼稚園や学校について屋内外の喫煙所の設置を認めず、完全禁煙とするほか、病院や行政機関も建物内を禁煙にすると規定。都などによると、都内の飲食店の約84%にあたる約13万4千軒が規制対象になる。一方、国の法改正案では、客席面積100平方メートル以下で、個人経営か資本金5千万円以下の中小企業が経営する既存の飲食店内での喫煙を認めており、規制対象は約45%という。
 
 都議会で自民は「混乱が生じるのは明らか」と主張し、国と同じ客席面積100平方メートルなどを基準に規制する修正案を提出。共産は、健康被害が明らかになるまで加熱式たばこについて罰則を適用しない点を問題視し、紙巻きたばこと同様に扱う修正案を提出した。しかし、いずれも反対多数で否決。都の条例案が小池百合子知事が特別顧問を務める都民ファーストの会と公明党のほか、共産も賛成に回って可決された。(斉藤寛子)


(2018.6.26)
 スポーツ用品のアルペンが全面禁煙 本社と全国400店
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 6月24日
 
 スポーツ用品販売のアルペン(名古屋市)は、7月1日から本社と全国約400店を全面禁煙にする。店内はもともとたばこを吸えないが、店外や本社内にある喫煙スペースをなくす。
 
 【写真】7月から廃止される店舗外の喫煙所=アルペン提供
 
 「アルペン」や「スポーツデポ」などの店外にある吸い殻入れを撤去。地上25階建ての本社ビルにある13カ所の喫煙所もなくす。全面禁煙の理由について、広報担当は「スポーツを通じて健康を届けるのが経営理念。従業員やお客様の健康のため、世の中の動きに先駆けて全面禁煙を始める」としている。


(2018.6.25)
 【都議団】加熱式たばこも規制/受動喫煙防止条例に修正案を発表
共産党東京都委員会 6月24日
 
日本共産党東京都議団は22日、都の受動喫煙防止条例案に対する修正案を発表しました。
 
発言する藤田りょうこ都議=22日、都議会厚生委(「しんぶん赤旗」提供)
都議会厚生委員会で藤田りょうこ都議が修正案の内容を説明しました。
 
修正案は、
@条例案が加熱式たばこについて設けている罰則などの例外をなくす
A都と区市町村、事業者などとの連携を進める協議会を設置する
B条例施行後の検討を行う時期を5年後から2年後に短縮する
内容です。
藤田都議は条例案の質疑で、都が加熱式たばこを吸って食事もできる喫煙室の設置を認め、罰則の対象からも外したことについて「加熱式たばこは健康影響の研究がされていないとはいえ、主流煙にニコチンなど有害物質が含まれていることは明らかだ」と指摘。
加熱式たばこは紙巻きたばこと異なり、煙が見えにくいため、周囲の人が受動喫煙を避けづらいことを挙げ、紙巻きたばこと同様に規制対象とするよう求めました。
都福祉保健局の成田友代保健政策部長は加熱式たばこの規制について「今後の研究結果を踏まえ、必要な措置を講じる」と答えました。
藤田都議は、条例案が屋内全面禁煙とせず「喫煙専用室」での喫煙を認めたことについて、参考人の尾ア治夫都医師会長も「分煙では受動喫煙は防げない」と発言したことを紹介。
WHO(世界保健機関)ガイドラインも「100%の無煙環境」として全面禁煙を求めていることを示し「受動喫煙の健康被害を防ぐ最も整合性の取れた方法は全面禁煙だ」と強調しました。
条例案と修正案は25日の委員会で採決する予定です。
 
(2018年6月23日付「しんぶん赤旗」より)


(2018.6.23)
 外食産業に禁煙化の波 ココス、サイゼリヤ、モス……
朝日新聞デジタル アピタル 5月23日
 
 外食大手のゼンショーホールディングスは22日、ファミリーレストラン「ココス」の全583店舗を2019年9月末までに全席禁煙化すると発表した。家族連れの要望を受けて踏み切った。
 
 分煙店舗や、曜日や時間帯によって喫煙できる店は現在、約400店舗。子どもを連れた客から禁煙化の要望が多く寄せられ、全席禁煙に踏み切る。国や自治体による受動喫煙対策強化の流れも後押しになったという。「より良い環境で食事をお楽しみいただけ、従業員の健康面で労働環境の改善にもつながる」(広報)という。
 
 外食産業では全席禁煙化の動きが加速している。ファミレス「サイゼリヤ」も19年9月ごろまでに、モスフードサービスの「モスバーガー」では20年3月までに、全席禁煙にする。喫煙者が多い居酒屋チェーンでも、「串カツ田中」は約180店舗の大半を6月1日から全席禁煙にする。


(2018.6.23)
 がん患者にやじ 厚労委員長が穴見議員を厳重注意
NHK NEWS WEB 6月21日
 
自民党の穴見陽一衆議院議員が先週の衆議院厚生労働委員会で、参考人として出席したがん患者の男性が意見を述べている際に、「いい加減にしろ」と発言した問題で、厚生労働委員会の高鳥委員長は穴見議員を厳重に注意するとともに、参考人全員に謝罪文を送ることを明らかにしました。
 
自民党の穴見陽一議員は今月15日、受動喫煙対策を強化する健康増進法の改正案を審議していた衆議院厚生労働委員会で、参考人として出席した肺がん患者の男性が意見を述べている際に、「いい加減にしろ」と発言しました。
 
この発言について穴見氏は21日、「参考人の発言を妨害するような意図は全くなく、喫煙者を必要以上に差別すべきではないという思いでつぶやいたものだ。参考人の方はもとより、関係のみなさまに不快な思いを与えたとすれば、心からの反省とともに、深くおわび申し上げる」とするコメントを発表し、謝罪しました。
 
これを受けて、衆議院厚生労働委員会の高鳥委員長は、穴見氏と直接会い、参考人が発言している時は静粛にするとともに、発言に十分に気をつけるよう、厳重に注意しました。
 
そのうえで、参考人全員に委員会を代表して謝罪文を送ることを決めました。
 
高鳥委員長は記者団に対し、「私は明確に聞き取ることはできなかったが本人も認め、周りの人も聞いたことを確認した。非常に不適切で、委員長として本人を厳重注意したうえで、おわびの文書を出すことにした」と述べました。


(2018.6.22)
 受動喫煙対策「不十分」=がん患者ら参考人質疑−衆院厚労委
JIJI.COM 6月5日
 
 衆院厚生労働委員会で意見を述べる日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長=15日午前、国会内
 
 衆院厚生労働委員会は15日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案について、参考人質疑を行った。政府提出法案は、多くの人が利用する施設の屋内を原則禁煙にする一方、既存の小規模飲食店では喫煙を認めるなどの内容だが、がん患者団体の代表や大学教授ら5人からは、「不十分」などとして見直しを求める声が相次いだ。
 
 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、小規模飲食店での喫煙や加熱式たばこの屋内喫煙を可能にした経過措置について「漫然と放置してはならず、できるだけ早期に見直してほしい」と要請。日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長は、学校敷地内でも屋外喫煙所を設置可能にしたことに関し「がん教育で予防や受動喫煙も学ぶ学校での設置は絶対してはならない」と批判した。
大手信之名古屋市立大教授は、喫煙可能な小規模店舗の条件の客席面積「100平方メートル以下」について「かなり広い」と指摘。黒沢一東北大教授は、加熱式たばこを「(通常の)たばこと同じに扱うべきだ」との考えを示した。山中朋子全国保健所長会長は「法案は(小規模店の)喫煙を認める点で不十分だが、望まない受動喫煙はなくせる。まずは早急な成立を優先するべきだ」と述べた。


(2018.6.22)
 サイゼリヤ全席禁煙、まずSCの店で 家族連れを重視
朝日新聞デジタル 6月20日
 
 イタリアンレストランのサイゼリヤは、ショッピングセンター(SC)に構えている全国の275店を、7月21日から全席禁煙にする。
 
 サイゼリヤは家族連れや未成年に快適に過ごしてもらおうと、2019年9月ごろには、全店を全席禁煙にする方針だ。
 
 ショッピングセンターではセンター共用の喫煙所が使えるため、先行して踏み切った。併せて、禁煙席の利用が多い京都府の21店も全席を禁煙にする。これによって、全国の約1100店の3割近くが全席禁煙になる。
 
 国や自治体は受動喫煙の対策を強めており、外食各社は全席禁煙の店を増やしている。
 
 居酒屋チェーンの「串カツ田中」は6月から、約190ある店の大半を全席禁煙にした。ファミリーレストランの「ココス」は600近くある全国の店を、19年9月末までに全席禁煙にする方針だ。(長橋亮文)


(2018.6.21)
 コメダ珈琲、新規店舗は原則全面禁煙 「吸う人減った」
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 6月14日
 
 コーヒーチェーンのコメダ珈琲(コーヒー)店は、新たに開く店舗については原則、「全面禁煙」とする方針だ。新規出店するフランチャイズ(FC)経営者に禁煙を要望しており、国会で議論されている受動喫煙防止対策を先取りするねらいだ。
 全国で800店ほどを展開するコメダは今年度55〜60店舗出店する計画。国会で審議している健康増進法の改正案は、新たに開設する飲食店は原則屋内禁煙で、専用の部屋のみで喫煙を可能とする。コメダは改正案成立を視野に入れ、新規に出店するFC経営者に店内全面禁煙を3月から要望。ただ、最終的な判断は各経営者に委ねられる。
 新たに出す直営店は全面禁煙にする。8月に開店する沖縄県糸満市の直営店は喫煙席を設けない。広報担当者は「店でたばこを吸う人が減り、時代の流れに沿った判断」と説明する。
 同社のウェブサイトによると、全面禁煙としているのは全国16店舗。約240店を展開している愛知県内で、全面禁煙なのは現時点では6店舗にとどまる。多くはカベなどで仕切る分煙だ。既存店については「国の議論を見ながら検討する」(広報)という。


(2018.6.21)
 飲酒・喫煙・養育費…成人年齢18歳でどう変わる?施行時19歳は?
ヤフーニュース(リセマム) 6月15日
 
 2018年(平成30年)6月13日、民法の成年年齢を20歳から18歳に引き下げることなどを内容とする民法の一部を改正する法律(成年年齢関係)が成立した。現状、18歳未満および成人未満でなければ利用できなかったサービスや行為の利用範囲は今後、どのように変わっていくのだろうか。
(略)
20歳を維持するもの
 喫煙、飲酒、競馬・自転車競技・小型自動車・モーターボートなどのギャンブル、養子を取ることができる者の年齢は現行法と同じく20歳とする。国民年金保険の被保険者資格や、大型・中型免許等の取得年齢も20歳のまま。特別児童扶養手当の支給対象となる者の年齢も、20歳で変更なし。猟銃の所持の許可も、現行の「鉄砲刀剣類所持等取締法」どおり20歳とする。
(略)
《リセマム 佐藤亜希》


(2018.6.21)
 米国の喫煙率、13.9%と過去最低に 報告書
AFP BB NEWS 6月19日
 
 【6月19日 AFP】米国における成人喫煙率が過去最低の13.9%だったことが、19日に発表された政府報告書で明らかになった。
 
 今回の報告書は、米疾病対策センター(CDC)の国立衛生統計センター(NCHS)が、2017年の成人喫煙者について調査したもの。
 
 2016年のデータを用いた前回の報告では、成人喫煙率は15.5%、また50年前は40%超だった。
 
 専門家らは、数十年にわたって健康に対する警鐘を鳴らしてきた結果、常習的な喫煙が肺がんなどの原因になり得るとの一般認識が高まり、喫煙者数の減少につながったと指摘している。
 
 一方で今回の報告書は、地方部で暮らす人々の喫煙率が、都市居住者よりもはるかに高いままであり、大きな格差は残ったままだと指摘。
 
 100万人以上が居住する大都市圏においては、成人喫煙率はわずか11%だった一方、地方部では22%近くに上ったという。(c)AFP


(2018.6.17)
  受動喫煙対策が不十分 衆院厚労委 健康増進法改定案が可決 全参考人、不備を指摘
しんぶん赤旗 6月16日
 
 衆院厚生労働委員会は15日、多くの人が利用する施設を原則禁煙とするなど受動喫煙対策を強化する政府提出の健康増進法改定案を賛成多数で可決しました。日本共産党、立憲民主党、日本維新の会は対策が不十分だと反対しました。
 
 (写真)質問する高橋千鶴子議員=13日、衆院厚労委
 
共産党など反対
 同日行われた参考人質疑では、5人の参考人全員が不十分との考えを示しました。
 
 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、政府案の不足点として、▽既存の100平方メートル以下の飲食店を例外にする▽学校、病院などの敷地内に喫煙所を設置できる―を指摘。「早期に見直してほしい」と求めました。
 
 日本肺がん患者連絡会の長谷川一男理事長は「政府案に強く反対する」と明言。父親の喫煙の影響で肺がんを患った体験を語り「受動喫煙の被害者の声が上がらないことで、重さが軽く考えられているとしたらやりきれない」と訴えました。
 
 名古屋市立大の大手信之教授は例外規定の100平方メートル以下を「かなり広い」として狭めるよう要求。全国保健所長会の山中朋子会長は、既存飲食店の対策とともに指導監督など保健所職員の事務が増えるため「現在の体制では対応が厳しい」と技術・財政支援を求めました。東北大の黒沢一教授は、喫煙場所の設置は禁煙の機会を失うとして完全禁煙を主張しました。
 
 法案では、煙を出さない加熱式たばこは専用喫煙室をつくれば中で飲食等もできるとされています。日本共産党の高橋千鶴子議員は同日の質疑で、パチンコ店では加熱式たばこ専用室でパチンコができるのかと質問。加藤勝信厚労相は「専用室では飲食や本を読むことができる。一定の空間を認めていく基本的な考え方を適用する」と述べ、パチンコも排除しない考えを示しました。高橋氏は、長く多くパチンコをするほど喫煙率が高いとの調査も示し、業界の要求に応じて規制緩和してきたと批判しました。
 
 高橋氏は13日にも質問。WHOの「たばこ規制枠組条約第8条履行のためのガイドライン」では「受動喫煙の被害をなくすには完全禁煙以外の方法はなく」と書いており、日本も批准していることから「経営事情というが、全面禁煙にすれば1円もかからない」と指摘しました。さらに喫煙専用室や屋外の喫煙所について追及。労働安全衛生法に基づく喫煙施設も結局は換気扇などで煙を空気中に放出しているにすぎず、対策を取ったとは言えないと批判しました。
 
 高橋氏は、ニコチン含有量など紙巻きたばことほぼ変わらない加熱式たばこを禁煙へのステップと勧める風潮があると指摘。加藤勝信厚労相は、禁煙に有効か相反する研究があるとして「(厚労省が)推奨する状況には当然ない」と答えました。


(2018.6.17)
 びっくりドンキー全席禁煙へ 直営店、来年度にも
北海道新聞 どうしん電子版
 
 ハンバーグレストラン「びっくりドンキー」を全国展開するアレフ(札幌)は、受動喫煙を防ぐため、19年度中にも原則、全国の直営店で客席の全面禁煙を完了する。店内に専用の喫煙ブースを設置。将来はフランチャイズ(FC)店も全席禁煙を目指す。
 
 ファミリーレストラン形態の外食チェーンでは全国的に禁煙の流れが進んでおり、同社も20年の東京五輪を控え、外国人客増を見込んで対応した。
 
 4月現在、直営店は126店(道内24店、道外102店)で、約7割が全席禁煙。18年度内に81%に達する予定だ。


(2018.6.17)
 モスバーガー、2020年までに完全禁煙 喫煙室も撤廃
朝日新聞デジタル 3月20日
 
 「モスバーガー」を展開するモスフードサービスは30日、東京五輪・パラリンピック前の2020年3月までに国内約1350店すべてを完全禁煙にすると明らかにした。国の受動喫煙対策強化の流れを受け、家族連れを積極的に呼び込む狙いだ。
 
 現在、店内で喫煙できるのは分煙の約600店と、喫煙専用室のある約100店舗。順次改装を進め、喫煙専用室も設けない完全禁煙にする。客からの要望や、アルバイトら従業員の健康に配慮した。
 
 政府は3月上旬、チェーン店の飲食店などに禁煙を義務づける健康増進法改正案を閣議決定した。成立すれば、喫煙場所への未成年の立ち入りも禁止されるため、働き手確保の狙いもある。
 
 外食大手では、日本マクドナルドが14年までに全店を禁煙化。日本ケンタッキー・フライド・チキンも約1100店の大半を禁煙にした。ファミリーレストランのサイゼリヤも来年秋までに全店を禁煙にする。


(2018.6.16)
 加熱式たばこに異論噴出 受動喫煙法案が衆院厚労委可決
朝日新聞デジタル 6月16日
 
受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案は15日の衆院厚生労働委員会で、自民・公明両党などの賛成多数で可決された。19日にも衆院を通過し、参院に送付される見通し。参考人質疑では、規制が緩い加熱式たばこについて「紙巻きたばこと同様の規制にすべきだ」と異論が噴出。調査研究の結果に基づき、加熱式たばこを同様に取り扱うなど、必要な措置を速やかに講ずるとした付帯決議も15日、可決した。
 
 改正案は、焦点だった飲食店を原則屋内禁煙(喫煙専用室は設置可)とするが、例外的に客席面積100平方メートル以下で個人経営か中小企業の既存店は「喫煙」「分煙」などと表示すれば喫煙を認める。加熱式たばこも規制対象だが、受動喫煙による健康影響が未解明として、加熱式たばこ専用の喫煙室では飲食もできる内容になっている。
 
 全国がん患者団体連合会の天野慎介理事長は、世界の加熱式たばこの販売量の大半を日本が占めていることを挙げ、「健康被害が実際に出始めてからでは遅い」と指摘。名古屋市立大学病院の大手信之副院長は「食事をすると滞在時間が長くなり、煙が付着したり吸入したりすることもある。健康影響が将来的にわかってから規制を緩めるのは可能だろうが、その逆は難しいのではないか」と話した。
 
 日本肺がん患者連絡会の長谷川一男代表は「改正案では、飲食店の55%が例外的に喫煙できる状況にあり、受動喫煙をなくせるのか疑問だ。安全性が確立していない加熱式たばこは紙巻きと同様に規制すべきだ」と訴えた。

 与党は、20日までの会期の延長を視野に、今国会での成立を目指す。(黒田壮吉、阿部彰芳)


(2018.6.13)
 マールボロ、520円に フィリップ・モリスが値上げへ
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 6月12日
 
 フィリップ・モリス・ジャパンの「マールボロ・ボックス」。現在の470円から520円に値上げする(同社提供)
 
 国内たばこ販売2位のフィリップ・モリス・ジャパンは12日、紙巻きたばこの全4ブランド86品について、値上げを財務省に申請したと発表した。認められれば、10月のたばこ増税にあわせて20〜50円引き上げる。主力の「マールボロ」(20本入り)は初めてワンコインを超え、1箱470円から520円になる。
 
 対象ブランドは他に、「ラーク」「パーラメント」「バージニア・エス」。20本入りの商品は一律で50円の値上げになる。加熱式たばこ「アイコス」の専用たばこについては、すでに10月から値上げする方針を示しており、今後、追加で申請するとみられる。


(2018.6.13)
 NY市たばこ1箱13ドルに 値上げで禁煙促進
DAILYSUN NEW YORK  6月4日
 
 ニューヨーク市保健精神衛生局は1日、たばこの最低小売価格を1箱13ドル(注:約1438円)に値上げ、市ではたばこが全米一高くなった。ビル・デブラシオ市長が推進する禁煙政策の一環。市で現在85万人以上とされる喫煙者を2020年までに16万人まで減らしたい考え。市のたばこ関連疾病による死者は年間約1万2000人。


(2018.6.3)
 世界禁煙デー、喫煙にまつわるデータと実情
時事コム(AFP) 5月31日
 
 世界では毎分1100万本近いたばこが消費され、またその習慣によって同10人が死亡している──こうしたデータが専門家らによって提示されている世界のたばこ産業だが、その利益は年間数十億ドル(数千億円)に上る。
 5月31日の世界禁煙デーに合わせ、世界の喫煙関連データと実情を以下に記す。

■喫煙者の数
 世界保健機関(WHO)やその他の専門機関による推計によると、全世界の喫煙者は約10億人。世界人口の約7分の1を占める。
 喫煙者が最も多い国は中国で、WHOの昨年の報告によると、その数は約3億1500万人に上っており、世界全体の約3分の1以上のたばこを消費しているという。一方、人口に占める喫煙者の割合が最も多かったのはインドネシアで、15歳以上の76%が喫煙しているとされた。
 世界の喫煙者の約80%は、低中所得国の人々で、このうち2億2600万人は貧困状態にあると考えられている。

■減少傾向にあるのか?
 2017年4月に英医学誌ランセット(The Lancet)に掲載された研究論文では、毎日喫煙する人の割合が過去25年間で激減しているという。2015年は男性で4人に1人、女性で20人に1人となり、1990年のそれぞれ3人に1人、12人に1人から大きくその数を減らした。
 市場調査会社「ユーロモニター・インターナショナル(Euromonitor International)」によると、中国でのたばこ販売量も減少しており、2012年のピークに比べて10%落ち込んだという。
 一方、規制が緩い国々では、たばこの消費量が増えている。貧困国、特にアフリカのサハラ以南でそうした傾向がよりはっきりとみられた。

■平均6秒に1人が死亡
 たばこは、回避可能な死につながる筆頭要因だと専門家らは指摘する。
 WHOによると、能動または受動喫煙によって毎年700万人以上が死亡しており、また、たばこの消費で平均6秒に1人の命が奪われているという。たばこに関連する主要な疾患には、がんや心臓発作、脳卒中、肺がんなどがある。
 20世紀中、たばこが原因で1億人の命が奪われた。今のペースが維持された場合、21世紀中に最大10億人が死亡することも考えられるとWHOは注意を促している。
 医学誌BMJ発行の専門誌「タバコ・コントロール(Tobacco Control)」に掲載された2017年1月の論文によると、世界の医療保障に関する支出約6%と世界GDPの2%近くは、喫煙に関連したものだという。その額は、2012年に世界全体で14億3600万ドル(約1560億円)に上り、このうちの40%を発展途上国が占めていた。

■利益と生産
 WHOはタバコ栽培に使用されている土地面積について、世界全体で約430万ヘクタールに上るとしている。これは、スイスの国土とほぼ同じ面積だ。
 ユーロモニター・インターナショナルによると、年間に販売されるたばこの総量は6800億ドル(約74兆円)に相当するとされ、また、たばこ生産量では中国が首位に立っており、原料のタバコ栽培でも世界全体の40%を占めると「たばこアトラス(Tobacco Atlas)」は報告している。
 同報告書によると、世界の喫煙者らが消費するたばこは年間約5兆7000億本に上り、1分あたり110万本近くとなる計算だという。
【翻訳編集】 AFPBB News


(2018.6.3)
 喫煙原因で「年に700万人以上死亡」 WHOが声明
ヤフーニュース(朝日新聞DIGITAL) 5月31日
 
 世界禁煙デーの5月31日に合わせ、世界保健機関(WHO)と世界心臓連合は、年に約700万人が喫煙が要因で死亡しているとして、注意を呼びかける声明を出した。喫煙によりがんになるリスクが高まることは知られるようになったが、循環器系の病気になりやすくなることへの認知度はまだ低いとし、たばこ対策強化を呼びかけている。

 喫煙や他人のたばこの煙を吸う受動喫煙により、病気になるリスクは高まる。声明によると、心筋梗塞や心臓発作、心不全など循環器の病気による死者は年間約1790万人。これらの病の要因は高血圧が1位でたばこが2番目。約300万人と推計されている。

 また、WHOの報告書によると、2000年に27%だった世界の喫煙率は、16年には20%と下がっていた。男性の喫煙率は33・7%、女性は6・2%。15歳以上の約11億人が喫煙者と推計。13〜15歳の未成年の喫煙者は約2400万人で、男子の喫煙率は9・3%、女子は4・2%と見積もった。喫煙率の低下についてWHOは「00年にも喫煙者は約11億人いた。人口増加によるもの」とし、喫煙者が増加している国もあると指摘。「喫煙率は下がってきているが、満足できる速さではない」とした。
 報告書はWHOのページ
http://www.who.int/tobacco/publications/surveillance/trends-
tobacco-smoking-second-edition/en/)から読める。(小坪遊)


(2018.6.3)
 激減! 20年間で6割減の国内たばこ市場。禁煙推進は続く
ヤフーニュース(投信1) 5月31日
 
世界的な禁煙推進の日、5月31日は『世界禁煙デー』
5月31日は『世界禁煙デー』です。これは、世界保健機関 (WHO)が
禁煙を推進するために制定した記念日です。また、数少ない“国際デー”の1つにもなっており、禁煙推進活動が世界的なムーブメントになっていることがうかがえます。
なお、日本では、この「世界禁煙デー」に加え、5月31日〜6月6日までの1週間を「禁煙週間」に制定しており、厚生労働省が旗振り役となって喫煙に伴う健康への影響等についての啓蒙活動を行っています。

喫煙者にとっては肩身が狭い世の中に
現代では、“禁煙を推進する”というよりも、喫煙の行為そのものを“悪”と見なす風潮が強まっていると言えましょう。
それを如実に示しているのが、タバコ産業(銘柄別のロゴを含む)の広告規制です。特に、従前はタバコ産業が最大のスポンサーであったF1やインディカーなどモータースポーツにおいて全面禁止、もしくは、自主規制による大幅制限(一部の例外を除く)などの処置が講じられています。
日本においても、東海道新幹線が全面禁煙車両に移行しました。一応、喫煙ルームなる“小部屋”が設けられていますが、禁煙者と嫌煙者に対して完全に配慮する形です。
また、現在の安倍政権で推進してきた「受動喫煙対策法案」も、紆余曲折の末に今年3月に閣議決定されました。法案の内容には様々な意見があるようですが、少なくとも形の上では、喫煙を規制する動きが拡大したのは確かです。
いずれにせよ、喫煙者にとっては、屋内外において肩身の狭い思いをする時代になりました。

国内のタバコ販売本数は約20年間で6割減の激減に
さて、こうした禁煙推進の中で、日本国内のタバコ市場はどのように推移しているのでしょうか。一般社団法人「日本たばこ協会」が発表している販売実績データ(1990年〜2017年)を見ると、非常に興味深い結果が得られます。
まず、販売数量は、1996年の3,483億本をピークにほぼ一貫した減少が続いています。2017年実績はピークから▲58%減となる1,455億本まで落ち込みました。約20年間で▲6割近い激減状態です。

販売金額は販売本数に比べると、やや緩やかな減少に止まるところが、販売代金を見ると、ピークである1999年の4兆2,600億円に対して、2017年は3兆1,655億円でした。
確かに、ピークから▲26%の大幅減となっていますが、販売本数の激減に比べると明らかに緩やかな減少に止まっています。

現在1箱430円の『メビウス』、20年前の値段は?
この現象は、“たばこ税引き上げに伴う値上げ”でほぼ説明できると言えましょう。過去、たばこ税は何回かにわたって引き上げられてきましたが、その全てが販売価格に転嫁されてきたと考えられます。
たとえば、1980年に1箱(20本入り)180円だった「マイルドセブン」は、その後に「メビウス」へブランド名が刷新されましたが、現在は430円で販売されています。
ちなみに、販売本数がピークだった1996年は1箱220円、販売金額がピークだった1999年は250円でしたから、この約20年間で尋常でない値上げが実施されたことになります。

度重なる値上げにも屈しない喫煙者の強い嗜好を垣間見るこの“たばこ税の引き上げ”、つまりは、たばこの販売価格の値上げに注目すると、値上げに伴ってやむなく禁煙する人、禁煙せざるを得ない人、あるいは、喫煙量を減らす人が増えたことは容易に推察できます。
その一方で、値上げにもかかわらず喫煙を維持する人も一定割合いると判断できます。タバコを嗜む人にとっては、禁煙推進活動よりも、経済的事情のほうが影響した可能性が高いと言えるかもしれません。

“新型たばこ”市場が急拡大の兆候、健康への影響は?
たばこ販売に関してもう一つ注目すべきは、直近の2年間で減少ペースに拍車がかかっていることです。販売数量では2016年が▲8%減、2017年は▲13%減、販売金額ベースでは2016年が▲7%減、2017年が▲13%減となっています(いずれも対前年比の増減率)。
この理由としては、禁煙啓蒙活動の浸透効果や、一部の銘柄の値上げ実施などが指摘されます。しかし、それ以上に「加熱式たばこ」や「電子たばこ」の人気が急速に高まったことが挙げられましょう。
これら“新型たばこ”に関しては、健康に対するリスクの有無について世界中で様々な議論が行われています。仮に、従来の“紙たばこ”から“新型たばこ”へシフトが加速しても、健康への影響が軽減されなければ無意味です。
今年の世界禁煙デーは、例年とは違った観点で、タバコについて考えてみるのもいいかもしれません。


(2018.6.3)
 禁煙議会まだ3割 庁舎ダメでも議会OK「甘い体質だ」
ヤフーニュース(朝日新聞DIGITAL) 5月31日
 
 31日の世界禁煙デーを前に、自治体の受動喫煙防止の取り組みを47都道府県に聞いたところ、8割の38道府県が庁舎内を完全禁煙にする一方、議会の禁煙は3割の15府県にとどまり、7割の32都道府県で喫煙できることがわかった。民間施設も含む屋内の受動喫煙を独自の条例で規制しているのは3県で、具体的な検討は2都府にとどまった。規制が広がらない背景に、議員の喫煙を指摘する声もある。
 朝日新聞が47都道府県に書面と電話で取材し、全自治体が回答した。
 庁舎内を完全禁煙にしているのは38道府県。一方、庁舎に喫煙場所があるのは福島、群馬、東京、新潟、石川、愛知、熊本、宮崎、鹿児島の9都県だった。
 これに対し、議会は32都道府県で分煙も含めて喫煙可能だった。このうち23道府県では、庁舎は完全禁煙なのに、議会には喫煙場所を設けていた。議会棟に喫煙室を設けたり、各会派の判断で議員控室で喫煙できるようにしたりしていた。「議会は不特定多数の人たちが出入りする場所ではない」(神奈川県議会局)と理由を説明する議会が多いが、日本禁煙学会の作田学理事長は「庁舎は禁煙で議会は吸えるというのは明らかにおかしい。吸っている議員が多いことの表れで、自分たちに甘い体質が出ている」と批判する。

【図】屋内の受動喫煙を巡る都道府県の状況


(2018.6.2)
 世界の禁煙進む、循環器疾患の喫煙リスクに啓発必要=WHO
REUTERS 6月2日
 
 [ジュネーブ 31日 ロイター] - 世界保健機関(WHO)は、31日の「世界禁煙デー」に合わせて発表した報告で、世界的に女性を中心に喫煙者数が減少しているものの、2025年までに喫煙率を2010年時点から30%減らすとの目標が達成できる見通しの国は、8カ国中1カ国にとどまっていると明らかにした。
 
 世界では毎年、喫煙によって心臓発作や脳卒中などの循環器疾患を発症して若年で死亡する人が300万人に上り、世界の主要な死因となっている。この中には、受動喫煙による死亡の89万人も含まれている。
 
 WHOは2005年、タバコの宣伝禁止などを盛り込んだたばこ規制枠組み条約(FCTC)を発効させ、これまでに180カ国が批准している。
 
 WHO生活習慣病予防局のダグラス・ベッチャー局長は記者会見で、「世界の喫煙率は、2000年の27%から2016年には20%に低下し、進展は見られる」と指摘。先進国は開発途上国に比べ進展が早いと述べた。
 
 そのうえで、「中低所得国の(進展を)妨げている主因の一つは明らかに、死亡した購買客を穴埋めするためたばこを自由に宣伝し、若者にとって手ごろな価格に維持したいと考えるたばこ業界が国に抵抗している点だ」と述べた。
 
 米州は目標達成が見込まれる唯一の地域だが、米国は例外。たばこ包装の警告文を巡る訴訟や課税の遅れなどが要因だという。
 
 一方、西欧では女性の禁煙が進まず一部諸国が「行き詰まり」状態に陥っている。アフリカの男性の禁煙には遅れが見られ、中東ではむしろ喫煙が増加している。
 
 WHOは、たばこ由来の死亡は世界で毎年700万人超に上り、多くの人は喫煙ががんのリスクを上げることを認識しているが、中国とインドの喫煙者の多くは心臓疾患や脳卒中などのリスクが上昇していることを知らず、啓発活動の強化が緊急に必要としている。
 
 世界の成人喫煙者は11億人、うち死亡者数1位の中国が3億0700万人、2位のインドが1億0600万人、インドネシアが7400万人を占めている。
 
 世界の無煙タバコ使用者は3億6700万人、このうちインドが2億人を占めているという。


(2018.6.2)
  「世界禁煙デー 東京の受動喫煙条例は?」(ここに注目!)
NHK 解説委員室 5月31日
 
 5月31日はWHO・世界保健機関が定める「世界禁煙デー」。
 これにちなんで、たばこ規制の話題です。
 
 東京都は来月開かれる都議会に、他人のたばこの有害物質を吸い込む「受動喫煙」の防止のための条例案を提出予定です。
 その骨子は、飲食店では従業員を雇っている全ての店で、喫煙専用室の設置は認めるものの原則屋内禁煙にするというものです。都内の飲食店の8割以上が原則屋内禁煙になると見込まれます。
 
受動喫煙対策というと、法律もできるのでは?
 政府も今国会に受動喫煙対策のための法案を提出しています。ただ、そちらは規模が小さめの既存の店は対象外で、飲食店の半数以上が規制後もたばこを吸うことを可能にできる内容です。
 ですから、都の案は現時点では国よりは厳しい対策を意味していて、これは2020年に向けてIOCやWHOが求めている「たばこの無い五輪」に近づけようとする動きとも言えます。
 
実現の見通しは?
 今のところまだはっきりしたことは言えません。国の受動喫煙対策も当初厚生労働省が示していた規制案は、飲食店業界やたばこ産業などの強い反対があって自民党の了承が得られず、大幅に緩和された経緯があります。業界団体は今回の都の案にも反対する署名活動を展開し見直しを求めています。逆に東京都医師会などは条例化を後押しする署名活動を行い、せめぎ合いになっています。
 もし東京で条例化が進めば他の自治体にも影響が広がることが考えられますので、日本の受動喫煙対策がどうなるのか?この「東京夏の陣」の行方が注目されます。


(2018.6.1)
 居酒屋チェーン 禁煙に踏み切る
NHK NEWS WEB  首都圏 NEWS WEB 6月1日
 
外食チェーンで相次ぐ全面禁煙の動きが、ついに居酒屋にも広がります。
全国展開する居酒屋チェーンが、1日から禁煙に踏み切りました。
 
全国で192店舗を展開する居酒屋チェーンの「串カツ田中」は、1日から全体の9割にあたる176店舗で、客席を禁煙にしました。
喫煙専用のスペースを設置するのも一部の店舗だけで、ほぼ全面的な禁煙となります。
このうち、東京・渋谷区の店舗では午後5時の開店を前に禁煙を知らせるポスターが貼り出され、テーブルから灰皿が片付けられました。
この会社では、客からの要望に加え従業員の受動喫煙への対策に取り組む必要があるとして禁煙化を決めたということで、子ども向けのメニューを充実させるなどして新たにファミリー層を取り込みたいとしています。
2年後の東京オリンピック・パラリンピックを見据えて受動喫煙対策を強化するため、一定規模以上の飲食店を原則、禁煙にするなどの法案がいまの国会に提出されています。
こうした中で外食大手の間では禁煙化の動きが出ていますが、たばこを吸う人も多い居酒屋で、全面的な禁煙に踏み切るのは珍しいということです。
 
全面的な禁煙となった初日にさっそく店を訪れた子ども連れの40代の女性客は、「たばこの煙を子どもに吸わせたくないので、禁煙化で安心して過ごせるようになり、うれしい」と話していました。
 
串カツ田中の広報担当の永瀬もなみさんは、「短期的には客離れにつながる不安もあるが、家族連れも入りやすい店を目指しているので、長期的にはプラスになると考えている」と話しています。


(2018.6.1)
 学校敷地の全面禁煙 長野県は全国最低40・1%
信毎Web 4月27日
 
文部科学省が2017年度、公立の小中高校での受動喫煙防止対策の実施状況を調べたところ、長野県は学校敷地内を全面禁煙にしている割合が全国最低の40・1%で、全国平均の93・4%を大きく下回ったことが26日、分かった。03年の健康増進法施行後、県施設などを禁煙とする動きがあったが、県庁周辺での職員らの路上喫煙が近隣の不評を買い、県は06年に喫煙所を設けて分煙する方針に緩和。県教委も学校での敷地内全面禁煙を積極的に進めず、全面禁煙が進む全国に後れを取る格好となった。
 
今国会で審議中の健康増進法改正案が成立すれば、学校敷地内での喫煙は原則、認められなくなる。県教委は「世の中の動きに合わせて全面禁煙を進めたい」としている。
 
文科省の調査は全国の公立の幼稚園、小学校、中学校、高校などを対象に実施。17年5月1日時点で受動喫煙対策を取っているかを聞き、具体策について▽敷地内全て禁煙▽建物内に限り禁煙▽建物内に喫煙室を設けて分煙―の中から選択させた。
 
その結果、県内の県立・市町村立の654校・園の全てで受動喫煙対策を取っていたが、建物内に限る禁煙が321校、喫煙室を設けた分煙が71校に上り、全面禁煙は262校だった。
 
原山隆一教育長は26日の記者会見で、「(審議中の)法案の中身や他県の状況を見ると、これまでの経過と決別しなければならない時期が来ている」と強調。現在、県立校や市町村教委に対応を求めており、「早急に敷地内全面禁煙の方向性で検討を進める」とした。
 
厚生労働省は、健康増進法改正案成立後、学校や病院などについては屋外に喫煙所を設けて分煙することを認める方向。県教委は国の動向を見ながら喫煙する教職員らへの対応を検討するとしている。


(2018.6.1)
 受動喫煙、国より厳しい規制案 都、内容変えず提出へ
東京新聞 TOKYO WEB 5月29日 夕刊
 
 東京都は二十九日、国の法案より規制が厳しい受動喫煙防止条例案について、四月に発表した骨子案の内容を変えずに、六月議会に提出すると主要会派に伝えた。都は四月以降、関係団体からヒアリングを行い、賛否両論の意見が寄せられたが、従業員を雇っている飲食店は面積にかかわらず原則禁煙とする内容を維持する。 (榊原智康)
 
 最大会派の都民ファーストの会や第四会派の共産は本紙の取材に対し、厳しい受動喫煙対策の実施に前向きな考えを示している。両会派で過半数を占めるため、条例案は可決される可能性が高い。
 
 条例案では、従業員を雇っている飲食店は原則禁煙だが、煙を遮る喫煙専用室を設ければ喫煙を認める。従業員を雇っていない個人や家族経営の飲食店は、禁煙か喫煙かを選べる。幼稚園や保育所、小中高校は敷地内禁煙とし、屋外に喫煙所を設けることも認めない。
 
 罰則は五万円以下の過料。議会関係者によると、条例案の最終案文については都から「調整中」との説明もあったという。
 
 政府が国会に提出した法案は、面積百平方メートル以下で資本金が五千万円以下の既存店は、喫煙や分煙を表示すれば喫煙が可能。都のヒアリングでは、飲食店やたばこ店の業界団体から「喫煙したい客が離れれば経営に甚大な影響が出て、廃業に追い込まれる店も出る」などと再考を求める意見も出ていた。
 
 小池百合子知事は二十五日の定例記者会見で、「サイレントマジョリティー(声なき多数派)は、早く(条例制定を)やってよという声の方が多いと思う」と述べていた。


(2018.5.29)
 (社説)たばこ対策 世界に追いつくために
朝日新聞デジタル 5月29日
 
 あさって5月31日が世界禁煙デーと定められたのは1988年のことだ。30年たってなお、日本の受動喫煙対策は4段階で評価するWHO(世界保健機関)分類の最低ランクにある。
 
 政府が今国会に提出している法案は、これを1段階引きあげるものでしかないが、「対策」の名に値しないこの法案でさえ成立が危ぶまれている。
 
 議論の場となる厚生労働委員会が働き方改革法案をめぐって紛糾。より厳しいたばこ規制が必要だと唱える側にも、規制に後ろ向きな側にも、審議を進めようという強い意欲はみられず、いわば漂流状態にある。
 
 このままでは、東京五輪・パラリンピックで来日する人を紫煙で迎えることになりそうだ。施政方針演説で「受動喫煙防止対策を徹底する」と述べた、首相の言葉の軽さが際立つ。
 
 一方で、こうした政府や国会をしり目に、世界との溝を埋めようとする動きが、自治体や企業の間に広がっている。
 
 東京都は先月、独自の条例案の骨子を公表した。規模の大小を問わず、従業員を雇う飲食店は原則禁煙とする内容だ。たばこを吸う専用室を設けることは許容しており、たばこ規制枠組み条約に基づく「指針」に照らすとまだ不十分だが、対象は都内の飲食店の8割以上になる。政府案のずっと先をいくもので、都議会の各会派がどんな対応をとるか、注目したい。
 
 ほかにも、奈良県生駒市が勤務時間中の喫煙を禁止し、たばこをやめる職員への支援策を充実させると表明した。東京都調布市は、市内にある全面禁煙の店をホームページで紹介して後押しする。民間でも、喫煙所を撤廃して終日禁煙にした会社や、傘下のほとんどの店を全面禁煙にする方針を打ち出した居酒屋チェーンの取り組みなどに注目が集まっている。
 
 こうした受動喫煙をなくすためのアイデアを社会で競い合いたい。首長や経営者は、職員や住民、社員らに趣旨をていねいに説明して、幅広い理解と支持を得ることが大切だ。
 
 最近新たな論点になっているのが、利用者が増えている加熱式たばこだ。受動喫煙の原因の副流煙はほとんど出ないとされるが、吸った人が吐く息に有害物質がふくまれるとの報告がある。健康への影響が明らかでない以上、通常のたばこと同じ扱いにすべきではないか。
 
 たばこの煙は好き嫌いの問題ではなく、一人ひとりの命や健康にかかわる。その認識にたって、「最低ランク」のこの国の姿を、着実に変えていきたい。


(2018.5.24)
 日本の男性喫煙率、ピーク時の1/3まで減少
nippon.com  Japan Data 5月22日
 
2017年の日本の平均喫煙率は男性が28.2%、女性は9.0%だった。男性の喫煙率はピーク時(1966年)の約3分の1まで減少したが、世界的に見るとまだ決して低いとは言えない水準にある。
 
日本たばこ産業が毎年実施している喫煙者率調査によると、2017年の日本人の平均喫煙率は男性が28.2%、女性は9.0%だった。世代別に見ると、男女ともに「30歳代」「40歳代」「50歳代」が平均値を上回った。
 
男性の喫煙率はピーク時(1966年)の83.7%から半世紀を経て、約3分の1まで減少したが、世界的に見るとまだ決して低いとは言えない水準にある。世界保健機関(WHO)の「世界保健統計2016」では、日本の男性喫煙率は128カ国中60位で、G7各国の中では最も喫煙率が高かった。
 
政府は2018年度税制改正大綱で、同年10月から4年間をかけてたばこ税を1本当たり3円引き上げることを決めている。日本たばこ産業(JT)の代表的な銘柄であるメビウス(2012年までの名称はマイルドセブン)は、2018年5月時点で1箱20本入り440円だが、たばこ増税分60円が全て価格転嫁され、かつ、2019年10月に消費税増税が実施されると、1箱500円以上となる。2000年時点では一箱250円だったので、20年余りで倍以上の価格となり、喫煙率の低下にもつながりそうだ。
 
ただ、フランス政府が2020年までにたばこの価格を10ユーロ(約1300円)に引き上げることを表明するなど欧州諸国は大幅な値上げを打ち出す国が多い。日本のたばこは値上げしてもなお、先進国の中では安い方に分類される。


(2018.5.20)
 紙巻きたばこ、4月販売13%減 
 日本経済新聞  5月18日
 
 日本たばこ協会(東京・港)は18日、4月の紙巻きたばこの販売本数が前年同月比13.7%減の109億本だったと発表した。喫煙者の加熱式たばこへの切り替えが進むなか、減少幅は広がっており、2桁減は11カ月連続となった。販売額は13.2%減の2384億円だった。


(2018.5.19)
 千葉市、禁煙外来治療に助成 妊婦・子ども同居対象 県内初
千葉日報 5月11日
 
 受動喫煙対策の一環で、千葉市は6月から、妊婦か15歳以下の子どもと同居する市民を対象に、禁煙外来治療費の一部助成を始める。受動喫煙を防ぐのが難しい人の健康を守る取り組みで、千葉県内で初めて。熊谷俊人市長が10日の定例記者会見で発表した。熊谷市長は「一人でも多くの人が禁煙できるよう市が後押ししたい」との考えを示した。
 
 対象は妊婦か15歳以下の子どもと同居し、12週間で診察計5回の標準的な禁煙外来治療を終えた市民。1万円を上限に、治療にかかった自己負担額の2分の1を補助する。市外の医療機関での治療も含め、交付は1人1回とする。
 
 希望者は禁煙外来2回目の受診前までに居住する区の保健福祉センター健康課に登録申請した上で、5回目終了後に助成金の交付を申請する。登録申請受け付けは同月1日から。
 
 市健康支援課によると、市内では医療機関約100カ所が、ニコチン依存症患者に禁煙外来治療を実施。貼付薬のニコチンパッチか内服薬のバレニクリンを使う内容で、保険診療の場合、自己負担額は薬剤によって1万3千?2万円程度になるという。
 
 受動喫煙防止条例の制定を目指す市は、併せて禁煙支援に取り組む方針も示していた。妊婦や子どもは同居する喫煙者と行動をともにする機会が多いため、同課は「望まない受動喫煙を防ぐ対策が必要。助成制度立ち上げを機に、お父さんお母さんに禁煙に挑戦してほしい」と期待する。問い合わせは同課(電話)043(238)9926。


(2018.5.19)
 勤務中「タバコで席立ち」禁止、市が働き方改革
YOMIURI ONLINE 4月18日
 
 東京都青梅市は16日、庁内の「働き方改革」第2弾をスタートさせた。
 
 同市は昨年度から時間外勤務の削減に取り組んでいる。今回は、ムダを省き、勤務時間内に効率よく働くための策を取り入れた。
 
 第2弾は、〈1〉専用スペースで認めていた勤務時間中の喫煙を禁止する〈2〉出張や庁外での会議出席は原則2人以内とし、係長以上の出席は1人とする〈3〉庁内の会議の議事録は要旨のみ記載する――などが柱。さらに、執務室の消灯時間を30分早めて午後9時半にする。
 
 同市は昨年度、決まりがなかった消灯時間を午後10時とし、時間外勤務は上司の承諾を得ることにするなどの対策を取り入れた。その結果、時間外勤務は前年度より約2万9200時間(1人当たり月3・4時間)少ない約7万9400時間に減り、人件費は約7400万円抑制できたという。
 
 この日からの第2弾により、市は時間外勤務をさらに10%減らしたい考えだ。


(2018.5.19)
 タバコ1日1本でも、心筋梗塞や脳卒中のリスクは高い
ヤフーニュース(日刊Gooday) 4月20日
 
タバコの本数を大幅に減らしても、心筋梗塞や脳卒中のリスクは依然として高い。
 
喫煙者のなかには、「禁煙は無理だが、タバコの本数を減らせばその分健康被害は減らせるだろう」と考えている人が多いのではないでしょうか。しかしこのほど発表された研究論文で、「心筋梗塞や脳卒中のリスクに関しては、タバコの本数に応じた直線的な増減は見られず、タバコの本数が1日1本であっても、リスクは1日20本吸う人の半分程度にしか減らない」という分析結果が示されました。
 
【関連画像】表1 冠動脈疾患のリスク
 
●肺がんの場合はほぼ直線的な関係が見られるが…
これまで、肺がんと喫煙の関係を調べた研究では、1日の喫煙本数と肺がんを発症するリスクの間にほぼ直線的な関係が見られており、1日に20本喫煙する人に比べ、1本しか吸わない人のリスクは約20分の1(5%)になると報告されていました。
 
英University College Londonなどの研究者たちは今回、1日の喫煙量が1〜5本のライトスモーカーの人々の冠動脈疾患(心筋梗塞や狭心症など)と脳卒中のリスクを、非喫煙者や喫煙本数の多いヘビースモーカーの人々と比較しようと考えました。
 
1946年から2015年5月までに行われた、比較的規模の大きな研究(論文数は55本)のデータを統合して分析し、喫煙経験のない人と、喫煙本数が1本/日、5本/日、20本/日の喫煙者のリスクを比較しました。
 
その結果、男女ともに、喫煙歴がない人々と比較すると、1日に1本しか喫煙しない人でも冠動脈疾患のリスクは高いことが分かりました。
 
循環器疾患に関しては、安全な喫煙量というものはない
 
喫煙本数が1本/日のグループにおける冠動脈疾患リスクは、男性では非喫煙者の1.48倍(質の高い研究に限定すると1.74倍)、女性では1.57倍(同2.19倍)でした(【関連画像】表1 冠動脈疾患のリスク)。20本/日のグルー
プのリスクは、男性が2.04倍(同2.27倍)、女性が2.84倍(同3.95倍)でした。1本/日のグループのリスクの上昇レベルは20本/日のグループの46%で(*1)、質の高い研究に限定すると53%でした。女性ではそれぞれ、31%と38%になりました。
 
*1 計算式は:(1.48-1)/(2.04-1)×100=46.15(%)
 
脳卒中のリスクについても同様に検討しました。1本/日の喫煙者における脳卒中リスクは、男性で1.25倍(質の高い研究に限定すると1.30倍)、女性では1.31倍(同1.46倍)でした。20本/日のグループは、男性が1.64倍(同1.56倍)、女性が2.16倍(同2.42倍)でした。リスクの上昇レベルを20本/日の喫煙者と比較したところ、男性では41%で、質の高い研究に限定すると64%でした。女性ではそれぞれ34%と36%になりました。
 
肺がんのリスクとは異なり、冠動脈疾患と脳卒中のリスクは、喫煙本数を大きく減らしても高く維持されており、喫煙量が1日に1本であっても、リスクは1日20本のおおよそ半分程度でした。こうした循環器疾患のリスクについては、安全な喫煙量というものはなく、リスクを大幅に減らすためには禁煙が必要であることが明らかになりました。
 
論文は2018年1月24日付のBMJ誌電子版に掲載されています(*2)。
*2 Hackshaw A, et al. BMJ. 2018; 360 doi:
https://doi.org/10.1136/bmj.j5855(Published 24 January 2018)
 
大西淳子(おおにしじゅんこ) 医学ジャーナリスト
筑波大学(第二学群・生物学類・医生物学専攻)卒、同大学大学院博士課程(生物科学研究科・生物物理化学専攻)修了。理学博士。公益財団法人エイズ予防財団のリサーチ・レジデントを経てフリーライター、現在に至る。研究者や医療従事者向けの専門的な記事から、科学や健康に関する一般向けの読み物まで、幅広く執筆。


(2018.5.18)
 受動喫煙対策の都独自条例案 医師会などが賛成の署名提出
NHK NEWS WEB 5月18日
 
東京都が受動喫煙対策を強化するため制定を目指している都独自の条例について、東京都医師会などは都の案を高く評価するとして、賛成する署名を都に提出しました。
 
東京都は再来年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、受動喫煙対策を強化するため、都独自の罰則付きの条例案を来月の都議会に提出する方針で、これを前に18日、東京都の医師会、歯科医師会、薬剤師会、それに看護協会の会長らが都庁で小池知事と面会しました。
 
都の条例案の骨子では、従業員を雇う飲食店では、店の規模にかかわらず原則禁煙にするなどとしていて、国の法案に比べより厳しい内容となっています。
 
東京都医師会の尾崎治夫会長は「私どもは人を守ることに注目した案を高く評価していて、ぜひ6月の議会でこのまま通していただきたい」と述べて、条例案の骨子の内容に賛成する、およそ19万6000人分の署名を提出しました。
 
これに対し、小池知事は「都としても新しいルールのもとで、都民や関係する各種団体の協力を得て、実効性のある対策にしていきたい」と述べ、都内の自治体や団体との意見交換を踏まえて条例案の内容をまとめる方針です。


(2018.5.17)
 西城秀樹が遺したメッセージ「2度の脳梗塞には感謝している」
ヤフーニュース(文春オンライン) 5月17日
 
 歌手の西城秀樹さんが5月16日、急性心不全で亡くなりました。享年63。
 
 西城さんは2度の脳梗塞を経験していました。48歳のときに倒れ、生活を改善して予防に努めたにもかかわらず、56歳で再発。2度とも言葉を発しにくい後遺症が出たため、「歌えないなら、死んだほうがましだ」と諦めかけた日もあったそうです。そんな中リハビリを続け、年間70回ものステージをこなしていた西城さんが残した手記を追悼とともに掲載します。
 (出典:文藝春秋2016年12月号)
◆ ◆ ◆
 西城秀樹さん c文藝春秋
 
 そのときまでぼくは、最高に健康な男だと過信していました。
 最初に発作を起こしたのは、2003年6月。ディナーショーのために訪れていた韓国・済州島でのことです。猛烈にだるくて眠くて、翌朝目が覚めたら左の頬が右より下がっていました。ろれつも回りません。
 東京の慶應病院に勤める知り合いの医師に電話で相談したら、「脳梗塞の疑いがありますね」。仕事を終えて翌日、急いで帰国して病院へ行くと、そのまま入院。「ラクナ梗塞」という病名を告げられました。脳内の細い血管が動脈硬化などで狭くなって血液の流れが悪くなる、脳血栓症のひとつだそうです。
 そのときまでぼくは、最高に健康な男だと過信していました。若い頃からワインを毎晩2本、タバコを1日4箱という生活でしたが、46歳で結婚してから食生活に気を配るようになっていました。181センチ、68キロの体型を維持するため、ジムに通ってトレーニングも欠かしませんでした。
 しかし倒れる前は、3週間で5キロの無茶なダイエット。運動中もそのあとのサウナでも、水分補給をしないほうが効果があると勘違いもしていた。そんなことが、血流を滞らせる原因になったんですね。
 
「ゆっくりと時間をかけて病気になったんだから、ゆっくり歩いて治していこうよ」
 運動機能の後遺症は軽かったのですが、倒れた直後は、何かやろうとするたびに「こんなこともできないのか」と気づくショックがありました。脳梗塞という病気について知識がなく、症状も知らなかったからです。何より問題だったのは、脳内の言語を司る神経が塞がれたために「構音障害」という後遺症で言葉が出にくく、上手くしゃべることができなくなったこと。「水」という言葉が、思い浮かばないんです。
 長女は1歳。妻のお腹には7カ月の長男がいました。もう人前で歌えないのなら、生きている価値があるのか。「歌手を引退しようか」と弱音も吐きました。思い直させてくれたのは、妻が言ってくれた、
「ゆっくりと時間をかけて病気になったんだから、ゆっくり歩いて治していこうよ」
という言葉です。専門の先生について口腔機能療法というリハビリを行ない、あごの筋トレや舌のストレッチ、風船を膨らませるといった訓練のおかげで、歌を取り戻すことができました。
 (後略)


(2018.5.15)
 スポーツ庁フロア禁煙に 東京五輪へ受動喫煙対策
サンスポコム 5月14日
 
 スポーツ庁の鈴木大地長官は14日の記者会見で、同庁の職場がある文部科学省13階に設けられた喫煙所について、世界保健機関(WHO)が制定した世界禁煙デーの31日に廃止することを明らかにした。
 
 文科省庁舎内には喫煙所が20カ所設置されている。同省はスポーツ庁のフロアの喫煙所廃止を皮切りとして7月をめどに6カ所に減らす方針。
 
 鈴木長官は2020年東京五輪・パラリンピックを見据えた受動喫煙対策の一環で廃止することを説明。「職員だけでなく、外部の人も利用するスペース。スポーツによる健康増進を図る中で受動喫煙防止を進めていきたい」と述べた。


(2018.5.14)
 東北のホテルに全室禁煙の波 家族連れや外国人客に狙い「禁煙室の予約圧倒的に多い」
河北新報 ONLINE NEWS 5月13日
 
 全ての客室を禁煙にするホテルが仙台圏を中心に東北で増えている。喫煙者が減ったことに加え、2020年東京五輪に向けて政府が強化する受動喫煙防止対策に対応した。他のホテルに先行することで、禁煙ニーズの高い家族連れや訪日外国人旅行者(インバウンド)を取り込む狙いもある。
 仙台国際ホテル(仙台市青葉区)は4月1日、全客室を禁煙にした。従来は禁煙と喫煙をフロアで分け、全234室のうち80室で喫煙できたが、館内2カ所の専用スペースに限定した。
 ホテルは昨年3月から全客室のリニューアルを進めている。客室単価を上げるため、宿泊の8割を占めていたシングル利用からファミリー利用への転換を図るのが狙い。ベッドなどの設備の変更に加え、全室禁煙を導入した。
 販売促進部宿泊課の菅原誠支配人は「近年は禁煙室の予約が圧倒的に多く、家族やカップルは特にその傾向が強い。インバウンドの利用を増やしていくためにもマスト(絶対)だった」と言う。
JR仙台駅周辺には近年、全室禁煙施設の開業が相次ぐ。駅東口でホテルビスタ仙台が16年4月、ホテルメトロポリタン仙台イーストが17年6月、西口でアルモントホテル仙台が17年8月にオープンした。
 メトロポリタンを運営する仙台ターミナルビル(仙台市)は、駅西口の本館に喫煙可能なフロアを残す。担当者は「両館ですみ分けを図り、たばこを吸う人にも吸わない人にも快適な環境を提供したい」と語る。
 アルモントホテルは喫煙所を屋外の駐車場に設け、館内は完全禁煙にした。今後新設される同系列のホテルは全て全館禁煙にする方針だという。
 ホテルの全室禁煙は、日本が世界各国に比べて遅れていた。外国人スキー客らが多く訪れる安比高原(八幡平市)のホテル安比グランドは17年9月、全室を禁煙にした。担当者は「禁煙を求める人は国内外を問わず増えている。世の中に合わせた自然な流れだ」と話す。


(2018.5.13)
 受動喫煙対策を進めるにはまず賛成のしかたを考えよう
BLOGOS 海老沢由紀 5月12日
 
 大阪市と大阪府が受動喫煙防止条例制定へ検討をはじめました。
 吉村大阪市長は、科学的根拠に基づいて検討されていた「以前の厚労省案」をベースとすると発言しており、国際的な基準に沿ったものになりそうです。
 また、加熱式タバコについても踏み込んでいます。注目です。
 
 大阪府の受動喫煙対策条例「加熱式たばこも含む」
 松井知事 受動喫煙防止の条例制定検討
 
 国でも東京都でも、受動喫煙対策については法整備が検討されていますが、なかなか成立しません。
 賛成の人が多い一方で、反対意見も根強く、なかなか前に進まない構図は、憲法改正や都構想などの議論と重なる部分もあります。
 感情的なやりとりになることも多く、前向きな議論に進めるのは容易ではありません。
 
 わたしは、受動喫煙対策については、反対意見に対応するよりも先に、賛成の人に賛成のしかたを考えてもらう方向性が必要だと感じています。
 
受動喫煙対策は規制
 受動喫煙対策は規制であり、人の行動を制限することです。
 今まで自由な場所で自由に吸っていた喫煙者に対し、「ここで吸うな」ということを強要することになります。
 ですので、受動喫煙は良くないなと感じる方の中にも、社会の寛容さを保ちたいと考え、法律で規制することに対して抵抗がある方もたくさんいます。
 
 吸う人が2割しかいないのに。
 たばこの煙の臭いが嫌。
 
というような、「吸う人の権利」vs「吸わない人の権利」という構図に持っていく言い方になってしまうと、強い抵抗につながります。
 
 また、感情的な意見のぶつかり合いになることで、良識のある最も一般的な人々は、その議論から離れようとします。
 強い意見を持っている方は、実は少数派であり、バランスを取ろうとする多くの「浮動票」の獲得には冷静さが必要です。
 
 大切なのは健康被害を食い止めること
 
 受動喫煙対策が必要な理由は、健康被害があるからです。
 健康被害があるというエビデンスについては、津川友介先生(ハーバード大学)のブログをお読みください。
 
 受動喫煙に関するエビデンスのまとめ
 科学者はどのように「不完全なエビデンス」を国民に伝えるべきか?
 
 日本国内で年間15000人が死亡しています。
 中には「そんなに死ぬはずがない」と感じる方もいるようです。
 受動喫煙の被害が目に見えにくく、具体的な話になりにくいこともあり、直感的な理解は難しい部分があります。
 
 交通事故では年間約5000人が死亡します。
 たとえば、知人の方が交通事故で亡くなったというのは、原因がはっきりしていますから具体的な話です。
 しかし、受動喫煙による健康被害で亡くなった方は、「知人が受動喫煙で亡くなった」という具体的な話にはなりません。
 医師にも、ある人の癌が能動喫煙によるものなのか、受動喫煙によるものなのか、タバコとは全く関係のない原因によるものなのか、などの見分けはつきません。
 受動喫煙を原因として亡くなった方が、理論的に一定の割合でいるのですが、それが誰なのかは、はっきりしないのです。
 
 「もし受動喫煙対策が完全であったなら15000人は死なないですんだ」ということを理解するためには、医学的知識や統計学的な知識が必要で、抽象的でイメージしにくいのが問題なのです。
 
 「受動喫煙は健康被害をもたらす」ということをスッキリ受け入れられない方には、賛同を求めてもなかなか難しいでしょう。
 まずは、健康被害があるというエビデンスを受け入れられる方に、賛成のしかたを考えてもらうことが最初で、「受動喫煙対策は健康被害を食い止めるためのもので、権利の話ではない」ということを理解してもらい、人権の話から離れてもらう必要があります。
 
 受動喫煙対策は、上下水道や公害対策などと同じ社会的インフラの整備だと理解してもらうことです。
 
法規制は必要である
 法律はもともと、慣習や社会規範、道徳で内側から支えられているものが、その延長上に社会的な必要性があって成立するものがほとんどです。
一部の方からは、受動喫煙対策はマナーや道徳の問題で、法規制は必要ないという意見もありますが、どうでしょうか。
 
 経済学で、喫煙は公害と同様に「外部不経済」の例としてしばしば取り上げられます。
 外部不経済とは、平たく言えば、社会に損失を与えていたとしても、そのコストを負担しなくても良い状況のことです。
 
 もし工場が川に流していた廃液の処理コストを負担することになると、その企業の内部だけで考えると経済的に損します。基本的に進んで対策はしません。
 しかし、廃液によって魚が取れなくなったり、病気になったりする人がいるならば、社会的には経済的な損失が発生しますので、社会全体からみると対策が必要になります。
 企業が、自分たちが垂れ流している廃液が大きな被害を生んでいるという理解や、社会からのなんらかのプレッシャーがなければ、企業にはコストを負担する動機が生まれないのです。
 
 受動喫煙も構図が似ています。好きな場所で好きなように吸う自由を手放すためには、なんらかのインセンティブやプレッシャーが必要です。
 「受動喫煙が問題になっている」ことは認知している人が多い中、マナーだけで成立するなら、すでに問題になっていないはずではないでしょうか。
 
分煙は有効ではない
 分煙は、受動喫煙対策として有効ではないことがわかっています。
 分煙を受動喫煙対策として機能させるためには、竜巻並みの吸引力のある空気清浄機が必要だそうです。
 
 受動喫煙対策が、健康被害を食い止めるために必要なのであるということを考えると、完全な対策が必要であり、中途半端な対策では意味を成しません。
 
法整備に持っていくための手段
 しかしながら、政治の立場で考えると、実際に法整備を進める上でのプロセスとしては意見が分かれるようです。
 反対意見に配慮して一歩一歩段階的に進めることを目指すやり方と、正論を貫き一気に完全に機能する対策まで持っていこうとするやり方。
 
 塩崎恭久前厚労大臣は、エビデンスに基づいた「元の厚労省案」にこだわり、譲りませんでした。
 医療の専門家などに絶賛されましたが、法案が流れたことで、一部の政治家には、調整能力が足りないとして批判されました。
 
 神奈川県知事だった松沢成文参議院議員は、神奈川で自身が制定した受動喫煙防止条例について、「機能しなかった。最初から罰則がきちんと適用されるようにすべきだったし、面積基準ももっと厳しくするべきだった。」と発言しています。
 
 分煙については、根強い反対意見に対応する手段として、完全に捨て去ることはできないということなのでしょう。
 わたしは、分煙には否定的です。受動喫煙対策は最初から完全にしないといけないという意見ですが、なかなか難しいところです。


(2018.5.12)
 【養老乃瀧】店内全面禁煙を試験導入〜居酒屋養老乃瀧グループ店舗での受動喫煙対策〜養老乃瀧・だんまや水産一部店舗にてスタート
JIJI.COM ニュース 5月10日
 
[養老乃瀧 株式会社]
 店内全面禁煙を試験導入〜居酒屋養老乃瀧グループ店舗での受動喫煙対策〜養老乃瀧・だんまや水産一部店舗にてスタート
 
 養老乃瀧株式会社(本社:東京都豊島区、代表取締役:矢満田 敏之)は、一部店舗において店内全面禁煙を試験導入したことをお知らせいたします。
 
 今回の試験導入は、今般の厚生労働省、東京都が発表した受動喫煙防止条例案に基づく、受動喫煙対策の取り組みであり、お客様満足度向上を目指しております。
 2020年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向けて、多くの施設において禁煙への様々な取り組みが実施されています。当社は、ご来店されたお客様に快適にお過ごしいただく為に、今後もグループ店舗への受動喫煙対策に取り組んでまいります。
 
 また、旗艦店である養老乃瀧 池袋南口店を含む一部店舗および、受動喫煙防止条例を制定する神奈川県内のグループ店舗において、分煙や喫煙ルームの導入を先行して推進しております。今後も全国的に対応してまいります。
 
■養老乃瀧グループ店内全面禁煙およびフロアー別禁煙実施店
【店内全面禁煙】
養老乃瀧 歌舞伎町店
だんまや水産 広瀬通駅前店
だんまや水産 ポルテ金沢店
だんまや水産 栄3丁目店
 
【フロアー別禁煙】
一軒め酒場 青物横丁店
一軒め酒場 藤沢店
 
【実施開始時期】2018年5月8日(火)より
※養老乃瀧 歌舞伎町店のみ5月14日(月)〜


(2018.5.4)
 紙巻きたばこ、10年で4割減 主戦場は加熱式に JT、主導権奪還へ加速
ヤフーニュース(産経新聞) 5月3日
 
 受動喫煙対策の強化などを背景に、加熱式たばこへ乗り換える愛煙家が急増している。あおりを受け、紙巻きたばこの平成29年度の販売数量は10年前から4割強も減少した。日本たばこ産業(JT)は加熱式の全国展開を前倒しし、事業の根幹である国内市場の主導権を奪い返す構えだ。加熱式で独走してきた米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)の優位は揺らぎつつある。
 
 「加熱式のシェア40%を目標に反転攻勢する」
 JTの見浪(みなみ)直博副社長は2日、投資家向け決算説明会で加熱式たばこ「プルーム・テック(PT)」の強化策を打ち出した。
 
 今年9月の予定だった47都道府県への展開を6月に早め、7月にはコンビニエンスストアにも並べる。
 
 専用のたばこカプセルを作る東海工場(静岡県磐田市)に「世界中の技術者を集めて24時間操業し、全国へ供給するメドが立った」(寺畠正道社長)という。
 
 PMIの「アイコス」や英ブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)の「グロー」に遅れていたPT本体の販売数も4月に200万台を突破。株式市場は一連の発表を好感し、今月2日のJT株の終値は前日比5・7%上昇した。
 
 一方、PMIの株価は4月19日に16%急落。米ウォールストリート・ジャーナル(電子版)はアイコスの販売鈍化が要因と解説した。日本市場での独り勝ちも、今や競合2社の追い上げで風前のともしびとなっている。
 
 紙巻きたばこの国内需要は、平成8年度の3483億本をピークに長期低落へと転じた。
 
 特に29年度は、加熱式の本格的な普及から前年度比13%強の大幅減を記録。市場構造が急激に変化する中、加熱式への乗り換え需要の獲得が各社の最重要課題に他ならない。
 
 JTは反転攻勢に向け、異なる2タイプの新製品を年内にも投入する計画。追われるPMIも自社の紙巻き製品にアイコスのキャンペーン用紙を封入して顧客囲い込みを狙い、BATはたばこスティックの種類の多さでファン拡大を図る。
 
 当面は10月に予定されるたばこ増税への対応が焦点だが、野村証券の藤原悟史アナリストは「加熱式は収益性が高く、各社ともシェア拡大を優先して値上げに踏み切らないだろう」と予測。「JTが製品の幅を広げれば競争は新時代を迎える。中長期的に、次世代製品の開発も優勝劣敗のカギになるだろう」と見通す。(山沢義徳)


(2018.4.25)
 受動喫煙で首都圏共通ルール検討
NHK NEWS WEB 首都圏 NEWS WEB 4月25日
 
再来年の東京オリンピック・パラリンピックを見据え、首都圏の1都3県と政令指定都市は、受動喫煙対策を進めるための共通のルールや課題を検討していくことになりました。
 
東京・品川区のホテルで開かれた会議には、東京、神奈川、千葉、埼玉の1都3県の知事と、横浜市やさいたま市など、政令指定都市の市長が出席しました。
 
この中で東京都の小池知事は、再来年の東京大会を見据え、従業員がいる飲食店では店の規模にかかわらず原則、禁煙にすることなどを柱とする、罰則付きの都独自の条例案の骨子をまとめたことを説明しました。
 
そして「IOC=国際オリンピック委員会は、たばこのないオリンピックを推進している。首都圏には大会の競技会場を有する自治体もある」と述べ、広報啓発や、喫煙の可否を示す飲食店向けの表示ステッカーの作成などでの連携を呼びかけました。
 
これに対し、千葉市の熊谷市長や、川崎市の福田市長らが賛成したほか、埼玉県の上田知事は「神奈川県ですでに施行されている受動喫煙防止条例といった先行事例を参考に、できるだけルールを合わせることが必要だ」と提案し、首都圏の1都3県と政令指定都市で、受動喫煙対策を進めるための共通のルールや課題を検討していくことになりました。


(2018.4.22)
 東京都 従業員がいる飲食店は原則禁煙へ
NHK NEWS WEB 4月20日
 
東京都は、受動喫煙対策を強化するための都独自の条例案の骨子をまとめ、焦点となっている飲食店では、従業員がいる場合、店の規模にかかわらず原則、禁煙にするとしていて、都内の飲食店のおよそ84%が規制の対象となります。国の法案では、規模が小さい既存の飲食店では、喫煙や分煙の表示をすれば喫煙を可能としていることから、都の場合はより厳しい内容となります。
 
東京都は、再来年の東京オリンピック・パラリンピックの開催都市として受動喫煙対策を強化するため、国が今の国会に提出している法案に上乗せする形で、都独自の罰則付きの条例の制定を目指していて、20日、その骨子を発表しました。
 
それによりますと、焦点となっている飲食店では、従業員がいる場合、店の規模にかかわらず原則、禁煙にするとしています。
 
国の法案では、個人か資本金5000万円以下の中小企業などが経営する客席面積100平方メートル以下の既存の店は、喫煙や分煙の表示をすれば喫煙を可能にするとしていますが、都の骨子を適用すると、都内の飲食店のおよそ84%が規制対象となり、法案よりも厳しい内容となります。
 
一方、規制対象の店でも喫煙専用の部屋を設けた場合は、喫煙を認めることにしていて、都は改修や整備にかかる費用の一部を補助することにしています。
 
また、健康影響を受けやすいとされる子どもを受動喫煙から守ることを徹底するため、幼稚園や小中学校、高校などでは敷地内を禁煙にして屋外の喫煙場所の設置も認めないほか、喫煙可能な場所への未成年の立ち入りを禁止することや、禁煙教育の強化なども盛り込んでいます。
 
条例は段階的に施行し、ラグビーワールドカップが始まる来年9月に学校での敷地内禁煙などを行い、再来年の東京大会を前に、国の法律に合わせ全面的に施行したいとしています。
 
小池知事は記者会見で、従業員や子どもを受動喫煙から守る観点を重視していることを踏まえ、「誰もが快適に生活できるよう、‘人’に着目したのが都の独自案だ。対策を進めるためにも都民のご理解と協力を頂きたい」と述べました。
 
都は、この骨子をもとに都内の自治体などと調整して最終的な条例案をまとめ、ことし6月の都議会への提出を目指すことにしています。


(2018.4.22)
 <東京都>従業員雇う飲食店は原則禁煙 受動喫煙防止条例案
BIGLOBEニュース(毎日新聞) 4月20日
 
◇対象は都内全店舗の84%
 東京都の小池百合子知事は20日、従業員を雇っている飲食店内は広さにかかわらず、原則禁煙とする受動喫煙防止条例の制定を目指す方針を明らかにした。対象は都内全店舗の84%に及び、政府が今国会に提出中の健康増進法改正案よりも厳しい規制内容だ。6月都議会に条例案の提出を目指すが、影響を受ける飲食業界や都議会で小池知事と対立する自民党の反発が予想される。
 
 小池知事は20日の記者会見で「誰もが快適に生活できるまちを実現するため『人』に着目したルールにした」と強調。2020年東京五輪・パラリンピックまでに全面施行を目指すと表明した。
 
 条例の骨子案によると、違反した喫煙者や施設管理者には罰則(5万円以下の過料)を科す。従業員のいる飲食店は原則禁煙とし、喫煙専用室のみ喫煙を認める。従業員のいない店は、禁煙・喫煙を経営者が選べる。都が実施した飲食店への調査では16.3%が「従業員がいない」と回答しており、この範囲が適用除外の対象となる。
 
 一方、健康増進法改正案は飲食店を原則全面禁煙とした上で「客席面積100平方メートル以下」で「個人経営や資本金5000万円以下」の既存店については、店頭の表示があれば喫煙可にもできる。全面禁煙の適用が除外される飲食店は厚生労働省の推計で55%に上り、条例骨子案は政府の法案より規制範囲を広げた格好だ。
 
 骨子案は、このほか小中高校、保育所、幼稚園は敷地内禁煙とし、屋外に喫煙場所を置くことも認めない。
 
 受動喫煙対策を巡っては「30平方メートル以下のバーやスナックを適用外とする」とした政府の当初案が自民などの反発で後退。同様の条例案を準備した都も政府案との整合性に配慮し、議会提出を見送っていた。【市川明代】


(2018.4.22)
 子ども出入り、従業員雇う飲食店禁煙…都条例案
BIGLOBEニュース(読売新聞) 4月20日
 
 東京都は、屋内を原則禁煙とする罰則付き条例案について、子どもの出入りがある飲食店や、従業員を雇っている飲食店は、店舗が狭くても原則禁煙にする方針を固めた。
 
 6月開会予定の都議会への条例案提出を目指す。条例が成立すれば、都内の飲食店の8割以上が規制対象になるといい、国の健康増進法改正案に比べて大幅な規制強化になる。
 
 受動喫煙防止を巡っては、政府が3月、客席面積が100平方メートル以下で、個人などが営む小規模既存店は、「喫煙」などの表示を義務付けた上で、喫煙を認めるとする健康増進法改正案を閣議決定している。
 
 これに対し、都の条例案では、客席面積が100平方メートル以下であっても、子どもの出入りがある店は原則禁煙とする方針。個人や家族経営の飲食店は対象外だが、従業員を雇っている店は、煙を完全に遮断できるスペースを設けなければ禁煙とする。


(2018.4.21)
 外務省、庁舎内を全面禁煙 河野太郎外相が表明 「モクモクよくない」
産経新聞 msnニュース 4月20日
 
 河野太郎外相は20日の記者会見で、2020年東京五輪に向けた受動喫煙対策として、外務省の庁舎内を全面禁煙にする方針を明らかにした。電子たばこを含めて禁止し、6カ所ある喫煙ルームを5月の連休明けにも全廃して屋外に喫煙所を設ける。
 
 河野氏は「外務省は外国から大勢のお客さまをお招きしている。喫煙ルームでモクモクと煙が充満しているのはよくないし、喫煙ルームから出てきた人はしばらくの間、たばこの影響を周りに及ぼす」と理由を述べ、「世の中の趨勢をしっかり先取りしていきたい」と強調した。


(2018.4.20)
 従業員のいる飲食店、面積に関わらず禁煙 都が独自方針
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 4月20日
 
 東京都は、独自に制定を目指している受動喫煙防止条例案について、従業員を雇っている飲食店内を、面積にかかわらず原則禁煙とする方針を固めた。都内の8割以上の飲食店が対象になるといい、受動喫煙対策を強化する政府の健康増進法改正案に比べて規制対象が広くなる。今後、飲食店や市区町村の反発も予想され、規制内容は調整により変更される可能性がある。
 
 都は、6月に開会予定の都議会に条例案を提出する考え。罰則を設ける方針だが、国の法案の行方をみながら施行時期や罰則を加えるタイミングを検討する。
 
 受動喫煙対策の強化は、小池百合子都知事が提唱。昨年9月、面積が30平方メートル以下のスナックなどを除く飲食店を原則屋内禁煙とする条例案を公表していた。しかし、地元自治体などの反発が強く、国の法案との整合性をとる必要も出てきたため、都議会への提出を見送っていた。
 
 都の新たな条例案では、店舗面積よりも、人の健康への影響を重視し、従業員を雇っている飲食店を原則禁煙にする。従業員がいない店や家族経営の場合は対象外だが、子どもが出入りする店は禁煙にする。従業員がいても、店舗内に煙を遮断するスペースを設置すれば喫煙も認め、設置費用は都が助成するという。
 
 都議会では、小池知事が特別顧問を務める都民ファーストの会や、公明党などが受動喫煙対策の強化に賛同している。
 
 政府が国会に提出している健康増進法改正案では、飲食店は原則屋内禁煙としつつ、客席面積100平方メートル以下で、個人経営か資本金5千万円以下の中小企業が経営する既存店では「喫煙」「分煙」などの表示をすれば喫煙を認める。飲食店全体の55%は喫煙可能になると推計され、昨年3月に厚生労働省が公表した30平方メートル以下のバーやスナック以外は原則屋内禁煙とする案から大幅に後退していた。
 
 小池知事は今月6日、厚生労働省を訪ねて加藤勝信厚労相と面会するなど、法案との整合性などをめぐって調整を続けていた。


(2018.4.19)
 オリンパス、21年までに全社禁煙へ 働き方改革  ヘルスケア 
日本経済新聞 4月19日
 
 オリンパスは19日、全社で禁煙に向けた取り組みを始めると発表した。2020年3月末までに建物内を、21年3月末までに全社の敷地内を、それぞれ全面禁煙とする目標を掲げた。医療機器メーカーとして、従業員やその家族の健康維持・増進を支援する狙いで禁煙を促す。国内のグループ会社や生産拠点の従業員も含め約1万4000人が対象になる。
 
 2021年3月末までに全社の敷地内を全面禁煙とする
 
 現在、従業員の喫煙率は22%だが23年までに10ポイント下げる。目標達成に向け、喫煙所を段階的に撤去するほか、喫煙できる時間もルールで定める。禁煙の取り組みに関連した報酬などの仕組みは設けない予定だ。これまでも部署単位などで禁煙の取り組みはあったが、全社に拡大する。
 
 同社はあわせて、笹宏行社長の名義で「オリンパス健康宣言」を作成した。「会社は、社員の健康を重要な経営課題と考え」などと定める。がん検診の費用を健康保険組合が負担するなど、既に実施している健康維持の取り組みもさらに進める考えだ。
 
 医療業界では禁煙の動きが広がっている。米製薬大手ファイザー日本法人は、自社で禁煙補助薬を販売していることを踏まえ「20年までに社内の喫煙者をゼロにする」という目標を掲げる。大日本住友製薬も19年4月までに全国の事業所の喫煙所を閉鎖するとしている。


(2018.4.14)
 大人の喫煙率、中学生が実際より高く誤解…「男性6割、女性4割」と
YOMIURI ONLINE  yomi Dr. 4月13日
 
 中学生は、大人の男性の6割、女性の4割が喫煙者だと誤解しているとの調査結果を、静岡市保健所の加治正行所長がまとめた。実際の成人喫煙率より2〜4倍多い。コンビニや自動販売機でたばこを目にする機会が多いことなどが、勘違いを招いているのではないかという。福岡市で20日から始まる日本小児科学会で発表する。
 
 実際の喫煙率は、日本たばこ産業(JT)の昨年の調査によると男性28・2%、女性9・0%(全体で18・2%)。加治所長は昨年、市内の中学校7校でアンケートを実施。1、2年生の男女1160人から回答を得た。
 
 「大人の何%がたばこを吸っていると思うか」との質問に10〜90%の間で10%刻みで回答を求めた。男子生徒は平均で男性60・2%、女性42・2%、女子生徒は男性61・3%、女性43・1%と答えた。
 
 男性の90%が吸っていると回答した生徒も男子で32人、女子で13人いた。また、「将来たばこを吸いたい」と考えている生徒ほど、大人の喫煙率を高く推測する傾向があった。
 
 加治所長は「8割以上の大人はたばこを吸わないことを教えるとともに、たばこが子どもの目に触れないようにすることが重要だ」と指摘している。


(2018.4.13)
 カツ田中、6月1日からほぼ全店禁煙へ 居酒屋チェーンとしては初
 加熱式たばこも
ねとらば 4月12日
 
 居酒屋チェーンの串カツ田中が、6月1日からほぼ全店舗で全席禁煙化、もしくは一部フロア分煙化すると発表しました。ほぼ全店舗で禁煙化するのは居酒屋チェーン店では初(串カツ田中調べ)とのこと。
 
 子ども連れの家族の多さや、4月1日から「東京都子どもを受動喫煙から守る条例」が施行されたこと、2020年東京オリンピックに向けた受動喫煙防止対策の動きなどを受けた措置。なお、加熱式たばこも対象となるそうです。
 
 串カツ田中は「串カツ田中の客層には愛煙家の方も多い状況ですが、上記の背景と経営理念及び長期的な視点から検討し、この度禁煙化することにいたしました」「禁煙化により、店舗で働く従業員の受動喫煙もなくなり、労働環境も改善すると考えております」とコメント。また、喫煙ルームの設置も検討していないとしています。


(2018.4.10)
 加熱式たばこも「健康に有害」 専門医が警鐘―東京でシンポ
時事通信 4月8日
 
 喫煙時に目に見える煙が出ない点で、関心を集めた加熱式たばこ(用語説明参照)の利用者が急増中だ。しかし、喫煙による健康被害を重視してきた専門医らは「ニコチンやその他の発がん性物質を含むことに変わりはない」などと指摘。約130の医療関係の専門学会が加盟する「日本医学会連合」は3月末、加熱式たばこが健康に及ぼす影響について公開シンポジウムを開催し、警鐘を鳴らした。
 「加熱式タバコと健康 使用実態・科学的評価の現状と今後の課題」と題し東京大学で開催されたシンポジウムには、医療関係者ら300人以上が参加。同連合理事でシンポジウムの企画委員の遠山千春東大名誉教授が「たばこの燃焼に伴う煙には有害成分が含まれ、健康に害を与えることは科学的エビデンス(知見)により明らかになっている」と指摘。「加熱式たばこについても使用実態や有害性などの現状を把握し、問題点を整理することが重要だ」とシンポジウムの狙いを説明した。
 
 国内で販売されている3種の加熱式たばこと吸入用器具(産業医科大学の大和浩教授提供)
 
新たな受動喫煙
 この中で繰り返し採り上げられたのが、加熱式たばこのメリットとして「有害性成分は紙巻きたばこに比べて90%低減」「煙が出ないので、部屋を汚さない」などと健康へのリスクの少なさや副流煙が生じないことを強調するデータをメーカーなどが示していることだ。産業医科大学の大和浩教授(呼吸器内科)はこの点について、「ニコチンなどの有害物質はごく微量でも健康に影響を与える」と指摘した。
 その上で、「ニコチンなどの有害物質の量と健康へのリスクは正比例しない。加熱式たばこのエアロゾル(霧やもや)の中にも、ニコチンなどの有害物質は含まれている」と強調。さらに、加熱式たばこ各メーカーが作成した注意文書にも「『本製品の健康に及ぼす悪影響が他製品と比べて小さいことを意味するものではない』などと記載している」と補足した。
 また、人間の呼吸器には、吸い込んだ息の一部を肺に届かせないまま吐き出す性質があることを踏まえ、加熱式たばこの喫煙者が吐き出した息を特殊なレーザーで可視化した画像を提示。「一度吸い込まれ、吐き出されたニコチンなどを含んだエアロゾルの一部は2〜3メートル先まで拡散している。加熱式たばこでも周囲の人に健康被害を生じさせるリスクはある」とし、「新しい受動喫煙」とも呼ぶべき問題が予想されると強調した。
 
健康被害の監視を
 順天堂大学大学院医学研究科の瀬山邦明先任准教授(呼吸器・アレルギー疾患)は、これまでの紙巻きたばこやパイプなどを使って葉タバコを燃焼させることによる喫煙や受動喫煙との因果関係が証明されたとされる肺がんや慢性閉塞(へいそく)性肺疾患(COPD)などについて説明した。
 
 その上で、欧米などで一足先に広がった電子たばこ(用語説明参照)の利用者のデータに基づいて同様の疾病リスクがあると指摘。「マウスに電子たばこのエアロゾルを慢性的に吸引させるとCOPDに類似した変化が生じる。人間で燃焼式と異なる特異な免疫反応を引き起こすことも分かっており、注意が必要だ」と語った。
 
 加熱式たばこの利用者の中からも、紙巻きたばこの喫煙者によく見られる「急性好酸球性肺炎」の患者が報告されていることから、加熱式たばこの喫煙・受動喫煙による健康被害を監視するよう訴えた。
 
「喫煙」の意識希薄
 加熱式たばこの普及の背景に、「喫煙」と意識してない利用者の存在があることを専門家は指摘する。大阪国際がんセンターの田淵貴大副部長は、インターネットを利用して2015年に実施した加熱式たばこの利用実態に関する調査の一部を報告。電子たばこや加熱式たばこの利用者1000人以上を対象にした調査では、紙巻きたばこが禁煙とされているレストランや職場で利用者の25%以上が「一度は使ったことがある」、15%以上が「よく使っている(いた)」と回答している点に触れ「加熱式たばこなら禁煙区域でも吸える、と思っている人がある程度いることが分かった」と述べた。
 
 さらに同調査では、「周囲で加熱式たばこを吸われた人」約1万人についても健康面での影響を質問した。このうち、1413人が「喉の痛み」(341人)や「気分不良」(460人)―などの健康被害を訴えていたことも報告された。田淵副部長は「喫煙者側が『たばこを吸っている』という認識なしに利用する可能性があるため、これまでの紙巻きたばこ以上に、周囲への健康被害に対する警戒が重要だ」と訴えた。(了)
 
用語説明
 (1)加熱式たばこ 葉タバコを燃焼させず、直接加熱してニコチンなどを含んだミスト状のエアロゾルを生成・吸入することでニコチンを摂取する製品。たばこ事業法で「たばこ製品」に指定され、18年4月時点で、日本国内では3社から加熱方法などが異なる製品が発売されている。
 
 (2)電子たばこ 加熱・気化させたリキッドを吸入する製品。海外でニコチンを含むリキッドを使った製品が「たばこ」の一種として使用されている。日本では法律によりニコチンを含んだリキッドの製造・販売が認められていないが、個人輸入の形で入手が可能で、一部で使用されているとみられる。


(2018.4.8)
 男性最長寿を長野から奪取 滋賀県の健康づくり30年
ヤフーニュース(NIKKEI STYLE) 4月6日
 
 滋賀県は自立した生活を過ごせる健康寿命も長い
 2017年12月に厚生労働省が発表した15年の都道府県別平均寿命で、滋賀県が男性で全国1位、女性で4位となり、長寿県として注目を集める。30年ぶりに男性トップを奪われた長野県は、滋賀県との違いをデータ分析した報告をまとめ、5年後の首位奪還を目指す。全都道府県で平均寿命と健康寿命は延びているものの、データ分析を踏まえた食事、喫煙、運動など生活習慣病の長期的な対策などによって明暗が分かれている。
 「一に健康、二に健康、三に健康。健やかな滋賀をつくろう」。滋賀県の三日月大造知事は18年1月、年頭の記者会見で「健康」を繰り返して強調し、医療・福祉・保健のネットワーク基盤の拡充と同時に、ビッグデータを活用して取り組むことを宣言した。
 
■もとは平均以下
 同県は15年の都道府県別の平均寿命で、男性が81.78歳で初めて全国トップになった。女性も87.57歳で4位。三日月知事は「滋賀県民は長生きだと注目された」と喜ぶ。
もともと長寿県だったわけではない。約50年前の1965年時点では滋賀県の男性の平均寿命は67.26歳で、全国平均(67.74歳)を下回って全国27位。女性も72.48歳で全国平均(72.92歳)より低く、全国31位にとどまっていた。
 転機は約30年前から本格的に取り組んだ生活習慣病対策だ。
 その一つが86年から始めた「滋賀の健康・栄養マップ」調査だ。当時、県民の食事や生活習慣に関するデータは十分に把握できていなかった。「県の情報処理システムが改善され、大きなデータを扱えるようになり、県独自に初めて実施した」(県健康寿命推進課)
 5年に1度の調査で県内の地域ごとに県民の健康状態を分析。データに基づき、栄養バランスや運動、余暇、虫歯予防の大切さを伝えるガイドブックを作り、県内全世帯に配った。「健康への1%投資運動」として、1日24時間の1%となる15分程度を散歩や体操など運動に充てることを具体的に県民に呼びかけた。県健康寿命推進課は「主体的に健康づくりに取り組む県民が増えるきっかけにつながった」とみる。
 喫煙率も男性は5割超だったが、県の計画で2001年に「喫煙率を半減させることが望ましい」と努力目標を設定。数値目標を掲げる自治体は珍しかったが、禁煙か完全分煙を行っているとして登録した飲食店を「受動喫煙ゼロのお店」と公表して後押しした。その結果、喫煙率は激減し、16年に男性で20.6%と全国で最も低い県となった。
 対策の広がりとともに県の平均寿命の順位は上昇した。男性は05年、10年の調査で2位、今回(15年)調査で初めて1位になった。女性も05年に13位で全国平均を上回り、10年は12位、今回は4位に食い込んだ。
 
■健康寿命も長く
 自立した生活を過ごせる健康寿命も滋賀県は長い。東京大学大学院の国際保健政策学教室と米ワシントン大学の共同調査によると、滋賀県は男女合わせた健康寿命は15年までの25年間で4.1歳延び、福岡、佐賀と並び全国で最も延びた。
 「滋賀県と比べ、働き盛り世代で運動習慣のある人が少ない」。0.03歳の僅差で男性の平均寿命トップから30年ぶりに陥落して2位だった長野県は「長野県の健康課題〜平均寿命男性1位の滋賀県との対比から」という報告をまとめた。
 働き盛り世代の運動不足のほか、滋賀県と比べて食塩の摂取量や喫煙者も多いことがトップ陥落の主因として、18年1月中旬に開いた健康づくり推進県民会議で報告を公表。データで課題を明確にし、県民に健康づくりを呼びかけていく。
 生活習慣病対策を放置すると、平均寿命に大きく響く。長寿県で知られていた沖縄県は00年の調査で女性はトップを維持したが男性は前回調査の4位から一気に26位まで転落。40〜50代の脳卒中や糖尿病による死亡率の高さが原因だった。
 平均寿命が延びても、健康寿命が延びなければ、寝たきりの高齢者が増え、医療・介護費の大幅増になるだけだ。寿命を延ばすための生活習慣病対策は同じ県内でも地域で異なる。財政に限りがある中、データ分析で不十分な分野を見直し、有効な対策を地域ぐるみで採り入れる工夫が必要だ。
 ◇  ◇  ◇
■地域格差、最大で3.1歳 「喫煙対策 強化が必要」
 男女を合わせた平均寿命を1990年と2015年で比べると、都道府県の格差は広がっている。両年とも全国平均以上だったのは19都府県あり、逆にいずれも平均未満だったのは18道府県と二極化している。平均以上から平均未満に転落した県、平均未満から平均以上に改善した県もそれぞれ5県あった。
 男女合わせた都道府県ごとの寿命のデータは、東京大学大学院の国際保健政策学教室が米ワシントン大と共同で分析した。調査によると、1990年に男女合わせた平均寿命が最も長い長野県(80.2歳)と最も短い青森県(77.7歳)の差は2.5歳だったが、2015年にはトップの滋賀県(84.7歳)と最下位の青森県(81.6歳)の差は3.1歳。25年間で差は0.6歳広がった。
 健康寿命も1990年に最も長い長野県(71.5歳)と最も短い高知県(69.2歳)の差は2.3歳だったが、2015年にはトップの滋賀県(75.3歳)と最下位の青森県(72.6歳)の差は2.7歳で、0.4歳拡大した。
 分析した東大大学院の渋谷健司教授は「喫煙対策は強化する必要がある。男女とも食生活の見直しも不可欠」と指摘。「今後、都道府県格差をさらに詳しく分析し、実態を踏まえた対策が必要」と話している。
(前村聡) [日本経済新聞朝刊2018年4月2日付]


(2018.4.7)
 受動喫煙対策 緩い国会、規制どうする 改正案で後退、自主的強化も
産経ニュース 4月6日
 
 国会だけ喫煙に甘い? 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策を盛り込んだ政府の健康増進法改正案をめぐり、国会施設への規制が行政機関や学校よりも緩いのは筋が通らないとして、与野党の規制推進派の議員が疑問の声を上げている。野党の一部は国会への規制を強化する対案をつくり、政府案の修正を求める考えだ。与党内にも国会による自主的な対策強化を求める声が上がっている。(原川貴郎)
 政府が3月9日に提出した改正案は、飲食店への規制が昨年3月に公表された厚生労働省の当初案から大きく後退したことが注目された。実はこれと同時に、国会議事堂を含む国会施設への規制も微妙に後退していた。
 
 厚労省の当初案では、国会は規制の種類が「屋内禁煙(喫煙専用室設置も不可)」となる「官公庁」に分類されていた。
 
 ところが、提出された改正案では「官公庁」の分類そのものが消失。代わりに「学校」「病院」「児童福祉施設」「行政機関」といった施設をひとくくりにして「敷地内禁煙」に指定し、それ以外の事務所やホテルなどの施設は「原則屋内禁煙(喫煙専用室内でのみ喫煙可)」とした。
 
この分類によれば、行政機関である中央省庁や市役所などの施設は屋内が完全禁煙となるが、立法機関である国会は、条件を満たせば屋内喫煙可となる。
 
 現在、国会内には衆院本会議場脇や衆参の議員面会所の喫煙スペースなど、数カ所の喫煙所がある。これらは、改正案の成立後も厚生労働省が省令で定める基準を満たせば使用できるという。
 
 ただ、法律で民間施設に厳しい規制を課そうとするにもかかわらず、法律を作る国会の受動喫煙対策が甘いのは「筋が通らない」として、政府案には与野党双方から批判が多い。
 
 超党派の「受動喫煙防止法を実現する議員連盟」で幹事長を務める松沢成文参院議員(希望の党)は5日、産経新聞の取材に、政府案について「国会だけが一段緩い規制で逃げようという姑息(こそく)な法案」と指摘。政府案への対案を示した上で、与党に修正協議を求める考えを明らかにした。
 
 自民党は政府案に賛成の立場だが、党受動喫煙防止議員連盟の山東昭子会長は5日、「法律をつくる国会は自らを正していかなければいけない」と述べ、国会が自主的に行政機関並みの対策を取るよう、衆参両院議長に申し入れる意向を示した。


(2018.4.5)
 清水、スタジアム内を全面禁煙に…7月18日のC大阪戦から
サンスポコム 4月4日
 
 清水エスパルスは4日、ホームゲーム開催日においてスタジアム内を全面禁煙にすると発表した。これには、報道・関係者関連エリアも含まれる。紙たばこだけではなく、電子たばこなど、全ての種類が該当。全面禁煙が実施されるのは、7月18日に開催される明治安田生命J1リーグ第16節・セレッソ大阪戦からとしている。
 
 清水は公式サイトを通じ、「スタジアム内での受動喫煙と健康被害防止を目的としています」と説明。さらに、以下のように続ける。
 
 「これまでも分煙対策を行ってまいりましたが、IAIスタジアム日本平はお客様が往来するコンコースなど狭いエリアに設置せざるを得ない状況であり、受動喫煙を心配する多数のご意見を頂戴しておりました。小さいお子様やお年寄りなどのご家族も多く来場されることもあり、これまで検討を重ねてきた結果、7/18よりスタジアム内の全面禁煙に踏み切らせていただくことと致しました。それまでのホームゲーム開催時には、現行の喫煙所をご利用頂けますが、極力禁煙にご協力いただくようお願い申し上げます。なお、喫煙場所以外での喫煙は固くお断り致します」
 
 また、7月18日以降はスタジアム場外に臨時喫煙エリアを下記に設けるとしている。ただし、日本平運動公園内は本来喫煙禁止エリアのため、ホームゲーム当日に限った臨時開設となる。
 
 J1では横浜F・マリノス主催試合の日産スタジアムで、スタジアム内全面禁煙が実施されている。(Goal.com)


(2018.3.20)
 真相深層 たばこ規制、遠い国際水準 五輪に影
  政府は大幅後退、都も条例先送り 小池流鈍る
日本経済新聞 3月20日
 
 2020年東京五輪が世界の潮流の「煙のない五輪」になるか怪しくなってきた。政府の受動喫煙対策は自民党の反発で大幅に後退、東京都として独自に国際水準の規制をめざしてきた小池百合子知事も条例化を先送りした。政権に対峙してでも政策を進める小池知事の姿勢は昨秋の衆院選大敗で薄れつつあり、国際都市・東京の評価に影を落としている。
 
 2月18日、日本医師会が都内で開いた受動喫煙防止の国際会議。都医師会の尾崎治夫会長は政府の対策の遅れに懸念を示したうえで平昌五輪を引き合いに小池知事にこう発破をかけた。「風が反対の方向に吹いているが、スキーのジャンプは風を受けて高く飛ぶ。小池知事も大ジャンプをしていただきたい」
 
 国際オリンピック委員会と世界保健機関は10年、喫煙を規制した「煙のない五輪」をめざすことで合意した。最近開催した北京、ロンドン、リオデジャネイロは飲食店などを禁煙にし、喫煙室設置も認めない国際水準の規制で五輪を迎えた。主要国では政府が規制する国が多いが、政府の規制が進まず、都市が条例で規制する例もある。
 
突然の方針転換
 小池知事は「国がやらないなら都がやる」と昨年9月、30平方メートルを超える飲食店などは喫煙室設置を認めつつ「原則屋内禁煙」とする条例の素案を公表。喫煙室を認めないニューヨークやロンドンより緩いものの、パリやベルリン並みの規制で、今春の都議会で条例制定をめざすとした。
 
 条例案の詰めに入ると知事側は議会審議のカギを握る公明党に条例案の検討状況を水面下で逐一報告。今年初めには(1)飲食店は30平方メートル超でも家族経営の店は禁煙の例外(2)加熱式たばこの規制は努力義務――との方向で固まったかにみえた。だが1月末になって突如、今春の都議会には条例案を出さない方針に転換。説明を受けた公明党幹部は「なんで?」と思わず声を上げた。
 
 「国と都が別の案を出すと都民が混乱する恐れがある。国の動きを見ながら進めていきたい」。1月30日、小池知事は条例案提出の先送りをこう表明した。理由に挙げたのがこの日、厚生労働省が公表した規制のあり方の変更。ただこれにはいぶかしがる声もある。
 
 厚労省は規制の区分として、それまでの(1)敷地内禁煙(2)屋内禁煙(喫煙室設置も不可)(3)原則屋内禁煙(喫煙室は設置可)――という3つから屋内禁煙をなくし、2区分にした。都の担当者は「規制の根幹が変わるので条例案も見直して整合性を取らないといけなくなった」と説明する。
 
 ただ、なくなった「屋内禁煙」の対象は官公庁や大学など。焦点の飲食店など民間施設はもともと「原則屋内禁煙」で変更の影響はない。飲食店などとの調整には時間がかかるが、官公庁間の調整で済む変更が提出を先送りするほどの「根幹」なのか疑問が残る。
 
衆院選引きずる
 「つまるところ昨秋の衆院選だ。政権与党に大敗したことで知事は国に盾突く言動を慎むようになった」。都庁幹部は突然の方針転換をこう解説する。18年度税制改正で地方消費税の都の取り分が減ったのは昨夏の都議選で自民党と敵対したことへの政権の意趣返しとの見方が多い。受動喫煙問題で突出して政権に再びにらまれるのは避けたいとの思惑が透ける。
 
 政府は今回、喫煙できる飲食店を客席面積100平方メートル以下とし、当初案の30平方メートル以下から大幅に緩めた。この規制なら飲食店の半数超は禁煙にしなくて済む。都の当初案も喫煙できる飲食店を30平方メートル以下としていた。仕切り直しで政府にならって規制を緩めるのかが焦点になる。
 
 都の受動喫煙対策が失速するのは2度目だ。まず五輪を6年後に控えた14年夏、舛添要一前知事が検討を始めた。だが飲食店を支持基盤にする自民党が難色を示し調整は難航。舛添氏は「国全体で検討してほしい」と都の規制をあきらめた。
 
 小池知事は都議選で受動喫煙対策を掲げて自民党に圧勝した勢いで条例化に着手したが、衆院選を経て都政も再び自民党の影響力が増す。世論の支持が陰る小池知事にとって自民党との調整は重荷だ。政府の対策が後退した今、都がどこまで踏み込めるかは五輪開催都市の評価を左右することになる。
 (舘野真治)


(2018.3.19)
 18歳成人、22年にも施行=飲酒、喫煙は20歳維持―民法改正案
が閣議決定
ヤフーニュース(時事通信) 3月13日
 
 政府は13日午前の閣議で、成人年齢を20歳から18歳に引き下げる民法改正案を決定した。

 飲酒や喫煙の禁止年齢を20歳未満に据え置くなどの関連法案22本と合わせて今国会に提出する。今国会で成立すれば、2022年4月1日に施行される。成人年齢引き下げは、明治時代以来続く「大人」の定義を変える大改革で、国民生活に大きな影響を及ぼすことになる。

 成人年齢の引き下げにより、18、19歳でも経済的に自立している場合は、法定代理人の親らの同意なくローンやクレジットカードの契約が可能となる。若者の消費者トラブル増加が懸念されるため、政府は既に、不安をあおるなどの不当な契約は成人でも取り消せる規定を追加した消費者契約法改正案を提出している。

 10年有効な旅券(パスポート)の取得可能年齢や、性同一性障害の人が家庭裁判所に性別変更の審判を請求できる年齢も18歳に引き下げる。一方、女性の結婚開始年齢は現行の16歳から18歳に引き上げ、男女で統一する。

 飲酒や喫煙、公営ギャンブルの解禁年齢は現行の20歳を維持。健康被害や依存症への根強い懸念を踏まえた。それぞれの根拠法にある「未成年者」の文言を「20歳未満の者」に改める。

 天皇や皇太子、皇太孫の成人年齢を18歳と定めている皇室典範の条文は維持。政府は当初、民法上の成人年齢と一致すれば明記の必要がなくなるため削除する方針だったが、自民党内の慎重論に配慮した。

 少年法に関しては、政府・与党内で適用年齢の上限を「18歳未満」に引き下げることに賛否両論がある。法制審議会(法相の諮問機関)が引き続き議論する。


(2018.3.19)
 視標「たばこ対策」 自業自得ではない健康被害
 大阪国際がんセンター副部長 田淵貴大
47NEWS  3月10日
 
 たばこほど、はっきりと有害性が証明されているにもかかわらず、社会に普及してしまったものはない。世界的にたばこの有害性が明らかになってから既に50年以上が経過しているが、たばこは禁止されるどころか消費を増やしている。
 
 これまでずっと、たばこの煙はあなた自身にも、あなたの家族にも友人にも、害をもたらしてきた。国全体においても、たばこによる被害額の方が税収よりも大きいと分かっている。
 
 あなたがたばこを吸って喜ぶのは、たばこ会社だけだ。私はあなたがたばこを吸って被害を受けるのは、あなたの自業自得だと思ってはいない。
 
 たばこ会社はたばこにアンモニアやメンソールなどを添加して、子どもや女性がたばこを始めやすくし、吸い始めるとすぐにニコチン依存症となるように仕向けてきた。
 
 また、たばこ会社は社会経済的に不利な状況の人を狙って、マーケティング戦略を展開してきた。たばこ会社の内部文書が開示され、そんなたくらみの存在が明らかになっている。
 
 英BBC放送のドキュメンタリーによると、1980年代初め、米国のたばこ会社はある芸能人を広告のイメージキャラクターにした。彼が一服していると会社幹部が「何だ、君、たばこなんて吸うのか」と言う。「吸わないんですか」と聞くと、幹部は「冗談じゃない」と首を振った。
 
 「喫煙権」なんて子どもや貧困層、黒人、愚かな人々にくれてやればいいと言い放った後、「1日当たり数千人の子どもを喫煙に引きずり込むことが君の仕事だ。肺がんで死ぬ喫煙者の欠員補充だ。中学生ぐらいを狙え」と語ったという。
 
 本当にひどい話である。たばこ会社は表向きは子どもにたばこを売らないとしながら、子どもに喫煙させることを仕事にしているのだ。なお、たばこ会社の子ども向け喫煙防止キャンペーンは、ほとんど効果のないことが分かっている。
 
 たばこ会社によって社会はゆがめられている。ストレス解消のために人はたばこを吸うと信じている人がいるなら、ぜひ伝えたいことがある。
 
 喫煙でストレスは減らず、むしろニコチン欠乏でストレスが増す。禁煙すると、ストレスを減らせるのである。ストレスは絶対悪ではなく、適度のストレスがモチベーションとなる場合もある。
 
 にもかかわらず、これまでずっとたばこ会社は「たばこよりも健康に悪いものがあるのでは」と人々に思わせるように仕向けてきた。
 
 たばこ会社は莫大(ばくだい)なお金をストレス研究に投じ「ストレスが健康に悪い。たばこはストレスを減らす」というストーリーを作った。ストレスがただ悪いものだという認識も、たばこ会社によってゆがめられたものだ。こうした事実については、数多くの証拠が報告されている。
 
 私の願いは人を大切にする社会をつくることであり、その第一歩として「たばこのない社会」の実現を目指している。たばこを吸っている方は、たばこ会社から搾取されている事実に気付いて、禁煙してほしい。そして自分自身も周りの家族も友人も、たばこの害から守ってほしい。
(2017年11月22日配信)
 
名前 :田淵貴大
肩書き:大阪国際がんセンター副部長
プロフィール:たぶち・たかひろ 1976年岡山市生まれ。岡山大医学部卒。血液内科臨床医を経て大阪府立成人病センター勤務。2017年から大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長。


(2018.3.17)
 視標「たばこ対策」 自業自得ではない健康被害
 大阪国際がんセンター副部長 田淵貴大
47NEWS 3月10日
 
 たばこほど、はっきりと有害性が証明されているにもかかわらず、社会に普及してしまったものはない。世界的にたばこの有害性が明らかになってから既に50年以上が経過しているが、たばこは禁止されるどころか消費を増やしている。
 
 これまでずっと、たばこの煙はあなた自身にも、あなたの家族にも友人にも、害をもたらしてきた。国全体においても、たばこによる被害額の方が税収よりも大きいと分かっている。
 
 あなたがたばこを吸って喜ぶのは、たばこ会社だけだ。私はあなたがたばこを吸って被害を受けるのは、あなたの自業自得だと思ってはいない。
 
 たばこ会社はたばこにアンモニアやメンソールなどを添加して、子どもや女性がたばこを始めやすくし、吸い始めるとすぐにニコチン依存症となるように仕向けてきた。
 
 また、たばこ会社は社会経済的に不利な状況の人を狙って、マーケティング戦略を展開してきた。たばこ会社の内部文書が開示され、そんなたくらみの存在が明らかになっている。
 
 英BBC放送のドキュメンタリーによると、1980年代初め、米国のたばこ会社はある芸能人を広告のイメージキャラクターにした。彼が一服していると会社幹部が「何だ、君、たばこなんて吸うのか」と言う。「吸わないんですか」と聞くと、幹部は「冗談じゃない」と首を振った。
 
 「喫煙権」なんて子どもや貧困層、黒人、愚かな人々にくれてやればいいと言い放った後、「1日当たり数千人の子どもを喫煙に引きずり込むことが君の仕事だ。肺がんで死ぬ喫煙者の欠員補充だ。中学生ぐらいを狙え」と語ったという。
 
 本当にひどい話である。たばこ会社は表向きは子どもにたばこを売らないとしながら、子どもに喫煙させることを仕事にしているのだ。なお、たばこ会社の子ども向け喫煙防止キャンペーンは、ほとんど効果のないことが分かっている。
 
 たばこ会社によって社会はゆがめられている。ストレス解消のために人はたばこを吸うと信じている人がいるなら、ぜひ伝えたいことがある。
 
 喫煙でストレスは減らず、むしろニコチン欠乏でストレスが増す。禁煙すると、ストレスを減らせるのである。ストレスは絶対悪ではなく、適度のストレスがモチベーションとなる場合もある。
 
 にもかかわらず、これまでずっとたばこ会社は「たばこよりも健康に悪いものがあるのでは」と人々に思わせるように仕向けてきた。
 
 たばこ会社は莫大(ばくだい)なお金をストレス研究に投じ「ストレスが健康に悪い。たばこはストレスを減らす」というストーリーを作った。ストレスがただ悪いものだという認識も、たばこ会社によってゆがめられたものだ。こうした事実については、数多くの証拠が報告されている。
 
 私の願いは人を大切にする社会をつくることであり、その第一歩として「たばこのない社会」の実現を目指している。たばこを吸っている方は、たばこ会社から搾取されている事実に気付いて、禁煙してほしい。そして自分自身も周りの家族も友人も、たばこの害から守ってほしい。
(2017年11月22日配信)
 
名前 :田淵貴大
肩書き:大阪国際がんセンター副部長
プロフィール:たぶち・たかひろ 1976年岡山市生まれ。岡山大医学部卒。血液内科臨床医を経て大阪府立成人病センター勤務。2017年から大阪国際がんセンターがん対策センター疫学統計部副部長。


(2018.3.16)
 JT、ベア実施せず たばこ苦戦で13年以来
日経電子版 3月14日
 
 日本たばこ産業(JT)が2018年にベースアップ(ベア)を実施しないことが13日までに分かった。足元の国内たばこ市場の縮小や、加熱式たばこ事業での出遅れなどの状況を踏まえ、労働組合側が春季の労使交渉を見送ることを決めた。JTは17年に2500円のベア、定期昇給分を合わせると月3.08%の賃上げを実施している。同社がベアを実施しないのは13年以来となる。


(2018.3.16)
 「より実効性ある案を検討」 都知事、受動喫煙防止で
日経電子版 3月14日
 
 東京都の小池百合子知事は13日の都議会で受動喫煙防止条例案について「法律と整合を図り、より実効性のある案を検討する」と述べた。国は飲食店などの屋内を原則禁煙とする健康増進法改正案を9日に閣議決定した。ただ、客席面積100平方メートル以下の店は例外にするなど規制が後退したとの批判も出ている。
 
 都は2月開会の都議会に条例案を提出する方針だったが、法案と整合を図るとして先送りした。


(2018.3.15)
 受動喫煙対策 規制強化へ法改正案 飲食店に戸惑い、落胆 
 利用客、歓迎の声も
毎日新聞 3月14日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙対策を強化した健康増進法改正案が国会に提出された。公共の場での禁煙を初めて罰則付きで義務付け、喫煙できる場所への20歳未満の立ち入りも禁じる内容だが、焦点となっていた飲食店への規制は、面積や経営の規模によって喫煙可と不可が分かれることになった。繁華街を回って、経営者や利用客の戸惑いや歓迎、落胆の声を聞いた。【桐野耕一、山田泰蔵】
 
 レトロな雰囲気でドラマの撮影にも使われる東京・神保町の居酒屋「酔(よ)の助」。全席喫煙可で、店内にたばこの自動販売機もある。客席面積は100平方メートル超といい、改正法が施行されれば原則禁煙の対象だ。
 
 喫煙専用室を設けることも可能だが、一山(いちやま)文明店長(64)は「資金もスペースもないので全面禁煙になるだろう。広さで差をつけるのは納得できない」と寂しげに笑う。ただ、喫煙する人はここ数年で減り、月10万円あったたばこ自販機の売り上げも最近は2万円程度という。「禁煙になって客が減るかどうかは分からない」と話す。
 
 友人と来店した横浜市の男性(36)は「居酒屋では、たばこを吸ってゆっくり話をしたい。禁煙になっても利用したいけれど、滞在時間が短くなるかも」。同僚と飲んでいた広島市の男性会社員(44)は「同僚は吸わないので気も使う。全面禁煙の方が気楽かもしれない」と語った。
 
 大阪・ミナミで戦後間もなくから営業している「純喫茶アメリカン」も、面積基準で規制対象になる。山野陸子社長は「たばことコーヒーを合わせて『喫茶』ということで長年やってきたが、時代の流れ」と受け入れる。法改正されたら喫煙専用室は設けず、全面禁煙に転換するという。
 
 チェーン店は、店舗が狭くても規制対象。道頓堀周辺に多店舗展開する居酒屋のホール責任者を務める女性は「地方や外国からも含めいろいろな人が来るので、喫煙専用室をつくって対応せざるを得ない。ただでさえ厳しい業界なので、喫煙室の設置費用に助成や低金利融資などをしてほしい」と訴えた。
 
 大阪名物「どて焼き」が人気の大衆酒場は、1階はカウンターのみだが、2階には大きな座敷席もある。20年以上通っているという久保田義郎さん(73)は「たばこを吸いながら飲むのが楽しみなのに、規制されるのかも……」と気をもむ。
 
適用除外 喫煙の環境温存
 適用除外になる小規模店も、捉え方はさまざまだ。
 
 大阪で15席ほどの居酒屋を夫と切り盛りする上戸康子さん(68)は「お客さんの6割はたばこを吸う。規制の対象外になってよかった」と胸をなでおろす。ただ、禁煙の店が増えるにつれ路上で吸う客も目立ってきており「店の前でポイ捨てが増えるのが心配です」。
 
 一方、東京都千代田区で全面禁煙のカフェバーを営む女性(49)は「5年半前の開店当初は珍しがられたけれど、今は客も抵抗なく受け入れている。禁煙だから落ち着けるという人も多く、国が全面規制しても店のデメリットは少ないのでは」と指摘する。小規模店を規制から外すことには「たばこの迷惑は狭い店の方が大きいのに、考えがよく分からない」と首をひねった。
 
 神奈川県では10年に受動喫煙防止条例が施行されたが、規制対象を大規模店に限定したため、飲み屋街などでは喫煙可の店も多い。制定当時に県知事だった松沢成文参院議員(希望)は「条例がむしろ喫煙環境の温存を認める結果となってしまった。今回もその恐れがある」と話す。
 
喫煙できる店、徐々に減 新規店は全て規制対象
 適用除外の多さが批判されている改正法案だが、喫煙できる飲食店が徐々に減る仕掛けにはなっている。厚生労働省の推計によると、面積や経営規模による適用除外の店は現状で最大55%に上るが、規制対象になる新規店の占める割合が2年で全体の2割弱、5年で3割強と次第に高まるからだ。
 
 これより早く禁煙が進むとの見方もある。外食産業約450社が加盟する日本フードサービス協会の石井滋業務部長は「20歳未満は従業員も喫煙場所への立ち入りが禁止になる。人手不足の中、大学が周辺にない地域などでは高校生のアルバイトに頼る業者も多く、働き手確保のため全面禁煙にする店が出るだろう」と予測する。
 
 原則禁煙になる店では、入居するビルの構造の問題で排煙管を設置できず、喫煙専用室が作れないケースも出そうだ。
 
法案のポイント
・学校、病院、行政機関などは敷地内禁煙
・飲食店、事務所、ホテルのロビーなどは原則屋内禁煙。喫煙専用室の設置は可
・客席面積100平方メートル以下で個人経営か資本金5000万円以下の既存飲食店では、掲示すれば喫煙可
・加熱式たばこも規制対象。ただし、加熱式の専用室では飲食も認める
・喫煙できる場所には20歳未満立ち入り禁止
・禁止場所での喫煙などは50万円以下の過料


(2018.3.14)
 パチンコホールも禁煙対象エリアに〜健康増進法改正案提出
Net IB News 3月14日
 
 今や当たり前に目にするようになった「分煙」・「禁煙」エリア。すでに喫煙者は肩身の狭い思いをしていることと思うが、追い打ちをかけるように、健康増進法の一部を改正する法律案(以下、健康増進法改正案)が閣議決定された。
 
 健康増進法改正案は、2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙対策の強化を目的としたもの。学校・病院・児童福祉施設・行政機関の敷地内、電車や飛行機の中は禁煙で、船舶や先述の施設以外の、多数の利用者が訪れる施設は原則的に屋内禁煙(※)となる。
 
 今回の健康増進法改正案により、タバコを吸える場所というイメージが強いパチンコホールも禁煙対象エリアとなる。パチンコホールによっては、タバコの臭いを不快と感じる人向けに消臭サービスとして「リフレッシュシャワー(消臭効果のあるエアーが噴出し、気になる臭いを中和できるガラスボックス)」やイイ匂いを拡散させる「フレグランスディフューザー(香料を空気中に散布させる機械)」を設置している店舗もある。
 
 パチンコホールにとっては、こうした臭いに対する設備投資を抑えられる一方で、喫煙者がタバコを吸いたくなる度に席を立つ必要が出てくることから、パチンコ・スロット台に人が座っていない=勝てない店というイメージを新規来店客に持たれてしまう可能性もある。
 
 健康増進法改正法案の施行期日は2020年4月1日。禁煙対象エリアとなる施設は、それまでに周知徹底をし、喫煙者への対応を考える必要がある。
 【代 源太朗】
 
※喫煙専用室を設け、そのなかで喫煙するのは可。


(2018.3.8)
 岡田結実が『受動喫煙対策推進キャラクター』に就任!“望まない受動喫煙のない社会”の実現に向けたイベント開催
music.jp ニュース メディアニュース 3月6日
 
〜加藤厚労大臣への表敬訪問、受動喫煙に関するトークセッションを実施〜
 
 厚生労働省では2020年の東京オリンピック・パラリンピックを目指し、受動喫煙対策を徹底していくため、厚生労働省では必要な法案を今国会に提出すべく、調整を進めています。
 
 望まない受動喫煙をなくしていくためには、受動喫煙に関する正しい知識の普及啓発を進めていくことが重要であることから、今般、「受動受動喫煙に関する啓発イベント」を2018年3月12日(月)に開催することといたしました。
 当日は、受動喫煙対策推進キャラクターに就任した岡田結実さんが、加藤勝信厚生労働大臣を表敬訪問いたします。
 また、イベントでは、大沼みずほ 厚生労働大臣政務官(予定)、国立がん研究センターの澤田典絵室長、タレントの岡田結実さんが、「望まない受動喫煙のない社会を目指して!」をテーマにトークセッションを行う予定ですので、どうぞ奮ってご参加ください。
 
受動喫煙に関する啓発イベント
【日時】 2018年3月12日(月)13:00?14:00 イベント(講堂)
【主催】 厚生労働省
【会場】 厚生労働省 講堂 (千代田区霞が関1-2-2)
【内容】
13:00 開会
13:01 主催者挨拶 加藤勝信 厚生労働大臣(予定)
13:05 フォトセッション
13:15 トークセッション
〜望まない受動喫煙のない社会を目指して!〜
・進 行:椎名由紀氏(司会)
・登壇者:大沼みずほ厚生労働大臣政務官(予定)
 澤田典絵氏(国立がん研究センター 室長)
 岡田結実さん(受動喫煙対策推進キャラクター)
13:55 閉会
 
受動喫煙対策推進キャラクター
岡田 結実(おかだ・ゆい)
ファッションモデル、タレント。
大阪府大阪市出身。17歳。
身長160cm、血液型B型。父はお笑いタレントの岡田圭右(ますだおかだ)
 
【会場】 厚生労働省 講堂
(千代田区霞が関1-2-2 中央合同庁舎第5号館 低層棟2階)
アクセス 地下鉄丸ノ内線、千代田線、日比谷線「霞ヶ関」駅より直結
(中央合同庁舎第5号館直通地下通路)
 
※入館に際し、身分証明書の提示が必要です。
ご参加いただける場合は、事前受付はありませんので、会場へ直接ご来場下さい。
 
 スマート・ライフ・プロジェクト公式HP
 http://www.smartlife.go.jp


(2018.3.7)
 東京五輪までに対策徹底 受動喫煙防止で政府
産経ニュース 3月5日
 
 2020年の東京五輪に向けた受動喫煙防止策を検討する政府チームの会合が5日、官邸で開かれた。五輪開催までに受動喫煙対策を徹底するために、関係省庁が連携することを確認した。
 
 会合では、厚生労働省が今国会に提出予定の健康増進法改正案について報告。座長の杉田和博官房副長官は「一丸となって周知啓発することが極めて大事だ」と述べた。
 
 法案は、多くの人が利用する建物内を罰則付きで原則禁煙とする内容で、自民党厚労部会で2月に了承された。政府が近く閣議決定する。
 
 世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は10年に「たばこのない五輪」の実現で合意しており、日本も対策強化を迫られている。
 
 会合には、財務省や経済産業省、スポーツ庁などの担当者が出席。東京都も同席した。


(2018.3.5)
 【茨城新聞】 受動喫煙対策 根本から見直しを
THE 社説一覧(茨城新聞) 3月5日
 
受動喫煙の防止対策を強化する健康増進法改正案が固まった。焦点となっていた飲食店の扱いについては、喫煙できる例外の範囲が当初案より大幅に広くなった。これでは他人のたばこの煙を吸わされることによる健康被害は防げない。根本から見直すべきだ。
 
厚生労働省が策定した改正案を自民党が大筋で了承した。政府は今月中にも閣議決定して国会に提出する。
 
改正案は、不特定多数の人が集まる建物内を罰則付きで原則禁煙とするが、「喫煙専用室」では喫煙できる。ただし、客席面積が100平方メートル以下で資本金が5千万円以下の既存飲食店では、「喫煙可」などと店頭に表示すれば、専用室がなくても喫煙を認める。
 
厚労省が昨年3月に公表した当初案は、たばこが吸える飲食店を店舗面積が30平方メートル以下のバーやスナックに限っていた。自民党が反対して調整が難航していたが、厚労省が面積を拡大し、業態の制限もなくすことで折り合った。大きな譲歩である。
 
この内容では、改正案は「ざる法」と言うしかない。厚労省の試算では、喫煙専用室を設けなくても全体の55%の飲食店でたばこが吸えることになる。家族客が来る店も多く含まれ、子どもも受動喫煙による健康被害を受ける。従業員の健康被害は言うまでもない。そもそも例外の方が多数では、飲食店に関する限り「原則禁煙」は有名無実になってしまうではないか。
 
受動喫煙対策の強化は待ったなしの課題である。受動喫煙が原因の死亡者は推計で年間約1万5千人に上り、2017年の交通事故死者数の約4倍である。しかも、たばこを吸わない人の約4割が飲食店で受動喫煙を体験している。今まで対策がほとんどなおざりにされていたことが異常なのである。
 
世界保健機関(WHO)によると、17年時点で公共の場所全てを屋内全面禁煙としている国は55カ国あり、日本の受動喫煙対策は世界最低レベルである。これから対策を強化しようとしているところだが、この改正案の内容を実現しても、世界標準には程遠い。
 
自民党のたばこ議員連盟などが厳しい喫煙規制に反対している背景には、客が減ることを心配する飲食店業界の声があるが、禁煙で飲食店の売り上げが落ちたことを示す明確なデータはない。反対に、禁煙を実施する店はたばこを吸わない客が増えることが期待できるだろう。反対論は杞憂(きゆう)に基づいている。
 
自民党にも喫煙規制の推進派がいる。党内から改正案の見直しを求める声を上げてほしい。この問題で野党の声があまり聞こえてこないのも気になる。国民の健康のために力を発揮してほしい。超党派の「受動喫煙防止法を実現する議員連盟」は、喫煙できる飲食店をバーやスナックに限る対案を作成して議員立法を目指している。こうした動きにも期待したい。
 
今回の法改正を後押ししたのは、20年の東京五輪・パラリンピック開催だ。WHOと国際オリンピック委員会(IOC)は10年に「たばこのない五輪」の実現で合意しており、それ以降の五輪開催国は罰則を伴う厳しい喫煙規制を導入している。この改正案では、たばこのない五輪は不可能になってしまう。政府は大幅な修正をためらってはならない。


(2018.3.3)
 都医師会が受動喫煙対策で署名へ
NHK NEWS WEB  首都圏NEWS WEB 3月2日
 
東京都医師会は、受動喫煙対策を強化する法案が、喫煙を可能とする飲食店の範囲などで当初の案より後退しているとして、都が制定を目指す条例案では、より規制を強化するよう求める署名活動を行う考えを示しました。
 
受動喫煙対策の強化をめぐり、飲食店では、新たに営業を始めた店や大手企業が経営する店は原則として禁煙とし、「喫煙専用室」でのみ喫煙と可能とする一方で、個人か資本金などが5000万円以下の中小企業が経営する、客席100平方メートル以下の既存の店については、喫煙や分煙を表示すれば、喫煙を可能とする法案が国会に提出される見通しです。
 
これについて、東京都医師会の尾崎治夫会長は2日の記者会見で、「喫煙可能の範囲などが当初の案より後退している。喫煙専用室や分煙では必ず煙が漏れてくるので、屋内空間ではすべて禁煙を目指すべきだ」と述べました。
 
そのうえで、都が制定を目指す独自の罰則付きの条例案について「国の法律は最低限の規制だ。オリンピック・パラリンピックの開催都市である東京では、受動喫煙の害を防げるしっかりとした法的整備を考えてほしい」と述べ、より規制を強化するよう求める署名活動を今月下旬から行い、ことし6月に開かれる都議会を前に、都に提出する考えを示しました。


(2018.3.2)
 骨抜きの受動喫煙規制が、むしろ中小飲食店を殺す理由
DIAMOND online 窪田順生:ノンフィクションライター 3月1日
 
 (前略)
「満額回答」ではないが思ったほど「骨抜き」でもない
 
 多数派の力強さを、山東氏は自身の政治活動の中で目の当たりにしてきている。
 
 「以前、葉たばこ農家の方たちに転作をしてもらえないかという案が出ました。ちょうと中国で漢方の生産者が減っていたので、これなどいいのではと調査したところ、漢方原料とは比べものにならないほど、葉たばこの買取価格が高かった。転作などありえない額です。だからこそ綿々と続いてきたということなのでしょう。そういう意味では、まだまだ日本はたばこ天国ですね」(山東氏)
 
 そう感じているのは、羽鳥理事も同じだ。政府や自民党の検討会に呼ばれ意見を述べる団体は、医師会など医療系団体に対して、飲食店などの団体が圧倒的に多い。「意図的だなと感じることもある」という。だが、それ以上にこちらの無力さを感じるのは、飲食店の業界団体の方たちがこぼした「本音」だという。
 
 「会が終わって、みなさんとざっくばらんに話してみると、『先生たちの言うこともわかる。でも、業界の代表としては無理なんです』と言う人も多い。我々が禁煙にしても売り上げは減らないというデータで説明しても、『個人的には理解できるが、多くの飲食店には恐怖感がある』と、どこまでいっても平行線なのです」(羽鳥氏)
 
 こういう圧倒的なアウェー感の中で、受動喫煙防止対策の必要性を訴えてきた山東会長や羽鳥理事からすれば、今回の規制案は確かに「満額回答」ではないが、世間で言われるほど「骨抜き」ではない。むしろ、これまでの経緯を踏まえれば、「大きな一歩」なのだ。
 
 羽鳥理事は「飲食店というポイントだけではなく、病院などの施設で禁煙が明記されていることなどもしっかり評価すべきだ」と言う。
 
中途半端な温情法案は中小飲食店を苦しめる
 また、山東氏も「これが最後ではない」と強調する。
 
 「ようやく初めてルールができたことで、いろいろな整備が進むきっかけになる。たとえば、我々が主張しているのは、駅前などの喫煙スペースの問題です。私も視察に行きましたが、屋根くらいはあるものの、煙がもくもくと流れて近くを歩ける状態ではない。私の議連では、これはやはり需要と供給の関係からいって、JTが整備すべきだと考えます」
 
 だが、今回の規制は、お二人が言うような「希望」ばかりではない気もしている。はじめに断っておくと、筆者は嫌煙家ではなく今回の喫煙規制に特別な思い入れはない。ただひとつ、これが結果として中小の飲食店を苦しめる「悪法」にならないかということが心配なのだ。
 
 なぜかというと、実は今回の厚労省案で山東会長や、羽鳥理事らが高く評価しているもうひとつの理由として、「新規にできる飲食店はすべて禁煙」と定められているからだ。
 
 「飲食店は入れ替わりが激しいので徐々に喫煙できる店は減っていく。時代の流れで禁煙が増えていくことは間違いない」(山東氏)
 
 これはバーやスナックという酒場なら問題ないが、「喫煙可」を掲げる小さなレストランや食事処はかなりマズい。現状では半数の飲食店で喫煙できるが、時間が経つごとに「喫煙可」の店は減って行き、「喫煙不可」がますます時代のトレンドになる。小さな規模の店が「時代と逆行」するのは大きな経営リスクを背負い込むことに他ならない。
 
 規制が敷かれた直後は、「喫煙可」の店は、愛煙家の方たちからすれば「最後の楽園」になるので、それなりに支持されて繁盛をするかもしれない。だが、客足が減るのは時間の問題だ。
 
 以前、厚労省ヒアリングで焼肉組合の方が、いっそのことすべての店で、吸いたい人は店の外で吸うというルールを決めてくれた方が平等でいい、とおっしゃっていたのを聞いた。まさしくそのとおりで、「例外」を設けることは一見すると弱者への配慮のように感じるが、長い目でみると、逆に過酷なハンデを強いる。本来、食事やサービスの質のみで勝負せざるを得ない小さな飲食店が、「煙い」「臭い」という、食事やサービスとは関係ない部分で、新客が訪れる機会を失っているからだ。
 
 飲食店の半分で吸えるという前代未聞の「原則禁煙」法案がつくり出す未来は、「希望」か「絶望」か――。その結果は、東京五輪が終わった頃くらいには判明するはずだ。


(2018.2.27)
 新入生にピロリ菌検査 道医療大、4月から 喫煙者ゼロ運動も推進
北海道新聞 電子版 2月27日
 
 浅香正博学長
 
 【当別】北海道医療大が、全国的にも珍しい在学生を対象にした「がん予防プロジェクト」に取り組んでいる。肺がん予防のための喫煙者ゼロ運動を進めるほか、新年度からは、新入生全員に胃がんの原因となるピロリ菌検査を行う。プロジェクトを発案した浅香正博学長は「学生が将来、日本人に多い肺と胃のがんで命を落とす可能性を限りなくゼロに近づけたい」としている。
 
 歯学部など医療系学部を擁する同大でのプロジェクトは、消化器内科医でピロリ菌研究などの第一人者でもある浅香学長が着任した2016年から始まった。
 
 このうち「喫煙者ゼロプロジェクト」では学生や教職員でつくる見回り組織が、禁煙エリアでの喫煙者に注意を呼び掛けるなど啓発活動を展開。17年春には敷地内の喫煙所を廃止した。
 
 浅香学長は入学式後の講話や講義で学生にたばこの害を説明するほか、昨年12月には自身が執筆した「喫煙ストップ」を呼びかける冊子を学生・教職員全員に配布。啓発の成果もあり、17年度の学生の喫煙率は5・4%と前年度の9・4%を下回ったという。
 
 新年度からの「胃がん予防プロジェクト」では、毎年、新入生の血液検査を行い、胃の粘膜にすみつくピロリ菌の有無を調べる。今年は4月の健康診断で新入生約800人を検査。1人千円程度の費用は大学が負担する。感染者には同意を得た上で札幌市北区の同大病院で内視鏡検査と除菌治療を行う。約5千〜6千円の窓口で支払う診療費などは大学が負担する。横浜市立大も新年度から新入生らを対象に同検査を行う予定だが、全国の大学でもまだ珍しい取り組みという。


(2018.2.24)
 北陸先端大、喫煙後45分間はキャンパス立ち入り禁止
「喫煙者の肺から有害物質が出続ける」
キャリネコニュース 2月22日
 
 受動喫煙対策が進む中、北陸先端科学技術大学院大学(石川県能美市)は昨年10月1日、キャンパス内に18か所あった喫煙所を全て撤去し、敷地内全面禁煙に踏み切った。さらに喫煙してから45分間は敷地内への立ち入りを禁じるという。
 
 「45分経ったのか確認するのは難しい。喫煙者個人の良識に委ねている」
 なぜ喫煙後しばらくはキャンパスに入れないのか。同大の担当者は、キャリコネニュースに対して、次のように話す。
 
 「昨年3月に専門家を呼んでセミナーを開いたとき、喫煙してから45分間は肺から有害物質が出るという説明がありました。そこで45分経過するまでは本学への立ち入りを禁止することにしました。ただ、本当に時間が経ったかどうか確認するのは難しく、喫煙者個人の良識に委ねている状態です」
 
 学生なら授業の合間のキャンパスの外に出て吸えば良さそうだが、喫煙者の職員はかなりの我慢を強いられそうだ。
 
 「職員は昼休みに吸うか、家に帰ってから吸うしかありません。来客の方も例外ではなく、全面禁煙に協力していただいています。全面禁煙については、開始半年前の昨年4月に学長から宣言が出され、周知されていましたから、批判は出ていません」
 
 「このくらいするのが普通って流れになってほしいな」
 
 たばこには喫煙者が直接吸い込む「主流煙」とたばこの先端から立ち上る「副流煙」がある。現在、主に問題になっているのは「副流煙」を吸い込んでしまうタイプの被害だ。
 
 しかし最近では、喫煙者の呼気に含まれている有害物質も問題になっている。「日テレNEWS24」(日本テレビ)が昨年紹介した産業医科大学・大和浩教授の見解によると、たばこの成分は喫煙後も20〜30分は呼気から出続けているという。
 
 同番組に出演した諏訪中央病院の鎌田實・名誉院長も、「たばこを吸い終わっても30分は有害な成分を出し続けているわけですから、家族に近づくことは避けるべき」と注意を喚起していた。北陸先端大の受動喫煙対策は、呼気からの有害物質による被害も防ぐ、かなり先端的な対策だと言えるだろう。
 
 同大の徹底した受動喫煙対策はネットでも話題に。「吸い終わった後も臭いからな」「このくらいするのが普通って流れになってほしいな」と賛成する声が多数上がっていた。
 
 一方で、「副流煙などに比べて数値的にどれくらいのリスクがあるんだろう?」「立入禁止処分をするに値するエビデンスなの?」という声も上がっていた。呼気煙に含まれた有害物質にどの程度のリスクがあるのか、本当に45分間も有害な成分が出続けるのか、厳密な検証が必要、ということのようだ。
 
 一部には「喫煙後の排出物のリスクは自動車の排ガスやら粉塵のリスクに及ばないだろう」「そのうち車の進入とかも禁止されるのかな?」と反発する人もいた。


(2018.2.24)
 倍総理の外遊にJT関係者 「条約違反」と野党指摘
テレ朝NEWS 2月22日
 
政府は受動喫煙防止に関連して、安倍総理大臣が先月に東欧訪問した際にJT(日本たばこ産業)関係者が同行したことについて「条約違反ではないか」という野党側の指摘に対して明言を避けました。
 
条約では、締約国は健康のためのたばこ規制をする場合はたばこ産業界から商業上、利益に絡んで影響を受けないようにしないといけないとしています。これに対して希望の党の松沢成文議員は、質問主意書で安倍総理の東欧訪問にJT関係者が同行したことは政府がたばこの海外販売の手助けをしたということになり、条約違反になるのではないかとただしました。これに対し、政府は「質問の趣旨が明らかでない」としたうえで、「条約は規制政策を決定する立場にある者に産業関係者が不法や不当な影響力を行使しないよう求めるものだ」と説明し、違反かどうかについては明言を避けました。
 
(参考)
FCTC(たばこの規制に関する世界保健機関枠組条約)5条3項「締約国は、たばこの規制に関する公衆の健康のための政策を策定し及び実施するに当たり、国内法に従い、たばこ産業の商業上及び他の既存の利益からそのような政策を擁護するために行動する」


(2018.2.22)
 受動喫煙対策の全面実施は32年4月 飲食店の工事期間を考慮
ヤフーニュース(産経新聞) 2月19日
 
 厚生労働省は、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙対策の全面実施を平成32年4月1日にする方針を固めた。飲食店などの喫煙専用室の設置工事期間を考慮したためだ。同年7月から始まる東京五輪には間に合うが、当初予定していた31年9月に始まるラグビーワールドカップ(W杯)までの全面実施は断念した。
 
 受動喫煙対策を盛り込んだ健康増進法改正案によると、学校、病院、児童福祉施設、行政機関などは今年から来年夏ごろまでを事前の周知期間とし、来年夏ごろから原則、敷地内禁煙とする。ただ、屋外で必要な措置が取られた場所では喫煙を認めるとしており、昨年3月に公表した当初案と異なり、例外を設けた。
 
 こうした施設以外で多数の人が利用する飲食店や事務所、ホテルなどの施設は原則、屋内禁煙としたが、喫煙専用室内での喫煙は認める。個人経営か「資本金5千万円以下」で、「客席面積100平方メートル以下」の小規模の飲食店は「喫煙」「分煙」などの標識を掲示すれば喫煙を認める。
 
 喫煙専用室に関する予算や税制上の措置も講じる方針で、飲食店が喫煙専用室を整備する場合、助成する。経営改善に向けて設備投資を後押しするための「経営改善設備」を取得した場合に適用される特別償却や税額控除に関し、喫煙専用室設置に必要な器具や備品も対象にする。
 
 これに関連し、国のがん対策の方向性を定める「第3期がん対策推進基本計画」に「2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙対策を徹底し、本基本計画の計画期間中(平成29年度〜34年度)において、望まない受動喫煙のない社会をできるだけ早期に実現することを目標とする」と明記することも判明した。
 
 基本計画は昨年10月に閣議決定したが、健康増進法改正案がまとまらなかったため、受動喫煙に関する目標を明記しなかった。今回、目標を盛り込んだ上で再度閣議決定する予定だ。


(2018.2.19)
 たばこの煙ない大会実現を 東京五輪・パラに向け国際会議
NHK NEWS WEB 2月18日
 
 受動喫煙対策の強化が議論になる中、2年後の東京オリンピック・パラリンピックに向け、スモークフリー=たばこのない大会をどう実現していくかを話し合う国際会議が東京都内で開かれました。
 
 東京都医師会が開いた会議には、国内外の医療関係者などおよそ150人が出席しました。
 
 はじめに、都医師会の尾崎治夫会長は「2010年にIOCとWHOで、たばこの煙のない都市で大会を行うことが決められ、それ以降の開催都市では原則、飲食店も含めて全面禁煙の取り組みが行われている」と指摘し、東京大会でもスモークフリー=たばこのないオリンピック・パラリンピックを実現するため、法律や条例による規制の強化を訴えました。
 
 また東京都の小池知事は、都内で適用される罰則付きの受動喫煙対策の条例案について「法律との整合性を図りながら、開催都市にふさわしい条例案の検討を進める」と述べ、政府が今の国会に提出する予定の法案を見極めながら内容を検討していく考えを示しました。
 
 会議ではこのほか、イギリス政府やアメリカの大学で保健衛生に取り組む専門家が講演し、ロンドン大会では国民の健康増進が大会のレガシーの1つになった事例などを紹介しました。



(2018.2.19)
 喫煙可能な飲食店、最大55%に…厚労省推計
YOMIURI Online 2月16日
 
 厚生労働省は、非喫煙者がたばこの煙を吸い込む受動喫煙への対策強化について、条件付きで喫煙を認める小規模飲食店の対象を「客席面積100平方メートル以下」とする方針を固めた。
 
 これまで検討していた「店舗面積150平方メートル以下」から条件を見直し、対象を広げた。厚労省は今国会に健康増進法改正案を提出する方針だ。
 
 客席面積が100平方メートル以下で、個人経営か資本金5000万円以下の中小企業が運営する既存の「小規模」な店について喫煙を認める。受動喫煙を入店前に判別できるよう店側に「喫煙」や「分煙」の表示を義務付ける。厚労省の推計では、店内で喫煙が可能な飲食店は最大で全体の55%程度とみられる。
 
 厚労省は1月30日、〈1〉飲食店は原則禁煙とし、喫煙専用室のみで喫煙を認める〈2〉20歳未満は、店内の喫煙専用室などへの立ち入りを禁止する――などの健康増進法改正案の骨格を公表。当初は小規模の定義を店舗面積150平方メートル以下とすることで調整していたが、厨房ちゅうぼうや従業員用の控室などは除いた客席面積を基準にする。客離れを懸念する飲食店業界などの要望を踏まえた修正とみられる。


(2018.2.19)
 都議会棟の禁煙が全会一致で決定 喫煙所も廃止へ
テレ朝ニュース 2月15日
 
 東京都議会は4月1日から禁煙となります。
 
 都議会は14日、議会運営委員会を開いて議会棟を禁煙にすることを決めました。禁煙は4月1日からで、これまで議会棟にあった3カ所の喫煙所が廃止されます。議会棟の1階と地下1階にある喫煙所については議会側が管理していないため、今後、都と協議するということです。一部の会派からは国の法改正を待つべきだとの意見も出ましたが、最終的には全会派一致で決まったということです。また、都議会は21日に開会することが正式に決まりました。会期は来月29日までで、2018年度の予算案などが審議されることになります。


(2018.2.15)
 受動喫煙 超党派議連が対案 厳格に規制
毎日新聞ニュース 2月14日
 
 与野党の議員60人でつくる超党派の「東京オリパラに向けて受動喫煙防止法を実現する議員連盟」(尾辻秀久会長=自民党)は13日、先月公表された厚生労働省の案よりも規制が厳しい対案をまとめ、議員立法で野党から提出を目指す方針を決めた。
 
<受動喫煙>規制外6〜9割 飲食店、厚労省案に懸念
 焦点の飲食店規制について、現在の厚労省案は、店の種類を問わず客席面積100平方メートル以下を屋内禁煙の例外とするよう検討しているが、対案は昨年の厚労省案と同じく、店舗面積30平方メートル以下のバーやスナック以外、認めない。また、加熱式たばこも紙巻きと同様に規制し、2019年のラグビー・ワールドカップ(W杯)までに施行するとした。一方、罰則は、過料の金額を50万円以下としている厚労省案より軽い10万円以下とし、適用しやすくした。
 
 議連の松沢成文幹事長(希望の党)は「現在の厚労省案は緩く実効性がない。国会で議論し、国民が比較できる対案が必要だ」と説明。法案の提出は3月中をめどにしており、議連に参加する各議員が、与野党で党議拘束を外すよう活動する方針も確認した。【山田泰蔵】


(2018.2.14)
 飲酒や運動量は? 日本人のためのがん予防「5つの習慣」
AERAdot 三浦天紗子 2月11日
 
 がんは生活習慣の見直すことで遠ざけることができる。がん発症のリスク要因となる生活習慣とは何か、5つの視点からがんを予防する方法を紹介する。
 
【図表で見る】五つの健康習慣を実践するとリスクはこう低下する
 2007年に対する推計値
生活習慣の改善によって減少可能ながん死亡者数 38.0%、12万7700(人)、
 
喫煙 23.0%、77.4(千人)、飲酒 5.4%、18.2(千人)、
運動不足 2.8%、9.3(千人)、過体重・肥満 2.1%、4.1(千人)、
食塩摂取 4.4%、14.9(千人)、野菜・果実の低摂取 1.1%、3.8(千人)、
 
【受動喫煙 0.8%、2.5(千人):2015年推計値】
 
●予防1 身体を動かす量
 日常生活を活動的に過ごす習慣が大事。身体活動の単位を「メッツ」と呼ぶ。1メッツは座る、2メッツは立つ、3メッツは普通に歩く強さ。厚生労働省は、買い物や部屋の掃除、子どもの世話など、3メッツ以上の強度の身体活動を毎日60分で週に23メッツ、ウォーキングなど息が弾み軽く汗をかく程度の3メッツ以上の強度の運動を週に60分行うことを推奨。
 
●予防2 理想的なBMI値
 BMI値が30以上の肥満体形はがん死亡リスクが30%ほど高いことがわかっているが、日本人ではそこまでの高肥満者は男女とも数%。日本人の場合、逆にやせすぎている人こそ注意が必要だ。中高年時点におけるBMI値が、男性では21〜26.9でがんのリスクが低く、女性では21〜24.9で死亡リスクが低い。
 
●予防3 非喫煙
 たばこは、あらゆるがんの最大のリスクファクター。たばこを吸っている人は禁煙する。受動喫煙もできるだけ避ける。夫が喫煙者だった場合の妻の肺がんリスクは、約1.3倍。
 
●予防4 節酒
 健康的に長生きし、がんにかかったりしないためには、飲酒量を日本酒換算で1日1合まで(ビールなら大瓶1本、ウィスキーはダブル1杯、ワインはグラス2杯に相当)、1週間で7合まで。この範囲内であれば、休肝日のあるなしはがん予防に差はない。毎日飲むなら1日1合程度。2合以上飲む日があるなら休肝日をもうけて。毎日3合以上の過剰飲酒はハイリスク。
 
●予防5 食生活を見直す
 偏りなくバランスよく食べること。野菜や果物は、1日350〜400gを目標に取る。塩分や塩蔵食品はほどほどに。食塩摂取の目安は、1日あたり男性で8g未満、女性で7g未満。たらこ、塩鮭、塩辛、練りウニなど高塩分食品は週1回程度に。
(ライター・三浦天紗子) ※AERA 2018年2月12日号より抜粋


(2018.1.28)
 飲食店従業員の7割「食事提供する場は全面禁煙にして」 受動喫煙は6割が経験
ネタりか キャリコネニュース 1月23日
 
 飲食店での受動喫煙への悩みは、客だけでなく授業員も持っているようだ。流通サービス業などが加盟する産業別労働組合のUAゼンセンによると、ファミレスや居酒屋などの飲食店で働く63%が、客からの受動喫煙を経験したことがあるという。
 
 UAゼンセンは外食産業で働く3000人を対象に受動喫煙に関する調査を行い、2076人から回答を得た。回答者の職場は「ファミレス」(49%)が最も多く、「居酒屋」(19%)、「ファーストフード」(18%)、「その他」(14%)となっている。
 
店によっては従業員の過半数が未成年のアルバイト  受動喫煙に晒していいのか
 厚労省は昨年3月、東京オリンピックに向けた受動喫煙の防止策として、30平方メートル以下のバーやスナックの例外を除き、飲食店は全面禁煙とする健康増進法改正案をまとめた。しかしその後、自民党議員らの強い反発で調整が難航。11月には、厚労省が例外の広さを150平方メートル以下にまで広げるという報道も出た。受動喫煙防止に積極的な議員などから「骨抜きだ」と批判も出ている。
 
 調査では、飲食店の従業員がこうした現状をどう思っているのか聞いた。厚労省が間仕切りの設置などによる空間分煙を禁止し、屋内を禁煙にしようとしている事については、69%が賛成と答えた。しかし、小型店や個人店、小規模事業者等を規制対象から外すことについては「例外なく対象とすべき」という回答も69%に上っている。
 
 UAゼンセンは1月19日、食事を提供する場の原則全面禁煙と、空間分煙の禁止、更なる情報提供と普及啓蒙活動を求める要請書を厚労省に提出した。UAゼンセンの担当者はキャリコネニュースの取材に対し、
 
 「飲食店の現場には、場所によっては従業員の過半数が未成年のアルバイトで占められているケースもある。こうした人達の受動喫煙を防ぐのも大切だ」
と答えた。
 
 12月8日の東京都議会で都が行った答弁によると、仮に厚労省が150平方メートル以下の屋内喫煙を認めた場合、都内の一般飲食店の9割が該当することになり、実質的にはほとんどの店で喫煙が可能な状態になるという。こうした面積規制についても担当者は「150平方メートル以下は除外する、といった規制は設けず、また、小規模店、個人経営店などの例外も作らず、受動喫煙の対策をしてほしい」と語っていた。


(2018.1.27)
 受動喫煙対策、厳格化を要望…がん患者団体連合会と関連3医学会
YOMIURI ONLINE yomiDr. 1月25日
 
 全国がん患者団体連合会と、がん関連3医学会は24日、受動喫煙対策を強化する健康増進法改正案について、より厳格な内容を求める要望書を合同で加藤厚生労働相あてに提出した。
 
 非喫煙者がたばこの煙を吸い込む受動喫煙への対策強化を巡り、厚労省は、飲食店内は原則禁煙だが、店舗面積150平方メートル以下は喫煙を認める同法改正案を提出する方針。
 
 要望書では、厚労省案について「東京都内では9割以上の飲食店が喫煙可となり、大幅な後退案と言わざるを得ない」と反対している。同連合会の天野慎介理事長は「以前厚労省が示した30平方メートルまでは喫煙可とする案が最低限のライン」と話している。


(2018.1.23)
 松浦会長が受動喫煙対策について厚労省に要請
UAゼンセン 1月19日
 
 2018年1月19日、UAゼンセン松浦昭彦会長、川合孝典組織内参議院議員らが厚生労働省を訪問し、職場の「受動喫煙防止対策」が事業者の努力義務となったことをふまえ、働く立場からの意見・提言として、公正かつ実効性のある受動喫煙対策を実施するよう要請書を手渡しました。
 
 要請書および2017年8月にUAゼンセン総合サービス部門フードサービス部会が行ったアンケートの概要については、添付資料をご参照ください。
                  記
日 時: 1月19日(金)11:15〜11:45
場 所: 厚生労働省7F 健康局長室
内 容: 要請書提出および意見交換 
<対応者>
 @厚生労働省:福田健康局長、吉永審議官ほか
 AUAゼンセン:松浦会長、川合孝典参議院議員、松副書記長、松井政策・労働条件局長、島田総合サービス部門フードサービス部会長、原田総合サービス部門副事務局長、北山セブン&アイ・フードシステムズ労働組合委員長、高鳥テンアライド労働組合委員長
 
<要請内容>
 @食事を提供する場については、原則全面禁煙とする。空間分煙(店舗などの飲食スペースを空間的に分ける)についても禁止とする。
 A国民及び事業者の受動喫煙防止に関する取組み促進、普及啓発、情報提供を行う。
 
<福田健康局長のコメント>
皆さまからさまざまな意見をお聞きし、受動喫煙防止対策の法案化へ向けて取り組みを進めていきたい。 
 以上


(2018.1.21)
 たばこ、初の1000億本割れ=17年のJT国内販売
時事ドットコムニュース 1月19日
 
 日本たばこ産業(JT)は19日、2017年の国内の紙巻きたばこの販売が前年比12.5%減の929億本だったと発表した。JTによれば、1年間の売り上げが1000億本を下回るのは1985年の民営化後初めて。
 
 健康志向の高まりによるたばこ離れに加え、加熱式たばこの普及も影響した。減少傾向が続き、85年当時の3分の1程度となった。
 
 少子高齢化に加え、外資系たばこ会社にシェアを奪われている。民営化直後のJTのシェアは100%近かったが、17年は61.3%まで低下した。


(2018.1.21)
 たばこ原因 医療費1.5兆円 受動喫煙で3200億円
東京新聞 TOKYO WEB 1月15日
 
 たばこが原因で二〇一四年度に百万人以上が、がんや脳卒中、心筋梗塞などの病気になり、受動喫煙を合わせて一兆四千九百億円の医療費が必要になったとの推計を、厚生労働省研究班が十五日までにまとめた。国民医療費の3・7%を占めるという。
 
 〇五年度の推計と比べると、喫煙率の減少に伴い一千億円余り減少した。ただ受動喫煙に関しては、因果関係が判明した心筋梗塞や脳卒中の患者を新たに対象に加えた結果、医療費が倍以上の三千億円超に膨らんだ。
 
 研究班の五十嵐中(いがらしあたる)・東京大特任准教授は「脳卒中などの循環器系の病気は、たばこの対策を取れば比較的早い効果が期待できる。受動喫煙の防止策を早く進めるべきだ」としている。
 
 研究班は、たばことの因果関係が「十分にある」ことが分かっている、がん、脳卒中、心筋梗塞などの病気に着目。これらの病気の治療に使われた四十歳以上の人の医療費や、たばこによる病気のなりやすさに関するデータを基に試算した。
 
 その結果、喫煙で一兆一千七百億円、受動喫煙で三千二百億円の医療費が発生したとみられることが判明。患者数は喫煙が七十九万人、受動喫煙が二十四万人だった。
 
 喫煙者では、がんの医療費が多く、七千億円を超えた。心筋梗塞をはじめとする虚血性心疾患や脳卒中などの脳血管疾患の医療費も、それぞれ二千億円だった。
 
 受動喫煙では、がんによる医療費が三百億円。虚血性心疾患は一千億円、脳血管疾患は千九百億円と推計した。
 
 経済的な損失額も試算。病気による入院で仕事ができなくなったことによる損失は喫煙と受動喫煙を合わせて二千五百億円、勤務中に喫煙するために席を離れることによる損失は五千五百億円と見積もった。
 
 <たばこと健康リスク> 喫煙者が吸うたばこの煙には約70種類の発がん性物質があるとされ、受動喫煙で周囲の人が吸い込む副流煙にも発がん性物質やニコチンなどの有害物質が数多く含まれている。厚生労働省のたばこ白書によると、喫煙者がなりやすい病気には、肺がんや胃がんなど多くのがんや、運動時の呼吸困難を引き起こす慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、脳卒中があり、妊娠中では低出生体重児の原因になる。受動喫煙では脳卒中や肺がん、心筋梗塞になりやすくなるほか、乳幼児突然死症候群の危険が高くなる。


(2018.1.19)
 「全面禁煙」半数が支持 飲食店対策で調査
産経ニュース 1月18日
 
 他人のたばこの煙による健康被害を防ぐため、政府が検討している飲食店での受動喫煙対策について、20歳以上の男女の49・9%が店舗面積に関係なく全面禁煙を求めていることが民間シンクタンク「日本医療政策機構」の調査で分かった。
 
 2020年に東京五輪を控え、厚生労働省は150平方メートル以下の飲食店では例外的に喫煙を認めることを検討している。機構は「全面禁煙に半数が賛成という結果は重い。対策を形骸化させてはならない」としている。
 
 調査は昨年11月、千人を対象にインターネットで実施。「飲食店の広さに関係なく全面禁煙とするべきだ」(49・9%)が最も多く、「広さによって禁煙、一部禁煙(喫煙)、喫煙と分けるべきだ」(33・5%)、「広さに関係なく全面喫煙とするべきだ」(6・3%)が続いた。
 
 健康への影響が分かっていない「加熱式たばこ」については、65・7%が「できるだけ早く受動喫煙対策の対象とするべきだ」と回答した。


(2018.1.19)
 受動喫煙対策、3競技団体のみ 国体正式競技41団体中
朝日新聞デジタル 2017年5月13日
 
 国民体育大会の正式競技になっている41競技団体のうち、受動喫煙防止の規定や指針を設けているのは3団体にとどまっていることが、日本体育協会などへの取材でわかった。日体協は各競技団体に受動喫煙防止策の整備を求めている。2020年東京五輪・パラリンピックに向けても、東京都が対策を強化する動きがある。


(2018.1.14)
 大阪のホテル阪神が改装、全客室を禁煙化へ
ヤフーニュース(Lmaga.jp) 1月8日
 
 1月8日からリニューアル工事に着手する「ホテル阪神」(大阪市福島区)が、全客室を禁煙化することを発表した。
 
 JR大阪駅から1駅という便利な立地にある同ホテル。これまでのイメージを刷新するために、2016年からスタートした客室改修計画は「High-class N.Y」をテーマに、全客室の内装・家具、ファブリックを変更。喫煙規制が厳しいニューヨークをイメージするかのように、全290室を禁煙化する。
 
 喫煙者に向けては1階に喫煙コーナーを設置。グループホテルとしては初めての「紙巻きたばこ専用」と「加熱式たばこ専用」の分煙をおこなう。1〜3月は19〜21・23階、4〜7月にその他のフロアを改装し、2018年7月には完成予定。その期間中、レストラン、宴会施設ともに営業を続ける。


(2018.1.14)
 紙巻きたばこ販売激減 前年度比90%割れ  加熱式人気
ヤフーニュース(産経新聞) 1月9日
 
 平成29年度の紙巻きたばこの国内販売数量が28年度比で90%を割り込む大幅減となり、平成に入り最大の下げ幅を記録する見通しとなったことが8日、分かった。喫煙者の需要が急速に「加熱式たばこ」へと移っているためだ。たばこ葉の使用量が少ない加熱式は課税額が低く、国は税収の確保へ向け段階的な増税を決めている。
 
 日本たばこ協会によると、紙巻きたばこの販売数量は8年度の3483億本をピークに右肩下がりへ転じ、28年度は1680億本と半分以下まで減少。それでも、下げ幅が前年度比10%を超えたのは、たばこ税の大幅引き上げがあった22年度(10・1%減)のみだ。
 
 一方、今年度は4〜11月累計で12%のマイナス。国内たばこ市場に占める加熱式のシェアは昨年末時点で2割弱に達したとみられ、各社が加熱式の販売エリアを広げていることから、紙巻きの需要がさらに落ち込むのは確実だ。
 
 燃焼による煙やタールが出ない加熱式たばこは、米フィリップ・モリス・インターナショナルが26年に発売した「アイコス」で人気に火が付き、英ブリティッシュ・アメリカン・タバコの「グロー」も昨年10月に販売エリアを全国拡大した。遅れている日本たばこ産業(JT)も今月、「プルーム・テック」の東京都内での取り扱い先を7千店舗に広げ、6月末までに全国展開する。
 
 ただ、たばこの販売数量は加熱式を含んでも減少傾向にあるとみられ、JTによると、昨年の成人喫煙率は前年比1・1ポイント減の18・2%で、30年前と比べ半減している。
 
 【グラフ】紙巻きたばこ販売数量の推移(写真:産経新聞)


(2018.1.12)
  「受動」の危険性、再認識を 飲食店での喫煙対策
中日新聞 CHUNICHI WEB 1月11日
 
 今年の通常国会で、議論の的となるのが「受動喫煙対策」をめぐる健康増進法の改正案だ。昨年、厚生労働省がまとめた案が自民党の反対で白紙に戻り、今回は飲食店内の対策が大幅に後退するとの懸念もある。日本肺がん患者連絡会の代表・長谷川一男さん(47)=横浜市=はステージ4の肺がんで闘病しつつ、屋内完全禁煙を求め、医学系学会などと共に活動している。その思いを聞いた。
 
 −昨年十二月の声明は、専門家と患者の“医学系共闘”でしたね。
 
 日本医学会連合、日本禁煙学会、日本医師会などと私たち、合わせて二百六十一団体で厚労省に、受動喫煙ゼロを求める声明文を届けました。でも、大臣には会えず、見通しの大変さをあらためて感じました。
 
 昨年春に厚労省がまとめた「広さ三十平方メートル以下の飲食店で例外的に喫煙を認める」の案は、一定の評価ができたのですが、自民党の反対で国会に提出できなかった。自民党が求める「広さ百五十平方メートル以下は例外」では、大半の飲食店が例外に該当してしまい、完全な骨抜きです。
 
 −肺がん患者のアンケートも実施されていますね。
 
 自民党議員が昨年五月、受動喫煙対策の審議中に「患者は働かなくていい」とヤジを飛ばし、後日、「職場を移ればいいという意味だ」と弁明しました。それを受けて緊急アンケートを行い、患者二百十五人の声をまとめました。大半がたばこの煙を不快に感じ、症状の悪化や再発を招くのではと恐怖を感じていました。肺がんになってから受動喫煙した場所は、飲食店が86・5%で一位。現在働いている患者の三割が受動喫煙を受ける環境であること、それを理由に簡単に転職できる状況でないことも分かりました。この結果は、昨年の世界肺癌(がん)学会でも発表しました。
 
 −患者さんの恐怖感は切実でしょうね。
 
 新薬が出てきて、肺がんの生存率が上がったといっても、ステージ2の段階で五年生存率が50%ぐらい。社会生活を送る患者たちが煙におびえるのは当然です。一昨年改訂されたたばこ白書では、受動喫煙は、肺がんや脳卒中、心筋梗塞、乳幼児突然死症候群などと並んで「レベル1」の健康影響があると定義されました。因果関係の科学的根拠が十分にあるという意味。好き嫌いの問題ではなく、周囲の人の健康を危険にさらす行為です。
 
 −長谷川さんは、非喫煙者でしたね。
 
 はい。でも父が喫煙者で、肺がんで亡くなりました。だから、私が八年前にステージ4の肺がんと診断されたとき、父からの受動喫煙が原因ではと最初に考えたし、喫煙していた同僚や友人たちの顔も頭に浮かびました。ただでさえつらい闘病の中、身近なだれかを疑ったり、相手も後ろめたい思いを抱いたりする。これは地獄です。特に次世代の子どもたちへの影響は、大人が断たねばならない。受動喫煙対策について近く東京都の条例がまとまる予定で、国の動きとともに、注目していきたいです。
 (編集委員・安藤明夫)
 
◆国の受動喫煙対策の経緯
 
 厚労省は昨年3月、「30平方メートル以下のバーなどに限り、例外的に喫煙を認めるが、レストラン、居酒屋などは屋内禁煙(専用室の設置は可)、悪質な違反の場合は管理者に罰金最大50万円」とする健康増進法改正案の骨子をまとめた。2019年9月のラグビーワールドカップ日本大会までの施行を目指し、安倍首相も同案の国会提出を指示した。しかし、自民党内から飲食店には死活問題として「150平方メートル以下」に緩和するなどの案が出て、調整が難航。規制推進に積極的だった塩崎恭久前厚労相も昨年8月に交代した。今春の通常国会までに同省が見直す見通し。
 
 <はせがわ・かずお> 1971年、東京都生まれ。フリーディレクターとしてテレビ番組の制作をしていた2010年に、肺がんの診断。15年4月に肺がん患者の会ワンステップ、同年11月に日本肺がん患者連絡会をそれぞれ設立。患者の啓発、受動喫煙防止、治験の推進など、幅広い分野で学会と連携した活動を進め、16年に世界肺癌学会の「ペイシェント・アドボカシー・アワード(患者の権利擁護賞)」を受賞。


(2018.1.5)
 郡山で県内初の敷地内禁煙 公共施設の灰皿撤去 福島
ヤフーニュース(福島民報社) 2017年12月2日
 
 福島県郡山市は1日、全ての市関連公共施設を「敷地内禁煙」とする県内初の取り組みを始めた。同日朝までに公共施設の全喫煙所を閉鎖し、灰皿を撤去した。

 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けてクリーンな街を目指す。既に実施済みの小中学校、保育所、子ども関連施設に加え、市役所や行政センター、公民館、公園などの屋外を含む敷地内での喫煙を禁じる。公用車内も禁煙とする。

 敷地外の道路での喫煙やたばこのポイ捨てが増えると懸念する声もあり、市は開始後一定期間、施設周辺の状況を確認する。

 問い合わせは市職員厚生課へ。


(2018.1.1)
 2018年「受動喫煙」と決別「禁煙」元年となる
石田 雅彦 ヤフーニュース 1月1日
 
 年が明けて心機一転、禁煙を初日の出に誓った人も多いのではないだろうか。喫煙者は自身の健康についてだけではなく、タバコを吸わない周囲の人の健康にも害を与える。
 
 タバコなど吸わないですませられたら、それに越したことはないはずだ。禁煙を誓った人はこの先の人生、タバコとは無縁の生活が待っている。空気のおいしさを実感し、これから体調はどんどん良くなるだろう。
 
受動喫煙防止強化が争点に
 2020年の東京オリパラを控え、今年は去年にも増して受動喫煙の問題が大きくクローズアップされてくるはずだ。
 
 昨年2017年に健康増進法の改正案に入れられるはずだった受動喫煙防止強化の条例案は、自民党のタバコ族議員などの反対があり頓挫した。政府と厚生労働省は、年度内での国会成立を目指して調整中だ。
 
 争点はいくつかあるが、最もせめぎ合っているのが小規模飲食店の禁煙についてだろう。屋内の全面禁煙に対して根強い抵抗があり、面積基準をどうするか、2017年3月に厚生労働省が条例案を出したときから議論が続いている。
 
 大手飲食チェーンが続々と店内での完全禁煙を決めたことで、Yahoo!では昨年にインターネット上で「飲食店の全面禁煙化」についてアンケート調査を行った。その結果は下のグラフでよくわかる。ほぼ喫煙率を反映した結果ではないだろうか。
 
 (賛成:75.1%、反対:22.2%、わからない・どちらとも言えない:2.7%)
 Yahoo!の意識調査「相次ぐ飲食店の全席禁煙化 あなたは賛成?反対?」(投票総数:18万6729票、実施期間:2017年11月27日〜2017年12月7日)より。
 
2020年オリパラに向けて
 日本も加盟する「タバコ規制に関する世界保健機関枠組条約(FCTC)」では第8条の「受動喫煙防止とガイドライン」で、加盟国政府が屋内の職場、公共の輸送機関、国内の公共の場で国民がタバコの煙から保護するように効果的な措置を講じなければならないとされている。だが、WHO(世界保健機関)は、日本の受動喫煙防止対策が世界でも最低レベルと断じた。
 
 また、1988年からIOC(国際オリンピック委員会)は「たばこのない五輪」を推進し、今年の平昌五輪まで開催国はその趣旨に賛同し、WHO基準のタバコ規制を実施してきた経緯がある。だが、日本における受動喫煙防止強化はなかなか進まず、業を煮やした2020年大会の開催都市である東京都は独自の条例案を策定し、今年度中にも成立させる予定だ。
 
 さらに、受動喫煙と病気との関係はすでに十分なエビデンスがあるが、世界のタバコ大手企業が受動喫煙の健康への害を認める一方、JT(日本たばこ産業)は依然として否定し続ける。おそらく今年、政府や厚生労働省によって受動喫煙防止条例が強化されれば、JTも公式に受動喫煙の問題を認めざるを得なくなるだろう。
 
加熱式タバコをどうするか
 今年のタバコ問題では、最近になって人気が出てきた新型タバコ、いわゆる加熱式タバコについて議論が高まると予想される。これもYahoo!の意識調査によれば、受動喫煙防止条例案の飲食店での原則禁煙対象に加熱式タバコを入れたほうがいいという意見が60%以上となったが、タバコを吸わない人も含め、悩ましいところだろう。
 
 (賛成:63.3%、反対:30.8%、わからない・どちらとも言えない:5.9%)
 Yahoo!の意識調査「加熱式たばこの屋内原則禁煙に賛成?反対?」(投票総数:9万7641票、実施期間:2017年12月21日〜2017年12月31日)より。
 
 現在の健康増進法には、加熱式タバコについての定義や規制がない。このまま、規制対象から外されたままだと、飲食店はもちろん極端な話、病院や子どものいる保育園、学校などでも堂々と加熱式タバコを吸えることになってしまう。
 
 加熱式タバコは、健康に害のある成分が少ないという触れ込みでタバコ会社が売り込んでいる。だが、こうした情報は製造販売側であるタバコ会社から出たものがほとんどだ。
 
 加熱式タバコの成分などについては今後、第三者機関や利益相反のない研究者からはっきりしたエビデンスが出てくるだろう。明らかに害がないことがわかるまで、公衆衛生当局は加熱式タバコも規制するのが正しい判断なのである。
 
 最後になりますが、かつての喫煙者として今年もタバコ問題について様々な視点から記事を書いていこうと思っていいます。タバコを吸う人も吸わない人も、みなさんが今年も良い年でありますように。