(2016.12.29)
 たばこ増税 早ければ再来年からの案も 自民税調
NHK NEWS 12月20日
 
 自民党税制調査会は、再来年度(平成30年度)の税制改正に向けた議論で、たばこ税の引き上げを本格的に検討したい考えで、早ければ再来年から段階的に増税する案などが出ています。
 
 たばこ税は、現在一部を除いて1本あたり12.2円で、今月決定された、与党の来年度の税制改正大綱では、将来の税率の見直しについて、「葉たばこ農家や小売店などへの影響、国民の健康増進の観点などを総合的に勘案して検討する」としています。
 
 自民党の税制調査会は、平成31年10月に、消費税率が10%に引き上げられるのに伴って、食料品などの税率を低くおさえる軽減税率が導入されることなどを見据え、再来年度の税制改正に向けた議論で、たばこ税の引き上げを本格的に検討したい考えです。
 
 調査会ではこれまでに、早ければ再来年(平成30年)から段階的に増税する案や、利用が広がっている、火を使わず煙が出ないたばこも、増税の対象とする案などが出ていて、今後具体的な引き上げ額などが議論される見通しです。
 
 ただ、党内には、たばこ税の引き上げによる、葉たばこ農家への影響やたばこを吸う人の反発などを懸念する声も根強いことから、税制調査会では、そうした状況も見極めながら検討する方針です。


(2016.12.29)
 米で電子たばこが発火、やけど負う事故相次ぐ 発火の瞬間とらえる
ヤフーニュース(フジテレビ系(FNN)) 12月23日
 
 アメリカで電子たばこが突然発火し、やけどを負う事故が相次いでいる。カメラが発火の瞬間をとらえていた。
 
 バスの中で、電子たばこを吸う男性。しかし、車内での使用は禁止のため、運転手から注意を受けて、電子たばこをポケットにしまった。
そのあと、電子たばこが発火した。
 
 これは、カリフォルニア州フレスノで21日に起きた事故で、ポケットに入れた電子たばこが急激に熱くなり、燃え出したという。男性は、足と手にやけどを負った。
 
 アメリカでは、電子たばこが発火して、やけどする事故が相次いでいる。バッテリーが原因とみられ、専門家などが注意を呼びかけている。


(2016.12.29)
 フィリピン タバコ税増税へ 単一税移行は回避も
マニラ経済新聞 12月24日
 
 2017年1月より、フィリピンのタバコ税が改訂され1パックあたり7ペソ(=約16.2円)増税される。
 
 フィリピンでは2012年に成立した法律「RA10351悪行税法」によりタバコ製品の物品税は4階層システムだったものが品質に応じて定められてる1パック25ペソと29ペソという2階層に置き換えられている。さらに同法は2階層を統一し、来年1月には単一税率に移行するものと定めている。
 
 しかし、タバコ生産者は「税が単一化されれば消費者は低品質のタバコを安価で消費できなくなり、需要は外国産を中心とした高品質タバコに流れてしまう」として、こぞって税の単一化に反対している。
 
 そこで新たに新たなタバコ税法案「HB4144」が現在審議されている。同法案ではタバコ税は2階層が維持されるが現在よりも7ペソ増税され、32ペソと36ペソとなり、さらに毎年5%ずつ増加する。
 
 ドゥテルテ政権はフィリピン全土の禁煙化を進めており、喫煙者にとっては喫煙場所の確保に続き増税にも頭を抱えることになりそうだ。
 
 日本レストランが多く集るマカティ市の「リトルトーキョー」でも野外も含め全面禁煙化が実施されマニラ在住の日本人の間では大きな話題となったばかり。喫煙者数こそ日本よりも多いが、主要レストランはもちろんバーなどでも全面禁煙となっているフィリピン。生産者やタバコ販売に関わる人たち愛煙家は今後の政府の方策に注目している。


(2016.12.23)
 八戸ワイン特区 認定 市内産ブドウ使用 生産者2社決定 葉タバコ代替作物に /青森
毎日新聞ニュース 12月18日
 
 地域経済活性化に向けて八戸市が2014年にスタートさせた「八戸ワイン産業創出プロジェクト」で、市が国に申請していた「八戸ワイン産業創出特区」がこのほど認定された。ワイン生産者も市内の2社が決まった。17年秋から仕込み、18年春には販売する予定で、プロジェクトが本格的に動きだした。
 
 特区は11月29日に認定。これにより、酒税法で定められた年間の最低製造数量基準6キロリットルが2キロリットルに引き下げられ、小規模でもワイン製造が可能になった。特区の範囲は市全域で、市内産のブドウ使用が条件となる。
 
 市が公募していたワイン生産者は、「仮称・北東北ワイナリー」(野沢博克代表)と「リストランテ澤内」(澤内昭宏代表)に決定。小林真市長から今月7日に認定書が交付された。
 
 北東北ワイナリーは南郷地区に、リストランテ澤内は市街地にそれぞれワイナリーを設置する予定で、ともに初年度は年間3000本(1本750ミリリットル)を製造する計画だ。「八戸ワインフェス」の実行委員長も務める澤内代表は「その土地のワインを造り、その土地の食材と合わせて食べて飲んでもらえる喜びを提供したい」と意気込みを語った。
 
 このプロジェクトは、南郷地区で生産が減少している葉タバコに代わる作物として、ワイン用ブドウ栽培を推進し、地元産ワインを造るのが目的。これまでに13戸の農家が食用品種を含む18品種、約2200本のブドウを植えている。
 
 市農業経営振興センターの石丸隆典・経営支援グループリーダーは「良いワインが造れるようにブドウ生産者とワイナリーを支援していきたい」と話した。【塚本弘毅】


(2016.12.23)
 チェコ、来年5月31日からパブなどが禁煙に 下院で法案可決
ヤフーニュース(ロイター) 12月12日
 
 チェコ下院は9日、レストランやバー、パブでの喫煙を禁止する法案を可決した。「チェコは、国民の健康を守る文明国の一員となった」と、ソボトカ首相は祝した。
 
 欧州連合(EU)の28加盟国のうち17カ国で禁煙法が導入されている。世論調査によると、チェコ人の4人に3人が同法を支持しているが、チェコ人がパブ好きで、パブでビールを飲む人に喫煙者が多いことから難しい問題となっていた。
 
 チェコでは、国民の約28%が喫煙者と、EU平均の24%より多い。保健省によると、1年に約1万8000人が喫煙に関連した疾病で死亡している。
 
 法案の成立には、上院の署名が必要だが、禁煙法は2017年5月31日の「世界禁煙デー」に発効される見通し。


(2016.12.23)
 禁煙の居酒屋「いいね!」…成人病センター 研究員、受動喫煙防止へ紹介サイト
YOMIURI ONLINE  yomiDr. 12月14日
 
 他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の被害防止へ、大阪府立成人病センターの研究員が、全面禁煙を決めた居酒屋やバーをフェイスブックで紹介する取り組みを進めている。国は受動喫煙の対策を呼びかけているが、客離れの不安から飲食店では遅れている。「努力する店を応援したい」と意気込んでいる。
 
 同センターでがん対策を研究する主任研究員の伊藤ゆりさん(39)。受動喫煙は、がんや脳卒中になるリスクを高める。特に肺がんのリスクは、受動喫煙しなかった人の1・3倍になるとの研究もあるという。しかし、全国飲食業生活衛生同業組合連合会(東京)が2012年に全国の飲食店を対象に行ったアンケートでは、全面禁煙にしている店は居酒屋では2・6%にとどまる。
 
 こうしたことから、伊藤さんが昨年10月、フェイスブックで全面禁煙の店を紹介するサイトを開設。仏のガイドブック「ミシュランガイド」をまねて、「ケムラン〜美味しい禁煙飲食店〜」と名付けた。店は、伊藤さんが同僚との飲み会や出張などの度に探して回り、関西を中心に、東京、北海道なども含め計約50店を見つけた。店名や料理を紹介し、「海外は飲食店禁煙が当たり前」などと、ひと言添える。来春には一般の人からの投稿も募る計画だ。
 
 立ち飲みの居酒屋「百足(むかで)家」(大阪市北区)は今年6月、全面禁煙にし、10月、サイトに掲載された。たばこが吸えず帰ってしまう客もいたが、女性客は増えたという。「立ち飲みでも高級感のある店にしたかった」と店長の高田礼央さん(32)は掲載を喜ぶ。
 
 地ビールを提供するバー「ビアベリー天満」(同)も全面禁煙にして紹介された。オーナーの八幡康斎さん(43)は「ビールの香りを大事にしたいから、たばこのにおいはずっと気になっていた」と語る。愛煙家のために店外に喫煙場所を設けている。
 
 伊藤さんのサイトには連日、「たばこの煙やにおいを避けて逃げ出すことしかできなかったが、希望が生まれた」など歓迎の声が寄せられている。ただ、全面禁煙の居酒屋はまだ少数派。大阪市内のある焼き鳥店は「店に長居してもらうには喫煙できる環境が必要。禁煙にすれば確実にお客さんが減り、経営が成り立たない」と打ち明ける。
 
 伊藤さん自身、かつて喫煙者だったという。「たばこを楽しむ権利はあるが、周りの人をリスクにさらしてはいけない。努力しているお店を少しでも応援できれば」と話している。
 
■受動喫煙経験…飲食店が最多4割
 厚生労働省が2015年11月に全国約5000世帯を対象に行った国民健康・栄養調査では、過去1か月間に受動喫煙を経験した場所として飲食店をあげた人が41.4%で最も多かった。受動喫煙対策を望む場所としても最多の35%の回答があった。
 
 東京五輪・パラリンピックを見据え、政府は受動喫煙対策の法制化を急いでいる。同省は10月、飲食店やホテルのロビーなどを原則禁煙とし、悪質な違反者に罰金を科すなどの受動喫煙対策案のたたき台を発表した。ただ、飲食業界や自民党の厚生労働部会では「分煙で対応できる」と反発が相次いでいる。
 
【写真】全面禁煙を決め、フェイスブックで紹介された居酒屋(5日、大阪市北区で)=宇那木健一撮影


(2016.12.13)
 たばこの箱に健康被害警告する表示 23日から=韓国
Chosun Online 12月11日
 
 【ソウル聯合ニュース】韓国で23日から、たばこのパッケージに喫煙の健康被害を強調する写真やイメージの表示が義務付けられる。韓国は19歳以上の男性の喫煙率が2015年に39.3%と、経済協力開発機構(OECD)の34加盟国ではギリシャとトルコに次いで高い。新たな警告表示が喫煙率をどこまで引き下げることができるか注目される。
 
 保健福祉部によると、たばこのパッケージへの写真やイメージ表示は23日以降出荷される製品から対象になる。消費者が実際に目にするのは来年1月末ごろになる見通しだ。
 
◇喫煙による被害、写真が厳しい現実突きつける
 たばこのパッケージでの警告表示は、世界保健機関(WHO)が勧告する禁煙政策の中では、値上げを除くと最も効果的な政策とされる。現在101カ国が施行している。
 
 韓国では2002年から導入に向け議論が始まったが、警告表示の写真・イメージが必要以上に嫌悪感を与えるという指摘や、表示位置をめぐるたばこメーカーとのせめぎ合いなどもあり、今年6月にようやく導入確定にこぎつけた。
 
 喫煙の被害を警告する表示は、肺がん、喉頭がん、口腔がん、心臓疾患、脳卒中のそれぞれの疾病部位(病変)を示す写真が計5種類。間接喫煙、早期死亡、皮膚の老化、妊娠中の喫煙、性機能障害をイメージさせる表示も5種類ある。写真とイメージは24か月ごとに変更される。
 
 これらをパッケージの前面と裏面上段に表示し、その下には警告メッセージと禁煙相談窓口の電話番号を記載する。前面と裏面の半分以上が喫煙を警告する表示で埋められることになる。
 
 警告表示は一般の紙巻きたばこだけでなく、電子たばこや噛みたばこ、水たばこなども対象だ。
 
◇警告写真・イメージ表示の効果は?
 写真・イメージによる警告表示を導入した国では、喫煙率が大きく低下している。韓国健康増進開発院の報告書によると、調査対象の18カ国で導入後の喫煙率が平均4.2ポイント低くなった。中でもブラジルは2002年の導入以前に15歳以上の喫煙率が35.4%だったが、08年には21.6%に下がった。
 
 成人の喫煙を減らすのに役立つだけでなく、青少年の喫煙を予防する効果もある。韓国保健福祉部は7.8%と高い水準にある韓国の青少年の喫煙率低下につながると見込む。カナダの場合、青少年の喫煙率が2001年の22.5%から06年には16.0%に下がった。
 
 韓国は喫煙率の低下に向けたばこを値上げしてきたが、警告写真・イメージの表示は新たな「ショック療法」になると保健福祉部は期待する。
 
 喫煙に対する好奇心を抑え、たばこメーカーの宣伝スペースが縮小されるため、専門家は短期より長期的な影響力が大きいとみている。
 
 韓国保健医療研究院の関係者は「新たな喫煙者が出ないようにし、たばこに対する社会的、文化的な認識を変えるという面でも大きな意義がある」と評価した。


(2016.12.10)
 過去の開催地では罰則、密閉の喫煙室は容認
毎日新聞ニュース 12月9日
 
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、厚生労働省がたばこの全面禁煙を原則とする初の制度案をまとめた。たばこを吸わない人が喫煙者の煙にさらされる受動喫煙を防ぐため、近年の五輪開催都市はすべて罰則付きの対策を講じており、原則禁煙は世界標準。日本の緩い「分煙」は許されそうにない。さて、本当に全面禁煙できるのか?【下桐実雅子、武本光政】
 
 厚労省案は、医療機関や学校は敷地内全体を全面禁煙とし、官公庁やスタジアムは建物内のみ全面禁煙。飲食店や事業所は建物内禁煙だが、喫煙室の設置は容認している。つまり、間仕切りで分ける「分煙」は論外で禁止。密閉空間の喫煙室の設置が一部で認められる余地があるかだけだ。
 
 10月31日、厚労省案に対する関係団体の意見を聞く公開ヒアリング。「外国人から文句を言われてもいいのか」。受動喫煙規制に及び腰の「日本フードサービス協会」(外食産業)に対して厳しい言葉を投げつけたのは、厚労省の正林督章(しょうばやしとくあき)健康課長だった。霞が関の審議会や検討会では、官僚は資料作成や議論の論点整理など事務局機能に徹することが多く、自ら「突っ込み」を入れるのは異例だ。受動喫煙対策実現に向けた意気込みがうかがえる。
 
 厚労省は11月10日から中央官庁では初めて「敷地内全面禁煙」を始めた。10年前から「建物内全面禁煙」を実施し、庁舎脇の屋外喫煙所が唯一の喫煙空間だったが、これを一歩進めて、同省職員は屋外喫煙所も使えないようにした。制度案を先取りして見本を示した格好だ。ただし、昼休みや夕方を例外時間帯として利用を認めており、煙も臭いも残らない「敷地内禁煙」からはまだ遠い。
 
 世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」を推進しており、過去の開催地は今年のリオデジャネイロが敷地内禁煙、12年のロンドンは建物内禁煙を罰則付きで実施した。18年に冬季五輪を控える韓国は建物内は原則的に全面禁煙だが、飲食店などには喫煙室設置も認める。
 
 厚労省は「ロンドン並みの厳格なルールにしたい」(同省幹部)のが本音だが、喫煙室のない分煙だけの飲食店が多い日本の現状を踏まえ、「韓国並み」の案に妥協したものだ。
 
 喫煙室を設置しても建物内喫煙が批判されるのはなぜなのか。禁煙指導に取り組む中央内科クリニックの村松弘康院長は「ぜんそく患者など受動喫煙に苦しむ人は多い。海外では吸えるか吸えないかであり、分煙は中途半端。建物内全面禁煙の方が分かりやすいし、喫煙室をつくるお金もかからない」と話す。
 
 大和浩・産業医科大教授らの調査によると、喫煙室内の微小粒子状物質「PM2.5」の濃度は環境基準(1日平均)の最大約20倍で、大気汚染が激しい季節の北京並みの値を示した。大和教授は「ドアの開け閉めで煙は喫煙室から外に漏れます」と指摘する。
 
 一方、受動喫煙防止条例を全国に先駆けて実施した神奈川県(施行10年4月)と兵庫県(同13年4月)は、飲食店業界などの反発をかわしきれず、分煙や一部喫煙を認める内容となっている。神奈川県は公共性の高い映画館や劇場を含めた施設は建物内禁煙だが、飲食店などは禁煙か分煙の選択制にし、喫煙の可否や分煙を店頭掲示することを義務づけるにとどめた。小規模店には罰則もない努力義務でしかない。兵庫県は映画館などでも建物内を全面禁煙にせず、「厳格な分煙」の形で喫煙を認めた。
 
 厚労省が示した全面禁煙案はどこまで世界標準を維持できるのか。来年の通常国会が最大の山場になる。


(2016.12.8)
 東京五輪へ「屋内は完全禁煙に」 国と東京都へ要望書
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 12月7日
 
 日本内科学会など27学会でつくる禁煙推進学術ネットワークや日本医師会などの計5団体は7日、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、公共空間での屋内完全禁煙を定める受動喫煙防止法・条例の制定を国や東京都などに求める要望書を発表した。
 
 【写真】国立がん研究センターの片野田耕太・がん登録統計室長(左)が受動喫煙の健康影響について説明した=7日、東京・霞が関の厚生労働省
 
 厚生労働省が10月に示した受動喫煙対策案は、飲食店や事務所(職場)などは建物内を原則禁煙としつつ、喫煙室の設置を認めている。
 
 要望書は、日本での受動喫煙による死者は推定で年間1万5千人に上ると指摘。喫煙室を設置しても完全に受動喫煙は防止できない上に、喫煙室で従業員が受動喫煙にさらされるため、現在の国の案では対策が不十分として、屋内の完全禁煙を求めている。
 
 禁煙推進学術ネットワーク理事長の藤原久義・兵庫県立尼崎総合医療センター院長は「喫煙室のPM2・5濃度は非常に高く、喫煙者にも劣悪な環境だ。海外では49カ国が飲食店などで屋内全面禁煙とする法律を施行しており、国際的な標準に合わせてほしい」と話した。(黒田壮吉)


(2016.12.8)
 50歳未満の喫煙者、心臓発作リスク8倍に 英研究
ヤフーニュース(AFP=時事) 12月1日
 
 【AFP=時事】50歳未満の喫煙者は、同年代の非喫煙者と比較して、心臓発作に見舞われるリスクが8倍高いとする研究論文が11月30日、発表された。
 研究チームによると、喫煙者と非喫煙者の心臓発作リスクの差異は年齢を重ねるとともに縮まり、50〜65歳には5倍、66歳以上では3倍に縮小するという。研究論文は学術誌「ハート(Heart)」に掲載された。
 すべての喫煙者の心臓発作リスクは非喫煙者よりも高いが、これま
で年齢層ごとのリスクの違いは明らかにされてこなかった。
 これを解明するため、英イングランド(England)北部シェフィールド(Sheffield)にあるノーザン・ゼネラル病院(Northern General Hospital)サウスヨークシャー心臓センター(The South Yorkshire Cardiothoracic Centre)のエバー・グレック(Ever Grech)氏率いる研究チームは、2009から2012年にかけて、ST上昇型心筋梗塞(STEMI)として知られる一般的な心臓発作で治療を受けた成人1727人のデータを検証した。
 調査対象の約半数は喫煙者で、残りは元喫煙者と一度も喫煙したことのない非喫煙者がおよそ半々だった。
 研究の結果によると、喫煙者が心臓発作に見舞われていた時期は、元喫煙者や非喫煙者よりも平均で10年あまり早かったという。また、過去に冠動脈疾患を患った人の数は、喫煙者では非喫煙者の2倍に上った。
 研究論文によると、サウスヨークシャーの50歳未満の喫煙者は成人の27%だったが、50歳未満のST上昇型心筋梗塞の患者75%は喫煙者だった。データによると、全般的に見て喫煙者は元喫煙者や非喫煙者と比べて、STEMIを患う確率が3倍ほど高いことが分かったという。【翻訳編集】 AFPBB News


(2016.12.6)
 電子たばこ、歩行喫煙など禁止条例の対象に 浜松市
@S[アットエス] by 静岡新聞 12月3日
 
 浜松市は2日、全国的に普及が進む電子たばこを、歩きたばこや吸い殻のポイ捨てを禁止した市の「快適で良好な生活環境を確保する条例」(市民マナー条例)の対象とする考えを示した。開会中の市議会11月定例会の一般質問で、田中文雄環境部長が答弁した。
 
 電子たばこについては「火を使わないためやけどの恐れがない」「煙が出ないため周囲への影響が小さい」などの理由で、喫煙を規制する条例の対象外としている都市もあり、自治体によって見解が分かれている。
 
 県内でも、静岡市は路上喫煙被害防止条例の指導対象とはしていない。ただ、禁止地区の中では電子たばこも吸わないよう協力を呼び掛けている。2017年度の条例施行を目指している沼津市も現段階では、電子たばこに関する規定は設けない方針という。
 
 浜松市の条例は、静岡市などとは異なり、路上喫煙自体は規制していない。喫煙者に喫煙所や携帯用灰皿の利用を義務付けるなど、マナーに主眼を置いた内容となっている。
 
 田中部長はこうした実情を踏まえ「吸い殻をポイ捨てする可能性があることや、紙巻きたばこを歩きながら喫煙しているように見えてしまうため、現時点では条例の対象になると判断している」と述べた。


(2016.12.6)
 「たばこのない五輪」へ対策で一致 日中韓の保健相会合
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 12月5日
 
 日中韓3カ国の保健相は4日、韓国・釜山で開かれた会合で、いずれも開催を控える五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙防止対策を強めることで一致した。公共の場などでの全面禁煙をめざす。3カ国保健相会合で、対策強化に協力することを盛り込んだ共同声明を採択した。
 
 五輪・パラリンピックは2018年冬季が韓国・平昌(ピョンチャン)で、20年夏季が東京、22年冬季が北京で開かれる。世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」を推進しており、08年の北京五輪など近年の開催地では罰則を伴う受動喫煙防止策を講じた。
 
 塩崎恭久厚生労働相は4日、記者団に「自らの意思ではなく健康を害するということをどう排除していくか、政府として決めていかなければならない」と語った。今後は対策強化と有効な具体策について、3カ国で情報交換を活発に進めていく。
 
 共同声明では、新型インフルエンザなど感染症の拡大防止に向けて検疫に関する規制を共有し、有事の際に迅速な対応ができるような実務者間の連絡体制づくりも盛り込んだ。抗菌薬が効かない「薬剤耐性菌」への対応についても、局長級の会合を開いて連携する。(釜山=河合達郎)


(2016.12.4)
 電子たばこ、歩行喫煙など禁止条例の対象に 浜松市
静岡新聞ニュース 12月3日
 
 浜松市は2日、全国的に普及が進む電子たばこを、歩きたばこや吸い殻のポイ捨てを禁止した市の「快適で良好な生活環境を確保する条例」(市民マナー条例)の対象とする考えを示した。開会中の市議会11月定例会の一般質問で、田中文雄環境部長が答弁した。
 
 電子たばこについては「火を使わないためやけどの恐れがない」「煙が出ないため周囲への影響が小さい」などの理由で、喫煙を規制する条例の対象外としている都市もあり、自治体によって見解が分かれている。
 
 県内でも、静岡市は路上喫煙被害防止条例の指導対象とはしていない。ただ、禁止地区の中では電子たばこも吸わないよう協力を呼び掛けている。2017年度の条例施行を目指している沼津市も現段階では、電子たばこに関する規定は設けない方針という。
 
 浜松市の条例は、静岡市などとは異なり、路上喫煙自体は規制していない。喫煙者に喫煙所や携帯用灰皿の利用を義務付けるなど、マナーに主眼を置いた内容となっている。
 
 田中部長はこうした実情を踏まえ「吸い殻をポイ捨てする可能性があることや、紙巻きたばこを歩きながら喫煙しているように見えてしまうため、現時点では条例の対象になると判断している」と述べた。


(2016.12.4)
 米フィリップ・モリス、将来たばこ販売撤退も 電子たばこに移行
ロイター 12月1日
 
 11月30日、「マールボロ」ブランドで知られるたばこ世界首位の米フィリップ・モリス・インターナショナルは、たばこ販売をいずれやめる可能性があるとの見通しを示した。
 写真は電子たばこ「IQOS(アイコス)」。 都内で3月撮影(2016年 ロイター/ Toru Hanai)
 
 [ロンドン 30日 ロイター] - 「マールボロ」ブランドで知られるたばこ世界首位の米フィリップ・モリス・インターナショナルは30日、たばこ販売をいずれやめる可能性があるとの見通しを示した。
 
 フィリップ・モリスはこの日、電子たばこ「IQOS(アイコス)」の英国市場導入を発表。フィリップ・モリスUK・アイルランドのマネジングディレクター、マーティン・インクスター氏は、最終目標はたばこ販売を徐々に減らすことだとし、「フィリップ・モリスが市場でたばこを売らなくなる未来をわれわれは確かに見据えている」とロイターに語った。
 
 たばこ販売をやめるには何年もかかり、政府や当局の助けが必要だと述べた。同社はまだ年間8700億本超のたばこを販売している。
 
 既に日本など10数市場で販売されているIQOSはたばこの葉を燃やさずに電気で加熱し、水蒸気を発生させる。同社によれば、水蒸気に含まれる有害物質はたばこの煙の1割未満という。


(2016.12.4)
 <肺がん患者会>受動喫煙にSSAK PPAPパロディ動画
ヤフーニュース(毎日新聞) 11月30日
 
 肺がん患者や家族らでつくる日本肺がん患者連絡会(横浜市)は30日、世界中で爆発的な人気となっているピコ太郎さんの楽曲「PPAP(ペンパイナッポーアッポーペン)」に乗って、受動喫煙防止を訴える啓発動画を同会のサイト(http://www.renrakukaigi.net/r-index.html) で公開した。
 
 啓発動画の決め言葉は「PPAP」をもじった「SSAK(ストップストップあかん煙)」。会のメンバーがPPAPの音楽で踊りながら替え歌を歌い、「STOP!受動喫煙」と訴える。
 
 加盟する全国六つの患者会ごとに動画を作成し、神奈川県の患者会が作った動画では、たばこと横浜名物のシューマイを持ち、「シューマイの方がおいしいよ」と呼び掛けた。今後、順次公開していくという。
 
 海外では、麻薬やアルコール依存症の撲滅を訴えるPPAPのパロディー動画があり、連絡会代表の長谷川一男さん(45)は「東京五輪・パラリンピックまでに受動喫煙防止を実現するため、一番の敵は無関心だと思う。多くの人に知ってもらうため楽しい啓発活動として広がってほしい」と話す。【山田泰蔵】


(2016.12.4)
 「ホテル宴会場は全面禁煙に」 長野市長、支配人らに呼びかけ
ヤフーニュース(産経新聞) 11月30日
 
 長野市の加藤久雄市長は29日、市役所で開いた市内のホテル事業者との初の懇談会で「受動喫煙防止の取り組みをはじめ、市を挙げて観光誘客策を図りたい。ホテルの宴会場は全面的に禁煙にしてほしい」と呼びかけた。
 受動喫煙防止対策の現状や課題をテーマとした懇談会には、ホテルの総支配人ら10人が出席した。加藤市長の提案に対しホテル側からは「市が公共施設の禁煙や分煙を義務づける条例を制定するなど、行政主導で取り組みを進めてほしい」と要望する声が上がった。
「全館禁煙」としている長野東急REIホテルの増田雄三総支配人は取材に対し「事前に説明することでお客さまには納得していただけると思う。行政の後押しがあれば事業者側もより進めやすい」と話した。市長とホテル事業者との懇談会は今後もテーマを変えて随時開催するという。


(2016.12.2)
 発信箱 スモークフリー時代=高野聡
毎日新聞 11月30日
 
 トランプ次期米大統領はタイムトラベル映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」3部作の敵役のモデルだった。正確には第2作に登場する、腐敗した町を牛耳るカジノ王だ。現実の約30年後に一国の指導者になるとは、製作者も想像できなかっただろう。

 1985年の第1作は黒人市長の誕生など、その30年前には考えられなかった社会の変化を取り込み、笑いを誘った。カフェインなし(フリー)のコーラ「ペプシフリー」を注文して「フリー(ただ)だって?」と店主にしかられる、新しい言葉や商品を逆手に取った場面も面白かった。

 受動喫煙防止に向け、厚生労働省が公表したたたき台が議論を呼んでいる。論点の一つが飲食店における原則建物内禁煙だ。飲食店業界は「喫煙者の足が遠のき、売り上げが減る」と反対する。根拠の一つは2010年に受動喫煙防止条例を施行した神奈川県の事例だ。シンクタンクの試算では、導入後3年間で160
億円以上減るとされた。

 一方でこんな研究もある。大手ファミレスチェーンが09〜12年にかけて店舗を改装した際、分煙化した店舗(17店)や改装しなかった店舗(82店)では改装前後で営業収入はほぼ変わらなかったが、全面禁煙化した店舗(59店)では約3%増加した。店長からの聞き取りでもランチ時間帯の女性客や週末の家族連れが増えたという。法律で飲食店を全面禁煙化した米国の州では、営業収入が増えたり、変化しなかったりという結果が出ている。

 昔は実現困難に思えても、時代とともに常識化した習慣は多い。日本で嫌煙権運動が広がって30年あまり。飲食店の「スモークフリー(煙なし)」化もその一例となり得るだろう。(医療福祉部編集委員)


(2016.12.2)
 受動喫煙対策に賛否…消費者団体「罰則導入を」、飲食業界「一律規制反対」
YOMIURI ONLINE yomiDr. 11月28日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、非喫煙者がたばこの煙を吸い込むことを防ぐため、公共の場での喫煙を制限する受動喫煙対策の議論が続いている。厚生労働省が示した医療機関の敷地内や飲食店の建物内を禁煙とする案には業界団体などから賛否両論が出ており、調整は難航が予想される。

東京五輪へ
 厚労省が10月にたたき台として示した案は、ホテルのロビーや飲食店、駅、空港ビルなどで、喫煙室設置は認めるものの、原則禁煙とすることが柱だ。鉄道や船舶も原則禁煙となる。

 厚労省案に対する意見は二分している。

 厚労省が業界団体などを対象に行った意見聴取では、消費者団体や看護師の団体から「努力義務ではなく、罰則導入が必要」と厳しい規制を望む声が上がる一方、「厳格な規制の一律適用に断固反対」「喫煙室を設置するスペースはない」などとして、飲食業界などからは強い反対論も出た。

 政府が受動喫煙防止に本腰を入れ始めたのは、東京が20年の五輪・パラリンピックの開催地に決まったことが影響している。

 国際オリンピック委員会(IOC)は10年に、世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を実現することで合意した。厚労省によると、10年のバンクーバー大会以降の開催地では、学校や官公庁、飲食店などで屋内完全禁煙を義務化した。厚労省案は、近年の五輪開催地の受動喫煙防止策を調査した上で、屋内を全面禁煙とする最も規制が厳しい英国と、屋内に喫煙室設置を認めるなど、最も規制が緩やかな韓国の混合型としたものだ。

世界最低レベル
 受動喫煙防止への日本の対応について、WHOは14年末の時点で「世界最低レベル」と酷評している。03年に施行された健康増進法は学校や病院などに対し、受動喫煙防止策を講じるよう求めているが、努力義務にとどまり、違反者への罰則はない。また、従業員の受動喫煙を防止するため、喫煙室設置費用などの一部を助成する中小企業向けの制度はあるが、利用客向けの支援制度はない。

 厚労省の国民健康・栄養調査によると、喫煙率は低下傾向が続く。05年は男性が39・3%、女性が11・3%だったが、15年には男性が30・1%、女性が7・9%だった。それでも、15年の調査で、1か月以内に飲食店で受動喫煙を経験した非喫煙者は41・4%に上る。

 政府がこれまで受動喫煙防止の対策強化に二の足を踏んできたのは、「たばこは財源」と位置づける考え方や、葉タバコ農家が自民党の支持基盤ということがある。国会では超党派の議員連盟が規制強化のための新法制定に取り組んだが、罰則の有無などについて折り合いがつかず、法案提出を断念した。

 厚労省は「(煙を吸わない権利を認める)スモークフリー社会に向け、歴史的な第一歩を踏み出さないといけない」(塩崎厚労相)として、聴取結果を踏まえた案をまとめ、与党の了承を得た上で、来年の通常国会に法案を提出する考えだ。ただ、自民党内には客離れを懸念する業界に理解を示す議員もおり、罰則や監督権限などを巡る議論の落としどころは見通せていない。

肺がん・脳卒中の「原因」…周囲への悪影響、より明確に
 たばこが、吸う本人だけでなく、周囲の人の健康にも悪影響を与えることが、研究で明確になってきた。

 厚生労働省の有識者検討会は今年夏、喫煙と健康に関する国内外の約1600本の論文を分析し、周囲の人が煙を吸うなどの受動喫煙が、肺がんや脳卒中、心筋梗塞など7種類の病気、症状の要因となるのは「確実」と結論づけた。妊婦の喫煙や赤ちゃんの受動喫煙と乳幼児突然死症候群との関連も含まれる。さらに、妊婦の受動喫煙と胎児の発育の遅れなども「関連の恐れがある」と指摘された。

 喫煙者本人の場合、22種類の病気、症状で関連が確実とされた。

 たばこの煙には、遺伝子を変異させたり、炎症を起こして血管を傷つけたりする作用があり、がんや脳、心臓の病気につながると考えられる。

 また、厚労省の研究班は、受動喫煙により国内で年間1万5000人超が肺がんや脳卒中などで死亡していると推計している。

 一方、米国や英国、ニュージーランドなどでレストランや居酒屋、職場が全面禁煙となった結果、住民全体の入院リスクが規制前と比べ、ぜんそくなど呼吸器の病気で24%、脳卒中などで19%、心筋梗塞などで15%下がったと米カリフォルニア大学が分析している。

 産業医科大学の大和浩教授(健康開発科学)は「たばこは、周囲の人の体を傷つける。マナーの問題だけでは済まされない。レストランや居酒屋の利用客、従業員を守るために法規制が必要だ」と訴える。

 厚労省は、タバコの葉を電気で温めて蒸気を吸う「加熱たばこ」も規制対象にするか検討している。口から吐き出される蒸気は、紙巻きのたばこの煙と同じように周囲数メートルに届く。ただ、これまで研究は少なく、厚労省は調査を進めている。


(2016.11.29)
 社説 ◆たばこのない五輪目指そう◆
宮崎日日新聞 MIYANICHI@PRESS 11月29日
 
 政府は2020年の東京五輪・パラリンピックを前に、他人のたばこの煙を吸わされる「受動喫煙」の防止対策を強化する方針を固めた。
 
 世界保健機関(WHO)は10年に国際オリンピック委員会(IOC)と「たばこのない五輪」を目指す合意文書に調印。五輪は屋内の全面禁煙を実施している国で行われることが慣例となっている。厚生労働省が防止対策を打ち出したのは当然の流れである。
 
 日本は公共の場の喫煙規制が最も遅れている国の一つだ。これを機に、他人のたばこの煙を吸わなくていい環境をどのようにつくっていくか、真剣に考えたい。
 
日本は世界最低水準
 厚労省は10月、東京五輪に向けた受動喫煙の防止対策として、学校や病院などは敷地内全面禁煙、官公庁などは建物内禁煙、飲食店やオフィスなどは原則禁煙とする基本案をまとめた。悪質な違反者には罰則を科す。業界団体などから意見を聴いた上で、新たな法案の国会提出を目指す方針だ。
 
 日本では03年に施行された健康増進法で、不特定多数の人が集まる場所での受動喫煙を防止する努力が求められているが、罰則はない。WHOによると、公共の場を法律で全面禁煙としている国は49カ国に上るが、日本は罰則付きの法的規制がなく、受動喫煙の防止対策は「世界最低レベル」と判定されている。
 
 それにもかかわらず対策の整備は進まなかったが、東京五輪が近づいてきて、先延ばしが許されなくなったというのが実情だ。
 
 受動喫煙が健康に有害なことは言うまでもない。国立がん研究センターの分析によると、受動喫煙により肺がんになるリスクは約1・3倍に高まる。
 
 厚労省の推計では、日本で受動喫煙による死亡者は年間約1万5千人に達するという。遅まきながら政府が受動喫煙防止の方向性を示したことを歓迎したい。
 
「屋内全面」の時代へ
 だが、厚労省の基本案には問題がある。飲食店やオフィス、駅などは原則禁煙にとどめ、喫煙室の設置を認めていることだ。
 
 扉を開閉する以上、たばこの煙が漏れない喫煙室はあり得ない。煙を最大限漏れにくくしても、清掃などのために出入りする人の健康被害は防げない。
 
 WHOは当然ながら、受動喫煙を防止するためには屋内の全面禁煙が必要だとし、喫煙室などを否定している。厚労省の「たばこ白書」も「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言している。
 
 すべての人を受動喫煙から守ろうとするならば、屋内の全面禁煙しかないという考え方が時代の流れとなっている。厚労省は防止対策の再考が求められるだろう。
 
 五輪開催地として、たばこのない五輪という責務を課されていることを好機と捉え、健康を守る観点から何ができるか、足元から考えることが必要だ。


(2016.11.23)
 中国、年内にも公共の場は禁煙に 全国規模で規制導入へ
ヤフーニュース(AFP) 11月22日
 
 中国・北京で、小児科医院の入り口前に掲げられた禁煙の標識と、そのそばで喫煙する男性(2015年6月1日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News
 
 【AFP=時事】世界最大のたばこ生産国であり、消費国でもある中国で、年内に全国規模の喫煙規制が導入される見込みだ。
 
 中国の喫煙人口は世界最大で、成人全体の28%、成人男性では半数が常習喫煙者とされている。また世界保健機関(WHO)によれば、たばこ関連疾患による死者は年間100万人で、さらに年間約10万人の死因に受動喫煙が影響している。
 
 北京(Beijing)市当局は昨年6月、中国史上最も厳格な禁煙条例を導入。事業所、飲食店、ホテル、病院などでの喫煙を禁じ、違反した施設には最大で1万元(約16万円)の罰金が科されるようになった。上海(Shanghai)も先週、たばこ規制条例を改定し、屋内は全面禁煙、屋外もバス停や学校、競技場などの公共施設は禁煙とすることになった。その他すでに約20都市で公共の場は禁煙となっている。
 
 上海で開催されているWHOの会議で21日、中国保健当局の報道官は、こうした公共の場での喫煙規制を中国全土で実施する考えを示し、年内に発表および施行できるよう法的手続きを進めていると語った。
 
 ただ、喫煙規制の強化は中国では困難とみられている。中国のたばこ市場をほぼ独占している国有の中国煙草総公司(China National Tobacco Corp)が昨年もたらした歳入は、前年比20%増の1兆1000億元(約17兆7000億円)。また、たばこ規制当局は同社とオフィスを共有しており、双方で役職を兼務するも幹部もいるという。【翻訳編集】 AFPBB News


(2016.11.20)
 医療機関内の禁煙化、日医など4団体が賛意
ヤフーニュース(医療介護CBニュース) 11月16日
 
 受動喫煙対策の強化について検討する厚生労働省などの課長級の作業部会は16日、対策のたたき台に関する関係団体の公開ヒアリングを行った。病院など医療機関の敷地内を全面禁煙とし、違反者に罰則を設けるたたき台の方向性に、日本医師会(日医)、日本歯科医師会、日本薬剤師会、日本看護協会(日看協)の4団体の代表者はいずれも賛意を示した。【佐藤貴彦】

 政府は東京五輪・パラリンピックを開催する2020年に向け、
受動喫煙の対策を強化する方向で検討を進めている。

 厚労省のたたき台は、世界保健機関(WHO)と国際オリンピッ
ク委員会(IOC)が共同で「たばこのないオリンピック」を推進し、近年の開催地や開催予定地で罰則を伴う対策が講じられているといった状況を踏まえたものだ。

 具体的には、英国と韓国の制度を併せた「混合型」の制度を
導入し、官公庁や社会福祉施設などは「建物内禁煙」、医療機関などはより厳しい「敷地内禁煙」と規定。両国とも医療機関は「建物内禁煙」だが、主に利用するのが患者らで、健康への影響を防ぐ必要性が高いとして、より厳しく定めている。

 また、対策の実効性を担保するため、禁止場所で喫煙しない
義務を施設利用者に課すほか、施設管理者に対し、禁止場所での喫煙を制止する努力義務などを設ける。義務違反を繰り返す場合は罰則を適用する。

 16日にヒアリングを受けた4団体の代表者は、受動喫煙が健
康に及ぼす影響を指摘し、対策を強化すべきだと主張。医療機関の敷地内を禁煙にする同省のたたき台に賛成した。

 さらに日医の今村聡副会長は、飲食店などに喫煙室の設置も
認めないルールにするよう要望。日看協の中板育美常任理事も、若年で喫煙を始めた人は喫煙中止の成功率が低いといったデータを紹介し、▽大学の敷地内禁煙▽学生のアルバイト先となる飲食店などへの喫煙室の設置禁止-など、たたき台より厳しい対策を講じるよう求めた。

 公開ヒアリングはこの日が2回目。先月のヒアリングには、
四病院団体協議会や日本ホスピス緩和ケア協会の代表者が出席し、それぞれ医療機関の敷地内禁煙に慎重な姿勢を表明。一部の病棟で喫煙所の設置を認めるよう要望していた。

 作業部会は今後、たたき台への関係団体の意見を踏まえて具
体策の案をまとめ、内閣官房や財務省、厚労省などの局長級の検討チームに示す。


(2016.11.15)
 喫煙者の割合過去最低 受動喫煙は微減 厚労省、規制強化検討
産経ニュース 11月14日
 
受動喫煙のない社会を訴えるロゴマーク(厚労省提供)

 たばこをほぼ毎日吸っている人の割合が平成27年は18・2%(前年比1・4ポイント減)で過去最低となったことが、14日に公表された厚生労働省の国民健康・栄養調査で分かった。一方、飲食店や路上で受動喫煙に遭った割合は微減で、厚労省は「いまだ4割の人が飲食店で受動喫煙をしている。対応策を強化したい」としている。

 

 調査は昨年11月、全国の約5300世帯を対象に行われ、約3500世帯から回答を得た。その結果、たばこをほぼ毎日吸っているのは男性30・1%(同2・1ポイント減)、女性7・9%(同0・6ポイント減)と、いずれも過去最低。1日に21本以上吸うヘビースモーカーも、男性12・4%、女性2%と過去最低だった。喫煙者を年齢別でみると、男性は30代(41・9%)、女性は40代(11・7%)が最も多かった。

 

 一方、過去1カ月間の受動喫煙の経験については、飲食店が最も多く41・4%(25年比5・4ポイント減)。遊技場が33・4%(同2・4ポイント減)、路上と職場が30・9%(いずれも同2・2ポイント減)の順だった。

 

 厚労省は2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて受動喫煙の規制強化を検討。受動喫煙のない社会を進めるため同日、ロゴマークを発表し、「名刺やバッジ、ステッカーなどに活用してほしい」と呼びかけた。



(2016.11.6)
 東京五輪までに受動喫煙を根絶
 厚労省の受動喫煙防止法案を支持 日本禁煙学会
Pharma Tribune 11月4日
 
 10月29〜30日「受動喫煙のない東京オリンピックを」をテーマに第10回日本禁煙学会が東京都で開かれ、学会初日の記者会見で、10月12日に厚生労働省が示した受動喫煙防止法整備のための「たたき台」を学会として支持する意向を示した。
 
段階的に喫煙スペースをなくす方向に
 東京都医師会会長で同学会会長の尾ア治夫氏は「学会として2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙防止法の整備を推進させ、飲食店など全ての建物内の禁煙を目標としている。今回提示されたたたき案は、罰則付きで喫煙室の設置を可能とするものの、原則禁煙となっており、これまでの分煙からはかなり進んだ内容になっていると考える。日本は屋外の規制が先に始まっており、屋内を一挙に禁煙にすると喫煙する場所が全くなくなってしまう。一挙に喫煙者がゼロになるとは考えにくく、一度に屋内を全面禁煙とすることは不可能であり、屋内に喫煙できるスペースを残し、段階的に喫煙スペースをなくしていくことが現実的と考えられることから、現段階では厚労省案を全面的に支持することとした」と述べた。
 
 東京都医師会タバコ対策委員会委員長の村松弘康氏は「たばこは科学的に有害であることは証明されているにもかかわらず、政治やお金の力でその有害性が矮小化されていることに問題がある。さらに、まだ喫煙のニコチン依存など、正確な情報が十分理解されていないことなども問題である」と指摘した。
 
 日本禁煙学会理事長の作田学氏は「学会として、今学会終了後に財務省に対し、厚労省の受動喫煙防止法案を支持すること、たばこのパッケージに健康警告を表示すること、たばこ1箱1,000円以上に値上げすることを申し入れる予定である。今回の厚労省案は全面的に支持するが、将来的には喫煙室を撤去し、全面禁煙の方向に改定していくように働きかけていきたい」と述べた。
 
 厚労省は10月31日に関連業界団体を集め、受動喫煙防止対策強化検討チームワーキンググループ公開ヒアリング(第1回)を実施する。
 
第10回日本禁煙学会総会宣言
 今学会では以下のような宣言を明らかにしている。
1. 東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、都民・国民の協力のもと、受動喫煙防止の法的整備(罰則付、屋内全面禁煙)を必ず実現すべく全力を尽くす
2. 2025年に向け、医療関係団体が連帯して、真の健康寿命延伸のため、4大死因およびCOPD、そして多くの寝たきり原因につながるタバコ対策を徹底する
3. 全ての喫煙者に対して、懇切丁寧に喫煙の害を説き、禁煙に向けた行動変容を促し、積極的に禁煙治療を提供する環境整備を図る


(2016.11.6) 
 たばこ 喫煙で遺伝子変異増加…長く多く吸う人ほど蓄積
毎日jp(毎日新聞) 11月4日
 
 がん研究センターなど発表
 
 世界約5000人のがん患者の遺伝子データを解析し、たばこを多く、長く吸う人ほど遺伝子に突然変異が起きることが分かったとの研究成果を、国立がん研究センターや理化学研究所など日米英韓の研究チームが、4日付の米科学誌サイエンスに発表した。細胞ががん化する原因とされる遺伝子の突然変異が、たばこの化学物質によって誘発されることが明らかになった。
 
チームは、17種類のがん患者5243人を対象に、たばこを吸う人と吸わない人で遺伝子に違いがあるかを解析。その結果、肺、喉頭、口腔(こうくう)、膀胱(ぼうこう)、肝臓、腎臓のがんは、喫煙者の方が遺伝子の突然変異が多かった。最も多い肺がんでは、毎日1箱(20本)を1年間吸うと150個の突然変異が蓄積すると推計された。
 
 詳しく調べると、肺、喉頭、肝臓のがんは、たばこの化学物質が突然変異を直接起こし、咽頭(いんとう)、口腔、食道、膀胱、腎臓のがんも、直接ではないものの喫煙が突然変異を誘発していた。通常、遺伝子の突然変異は自然に修復されるため、大量に蓄積することはない。【野田武】
 
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 中日新聞 2016年11月4日
 
たばこで起きる遺伝子の変異(1日1箱を1年間吸い続けた場合)
 
 肺    150個
 喉頭    97個
 咽頭    39個
 口腔    23個
 ぼうこう  18個
 肝臓     6個


(2016.11.4)
 防ぐ 未来の喫煙者 中部ひと模様
 愛知学院大学歯学部准教授 稲垣幸司さん(59)
日本経済新聞 10月29日(夕)
 
 毎年1000人に出前授業
 
 「たばこに含まれる物質の数はいくつだろう」。たばこの絵が描かれたスライドを背景に、子供たちに問いかける。喫煙は肺がんだけでなく、脳卒中、早産など健康全般に影響を及ぼすことを、丁寧に解説していく。「この教室から未来の喫煙者が出ないように」。愛知県内の小中学校を中心に行う出前授業「脱たばこ教室」の講師役は、そう願いながら、授業を続ける。
 
 初めて”教壇”に立ったのは、2004年。最初は保健所からの依頼が中心で、参加者の多くは成人の喫煙者だった。図解や写真を使った授業が分かりやすいと、評判が広まった。授業に参加した教員から、たばこに関心を持ち始める小中学生へ講義してほしいという声が相次ぎ今や、小中高校生を中心に毎年、千人以上に授業する。
 
 1回の授業は約90分間。参加者にストローで呼吸してもらい、長年の喫煙によって肺や気管支に炎症が生じた時の息苦しさを体験してもらう。「何となく健康に悪いという認識はあったものの、具体的にどう影響を及ぼすのか知られていなかった。将来、たばこを吸い続ければ、どうなるのかを実感してほしい」との思いがある。
 
 出前授業を始めてからあっという間に10年以上が過ぎた。ここまで続けてきたのは、たばこの影響を受ける子供たちを、大学病院の治療で目の当たりにしてきたからにほかならない。
 
 患者として病院にくる子供を診察していると、歯肉の変色に気が付くことがある。健康な歯肉は薄いピンク色をしているが、たばこの刺激で色素が沈着し、茶色くなっている。多くの場合、子供本人には喫煙歴がない。「茶色い歯肉は口の中からのSOS。周りにいる大人の喫煙による受動喫煙の影響」とみる。
 
 出前教室を始めたころは、03年施行の健康増進法で、学校や病院など公共施行の管理者への受動喫煙防止が義務づけられた。役所や商業施設など多くの人が集う施設での分煙化が本格的に始まった年だった。
 
プロフィル
 アイデアを生む運動
 三重県朝日町生まれ。1986年、愛知学院大学大学院歯学研究科修了。口腔(こうくう)ないの状態が、全身の健康につながることを知り、歯周病学を専攻する。


(2016.11.3)
 厚生労働省 塩崎大臣会見概要 受動喫煙防止対策
厚生労働省 塩崎大臣会見概要 11月1日
 
(記者)
 昨日、受動喫煙防止対策ワーキンググループが業界団体にヒアリングを行いました。その中で、病院団体や外食産業の団体から反対の意見、特に外食産業の団体などから客足が離れるという強い反対の意見が聞かれました。来年にも国会に法案を提出するという報道もありますけれども、どのように理解を求めていくお考えでしょうか。
 
(大臣)
 昨日のヒアリングでは、いろいろな団体から御意見を頂戴いたしましたけれども、規制強化そのものに対しましては、賛成と反対相互の立場の御意見がありました。それから、病院団体などでも、個別の配慮を求めつつも、規制強化については方向性としては御理解いただきました。そういういろいろな考え方があったということだと聞いております。WHO(世界保健機関)の報告では、何度も申し上げておりますけれども、日本の受動喫煙防止対策は世界でも最低レベルと言われているわけでありまして、オリンピック開催地などの諸外国の例をよく見て、それを重く受け止めた上で、東京オリンピック・パラリンピック、その前年に行われるラグビーのワールドカップまでに、スモークフリー社会に向けた必要な準備を進めることに御理解をいただけるように、一層努力をしてまいりたいと思っております。


(2016.11.3)
 みんなの広場 20年までに望む完全禁煙化=医師・薗潤・67
毎日新聞 東京朝刊 10月21日
 
 (兵庫県尼崎市)
 厚生労働省は2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、受動喫煙対策のたたき台を発表した。喫煙者本人や施設管理者への罰則付きで、医療機関や学校は敷地内全面禁煙とする内容だ。
 
 国際オリンピック委員会と世界保健機関は開催都市に「たばこのない五輪」を求め、04年以降の開催都市は罰則を伴う防止策を導入。先日、北京を訪れたが、飲食店は完全禁煙で、安心して食事を楽しめた。
 
 先日の本紙で、最近の五輪運営でテーマとなっている「エシカル消費」が紹介されていた。人や社会・環境に配慮した消費行動のことで、たばこはまさに「反エシカル商品」と言える。厚労省の推計では受動喫煙が原因で死亡する人は年間約1万5000人にも上るのだ。喫煙室による分煙では受動喫煙を防止できない。20年までにスタジアムや飲食店の罰則付き完全禁煙の法制化が望まれる。


(2016.10.25)
 「たばこ1箱1000円に」=自民議連
ヤフーニュース(時事通信) 10月25日
 
 自民党の受動喫煙防止議員連盟会長の山東昭子元参院副議長は25日、首相官邸で菅義偉官房長官と会い、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止対策として、たばこ税の増税により、たばこ1箱の価格を1000円以上に引き上げるよう申し入れた。

 菅氏は増税の是非には言及しなかったが、「五輪もあり、いいタイミングだ」と応じ、受動喫煙防止のための法整備を急ぐ考えを示した。


(2016.10.23)
 受動喫煙防止 国際水準の対策を目指そう
YOMIURI ONLINE 10月22日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックを控え、遅れが目立つ日本のたばこ対策を、国際水準に引き上げたい。
 
 他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」の被害防止を目指して、厚生労働省が規制強化のたたき台をまとめた。
 
 官公庁などの建物内と、医療機関や小中高校の敷地内を全面禁煙とする内容だ。悪質な違反者には罰則を科す。業界団体から意見聴取した上で、新たな法案を来年の通常国会に提出する方針だ。
 
 世界保健機関(WHO)による「たばこ規制枠組み条約」が05年に発効し、海外では対策が進む。約50か国が、飲食店やバーを含む全ての公共の場所で、屋内を全面禁煙とする法律を整備した。
 
 日本では、健康増進法などに防止措置の規定があるが、努力義務にとどまる。WHOからは「最低レベル」と判定されている。
 
 防止措置を義務化した厚労省のたたき台は、国際水準に近づくものとして評価できる。
 
 国際オリンピック委員会も「たばこのない五輪」を掲げる。近年の開催地や開催予定地は、罰則付きの受動喫煙防止策を講じている。五輪の開催国として、日本も対策を加速させねばならない。
 
 医療関係者らからは、一層の強化を求める声も多い。
 
 たたき台は、飲食店や駅、職場などで、屋内禁煙を原則としつつ、喫煙室の設置を認めた。
 
 だが、こうした「分煙」では、出入りの際に煙が流出する。掃除などのために入る従業員の被害は防げない。WHOは全面禁煙以外は不十分だとしている。
 
 屋内の全面禁煙を、可能な限り広げることが重要である。
 
 客離れへの懸念から、飲食業などには規制強化への反発が強い。東京都や大阪府は、防止策の条例化を見送らざるを得なかった。
 
 国際がん研究機関は、禁煙の経済的影響に関する多数の論文を検証し、全面禁煙を法制化しても、飲食店などの経営に悪影響はないと結論づけている。愛知県内の調査でも、同様の結果だった。
 
 全面禁煙とする業種や対象店舗を徐々に拡大した国もある。日本でも、業界の理解を得つつ、段階的に進めるのが現実的だろう。
 
 厚労省が8月に公表した「たばこ白書」によると、受動喫煙は肺がんになるリスクを1・3倍に高める。脳卒中や心筋梗塞、小児ぜんそくなどとの関連も確実だ。
 
 全面禁煙の拡大は、喫煙者の減少にも役立つだろう。政府の積極的な取り組みが求められる。


(2016.10.22)
 厚労省、建物内は原則禁煙&違反者に罰金の方針で検討 ホテルや飲食店から「喫煙席」無くなるか
ヤフーニュース(ねとらぼ) 10月13日
 
 厚生労働省は、国内における受動喫煙を防止するため、飲食店やホテルなど公共施設の建物内を原則禁煙とし、違反した場合は管理者や喫煙者本人に罰金を科す方針で検討を始めました。
 
 今年1月25日に政府は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて受動喫煙の防止対策の強化を検討する「受動喫煙防止対策強化検討チーム」を設立。以降、各省庁の担当者が集まりワーキンググループを定期的に開催し、どのように強化するか具体的に詰めています。10月11日のワーキンググループでは、ホテル協会など民間の関係団体へ意見を聞いていくために、強化の方針についてたたき台を作成しました。
 
 内容は、「喫煙室」など完全に仕切られたスペース内での喫煙は認める前提で、ホテルやレストランといったサービス業施設、駅、空港など、不特定多数の人が出入りする施設の屋内を原則禁煙にするもの。官公庁や競技場は喫煙スペースも認めず屋内を完全に禁煙にし、医療機関や学校は敷地内もすべて禁煙に。違反した場合は、施設の管理者や喫煙者本人に罰金を科すとしています。
 
 このたたき台をもとに関係団体にヒアリングして、引き続き検討を進めていくとのこと。協議次第では方針が変わる可能性もありますが、この内容で規制に必要な法案が国会に提出される可能性もあります。
 
 2009年に国際条約「たばこ規制枠組条約」の会合で採択されたガイドラインでは、「すべての屋内の職場、屋内の公共の場及び公共交通機関は禁煙とすべき」「たばこの煙にさらされることから保護するための立法措置は、責任及び罰則を盛り込むべき」と定められています。公共の場を屋内全面禁煙とする法律を施行している国は2014年時点で49カ国。日本は同条約に締約しながらも、飲食店における「喫煙席」といった分煙を認めるなど、受動喫煙の防止対策で世界的に遅れをとっていました。


(2016.10.22)
 フィリピン全土の公共の場が禁煙に 大統領令11月施行へ
マニラ経済新聞 10月21日
 
 地元紙の報道によればフィリピン全土の路上、レストランなど公共の場が禁煙となる大統領令が11月より施行される。
 
 現在も公共の場での喫煙には罰金も
 
 禁煙を推進する大統領が署名される見通しと発表したのはポーリン・ウビアル保健相。公共の場であれば車の中での喫煙も違反の対象になると忠告した。
 
 ドゥテルテ大統領が市長を務めていたダバオ市や経済の中心マカティ市などでは、条例によって公共の場の喫煙がすでに禁止されている。ダバオでは厳格にこの禁煙条例が運用されており路上で喫煙する姿は見られないが、マカティ市では「ジョリージープ」と呼ばれる食事を提供する屋台や路面店舗などで1本単位でばら売りされており、歩行喫煙する「ならず者」も目立つ。
 
 2011年の世界保健機関の発表によればフィリピン人男性の喫煙率は44%で世界27位、34%で63位の日本と比べると喫煙者の数はフィリピンのほうが多い。しかし、フィリピンの飲食店はほとんどが禁煙となっており、公共の場での禁煙ではフィリピンの方が先行している。
 
 先日、日本に旅行したという非喫煙者のマークさんは「初めて日本を旅行し街並みの美しさや『すし屋』のおもてなしに感動した。しかし、そば屋やすし屋などでも喫煙する人が多く、異様な印象を持った」と、日本の喫煙者の状況を振り返る。
 
 フィリピンではコンドミニアムと呼ばれる高級マンションは全館禁煙というものも少なくなく、都市部では喫煙者は日本よりもすでに肩身がせまい状況。大統領令の施行で公共の場での喫煙は制限されるが、米国製の紙巻きたばこが20本入り1箱100円程度で手に入り、1本5ペソでばら売りされていることから「喫煙率は下がらないのでは」という指摘もあり、たばこに対する増税も議論されている。禁煙違反を口実にした不正行為や偽警官による取り締まりにも注意が必要といわれている。


(2016.10.20)
 中学校に「喫煙室」、教頭ら利用 奈良・大和高田
朝日新聞デジタル 10月19日
 
 「喫煙室」として利用されていた更衣室=大和高田市立高田中学校
 
 奈良県大和高田市大中東町の市立高田中学校で、男性教頭(56)と男性教諭6人が校内の空き部屋を「喫煙室」として使用していたことが19日、明らかになった。校内は全面禁煙になっており、市教委学校教育課は「教師として不適切な行為。厳しく指導する」としている。
 
 同校によると、使用していたのは1階にある教職員用のシャワールームの更衣室。バケツや折りたたみのパイプ椅子が置かれ、空気清浄機が持ち込まれていた。休憩時間や放課後に教頭ら7人が出入りしていた。ふだんは施錠し、使用時に開けていたという。
 
 安井紳志校長(59)が6月、校舎外の敷地内に灰皿があるのに気づき、職員に注意。その後、更衣室で喫煙するようになったとみられる。教頭は取材に対し、「悪いという思いはあったが、雑談の場になっていた。認識が甘かった。深く反省している」と話した。
 
 市教委は健康増進法に基づき、2003年8月から市立小中高校12校の敷地内を全面禁煙としている。(松永和彦)


(2016.10.18)
 (社説)受動喫煙防止 屋内全面禁煙をもっと
朝日新聞 10月16日
 
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止対策強化に、政府が動き出した。
 
 厚生労働省が示した「たたき台」は、官公庁や運動施設での建物内禁煙や、悪質な違反者に罰則を科すことなどが柱だ。今後、関係する業界団体などの意見を聴いて詳細を詰める。
 
 規制強化にログイン前の続きは自民党などから反発も出ているが、事務所(職場)や飲食店、駅などについて「原則建物内禁煙(喫煙室設置可)」としている点で、たたき台はまだまだ不徹底だ。
 
 受動喫煙対策の先進国にならい、屋内全面禁煙の範囲をできる限り広げ、「屋内の公共の場は禁煙」という、わかりやすいルールの定着をめざしたい。
 
 厚労省が15年ぶりにまとめた「たばこ白書」によると、たばこは喫煙者本人に肺や食道などさまざまながんや循環器疾患、呼吸器疾患、早産などをもたらす。受動喫煙した家族や同僚にも肺がんや虚血性心疾患、脳卒中、小児ぜんそく、乳幼児突然死症候群などのリスクを高めていることが確実という。
 
 世界では喫煙が原因で年に約500万人、受動喫煙で約60万人死亡していると推計されている。日本では喫煙で約13万人、受動喫煙で約1万5千人が命を落としているとされる。
 
 世界保健機関(WHO)はたばこ規制枠組み条約を作り、たばこによる健康被害を減らそうと懸命だ。日本も条約に加盟しているが対策が総じて甘い。受動喫煙防止でも、49カ国(人口計約13億)が公共の場の屋内全面禁煙を法律などで罰則付きで定めているのに、日本は努力義務にとどまり、WHOから最低レベルと判定されている。
 
 このままでは、WHOと国際オリンピック委員会が共同で推進し、08年以降の開催地・開催予定地がめざしてきた「たばこのない五輪」で、日本の立ち遅れが際立つことになる。
 
 たたき台が、医療機関や小中高校を敷地内禁煙としている点は評価できる。だが、喫煙室設置で例外を認める場所が多すぎる。「全面禁煙以外の措置は、受動喫煙を防ぐものとして不完全」とクギを刺すWHOの指針に沿っているとは言いがたい。
 
 簡易な仕切りでは煙は流れ出る。長い年月を過ごす職場の対策が不足すれば、他の施設の対策は台なしだ。気密性が高くても飲食店などで従業員が掃除で出入りすれば煙にさらされる。
 
 国民の健康を最優先に考え、政府は屋内全面禁煙の範囲をできるだけ広げるべきである。


(2016.10.18)
 日本は世界「最低」の評価 「受動喫煙」対策、東京五輪までに「向上」なるか
J-CASTニュース 10月15日
 
 厚生労働省が、他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防止するため、飲食店やホテルなどの建物内を原則禁煙にする規制強化を進めている。
 
 世界保健機構(WHO)の調べでは、世界49か国で、医療機関や大学・学校、飲食店、公共交通機関などで「屋内の全面禁煙」を法制化している。日本では健康増進法(受動喫煙防止法)が2003年5月から施行されているが、屋内禁煙については「努力義務」にとどまっている。
 
■全面禁煙、違反した場合は管理者などに罰金?
 厚生労働省は、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止の規制強化案を、2016年10月12日に明らかにした。テレビ、新聞などの各メディアが報じた。世界保健機関(WHO)と国際オリンピック委員会(IOC)が「たばこのない五輪」の開催をうたっていることや、先のブラジル・リオデジャネイロ五輪でも州が条例で屋内の全面禁煙に踏み切ったように、最近の五輪開催地では受動喫煙の防止に厳しい目が向けられてきた。
 
 厚労省では、2020年東京五輪・パラリンピックの開催を契機に、競技場周辺などの公共の場をはじめ、幅広い施設で受動喫煙を防いでいく考えで、内閣官房東京五輪・パラリンピック競技大会推進本部にも16年1月以降、「受動喫煙防止対策強化検討チーム」を置いて検討を進めている。
 
 今回の規制案は、不特定多数の人が出入りする施設を中心に喫煙を規制する考えで、具体的には、飲食店やホテル、事務所などの施設や、駅や空港などは、原則として建物内は禁煙。壁などで完全に仕切られた喫煙室などのスペースに限って喫煙を認める。
 
 また、スタジアムなどの運動施設や官公庁、社会福祉施設は建物内を完全に禁煙にするほか、病院などの医療施設や学校は建物内だけでなく敷地内をすべて禁煙にする。
 
 違反した場合には、施設の管理者などに罰金を科す方向で検討しているという。厚労省は早ければ17年の通常国会に、必要な法案を提出したいとしている。
 
 この報道にインターネットでは、愛煙家だろうか、
「そこまで言うなら売らなきゃいいじゃん。売ってる限りあたしゃ買ってしまうよwww」
「ヨーロッパみたいに外なら吸い放題みたいにしたいのか? 」
「タバコくらい吸わせろ。その分、税金だって納めてやってんだ」
と反発する声が寄せられているほか、
 
 「禁煙」を歓迎するものの、その実効性については疑問をもっている人もいるようで、
「海外は全店禁煙だけど、外ではバシバシ吸ってなかったっけ?w」
「外で吸われるとそのほうが匂いきついんでw できれば店内で吸ってくれたほうがいいわ」
「外国人観光客なんかふつうに歩きタバコしてるわ。そっちのほうが迷惑」
「会社に喫煙室あるけどドアを2重にしてくれないと無神経なヤツの出入りで煙が来るんだよね」
といった声が寄せられている。
 
 なかには、
「栽培、製造・販売、服用。すべて禁止だ。他でやっているんだからできるだろ」
と強硬な意見もみられる。
 
「分煙」実質的に効果なし?
 たしかに、日本の受動喫煙対策は先進国と比べて「遅れている」との指摘がある。
 
 厚労省が2016年9月2日に公表した「喫煙の健康影響に関する報告書(たばこ白書)」によると、世界保健機構(WHO)の評価基準では、日本は受動喫煙防止策、脱たばこ・メディアキャンペーン、たばこの広告・販売・後援の禁止の項目において「最低」レベル。さらに、医療や教育施設、大学、官公庁、一般の職場、レストラン、カフェや居酒屋、公共交通機関の8つの場所のすべてで、日本は全面禁煙になっておらず、「最低」と酷評された。
 
 たばこ白書は15年ぶりの改訂で、今回初めて喫煙と病気の因果関係を4段階で評価したところ、がんのほか、脳卒中や心筋梗塞、糖尿病などで因果関係が「確実」であることがわかった。受動喫煙が原因で死亡する人は、国内で年間約1万5000人に達するという。
 
 日本は2003年5月から健康増進法(受動喫煙防止法)が施行されているが、屋内禁煙については「努力義務」にとどまる。
 
 そのため、「分煙」を取り入れ、屋内の一部に「喫煙室」を設置する飲食店などが多いが、店内に衝立ても置かずに喫煙場所を設けたり、店内の一角に「喫煙室」を設けたりしたものの、その喫煙室が完全に遮断されていないために、流れ出る煙による受動喫煙が避けらないケースも少なくない。つまり、実質的にまったく分煙できていないケースがあるわけだ。
 
 こうしたことから、厚労省はたばこ白書でも屋内の全面禁煙などの対策の必要性を訴えている。
 
 一方、日本たばこ産業(JT)の「全国たばこ喫煙者率調査 2016年」(5月調査。対象は全国20歳以上の男女約3万2000人。有効回答率61.2%)によると、男女を合わせた喫煙者率は前年に比べて0.6ポイント減の19.3%となり、過去最低を更新。女性の喫煙者は微増したが、男性の喫煙率は29.7%で1965年の調査開始以来、初めて3割を切った。
 
 健康意識の高まりや高齢化の進展、価格の値上げなどの影響で、たばこを吸う人が減っていることは間違いないようだ。


(2016.10.17)
 9月のたばこ販売本数、6.5%減
日本経済新聞Web刊 10月15日
 
 日本たばこ協会(東京・港)が14日発表した9月のたばこ販売本数
は前年同月比6.5%減の144億本だった。販売金額は3119億円
と同5.5%減少した。日本たばこ産業(JT)の販売本数は同5.4%
減の87億本だった。8月に主力製品「メビウス」の新製品を発売し、
大量に販売した反動で数字が伸び悩んだという。


(2016.10.17)
 受動喫煙防止案で厚労相 罰則付き禁煙「世界の常識」
ヤフーニュース(産経新聞) 10月15日
 
■「たばこない五輪」ロンドン、リオでも
 2020年に開催される東京五輪・パラリンピックに向けて、病院や学校の敷地などを全面禁煙にし、罰則付きの法制化を目指した厚生労働省の受動喫煙防止対策案が波紋を広げている。塩崎恭久厚労相は14日の記者会見で「罰則を伴う対策はオリンピック開催国でみんなやっている」と強調。「世界最低レベル」とされる日本の受動喫煙対策が本格化する。
 
 厚労省によると、現状では健康増進法に基づき、多くの人が集まる公共の場での受動喫煙防止は努力義務にとどまっており、罰則はない。しかし、国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関は開催都市に「たばこのない五輪」を求めてきた。
 
 04年以降のロンドンやリオデジャネイロなど過去の五輪開催地では、罰則を伴う防止策を導入。今年8月に出された「たばこ白書」では、日本の受動喫煙対策を「世界最低レベル」と指摘している。
 
 厚労省が今月まとめた対策案によると、「多数の人が利用する施設」と位置付けたスタジアムなどのスポーツ施設や官公庁、社会福祉施設、大学では「建物内禁煙」に。特に未成年者や患者らが主に利用する施設では、受動喫煙による健康影響を防ぐ必要性が高いため、より厳しい「敷地内全面禁煙」を提案した。
 
 サービス業では「建物内原則禁煙」にした上で、喫煙室の設置を認めるが、副流煙防止のため喫煙席は認めない。駅や空港ビル、船着き場、バスターミナルも同様で、バスやタクシーなどは乗り物内禁煙にしている。
 
 これまでの対策との大きな変更は、違反者に対して勧告や命令などを行い、それでも従わない場合は罰則の適用を考えていることだ。罰則の内容は今後、関係団体などのヒアリングを経た上で、詳細を検討する。
 
 塩崎氏は「世界に恥ずかしくないようにやっていかなければならない。諸外国の常識を考え、(受動喫煙のない)スモークフリー社会に向けて歴史的な一歩を踏み出さなければいけない」と決意を示した。


(2016.10.17)
 日本のたばこ対策は最低レベル 厚労省がどぎつく指摘したその理由は?
THE PAGE 10月14日
 
 厚生労働省が公表した「たばこ白書」の内容が話題となっています。日本のたばこ対策は、世界でも最低レベルとなっており、屋内の100%禁煙化を目指すべきというかなり踏み込んだ指摘となっているからです。
 
WHOの評価基準では、日本は最低レベル
 厚生労働省の有識者検討会は8月、喫煙の健康影響に関する報告書を取りまとめました。報告書によると、世界保健機関(WHO)の評価基準では、日本は、受動喫煙防止対策、脱たばこ・メディアキャンペーン、たばこの広告・販売・後援の禁止の項目において最低レベルと判定されているそうです。
 
 同じくWHOは、医療施設、大学以外の教育施設、大学、官公庁、一般の職場、食事を主とするレストラン、飲物を主とするカフェ・パブ・バー(居酒屋含む)、公共交通機関の8つにおける全面禁煙措置の実施状況について調査を行っています。日本はすべての施設で全面禁煙が行われておらず、高所得国のカテゴリーでは最低評価となっています。
 
喫煙室では、煙の漏れを完全に防止できない
 これまで日本では受動喫煙について、主に吸う人の権利という視点で議論が行われており、受動喫煙は「受忍限度」とされていました。つまり以前の日本では、受動喫煙は危険をもたらす行為であるという認識がなかったわけです。しかし最近になって、司法の世界でも受動喫煙の危険性を指摘した判決が出るようになり、受動喫煙は危険をもたらす行為であるという認識にようやく変わってきました。
 
 日本では喫煙室を設置することで対策にするというケースが多くなっていますが、喫煙室では、たばこ煙の漏れを完全に防止できず、喫煙室の清掃などに従事する従業員の受動喫煙問題を解決できないと白書では指摘しています。こうした状況を受けて白書は、喫煙室を設置するという考え方をあらため、日本でも屋内100%禁煙化を目指すべきとしました。
 
公共の場の喫煙禁止で、国民の健康レベルが上がる
 また白書では、日本においてはマスメディアを使った脱たばこキャンペーンは「全くと言っていいほど」実施されていないとしており、メディアキャンペーンの必要性についても指摘しています。
 
 屋内の全面禁煙に関する法律を施行した国では、喫煙関連疾患による入院リスクが大幅に低くなることが証明されています。つまり、公共の場での喫煙を禁止することで、国民の健康レベルが上がり、国民医療費を引き下げることが可能となるわけです。
 
 先日、元テレビ局アナウンサーが「自業自得の透析患者は(中略)殺せ」とブログで暴言を吐いたことをきっかけに、国民医療費に対する関心が高まっています。全面禁煙を実施することは、国民医療費の問題を改善させる、現実的かつ有効な方法のひとつといえるでしょう。
(The Capital Tribune Japan)


(2016.10.15)
 <受動喫煙対策>病院、学校敷地内は禁煙…国が初の制度案
ビッグローブニュース(毎日新聞) 10月12日
 
         厚生労働省が示した受動喫煙対策案
 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
 敷地内禁煙     医療機関、小学校、中学校、高校
 建物内禁煙     官公庁、社会福祉施設、運動施設
             (スタジアムなど)、大学
 全面禁煙      バス・タクシー
 原則建物内禁煙  サービス業(飲食店、ホテル、旅館など)、
 (喫煙室設置可)  事務所、駅、空港ビル
 原則建物内禁煙  鉄道・船舶
 (喫煙室設置可)
 
 厚生労働省は12日、2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、他人のたばこの煙にさらされる受動喫煙対策として、喫煙者本人や施設管理者への罰則付きで医療機関や学校は敷地内全面禁煙とする初の制度案を発表した。官公庁やスタジアムは敷地内禁煙より緩い建物内禁煙、飲食店や事務所は喫煙室設置による分煙を認めるなど、施設によって規制レベルを分けた。今後、飲食業や旅館業など関係団体へのヒアリングなどを経て、法整備を目指す。
 
 国際オリンピック委員会と世界保健機関は開催都市に「たばこのない五輪」を求めており、04年以降のすべての開催都市は罰則を伴う防止策を導入した。日本は健康増進法による努力義務にとどまる。
 
 喫煙者や施設管理者に禁止場所での禁煙を義務付け、違反者には勧告や命令などを実施し、それでも違反が続く場合は罰則を適用する方針。自宅やホテルの客室内などは規制の対象外。厚労省は「スモークフリー元年を確実に実現する」と説明する。たばこ政策に詳しい地域医療振興協会の中村正和医師は「実行可能な対策だ。飲食など関連業者の反発はあるだろうが、半歩進めることに意味がある。世論を醸成していくことが大事だ」と話した。【山田泰蔵】


(2016.10.13)
 受動喫煙対策で飲食店は「原則禁煙」へ 違反で罰則も 厚労省
FNNニュース 10月13日
 
 飲食店の「喫煙席」がなくなる見通し。厚生労働省は、受動喫煙を防止するため、飲食店は「建物内を禁煙」とする方針を固めた。
 
 厚労省は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けた受動喫煙対策として、飲食店などでは、原則「建物内を禁煙」とする方針。
 
 「喫煙室」の設置は認めるものの、「喫煙席」での分煙は認められなくなるほか、病院や、学校(小中高)では、「敷地内を禁煙」とする。
 
 違反した場合、施設の管理者や、喫煙者本人に対し、罰則を科せられることもある。
 
 厚労省は、近く、関係団体からヒアリングを行い、法改正を行う考え。
 
 これまでの受動喫煙防止対策は、「努力義務」にとどまっていて、諸外国との比較では、「日本は世界最低レベル」と指摘されてきた。


(2016.10.13)
 受動喫煙対策、罰則付きで法整備へ 厚労省「たたき台」
朝日新聞デジタル 10月13日
 
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、厚生労働省は、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の対策を強化する。主な公共施設で建物内禁煙とする一方、飲食店などサービス業の施設は原則禁煙とし喫煙室の設置は認める。施設管理者や喫煙者を罰則付きで規制する法整備の「たたき台」を12日に示した。
 
 厚労省は今後、各省庁や関係団体と調整し、詳細を詰める。新法か健康増進法の改正を検討する。
 
 たたき台では、多数の人が利用し、他施設と代替が難しい官公庁や社会福祉施設などは「建物内禁煙」。特に未成年者や患者らが主に利用する学校や医療機関はより厳しい「敷地内禁煙」とする。
 
 利用者側に他施設を選ぶ機会がある飲食店などのサービス業施設や、職場のオフィスなどは「原則建物内禁煙」とし、煙が外に流出するのを防ぐ喫煙室の設置を認める。
 
 施設管理者は禁煙場所の範囲や喫煙室の位置を掲示するなどの義務、利用者は禁煙場所で喫煙しない義務があり、違反者が勧告や命令に従わない場合、過料などの罰則を適用する。
 
 03年施行の健康増進法は施設管理者に受動喫煙対策を課すが、努力義務にとどまる。一方、海外では病院や飲食店など公共の場を屋内全面禁煙とする法律を施行する国が14年末時点で49カ国あり、世界保健機関(WHO)は日本の対策を「世界最低レベル」と指摘している。国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは「たばこのないオリンピック」を共同で推進し、近年、日本以外の五輪開催地と開催予定地は、罰則を伴う受動喫煙防止策を講じている。
 
 WHOの報告によると、世界で毎年60万人が受動喫煙により死亡。厚労省研究班は国内の死亡者も年1万5千人と推計している。厚労省は「国民のさらなる健康の増進に向け、従来の努力義務よりも実効性の高い制度を目指す」としている。(黒田壮吉、竹野内崇宏)


(2016.10.13)
 厚労省 建物内の喫煙 罰則付きの規制を検討
NHK NEWS WEB 10月13日
 
 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙を防ぐため、厚生労働省は、飲食店やホテルなどの建物内を原則禁煙とし、違反した場合は、管理者などに罰金を科す方向で本格的な検討を始めました。

 受動喫煙は、脳卒中や心筋梗塞、それに肺がんなどのリスクを高めるとされ、国内では年間およそ1万5000人が、受動喫煙が原因で死亡しているという推計もあります。
 
 このため、厚生労働省は、不特定多数の人が出入りする施設を中心に、喫煙を規制する方向で本格的な検討を始めました。具体的には、飲食店やホテルなどのサービス業の施設の建物内や、駅や空港などは原則禁煙とし、壁などで完全に仕切られたスペースに限って喫煙を認めるとしています。また、官公庁や競技場、それに社会福祉施設は、建物内を完全に禁煙にするほか、医療機関や学校は建物内だけでなく敷地内をすべて禁煙にするということです。
 
 違反した場合は施設の管理者などに罰金を科す方向で、関係省庁と協議を進めるということで、厚生労働省は、早ければ来年の通常国会に必要な法案を提出したいとしています。厚生労働省は「受動喫煙の対策は先進国に比べて遅れているのでできるだけ早く対策を強化して4年後の東京オリンピック・パラリンピックまでに定着させたい」としています。


(2016.10.13)
 受動喫煙対策で新法検討 厚労相、東京五輪までに
日本経済新聞Web刊 10月12日
 
 塩崎恭久厚生労働相は11日の記者会見で、公共の場での受動喫煙対策について 「厚労省として立法措置を含めて検討を進めている」と述べ、対策を強化する考えを明らかにした。
 
 2020年東京五輪・パラリンピックか、19年ラグビーワールドカップまでに実効性のある対策を実施する方針で、「(受動喫煙のない)スモークフリー社会に向けた歴史的な一歩を踏み出す」と決意を表明した。
 
 国内では03年施行の健康増進法で、公共施設などの管理者に受動喫煙対策を求めているが、努力義務にとどまり、罰則はない。一方、海外では病院や飲食店など公共の場所を全面禁煙とする法律を施行している国が14年末時点で49カ国に上っている。〔共同〕


(2016.10.13)
 ドゥテルテ氏、フィリピン全土の禁煙宣言へ 車の中も禁止に
The Huffington Post  10月11日
 
 フィリピン全土が、禁煙になる――フィリピンのポーリン・ウビアル保健相は10月10日、ロドリゴ・ドゥテルテ大統領が10月中にも、同国内の公共の場所で喫煙を禁ずる大統領令に署名するだろうと述べた。現地メディアの「マニラ・ブレティン」などが報じた。
 
 ウビアル氏はこの日のインタビューで、「屋内・屋外に関係なく、公共の場所ではどこであっても、タバコを吸う人はいなくなるでしょう。公園、バス停、そして車の中であってもです。これらはすべて、公共の場所とみなされます」などと話した。
 
 ドゥテルテ氏は市長を務めた南部ミンダナオ島のダバオ市で、定められた少数の喫煙所以外、市内の公共の場所を全面禁煙にした。大統領選でも全国での禁煙を公約に掲げており、大統領令はダバオ市の条例の内容を元に起草される予定だという。
 
 なお、フィリピンでタバコを販売するブリティッシュ・アメリカン・タバコ・フィリピン社(BAT)は、この大統領令案に賛同。同社のジェームズ・マイケル・ラファティCEOは「何の問題もない」などと述べた。


(2016.10.11)
 厚労省たばこ白書が語る「日本の受動喫煙対策は世界最低」
ヤフーニュース(ニュースソクラ) 10月10日
 
屋内全面禁煙を目指せ
 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙の被害が広がっているが、日本の対応は世界的に見てかなり遅れているようだ。
 
 厚生労働省の有識者検討会が最近まとめた「喫煙と健康影響」に関する報告書(たばこ白書)は、日本の受動喫煙対策は「世界最低レベル」と指摘し、「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言している。白書が引用した世界保健機関(WHO)の受動喫煙評価によると、日本は「受動喫煙からの保護」、「マスメディアキャンペーン」、「広告、販売促進活動などの禁止要請」の3項目が「最低」で、G7 (先進主要7カ国)の中で最悪だった。
 
 健康に悪影響を与える喫煙規制の動きは、世界的に広がっており、2005年2月には日本を含め168カ国以上が参加する「たばこの規制に関する世界保健機関の枠組み条約」が発効した。枠組み条約のガイドラインでは、各国に対し「屋内全面禁止」の法制化を勧告している。
 
 WHOによると、世界の49カ国では、医療機関や大学・学校、飲食店、公共交通機関などの公共の場で「屋内全面規制」を法制化している。これに対し、日本は02年7月に健康増進法(略称受動喫煙防止法)が国会で成立、03年5月から施行されているが、屋内禁煙については「努力義務」に止まっている。このため、屋内の一部に「喫煙室」を設置する、飲食店などでは店の一角を衝立てもおかず喫煙場所にするなどの対応が目立っている。店の一角を喫煙場所にするなどは論外だが、「喫煙室」にしても、多くは完全遮断型ではないため、喫煙室から流れ出る煙による受動喫煙は避けらない。
 
 たばこ白書の発表と前後して、国立がん研究センターが受動喫煙と肺がんリスクに関する研究結果を発表した。それによると、たばこを吸わない人が受動喫煙で肺がんを発症・死亡するリスクは、受動喫煙がない人と比べ、1.3倍に上昇すると指摘している。
 
 厚生労働省によると、日本では受動喫煙が原因で死亡する人は、肺がんや脳卒中などを含め年間1万5千人に達すると推計している。また肺がんで死亡する男性の7割、女性の2割が喫煙だと考えられている。喫煙者自身の肺がんリスクは男性4.4倍、女性2.8倍と高いのは当然だが、喫煙者の家族らの受動喫煙による肺がんリスクへの対応を急がなければならない。
 
 国民の多くが世界最低の受動喫煙対策に不満を持ち、「屋内100%禁煙化」を望んでいるにもかかわらず、厳しい法制化が進まない理由はどこにあるのか。この点については長い歴史を持つ日本人のたばこ文化と密接な関係があるように思う。日本人が最初にたばこを見たのは、戦国時代末期、宣教師、フランシスコ・ザビエルとともにやってきたポルトガル人船員の喫煙だったとされている。1600年の関ヶ原合戦直前には葉たばこの伝播、栽培が始まり、新し物好きの豊臣秀吉も喫煙したという記録がある。それから400年以上が経過する中で、たばこはすっかり日本人の日常生活の一部に定着してきた。たばこの健康被害が明らかでなかった時代には仕事の後の一服として一部のひとたちの間で愛飲されてきた。このような時代変遷の中で、政治家、葉たばこ農家、たばこ産業、財務省などのたばこをめぐる日本独特の利権構造が形成され、今日に至っている。
 
 政治家は選挙の時の投票、さらに政治献金、財務省にとってはたばこ税が重要な税収源になっている。健康増進のため受動禁煙を法制化するといっても、たばこをめぐる利権構造に短期間に大打撃をあたえるような対策は避けたい。こんな思惑がざる法と言われるような「世界最低レベル」の法制化になっている。
 
 だが時代は大きく変わった。医学の進歩によって、健康とたばこの関係が科学的に解明され、たばこは健康に対して「百害あって一利無し」とされる時代になった。私たちはこの現実を認め、たばこをめぐる利権構造への打撃を恐れず、この際、健康保護、健康増進を優先させ、「室内全面禁煙」の厳しいたばこ規制に踏み切るべきだろう。
 
■三橋 規宏(経済・環境ジャーナリスト、千葉商科大学名誉教授)
1940年生まれ。64年慶応義塾大学経済学部卒業、日本経済新聞社入社。ロンドン支局長、日経ビジネス編集長、科学技術部長、論説副主幹、千葉商科大学政策情報学部教授、中央環境審議会委員、環境を考える経済人の会21(B−LIFE21)事務局長等を歴任。現在千葉商大学名誉教授、環境・経済ジャーナリスト。主著は「新・日本経済入門」(日本経済新聞出版社)、「ゼミナール日本経済入門」(同)、「環境経済入門4版」(日経文庫)、「環境再生と日本経済」(岩波新書)、「日本経済復活、最後のチャンス」(朝日新書)、「サステナビリティ経営」(講談社)など多数。


(2016.10.9)
  <安倍首相>受動喫煙対策を表明 「ラグビーW杯視野」
ヤフーニュース(毎日新聞) 10月6日
 
 他人のたばこの煙を吸う受動喫煙対策に有効とされる、公共施設や飲食店などを対象にした罰則を伴う新法について、安倍晋三首相は6日の参院予算委員会で、「2020年の東京五輪・パラリンピックや、19年のラグビーワールドカップ(W杯)を視野に、立法措置も含めて検討を進めていく」と述べた。松沢成文氏(無所属)の質問への答弁。

 国際オリンピック委員会や世界保健機関(WHO)は五輪・パラリンピック開催都市に「スモークフリー(たばこのない五輪)」を求めているが、東京には規制がない。

 松沢氏からの「(W杯前年の)18年は(法律の)周知期間とすると、17年に作らなければ間に合わない」との指摘には、塩崎恭久厚生労働相が「W杯までに着実に実効性が担保できるよう、早急に準備を進めたい」と答えた。【野田武】


(2016.10.9)
 受動喫煙防止法」19年までに成立を 無所属・松沢氏
ヤフーニュース(神奈川新聞) 10月7日
 
 無所属の松沢成文氏(参院神奈川選挙区)が6日の予算委員会で、2019年ラグビーワールドカップ(W杯)と20年東京五輪・パラリンピックの前に受動喫煙防止法を成立させるよう政府側に求めた。

 知事時代に受動喫煙防止条例を制定した松沢氏は、東京五輪以前の各開催都市と同等の「禁煙、罰則付き」法令が日本にも必要と指摘。法律の周知期間を含め、19年に間に合わせるために「来年の通常国会に法案を提出、成立させる方針か」とただした。

 塩崎恭久厚生労働相は「東京五輪やラグビーW杯までに受動喫煙防止対策を講じ、実効性が着実に担保できるよう可能な限り早急に準備を進めたい」、安倍晋三首相は「立法措置も含めて検討したい」と答弁した。


(2016.10.4)
 がんセンターとJT、肺がんリスク巡り対立 疑義に反論
朝日新聞デジタル 9月30日
 
 受動喫煙による日本人の肺がんリスクを「確実」とする評価を疑問視するコメントを出した日本たばこ産業(JT)に対し、国立がん研究センターが「リスクは科学的に明確な結論」と反論する見解をウェブサイトに掲載した。国の研究機関が企業のコメントに公式に反論するのは異例だ。

 発端はがんセンターの8月31日の発表。国内の9本の研究論文を統合解析し、非喫煙者の受動喫煙による肺がんリスクはない人に比べて1・3倍となり、リスクは「確実」として屋内全面禁煙の義務化を訴えた。日本人の受動喫煙によるがんリスクを科学的に初めて証明したとされた。

 JTは同じ日に、「本研究結果だけで、受動喫煙と肺がんの関係が確実になったと結論づけることは困難」と小泉光臣社長名でコメントをすぐに発表。「受動喫煙を受けない集団でも肺がんは発症する」「9研究は時期や条件も異なり、いずれも統計学的に有意でない結果を統合した」などと説明、「周囲の方々への気配り、思いやりを示していただけるよう、たばこを吸われる方々にお願いしている」とした。

 これに対しがんセンターは9月28日、「(JTは)受動喫煙の害を軽く考える結論に至っている」とする見解を掲載。解析手法について「個々の研究では対象者の偏りや不足、調整されていない要因などの影響で結果が不安定になるが、複数の研究の統合でより確かな結果が得られる。医学研究で最も信頼度が高いもののひとつ」と説明。さらに、受動喫煙防止策は健康被害対策で、「決して『迷惑』『気配り、思いやり』の問題ではない」と強調した。担当者は「科学の常識を正反対にとらえるJTの曲解を看過できない」「科学全体に悪い影響が及ばないようにするためで、けんかをするためではない」と反論の経緯を説明する。

 反論に対し、JT広報は「見解の相違で、私たちの意見は変わることはない」と現段階で再反論の予定はないという。

 岡村智教慶応大教授(公衆衛生学)は「複数の論文の統合解析は因果関係が最も確からしい疫学の調査手法。今回のがんセンターの研究成果はかなりフェアな解析。受動喫煙の肺がんリスクは世界中で同じ傾向の結果が出ていて、今回でさらに普遍性、説得性を高めたと思う」と話している。

 がんセンターとJTとの一連のやりとりは、「JT、がんセンターをガチギレさせた」「科学的な『喧嘩(けんか)』ってこうやるんだ」など、ネット上でも話題になっている。(熊井洋美)


(2016.10.2)
 <受動喫煙>国立がんセンター 異例の反論文
ビッグローブ・ニュース(毎日新聞) 9月29日
 
◇JTの肺がんリスク疑問視に対し
 他人のたばこの煙を吸う受動喫煙を巡り、国立がん研究センターが28日、ウェブサイトで「肺がんのリスクを高める」との研究結果を疑問視するコメントを出したJTに対して「リスクは科学的に明確な結論」とする見解を公表した。国の研究機関が一企業のコメントに反論するのは異例だ。
 
 研究結果は同センターが8月31日に公表。国内の9本の論文を統合して解析し、家庭内で受動喫煙がある人は、ない人に比べて肺がんになるリスクが1.3倍高いという内容で、受動喫煙の肺がんに対するリスクは「確実」と結論づけた。
 
 これに対し、JTは同日付で「いずれの研究も統計学的に有意でない結果を統合したもの」「科学的に説得力のある形で結論づけられていない」などとする社長名のコメントを載せた。
 
 同センターはこれに反論する形で長文の見解をサイトに掲載し「科学的アプローチに十分な理解がされていない」「リスクは明確に立証されており、世界共通の問題」などと指摘。「たばこの煙にさらされることは、人々の健康に危害を与えることだと、社会全体に強く認識されるべきだ」と主張した。【下桐実雅子】


(2016.9.30)
 【健康カフェ(51)】禁煙 高齢でも遅くない、挑戦を
産経ニュース 9月27日
 
 日本たばこ産業が今年5月に実施した「全国たばこ喫煙者率調査」によると、全体の喫煙率は19・3%、男女別でみると男性は29・7%、女性は9・7%でした。男性の喫煙率が3割を切るのは調査開始以来初めてで、今や喫煙者は男性でも少数派であることが分かります。

 しかし、外来に通院している患者さんをみると、喫煙者はこの統計ほど少なくないという印象です。糖尿病や高血圧など動脈硬化の原因となるような病気を持つ喫煙者が多く、狭心症やがんで手術を受けた人も結構いらっしゃいます。喫煙がこれらの病気の原因の一つということはよく知られていると思うのですが、患者さんに喫煙してはいけない理由を説明すると、「へー、そうなのですね」という方もおり、喫煙者に情報が届いていない面があることを痛感させられます。

 喫煙者でゴルフ好きの70代の糖尿病患者さんは、禁煙を勧めても、「そのうちね」と言うばかりでした。それがある日、「ゴルフ場でたばこを吸う仲間がいなくなった」としょんぼりしていました。喫煙者だったゴルフ仲間が、健康のために禁煙したり病気で倒れたりし、喫煙者が自分だけになったそうです。「いい機会だから禁煙しては」と勧めると、「今からやめても意味がないのでは?」と聞いてきました。

 確かに禁煙は若いときに始めた方が健康にはより良い効果がありますが、高齢になるまで吸い続けた人でもやめる意味はあります。

 60歳以上の欧米人50万人を対象に、禁煙の効果などを調査した結果が昨年発表されました。それによると、喫煙者は、喫煙歴のない人に比べ、死亡率や心筋梗塞など心血管疾患の発症率が約2倍高いのですが、禁煙した場合、1・4倍程度まで低下していました。禁煙してから年数がたつほど死亡率や心血管疾患の発症率が下がり、禁煙して5年ほどでも喫煙を続けた人とはっきり差がついています。

 禁煙の効果は、年齢に関係なく認められており、70歳を超えていても禁煙によって病気や死亡のリスクが低下していました。つまりたばこをやめるのに遅すぎるということはないのです。

 禁煙するか迷っていた患者さんは、「まだまだゴルフを楽しみたいしね」と言って禁煙にチャレンジし始めました。喫煙仲間がいないためか、今のところ順調に禁煙できているようです。

 「今さら禁煙なんて」と考えている方は、今こそチャレンジしてみることをお勧めします。(北原ライフサポートクリニック内科医 下島和弥)


(2016.9.27)
 酒・たばこ18歳解禁に反対7割超!母親世代に理解得られず
nifty ニュース( しらべぇ) 9月23日
 
酒・たばこ18歳解禁に反対7割超!母親世代に理解得られず
法務省は民法の成年年齢を18歳へ引き下げる施行方法に関する意見(パブリックコメント)を9月末まで募集している。選挙権年齢が引き下げられたことから、法改正を行いたい狙いがあるようだ。
 
■飲酒や喫煙の解禁年齢18歳へ引き下げに7割が反対
意見の募集には、飲酒や喫煙の年齢に関する部分は対象外となっている。しかし、現行では未成年の定義が変わると、対象年齢も変わってくる。しらべぇ編集部では、全国の20〜60代男女を対象に、飲酒や喫煙の18歳解禁について調査を実施した。
 
「飲酒・喫煙の解禁年齢を18歳へ引き下げること」について、どちらとも反対と回答した人は全体の67.3%。飲酒・喫煙それぞれ単独では7割以上の人が反対と答えている。国民の感情として、18歳の酒・タバコ解禁は悪影響があると考えている人が多い。
 
■年代・性別で差が大きく
飲酒の18歳解禁について、男性は平均と比べて全体的に寛容で、50代以下では6割前後となっている。しかし、30代・40代女性は反対が8割を超えている。
 
喫煙については、男性は年齢が高くなると徐々に反対の割合が大きくなる。対して、女性は40代が83%台でとくに高い。
 
飲酒喫煙ともに反対の割合が高い40代女性。ちょうど10代の子どもを持つ母親の年齢層と重なる。成長段階の子どもにおいて酒やタバコは、身体的な影響や依存症の発症が早くなるなど、危険性が指摘されており、心配してしまうところが大きいのだろう。世界的には成年年齢が20歳の国は少なく、18歳がスタンダード。飲酒や喫煙年齢が準じる国も多い。しかし、国民から待望する意見がないまま引き下げてしまうのは、少し手荒い法改正ではないだろうか。
(取材・文/しらべぇ編集部・小河 貴洋)
 
【調査概要】
方法:インターネットリサーチ「Qzoo」
調査期間:2016年8月26日〜2016年8月29日
対象:全国20代〜60代の男女1338名(有効回答数)


(2016.9.24)
 電子タバコでシベリアの学生の指3本なくなる
SPUTNIC ロシア 9月20日
 
シベリアノボシビリスク州の病院に昨夜、傷の付いた顔と3本の指がない、骨折した手をした13歳の少年が搬送された。
米国で電子タバコの販売制限が強化される 少年は、手の中で爆発した電子タバコによって怪我をしたと説明した。詳しい状況は現在警察が調査中だ。 事故が起こった現場で、血痕と「流行」の電子タバコの破片が見つかったという。 公共の場でのニコイン入り煙が全面禁止されているが、電子タバコはカフェですら使用することができる。電子タバコがロシアでより一層の人気を集めていることは驚きではなく、どうやらすでに学生にまで人気は行き着いたようだ。


(2016.9.24)
 禁煙30年でもDNAに喫煙の「痕跡」
ヤフーニュース(CNN) 9月23日
 
(CNN) 米国立研究機関の科学者などからなる研究チームは23日までに、過去にたばこを吸っていた人の遺伝子には喫煙歴を示す痕跡が残り、一部は30年経っても消えないとの調査結果を発表した。こうした痕跡は循環器疾患やがんなど喫煙関連の病気の特定、治療法の開発に利用できる可能性もあるという。
 
学術誌「循環器系遺伝学」に20日掲載された論文によると、この研究は喫煙者と元喫煙者、非喫煙者の計約1万6000人の血液標本を対象に行われた。喫煙でDNA表面に変化が生じることを示す研究は既にあったが、今回の研究では影響を受ける遺伝子の種類の多さ、喫煙との相関の強さ、病気のリスクと関連する遺伝子を特定した点で成果があった。
 
研究を率いた米国立環境衛生科学研究所のステファニー・ロンドン博士によると、サンプル数の多さが成果につながったという。
 
こうした「痕跡」はDNA表面の化学変化の形を取り、「DNAメチル化」と呼ばれる。遺伝子が機能するかどうかに影響を及ぼすという。
 
研究チームはゲノム上でメチル化が起きる場所を探し、2600箇所以上で喫煙者と非喫煙者の間に相違があることを確認。その影響は人間の遺伝子の約3分の1に当たる7000以上の遺伝子に及ぶという。
 
大半のDNA上の変化は禁煙後5年以内に非喫煙者と同じ水準まで戻るが、一部の変化は30年経っても残る。2600箇所以上のうち185箇所で変化の持続が見られたという。
 
研究チームは、DNAがその人の喫煙歴を詳細に把握するためのツールとなり、心臓病や肺がんといった病気の危険因子を探る研究に役立つと考えている。ロンドン氏は「喫煙が何をもたらすかを理解すれば、それを防止できる可能性はある」と語る。
 
別の専門家は、喫煙に関連するメチル化の一部は、肺機能や高血圧、循環器系疾患、慢性閉塞肺疾患(COPD)、肺がんなどに関与する遺伝子で見られたと指摘。過去の喫煙による曝露(ばくろ)を特定する正確な新ツールが開発されれば、健康に及ぼす影響予測も改善できるとの見方を示した。


(2016.9.21)
  「タバコの煙は無風でも7m四方に拡散」 医師が語る受動喫煙のリスクとは?
abema TIMES  9月1日
 
8月31日、国立がん研究センターは家族や職場の同僚など周りに喫煙者がいて、受動喫煙をしていると自分で吸っていなくても、確実に肺がんになる危険性があるとする研究結果を明らかにした。
 
報告によると、肺がんになるリスクは、喫煙者は受動喫煙をしていない人に比べ、約1.3倍。今回の結果を踏まえて同センターは、「日本人のがん予防法」の文言の変更にまで踏み込み、他人のタバコの煙を「できるだけ避ける」から「できるだけ」を削除して「避ける」にし、また受動喫煙の防止を「努力目標」から「明確な目標」とした。
 
「AbemaPrime」(AbemaTV)では、この件をピックアップ。専門家をスタジオに招き、話を聞いた。
 
日本禁煙学会・理事長であり、東京脳神経センターの脳神経内科医でもある作田学氏によると、無風状態の中で1人の人間が煙草を吸っただけで、7mの範囲にタバコの煙は拡がるそうで、この範囲も全て「受動喫煙」であるとのこと。受動喫煙での健康被害に関しては、肺がんや心筋梗塞、脳梗塞のリスクが30%上昇するという。
 
現在流行している電子タバコに関しても、「副流煙ではないが、見えないから安全ということではなく、有害物質が出ているため、危険性は変わらない」と指摘する。
 
水曜MCの宮澤エマは、小学生の頃に学校に掲示されていた、喫煙者と非喫煙者の肺を比較したポスターが「トラウマになっている」とし「潜在的に煙草ってよくないものだと刷り込まれている」「(真っ黒な肺を)見ても吸いたいのなら、勝手にどうぞ。でも、こっちまで被害を被るのはイヤ」と述べた。
 
番組では、海外の禁煙・嫌煙事情についてまとめたVTRが流され、海外赴任経験のあるBuzzFeed Japanの編集長・古田大輔氏は「日本に帰ってきたときに、(すごく)吸っ
ているなという印象だった」とコメント。
 
アメリカ出身のお笑い芸人・REINAも「(アメリカでは)室内で煙草を吸うという概念が無かったからびっくりした」とその衝撃具合を語る。同じくアメリカ・ハワイ州出身のモデル・菊川リサ氏も「ハワイでは一回もタバコを吸っている人の姿を見たことがなく、日本に来てから存在を知ったぐらい」と述べ、出演者の一部からは、文化の違いに驚きの声があがる。
 
作田氏は「日本は世界で一番遅れている国。同じレベルでは北朝鮮」と、日本において分煙に関しての対策が、世界的に見ても異質であると話す。
 
日本では、2020年に東京五輪が開催されるが、2008年以降に夏のオリンピックを開催した中国、イギリス、ブラジルの3か国は、罰則がついた受動喫煙の防止策がすでに講じられているのに対し、日本は罰則が無い「努力義務」に留まっている。
 
作田氏によると、今後オリンピックが開催されるソチや平昌でも、同様に罰則付きの防止策が打ち出されているとのことで、日本も準じていかないと「恥」だとした。
 
がんセンターの研究結果を受け、厚生労働省は15年ぶりに「たばこ白書」を改訂。日本の受動喫煙対策は、世界でも最低レベルとし屋内の全面禁煙を目指すことが盛り込まれた。がんセンターは受動喫煙対策について「2020年の東京オリンピックまでに国民運動として進めていきたい」としている。


(2016.9.21)
 たばこ害、家族と考えて 下田・浜崎小生に受動喫煙防止教育
伊豆新聞 下田版 9月18日
 
県賀茂健康福祉センター主催の禁煙・受動喫煙防止対策教室が15日、下田市立浜崎小で開かれた。3、4年生33人がたばこの害について考え、学んだ。
 
「こどもから大人へのメッセージ事業」。児童に、たばこの害と受動喫煙防止の必要性を考え、周囲の大人に対してメッセージを送ることで、家族や地域全体でたばこについて考えてもらおうと開催している。
 
教室では、東伊豆町の「劇団かきぬま」が演じる猫の人形と保健師のお姉さんが、児童たちに質問しながら、たばこの害や受動喫煙を説明した。子どもたちはたばこの煙防止について「マスクをする」「たばこをやめさせる」「外で吸ってもらう」「注意する」などと意見を発表した。
 
児童たちは、この日学んだこと、感じたことを未来の自分へのメッセージとして書いた。  
 
【写説】たばこの害に関する選択問題に元気よく手を挙げて答える児童=下田市の浜崎小


(2016.9.17)
 「たばこ白書」受動喫煙の肺がんリスク強調、「屋内全面禁煙」はなぜ進まないのか?
弁護士ドットコム 9月9日
 
他人のたばこの煙を吸いこむ「受動喫煙」によって、肺がんのリスクが確実に高まる??。厚生労働省の有識者会合は8月31日、このような内容を盛り込んだ報告書をまとめた。いわゆる「たばこ白書」と呼ばれる報告書で、公共施設のほか、飲食店など室内の全面禁煙も提言している。
 
厚労省によると、受動喫煙が原因で亡くなる人は、国内で年間約1万5千人と推計されている。たばこ白書は、日本における受動喫煙の防止対策は「世界最低レベル」とする世界保健機関(WHO)の判定にふれながら、肺がんだけでなく脳卒中などについても、因果関係を推定するのに科学的証拠が十分であるレベルだと判定している。
 
厚労省は、不特定多数が利用する施設での「屋内全面禁煙」も視野に入れた法整備を検討している。喫煙者のほか、飲食店などによる反発も予想されるが、はたして「屋内全面禁煙」を法制化すべきだろうか。受動喫煙に関する係争をあつかう岡本光樹弁護士に聞いた。
 
●「罰則のある法規制を導入すべきだ」
「飲食店などでの『屋内全面禁煙』を法律で義務化すべきだと考えます。
 
今回の『たばこ白書』も、『わが国でも喫煙室を設置することなく屋内を100%禁煙化を目指すべきである』と提言しています。
 
日本を含め168カ国以上が『たばこ規制枠組条約』(略称FCTC)に加盟し、そのガイドラインも屋内全面禁煙の法制化を勧告していますし、白書によると49カ国以上で屋内を全面禁煙とする罰則のある法規制が施行されています。
 
わが国では、いまだに多くの労働者や施設利用者が、職場や飲食店での受動喫煙にさらされ、苦痛や健康被害を受けています。早急に是正されるべきです。
 
そして、規制には罰則が必要です。わが国では、健康増進法と労働安全衛生法で、受動喫煙防止の努力義務が規定されていますが、今後、受動喫煙対策を前進させるには、より実効性のある罰則規定が不可欠になると考えます。
 
●日本で進まない理由とは?
「意識調査では、過半数以上の人々が、法律や条令による屋内全面禁煙の義務付けに賛成しており、反対を上回っています。それにもかかわらず、法制化が進まないのは、政治家と『たばこ利権』と財務省の問題が大きいといえます。
 
政治家は、タバコ業界からの政治献金にとらわれず、国民の健康被害や世論に目を向けていただきたいです」
 
●「喫煙室の設置を許容するのであれば、基準を厳格にすべき」
「法制化に際しては、ほかにも、(1)分煙・喫煙室設置の問題点、(2)小規模飲食店の問題、(3)飲食店産業への経済影響、(4)路上喫煙禁止条例との関係、(5)加熱式タバコ、などが議論されると考えられます。
 
(1)については、漏れや清掃・接客時の受動喫煙問題が、白書でも指摘されています。
 
もし、喫煙室の設置を許容するのであれば、イタリア、フランス、フィンランドのように厳格な設置基準を課すべきです。私の意見としては、厳格な許可制を設けて、煙が漏れる場合は不許可にすべきだと思います。また、行政が補助金を出すことにも反対です。
 
(2)については、神奈川県と兵庫県には受動喫煙防止条例がありますが、100平方メートル以下の小規模飲食店は罰則の対象外とされています。しかし、これはナンセンスで、むしろ狭い店舗こそ、受動喫煙防止の必要性が高いといえます。
 
(3)全面禁煙の法制化が、飲食店産業にマイナスの経済影響を与えるのではないかという反対意見が主張されることがあります。しかし、広域的な法制による経済への悪影響は認められず、白書でも『減収なし』と報告されています。
 
なお、個別的に見れば、喫煙客に依存した経営をおこなっている一部の喫茶店やバーなどでは、経営努力をしなければ売上は下がるかもしれません。しかし、健康犠牲を前提とした経営は『公共の福祉』に反していると思います。神奈川県条例のように、会員制の店舗などを許可制の対象とする方法もありますが、リスクの低減化や労働者への配慮など諸々の条件を付けるべきです。
 
(4)日本は海外と異なり、路上など屋外で喫煙規制が先に進んだことで、屋内で喫煙する自由を主張する声も聞かれます。しかし、屋内と屋外とは規制目的が異なるので、『他者危害』である屋内の受動喫煙を防止すべきという立法目的を減じることにはなりません。
 
もし例外的に、先ほど述べた許可制を導入する場合も、そこで働く人が受動喫煙から守られる措置がとられるべきです。
 
(5)最近、非燃焼の加熱式タバコが、受動喫煙の有害性を減らした商品として、急速に普及しつつあるようです。これに対して、神奈川県は条例改正で、兵庫県は解釈によって、加熱式タバコも受動喫煙防止条例の規制対象としています。今後の法制化においても、加熱式タバコの位置づけを施設類型に応じて明確化する必要があります」
 
岡本 光樹弁護士
岡本 光樹(おかもと・こうき)弁護士
1982年岡山県生まれ。05年東大法卒、06年弁護士登録。国内最大手の法律事務所などを経て、11年に独立。企業法務や労働案件、受動喫煙に関する係争・訴訟、家事事件などを幅広く扱う。第二東京弁護士会で人権擁護委・副委員長や受動喫煙防止部会長などを務める。
所在エリア:東京千代田区
事務所名:岡本総合法律事務所
事務所URL:http://okamoto.2-d.jp/akiba.html


(2016.9.17)
 マンション隣の喫煙所とのトラブル、岡本弁護士「内容証明郵便を送るなど対策が可能」
弁護士ドットコム LIFE 9月16日
 
自宅マンション隣の店舗が屋外に設置した簡易喫煙所からの煙に悩まされているので、撤去させられないか? そんな質問をもとに、弁護士ドットコムが記事(「マンション隣にできた「簡易喫煙所」から煙がモクモク、法的に対抗できる?」https://www.bengo4.com/internet/li_348/)を配信したところ、多くの反響がありました。
記事の中では、当事者間での話し合いをし、対応策を求めた結果として「相手方がこれ(不利益防止策)に応じない場合の最善策は、相談者がお引越しをされること」とする弁護士コメントを紹介しました。
ネット上では「じゃあ誰かが隣でずっと落ち葉燃やしてたらどうよ? 怒るでしょ? たばこはなんとなく許される意味がわからない」、「いっそのこと『喫煙者専用住居』にしてしまえばいいのにね」などの声もあがっています。
受動喫煙に関する紛争をあつかう岡本光樹弁護士は、「今回のようなケースでは、法的な対応はできる」として、次のような対処術を弁護士ドットコムに寄せました。
〈岡本弁護士が考える対処術〉
・弁護士から内容証明郵便を送る。協議・交渉に助力する。
・簡易裁判所の民事調停を利用する。
・訴訟提起によって、喫煙継続を抑止できる場合がある。
・訴訟上の和解による解決もあり得る。
・慰謝料の高額化の可能性もある。
以下に、岡本弁護士による対処術を詳しく紹介します。
 
取材協力弁護士 岡本 光樹 (おかもと こうき)弁護士
1982年岡山県生まれ。05年東大法卒、06年弁護士登録。国内最大手の法律事務所などを経て、11年に独立。企業法務や労働案件、受動喫煙に関する係争・訴訟、家事事件などを幅広く扱う。第二東京弁護士会で、人権擁護委・受動喫煙防止部会長、環境保全委・公害環境何でも110番部会などを務める。
岡本総合法律事務所


(2016.9.17)
 社説 たばこ白書  「脱喫煙」社会めざして
京都新聞 9月2日
 
厚生労働省の専門家会合で15年ぶりに改定された「たばこ白書」が、分煙ではなく「屋内の100%禁煙化を目指すべき」と提言した。
 
日本の受動喫煙対策は「世界最低レベル」と世界保健機関(WHO)から判定されていることにも言及している。
 
たばこを吸う人にはつらいかもしれないが、たばこによる健康への悪影響をあらためて考えてほしい。社会の「脱たばこ」を進めたい。
 
喫煙と健康被害の因果関係は、国内外の疫学研究が積み上がり、科学的に明らかにされている。
 
白書はこれら研究成果を踏まえて、リスク評価を4段階に分けた。因果関係が十分にあり、最もリスクが高い「レベル1」は、肺、食道、胃、肝臓などのがん、心筋梗塞、脳卒中といった疾病だ。
 
国立がん研究センターによると、肺がんで亡くなった人のうち、喫煙が原因なのは男性で70%、女性で20%という。
 
リスクはたばこを吸う本人だけでなく、周りの人にも及ぶことを重くとらえる必要がある。同センターは受動喫煙によって肺がんになるリスクは、1・3倍に高まるとしている。そのリスク評価も従来の「ほぼ確実」から「確実」に引き上げている。
 
白書は、分煙室を設けても煙の漏れを防げないと警告する。受動喫煙を33%が職場で、47%が飲食店で経験したとの調査もある。飲食店の従業員の受動喫煙を深刻に受け止めないといけない。
 
世界を見渡せば、医療機関はもちろん学校・大学、飲食店、交通機関など公共の場を全面禁煙とする法規制は、49カ国に広がっている。日本の健康増進法は努力義務にとどまる。
 
2008年以降のオリンピック開催都市をみると、罰則付きの受動喫煙対策がとられ、公共の場は禁煙となっている。4年後の東京都だけでなく、国として喫煙規制に踏み込む時ではないだろうか。
 
喫煙による損失は医療費などで総額4・3兆円に上る。たばこを吸う一人一人が、健康被害や経済的損失、家族の負担など、大きなリスクを抱えることを考えてみてほしい。
 
日本の喫煙率は約19%にまで下がったが、依存状態から抜け出すのが難しい人もいる。禁煙治療や補助薬、周りのサポートといった手を借りてもいい。
この際、規制によって禁煙を強いられる前に、自らたばこを手放してはどうだろうか。


(2016.9.10)
 「受動喫煙」対策 日本は世界で1番遅れている
AbemaTIMES 9月7日
 
他人のタバコの煙を吸い込む受動喫煙の環境にいる人は、そうでない人に比べ肺がんになる可能性がおよそ1.3倍高いことがわかった。国立ガン研究センターは家族や職場の同僚など周りに喫煙者がいて受動喫煙をしていると自分で吸っていなくても確実に肺がんになる危険性があるとする研究結果を明らかにした。受動喫煙をしていない人に比べるとおよそ1.3倍のリスクがあるようだ。
 
今回の結果を踏まえガンセンターは、日本人のガン予防法の文言の変更にまで踏み込んだ。「他人のタバコの煙をできるだけ避ける」から「できるだけ」を削除して「避ける」にし、受動喫煙の防止を努力目標から明確な目標とした。ガンセンターの研究結果を受け、厚生労働省はたばこ白書を取りまとめた。15年ぶりに改定された白書では、日本の受動喫煙対策は「世界でも最低レベル」とし、屋内の全面禁煙を目指すことが盛り込まれた。ガンセンターは受動喫煙対策について、2020年の東京オリンピックまでに国民運動として進めていきたいとしている。
 
このことを受け日本禁煙学会理事長であり東京脳神経センター脳神経内科医でもある作田学氏は、「受動喫煙により肺がんは30%、心筋梗塞や脳梗塞は25%増える。そもそも受動喫煙は1人の喫煙者が無風の状態で吸うと7メートルの範囲に広がる。この分野に関して日本は世界で1番遅れている国だ」と述べた。
 
4年後に控えるオリンピックを踏まえ、会場に関しては過去、北京五輪・ロンドン五輪・リオ五輪は完全に罰則を用いて吸わないようにし屋内は完全禁煙としていたが、次回の開催国日本はいまのところ罰則も設けておらず禁煙または分煙で対処するとしている。2020年東京五輪に向け今後の動きに注目が集まる。


(2016.9.10)
 タバコは筋肉を減少? たばこのせいで寝たきりに? 筋肉そのものを弱らせる働きも
CIRCLE
 
チェコ共和国の研究グループが、喫煙は筋肉減少症(サルコペニア)をより進行させる可能性があると報告した。喫煙は心肺機能だけでなく、筋力そのものにも悪影響を与えるという。
 
喫煙がスポーツの大敵であるだけでなく、筋肉も減少させるならば、肥満や高齢者の転倒のリスクを高めることにもなるため、喫煙にはさらなる注意が必要だ。
 
筋力低下の悪循環 最悪寝たきりにも
私たちは40歳ごろから加齢とともに徐々に筋力が低下してくる。筋肉量が低下する年齢になったのにもかかわらず、年に見合った食事や運動をせずにいると、年齢を重ねるごとにその筋肉量の低下は加速していく。
 
筋力が低下するとおのずと人間の活動量も減り、肥満にもなりやすくなる。そうなると、膝への負担も増えて、特にお年寄りでは転倒リスクが上がってしまう。体重の増加が膝に負担をかけて転びやすくし、ケガをすればいっそう活動しにくくなり筋肉量はさらに低下する。
 
この悪循環は、最悪の場合、寝たきり状態を引き起こしかねない。そこで大切なのは、身体機能低下の原因を見極め、進行の予防をすることだろう。これには、栄養や適度な運動が一定の効果を発揮する(※1)。
 
喫煙と筋力低下の関係
このように、筋力の低下は、それが引き金となり健康にさまざまな悪影響を与える。
 
さらに、チェコのチャールズ大学研究グループの報告では、喫煙が筋肉の減少に影響を与えるという。
 
研究グループは過去に出版された筋力低下症(サルコペニア)に関する論文を集め、合計2万2515人分のデータを基に調査を行った。そして、原著論文の中では行われていない解析を新たに行い、今まで埋もれていたデータを見つけ出した結果、喫煙と筋力低下の関係性を発見したのである。
 
たばこで筋肉が減るのはなぜ?
なぜ喫煙が筋力を低下させるのだろうか? 今回の研究ではその直接の原因は明らかになっていないが、考えられることとして、まずは喫煙による毛細血管の収縮で起こる血流量の減少がある。血流量が減少すると、筋肉に運ばれる栄養素と酸素も減るため、筋肉が衰弱するということだ。
 
また、たばこの煙に含まれる一酸化炭素が血液の酸素運搬能力を低下させることも要因となるだろう。
 
その他、たばこはビタミンC不足を引き起こすが、筋肉の成長に大きな役割を果たすビタミンCが不足すれば、当然、筋力は低下してしまう。
 
また、喫煙によって体内に入ったニコチンなどの有害物質を処理するためには、肝臓などで毒素分解系の酵素群(タンパク質)も過剰に使われるため、その分、筋肉の材料となるたんぱく質が不足してしまうことも考えられる。
 
たばこの計り知れない影響
たばこにはニコチンや一酸化炭素、タールなど200種類以上の有害物質と64種類の発がん物質が含まれている。
 
たばこを長期間吸い続けると、肺がんやCOPD(慢性閉塞性肺疾患)、心疾患をはじめ、さまざまな病気のリスクを高める。たとえば、非喫煙者の死亡リスクを1とした場合、喫煙者が肺がんで死亡するリスクは男性が4.8倍、女性が3.9倍、COPDは男性が3.1倍、女性が3.6倍にもなるのだ(※2)。
 
このような観点からも、たばこはできるだけ吸わないほうがいいのだが、それでもどうしてもやめられない人もいるだろう。そんな人は、せめて周りに気を遣う必要があるだろう。喫煙者が直接吸い込む主流煙よりも、たばこの先端から立ち上る副流煙のほう有害物質を多く含んでいて、たばこを吸わない人の健康にも影響を与えるのである(※2)。


(2016.9.8)
 急がれる受動喫煙防止策
公明新聞 9月7日
 
深刻な「他者への危害」
前・国立がん研究センターたばこ政策支援部長
望月友美子氏に聞く
 
他人が吸うたばこの煙にさらされる受動喫煙により、日本では推計で年間約1万5000人が死亡している。一方、近年の五輪開催地では「たばこのない五輪」との方針のもと、公共的施設の屋内禁煙義務など罰則付きの受動喫煙防止策を実施。現行法では防止策が努力義務にとどまる日本でも、2020年の東京開催に向けて同様の対策が求められている。受動喫煙の被害や防止策のあり方について、前・国立がん研究センターたばこ政策支援部長の望月友美子氏に聞いた。
 
五輪開催地では必須
―受動喫煙による健康被害について。
望月 受動喫煙は、深刻な場合には死に至る「他者への危害」に他ならない。決して「迷惑だ」などという感情的な問題ではない。
 
健康被害では、肺がんや脳卒中との因果関係が確実だ。副鼻腔がん、小児の脳腫瘍や白血病なども因果関係が示唆されている。妊婦が煙を吸うと、血流を通じて胎児も有害物質の影響を受け、異常が生じる恐れがある。たばこの煙に「ここまでは安全」というレベルはない。少しでも吸えば、必ず何らかのリスク(危険性)が上がる。
 
―求められる対策は。
望月 受動喫煙は、あくまでも二次被害。最もリスクが高い喫煙者への対策が本丸だ。まずは職場も含めて、喫煙者、非喫煙者を問わず他者がいる公共の場では吸わないという社会的なルールを決める。そして、たばこの害を十分理解し、禁煙してもらうことだ。
 
海外では、メディアキャンペーンや無料の禁煙電話相談のほか、包装のデザイン性を排除した上で、たばこの害が分かる画像付きの警告を表示したり、たばこの店頭陳列を禁じている国もある。日本も世論を喚起し、対策を進めるべきだ。
 
なお、喫煙所の設置による分煙は、本人の喫煙、他者からの受動喫煙、壁などに付着した煙の成分が放出される「残留たばこ煙」という、喫煙者にも“三重苦”の状態をもたらすものだと指摘しておきたい。
 
―たばこ税の増税は。
望月 たばこの消費を確実に減らせる。しかも、たばこは10%の値上げで消費が2、3%減るくらいなので税収は増える。たばこ産業も増税時に便乗値上げを行うので収益が増える。まさに“一石三鳥”だ。
 
―東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙防止策が求められている。
子ども守る視点で法整備を
望月 五輪は世論喚起のいい契機になる。ただ、日本は本来、世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」に沿った受動喫煙防止法を10年には作っていなければならなかった。法整備は国の義務として取り組むべきだ。
 
その上で法律には、条約の趣旨も踏まえて「子どもたちを徹底的に守る」という視点を盛り込んではどうか。未成年や妊婦が出入りする場所は禁煙とするなど、次世代を守る観点から、ぜひ検討してほしい。
 
―たばこ対策が社会にもたらすメリットは。
望月 何よりも喫煙による死亡(年間約13万人)と受動喫煙による死亡を合わせた年間約14万5000人の命を救うことができる。また、たばこ税の税収は年約2兆円だが、喫煙による医療費などの経済的損失は5兆〜7兆円と試算されている。喫煙者が減れば、この損失も減らせるだろう。 
 
もちづき・ゆみこ
慶応義塾大学医学研究科博士課程修了(医学博士)。薬剤師、医師。世界保健機関(WHO)、厚生労働省などを経て今年3月末まで国立がん研究センターたばこ政策支援部長。


(2016.9.5)
 22の病気、たばこ原因が「確実」…がん・脳卒中・糖尿病など
YOMIURI ONLINE yomiDr. 8月31日
 
 厚生労働省の有識者検討会(座長=祖父江友孝・大阪大学教授)は、がんなど22種類の病気の発症や病気による死亡の要因として喫煙が「確実」との判定結果をまとめた。
 
 他人のたばこの煙を吸う受動喫煙でも7種類の病気で因果関係があるのは確実とした。国の検討会が日本人への影響を総合的に判定したのは初。31日に最新情報と対策を盛り込んだ報告書(たばこ白書)案を公表する。
 
 厚労省は報告書案を踏まえ、2020年の東京五輪・パラリンピックに向けたたばこ対策を推進したい考え。
 
 報告書案では、国内外の喫煙と健康に関する論文約1600件を分析。喫煙との関係の度合いを病気ごとに4段階で判定した。肺や 膵臓すいぞう など10種のがんのほか、脳卒中、心筋梗塞、糖尿病などと喫煙の関係について、最高の「推定する証拠が十分(確実)」と評価した。認知症や関節リウマチとの関係は「確実」に次ぐ「可能性がある」とした。
 
 受動喫煙について、子供のぜんそくや乳幼児突然死症候群との関係は確実と評価した。肺がんへの影響は、国立がん研究センターが行った研究結果を採用。家庭での受動喫煙がある人は、ない人に比べ肺がんになるリスクが1・3倍高まり、因果関係は確実とした。
 
 今後の喫煙対策について報告書案は、受動喫煙を防ぐため「喫煙室を設置せず屋内の100%禁煙化」を目指すように訴えた。このほか、たばこ税の引き上げ、たばこの広告の禁止など総合的な対策を求めた。


(2016.9.5)
 中年世代でも確認・検証済み!たばこをやめると友達が増える
ヤフー 健康ダイエット 9月3日
 
 たばこをやめると肺がんのリスクが低下するなど健康が大幅に改善することがよく知られている。たばこをやめるメリットは健康面だけではないのだ。なんと、たばこをやめると友達が増えるという。
 
たばこをやめるとたったの20分で効果が現れる
 たばこをやめたところで、体にメリットもたらすのは何年も先――こう思っている人は多いかもしれない。確かに、肺がんのリスクを下げるのは禁煙してから5年後以降とされている。しかし、今すぐに改善できることがあるのだ。
 
 禁煙してわずか20分後には、これまで高かった血圧と脈拍が正常値まで下がる。そして、24時間後には心臓発作のリスクも下がるし、数日で味覚や嗅覚も改善する。また、早ければ1カ月後には、せきやぜんそくなどの呼吸器症状が改善。免疫力も回復して、かぜやインフルエンザなどの感染症にかかりにくくなる(※1)。
 
健康に悪いのは明白 なのになぜたばこを吸うのか
 禁煙さえすれば、これほどの健康効果をもたらすのに、なぜ喫煙者はたばこを吸うのをやめないのだろうか。
 
 あるインターネット調査でたばこを吸うメリットについて聞いたところ、男女ともに、「気分転換になる」「リラックスできる」「ストレス解消になる」が多数を占めた。
 
 次いで多いのが、「たばこを吸う人同士のコミュニケーション」だ(※2)。確かに、喫煙スペースに集まっている人たちは、1人黙々とたばこを吸うというよりかは、複数で会話をしながら、という風景の方が見かけることが多いように思う。
 
 たばこを1本吸いながらの会話なら数分で済むため、同じ職場の先輩に仕事の相談がしやすいという声も聞く。
 
たばこをやめると、人間関係はどうなるのか?
 喫煙者たちは喫煙者同士の人間関係が崩れて1人ぼっちになってしまうことを恐れているのかもしれない。では、たばこをやめると人間関係はどうなるのだろうか。アメリカのウィスコンシン大学たばこ研究・介入センターの研究チームが調査した。
 
 1日少なくとも10本以上たばこを吸う参加者1500人に禁煙サポートプログラムを受けてもらい、このうち700人近い人が禁煙に成功した(※3)。
 
たばこをやめたら友達が増えた!
 3年間、調査は続けられ、この間、禁煙に成功した研究参加者の4分の3に近い人が、新しく友達が少なくとも2人できたことが分かった。たばこを吸わない友達ができたのだ。
 
 ちなみに、参加者の平均年齢は46歳である。子どもなら友達が増えることは普通のことかもしれないが、46歳の大人ともなるとたばこを吸う、吸わないにかかわらず、新しい友達を作ることそのものに少々おっくうになる年齢かもしれない。
 
たばこをやめると人間関係が広がる
 研究チームは、たばこをやめたことで会話をする場所が、これまでの喫煙スペースからレストランやバーなどの喫煙禁止場所になり、違うグループとの関わりが増えたからだと分析している(※3)。
 
 たばこをやめると人間関係が崩れるのではなく、むしろ友達が増えることが分かった。血圧のように禁煙して20分後、というわけにはいかないだろうが、オジサンオバサンの年齢になってから新しい友達を作るのも悪くない。
 
参考・引用
※1:禁煙の効果
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/tobacco/t-08-001
.html
※2:何でも調査団 たばこについてのアンケート・ランキング
http://chosa.nifty.com/hobby/chosa_report_A20140207/4/?theme=
A20140207&report=4&theme=A20140207&report=4
※3:Quitting Smoking May Gain You Friends
https://consumer.healthday.com/cancer-information-5/smoking-
cessation-news-628/quitting-smoking-may-gain-you-friends-
713734.html


(2016.9.4)
 飲食店の全面禁煙を提言 厚労省、「たばこ白書」を15年ぶり改定
ヤフーニュース(産経新聞) 8月31日
 
 厚生労働省の専門家会合は31日、受動喫煙が肺がんの危険性を確実に高めることなどを盛り込んだ「たばこ白書」の改定案を了承した。白書の改定は15年ぶり。公共施設や飲食店など不特定多数が利用する室内の全面禁煙を提言した。
 
 白書は受動喫煙が原因の死者は年間約1万5千人で、日本の防止対策は「世界最低レベル」とする世界保健機関(WHO)の判定に言及。肺がんだけでなく心筋梗塞や脳卒中、小児ぜんそく、乳幼児突然死症候群などが最もリスクの高い「レベル1」と判定された。
 
 自らの喫煙では、肺、咽頭、喉頭、食道、胃、肝臓、膵臓(すいぞう)、ぼうこうなどのがんや心筋梗塞、脳卒中などがレベル1とされた。
 
 また、日本人の喫煙や受動喫煙の健康影響に関するデータを分析、病気との因果関係を初めて「レベル1(十分)」、「レベル2(示唆的)」、「レベル3(不十分)」、「レベル4(ないことを示唆)」と4分類した。


(2016.9.4)
 受動喫煙の肺がんリスクは1.3倍 飲食店などの全面禁煙は2020年までに実現するか
The Huffington Post  |  執筆者: 吉野太一郎  8月31日
 
 たばこを吸わない人が、たばこの煙で肺がんになる「受動喫煙」リスクは、日本では1.3倍にのぼるという研究結果が公表された。
 
 国立がん研究センターが8月31日付で発表した。
 
 研究班は、1984年〜2013年に発表された、学術論文9本を調査した。各論文が調査対象にした日本人男女について改めて分析したところ、受動喫煙者の肺がんリスクは1.28倍上昇するとして、「受動喫煙と肺がんとの間に統計学的に有意な関連が認められた」と結論づけた。
 
 これを受けて、同センターは、ガイドライン「日本人のためのがん予防法」を改定し、「他人のたばこの煙をできるだけ避ける」から「他人のたばこの煙を避ける」に変更した。
 
 同センターは、以下のように提唱している。
 
 受動喫煙による健康被害を公平かつ効果的に防ぐために、世界49カ国(2014年現在)で実施されている公共の場での屋内全面禁煙の法制化など、たばこ規制枠組条約で推奨されている受動喫煙防止策を、わが国においても実施することが必要です。
 
■2020年東京オリンピックが「屋内全面禁煙」の契機になるか
 では、どのような対策があるのか。国際的には公共施設や飲食店など、屋内の公共の場で禁煙を義務づけるのが主流だ。WHOの統計によれば、2014年時点で49カ国が、何らかの法規制を定めている。
 
 ただ、日本では、2003年施行の健康増進法で受動喫煙防止を「努力義務」にとどめており、神奈川県や兵庫県といった地方自治体が条例で罰則を定めるだけだ。
 
 2008年北京大会以降、オリンピック・パラリンピックの開催地や開催予定地で、罰則のある受動喫煙の法規制がないのは日本だけ。2020年東京大会に向け、政府は2015年に「競技会場及び公共の場における受動喫煙防止対策を強化する」と閣議決定している。2016年1月には、全面禁煙など具体的対策を取らない公共施設や飲食店に対し、罰金などの罰則を科す法律制定に向けて検討を始めた。


(2016.9.2)
 受動喫煙の危険性強調 厚労省、室内の全面禁煙提言へ
中日新聞 CHUNICHI Web 8月31日
 
 厚生労働省の専門家会合は31日、他人のたばこの煙を吸う受動喫煙が、肺がんの危険性を確実に高めることなどを盛り込んだ報告書をまとめた。公共施設や飲食店など不特定多数の人が利用する室内の全面禁煙を提言、近くホームページで公開する。通称「たばこ白書」は15年ぶりの改定で、受動喫煙の危険性を強調した内容になった。
 
 白書は、受動喫煙が原因の死者は年間約1万5千人で、日本の防止対策は「世界最低レベル」とする世界保健機関(WHO)の判定に言及。肺がんだけでなく、心筋梗塞や脳卒中、小児ぜんそくなどが因果関係が十分あり最もリスクの高い「レベル1」と判定された。


(2016.9.2)
 受動喫煙危険「確実」に格上げ
中日新聞 CHUNICHI Web Opi-rina 8月31日
 
国立がんセンター 肺がん1.3倍に
 国立がん研究センター(東京)は30日、多数の日本人を対象とした複数の研究を統合的に解析したところ、他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」で肺がんになるリスクは、受動喫煙しない場合に比べて約1.3倍となり、危険性が明確になったと発表した。このため、肺がんに対する受動喫煙のリスク評価を従来の「ほぼ確実」から「確実」に格上げした。
 
 日本の受動喫煙対策は国際的に不十分とみられており、多数の外国人が訪れる2020年の東京五輪に向けて、受動喫煙の対策強化が急務となりそうだ。
 
 センターによると、日本では肺がんによる死亡のうち、男性は70%、女性は20%で喫煙が原因とされている。受動喫煙には、1980年代から肺がんとの関連が指摘されたが、対象人数が限られる個別の研究では明確な結論が得られず、リスク評価も「ほぼ確実」にとどまっていた。
 
 今回は、日本人の非喫煙者を対象に受動喫煙と肺がんの関連を報告した426本の論文のうち、家庭内での影響を調べた1984〜2013年公表の9論文を解析。調査対象は主に女性で、合計すると20万人近くに上る。
 
 その結果、受動喫煙している人の肺がんリスクは、受動喫煙していない人に比べて約1.3倍高いことが確かめられた。これまでに実施された同様の国際的研究と、ほぼ同じ結果という。
 
 非喫煙者の肺がんは少なく、受動喫煙による発病も通常の喫煙よりは少ないため、明確なリスクの違いが分かりにくかったが、複数の研究を統合し、対象数を大幅に増やして分析したことで明確な結果が得られた。
 
 受動喫煙 2003年施行の健康増進法は「室内かそれに準ずる環境で、他人のたばこの煙を吸わされること」と定義している。たばこの煙にはニコチンなどの有害化学物質が含まれ、肺がんや心筋梗塞などを引き起こす要因となる。受動喫煙と肺がんの関係は、1981年に国立がんセンター(当時)が初めて報告し、21世紀に入ってから国際機関などで「発がん性がある」との報告が相次いだ。受動喫煙と乳がんの関係も指摘されている。


(2016.9.2)
 受動喫煙対策は世界最低レベル 厚労省検討会が痛烈報告
朝日新聞DIGITAL 8月31日
 
 厚生労働省の有識者検討会は「喫煙と健康影響」に関する報告書(たばこ白書)案をまとめた。日本の受動喫煙対策を「世界最低レベル」とし、「屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」と提言している。白書をまとめるのは2001年以来、15年ぶりで4回目。31日の検討会で了承を得て、正式に決まる。
 
受動喫煙、日本人の肺がんリスク1.3倍 がんセンター
 今回、白書として初めて、日本人での喫煙と病気の因果関係を、米国の評価方法に準じて、「確実」「可能性あり」「不明」「無関係の可能性」の4段階で科学的に判定した。受動喫煙では、肺がん、虚血性心疾患、脳卒中などを「確実」と認定した。
 
 世界保健機関(WHO)による各国のたばこ対策7項目への評価では、日本は「受動喫煙からの保護」「マスメディアキャンペーン」「広告、販売促進活動などの禁止要請」の3項目が「最低」で、G7諸国で最悪だったと報告した。
 
 世界の49カ国では、医療機関や大学・学校、飲食店、公共交通機関などの公共の場で「屋内全面禁煙」とする法規制をしているが、日本は努力義務にとどまり、「最低レベル」と判定されていることも紹介。受動喫煙対策で「わが国でも喫煙室を設置することなく、屋内の100%禁煙化を目指すべきだ」とした。
 
 ログイン前の続きまた、喫煙による日本人の年間死亡者は約13万人、受動喫煙では約1万5千人と推計。医療費増加など、たばこの「負の影響」が年4・3兆円に対し、たばこ産業などへの「正の影響」は年2・8兆円で、「全体では負の影響が上回ると示唆される」と指摘。「健康状態の改善まで含めた総合的評価が不可欠だ」とした。
 
 厚労省は「東京オリンピック・パラリンピックを20年に控え、たばこ対策を強化し、健康影響について普及・啓発していきたい」と話している。(寺崎省子)
 
■たばことの健康影響が「確実」な主な病気(「たばこ白書」案による)
【喫煙】
 がん(肺、口腔(こうくう)・咽頭(いんとう)、食道、胃、肝、膵臓(すいぞう)など)、循環器疾患(虚血性心疾患、脳卒中など)、呼吸器疾患(慢性閉塞(へいそく)性肺疾患、結核死亡など)、早産、低出生体重・胎児発育遅延、乳幼児突然死症候群(SIDS)、2型糖尿病、歯周病など
 
【受動喫煙】
 肺がん、虚血性心疾患、脳卒中、小児のぜんそく、SIDSなど
 
【未成年の喫煙(喫煙開始が若いことによる)】
 全死因死亡、がん死亡・罹患(りかん)、循環器疾患死亡


(2016.9.2)
 受動喫煙による肺がんリスクは約1.3倍 - 国がんが日本人を対象に解析
ビッグローブニュース(マイナビニュース) 8月31日
 
 画像:受動喫煙による肺がんリスクは約1.3倍 - 国がんが日本人を対象に解析
 国立がん研究センター(国がん)は8月31日、日本人の非喫煙者を対象とした受動喫煙と肺がんとの関連について、複数の論文を統合・解析するメタアナリシス研究を行った結果、受動喫煙のある人はない人に比べて肺がんになるリスクが約1.3倍であることが示されたと発表した。
 
 同成果は、国がん がん対策情報センター がん登録センター がん登録統計室長 片野田耕太氏らの研究グループによるもので、8月10日付けの学術誌「Japanese Journal of Clinical Oncology」に掲載された。
 
 受動喫煙と肺がんの関連については、1981年に国立がんセンター研究所疫学部 平山雄部長(当時)が世界で初めて報告した後に研究が行われるようになり、2004年に国際がん研究機関(IARC)が環境たばこ煙の発がん性を認め、2006年に米国公衆衛生総監報告書が受動喫煙と肺がんとの因果関係を認めている。
 
 日本人を対象とした研究もこれまでに多数発表されているが、肺がん全体に関する個々の研究では統計学的に有意でないなどの問題が指摘されており、受動喫煙における日本人を対象とした科学的根拠に基づく肺がんのリスク評価は「ほぼ確実」にとどまっていた。
 
 同研究グループは今回、日本人の非喫煙者を対象に受動喫煙と肺がんの関連を報告した426本の研究のうち、適用基準を満たしたコホート研究論文4本、症例対照研究論文5本の合計9本の論文結果に対してメタアナリシスを実施。各論文について抽出されたリスク推定値から代表的なものを選び、すべての論文を統合した相対リスクを算出した。
 
 この結果、受動喫煙と肺がんとのあいだには統計学的に有意な関連が認められ、受動喫煙による相対リスクは約1.3倍と、国際的なメタアナリシスの結果と同様になった。なお、研究デザイン、出版年、交絡因子の調整有無によって層別してもほぼ同じ結果であり、否定的な結果が出た研究は肯定的な結果が出た研究に比べて公表されにくいという出版バイアスを補完しても、結果は変わらなかったという。
 
 また、今回の結果を踏まえ、国がんの社会と健康研究センターを中心とする研究班は、受動喫煙における日本人を対象とした科学的根拠に基づく肺がんのリスク評価を「ほぼ確実」から「確実」にアップグレード。これに伴い、ガイドライン「日本人のためのがん予防法」においても、他人のたばこの煙を「できるだけ避ける」から"できるだけ"を削除し、「避ける」へ文言の修正を行った。
 
 国がんは、受動喫煙による健康被害を公平かつ効果的に防ぐために、世界49カ国(2014年現在)で実施されている公共の場での屋内全面禁煙の法制化など、たばこ規制枠組条約で推奨されている受動喫煙防止策を、日本においても実施することが必要であるとしており、理事長の中釜斉氏は、今回の結果を受けて、「日本では屋内全面禁煙がまだまだ行き届いていないが、今後は国を挙げて取り組んでいくべき。今回の結果がそういった対策への提言になれば」とコメントしている。


(2016.9.2)
 肺がんリスク、受動喫煙で約1.3倍高まる
ビッグローブニュース 8月31日
 
 他人のたばこの煙を吸い込む受動喫煙によって、肺がんのリスクがおよそ1.3倍高まることが分かりました。
国立がん研究センターが日本人を対象にした受動喫煙に関する9本の論文を解析した結果、受動喫煙のある人は、ない人に比べて肺がんになるリスクが1.28倍だったことが分かりました。
 
 今回の結果を受けて、センターはがんを予防するためのガイドラインの中で「他人のたばこの煙を『できるだけ避ける』」という努力目標を、「他人のたばこの煙を『避ける』」に表現をあらためました。
 
 一方、厚生労働省は31日、たばこ対策の現状などを盛り込んだ『たばこ白書』を15年ぶりにまとめます。海外では事業所や飲食店など公共の場所を全面的に禁煙にする国が多い中、日本では受動喫煙への対策は努力義務にとどまっていて、『世界最低レベル』だと記しています。厚労省は今後、対策を進めていきたいとしています。


(2016.8.31)
 世界最低レベル“受動喫煙”対策どう進める
0テレNEWS24 8月29日
 
 4年後は東京での開催となるオリンピック。実は、オリンピック開催国として、禁煙をどう進めるかが、議論になっている。WHOが、日本の受動喫煙に関する取り組みは世界で最低レベルだと指摘する中、「たばこのないオリンピック」を実現するための課題とは?
 
■リオ…屋根があるだけで法律上は禁煙
 リオデジャネイロの会場では、禁煙マークがはられていた。実はリオでは、すべての屋内施設でたばこを吸うことができないと法律で決まっており、「喫煙スペース」もない。屋根があるだけで“屋内”とみなされるので、開放感のあるオープンカフェのような飲食店でも禁煙になる。従業員はどう思っているのだろうか。
 
 「たばこを吸わない人は、喫煙者の煙を吸いたくない。モラルを持って、マナーを守るべき。だからこの法律には賛同します」
 
 屋根があるだけで、たばこが吸えないというのは、吸う人にとって厳しい。しかし、こうした禁煙の動きは世界で、特にオリンピック開催国では進んでいる。
 
■北京でも…日本以外では罰則付きの規制
 中国・北京では、2022年に冬季オリンピックが開かれることになっているが、そこに向けて禁煙化が進められている。例えば、屋根のある公共の場所では原則、喫煙ができない。違反した喫煙者には最高で約3000円の罰金、禁煙を徹底していない施設には、最高で約15万円の罰金が科せられる。
 
 北京のほかにも、バンクーバー、ロンドン、ソチ、そして今回のリオデジャネイロ、2年後の韓国・平昌と、それぞれ開催地で屋内の喫煙に関する規制があり、罰則もある。
 
■受動喫煙で年間60万人が死亡
 「禁煙化」がオリンピック開催地で進められているのはどうしてなのだろうか。実は、WHO(=世界保健機関)が、他人のたばこの煙を吸う受動喫煙によって、年間で推計60万人が死亡していると訴え、2010年から世界的なイベントでの「禁煙化」を求め始めている。
 
 これにIOC(=国際オリンピック委員会)も賛同し、共同で「たばこのないオリンピック」を推進しているという背景がある。
 
■罰則付きの規制がない日本
 ただ、これまでの開催地と違って、東京では、罰則付きの規制は、今のところない。規制がすすんでいない理由には、たばこ農家の組合など、たばこ業界の反対もあるが、まず、第一にたばこを吸える場所と吸えない場所を区切る「分煙」にするのか、それとも屋内をすべて「禁煙」にするのか、といった問題もがある。
 
 東京の飲食店などでは「分煙」スタイルが浸透しているが、日本フードサービス協会は、お客さんが自由に選択すべきだとしていて、「分煙」を支持している。たばこを吸うお客さんが離れてしまうことへの抵抗感もあるのかもしれない。一方、東京都の医師会は「分煙」では、煙を完全に防げないとして飲食店での全面禁煙を求めている。
 
■屋内の全面禁煙に踏み切れない理由
 海外と東京では“屋外”での喫煙事情が異なっている。海外では、屋内は全面禁煙とされていても、路上など屋外では灰皿や「喫煙スペース」が多く整備され、たばこを吸いやすいという。これに対し、東京では路上などでは、ポイ捨てや歩きたばこを防ごうと路上喫煙を条例で禁止する自治体が多くある。
 
 つまり、海外にならって屋内を全面禁煙とすると、外でも中でも吸えないということになる。こうした現状から、屋内の「全面禁煙」に簡単には踏み切れないという。
 
■世界基準を目指す
 そうはいっても、オリンピック開催にあたっては、WHOやIOCが「禁煙化」を求めていることから、きちんと考えていかなければならない。
 
 ポイントになるのは「世界基準」。たばこを吸う人の権利は守られるべきだが、WHOは、日本の受動喫煙に関する取り組みは世界で最低レベルだと指摘している。世界中の観光客をおもてなしするためにも、なんとか環境を整えて2020年を迎えたいものだ。


(2016.8.30)
 禁煙 公私立の全小中学校、敷地内100% 県調査 /島根
毎日新聞 8月21日
 
 県は、今年度の県内の市町村庁舎などの禁煙への取り組み状況をまとめた。5月末時点で、公立私立の全小中学校で敷地内禁煙が実施された。ほとんどの官公庁では建物内禁煙が進んだ。調査結果によると、建物内禁煙は、市町村庁舎86・3%▽公民館92・7%▽県庁舎・保健所77・8%。敷地内禁煙は、市町村庁舎2・7%▽公民館5・2%▽小中学校100%▽高校92%▽県庁舎・保健所22・2%だった。【長宗拓弥】


(2016.8.30)
 世界初の研究成果!妊婦の職場での受動喫煙が子の行動的問題のリスクを増加させる
愛媛大学プレスリリース 8月29日
 
 愛媛大学が主導する共同研究チームが、妊娠中の母親の職場での受動喫煙が、生まれた子の行為問題や多動問題のリスクを増加させるという、世界で初めての研究成果を発表し、平成28年8月16日発行の学術誌「Environmental Research」に掲載されました。
 
 妊娠中の母親の喫煙と、生まれた子の行動的問題に関連があることは、海外の研究で指摘されていましたが、日本における疫学研究はありませんでした。今回、妊娠中から母親と生まれた子を追跡調査した「九州・沖縄母子保健研究」のデータを活用し、喫煙と子の行動的問題との関連を調べました。その結果、母親の妊娠中の能動喫煙だけでなく、妊娠中の母親の職場での受動喫煙も、子の行為問題及び多動問題のリスクを有意に高めることがわかりました。
 
 今後、更なる研究データの蓄積が必要となりますが、喫煙曝露を防ぐことで、子の行動的問題を予防できる可能性を示す非常に関心の高い研究成果であるといえます。
 
掲載誌 Environmental Research
 
論文タイトル
Perinatal smoking exposure and behavioral problems in Japanese children aged 5 years: the Kyushu Okinawa Maternal and Child Health Study.
周産期喫煙曝露と5 歳時での行動的問題:九州・沖縄母子保健研究
 
著者
愛媛大学:田中 景子、三宅 吉博、古川 慎哉
琉球大学:荒川 雅志


(2016.8.23)
 妊娠中に“あえて”喫煙するオーストラリアの女子高生が急増中! 「ちっさい赤ちゃん産みたいから、今日からタバコ吸うわ!」
ビッグローブニュース(tocana) 7月3日
 
 またしても奇妙な流行が生まれている。オルタナティブ・ニュースサイトの「Oddity Central」(6月20日付)によると、オーストラリアでは、妊娠中のティーンエイジャーがタバコを吸いはじめたのだ??。
 
■広告文を“曲解”して妊娠後にあえて喫煙
 タバコを吸いはじめた理由は「赤ちゃんが小さければ、産むとき痛くないから」というもの。どうやら、オーストラリアの若い妊婦たちは分娩時の痛みのほうが、妊娠中の喫煙で生じる胎児への悪影響より、ずっと心配ということらしい。妊婦の喫煙による高い死産率、小児喘息やアレルギーなど想定外なのだろう。
 
 「アルコール手指消毒剤で酔っぱらう」とか「化粧用コットンボールを食べてダイエット」など、愚かで危険なトレンドが生まれては消えていった。しかし、今回はかなり深刻な結末が予想される。しかも、少女たちのバカげた発想の源というのが、タバコのパッケージに書かれている「妊娠中の喫煙は、胎児の低体重につながるおそれがあります」という広告からなのだ。つまり、喫煙の警告文を出産時の激痛を和らげるための秘策として、「なるほど、それじゃタバコ吸わなきゃ」と読み替えたというわけだ。
 
 10代の妊娠と喫煙について研究しているオーストラリア国立大学の人類学者シモーネ・デニス准教授は「New Zealand Herald」紙に対し、次のように語っている。
 
 「もちろん、タバコの外箱に書いてあるメッセージは、喫煙の害についての警告です。でも、10代の妊婦は、まだ未熟なんです。彼女たちが最も恐れること?? それは自分が大きな赤ん坊を産んでしまい、手に余ることでしょう。大体、16か17歳の女の子ですから、彼女たちの頭にあるのは『オーマイガ! でっかい赤ちゃんだったらどうしよう。痛いのはまっぴらごめん!』なんです」(シモーネ・デニス准教授)
 
■パッケージの“喫煙抑制広告”は一定の効果あり
 そして「痛いのはまっぴらごめん!」とパニック状態に陥ってしまうと、タバコを吸うことがある意味、彼女たち独自の“医療措置”になるというのだ。少女たちは妊娠がわかった途端、いきなりタバコを吸いはじめたり、本数を増やしたりする。タバコの外箱の警告文通り、タバコを吸うたび、生まれてくる赤ちゃんが低体重児になることを祈りながら……。ちなみに、オーストラリアでは、妊婦の18%が喫煙をしているという統計結果がある。また、喫煙の妊婦は非喫煙のそれより2倍のリスクで低体重児を産み、体重は平均して標準より200グラム少ないと報告されている。
 
 一方、喜ばしいニュースもある。英紙「Daily Mail」(2013年10月7日付)は、2012年12月にオーストラリアで施行された法律が有効に機能していると伝えているのだ。タバコの外箱へのロゴマーク使用を禁じ、ほぼ全面に、健康被害を訴えるインパクトある写真を掲載するデザインで統一した“喫煙抑制広告”だ。いくつかパターンがある中で、喫煙により失明の危険がある患者の手術写真が印刷されたものは、ブルーアイズの人たちには特に嫌悪感を抱かせ、タバコを断念する人が増えているという。この広告により、10代の男女の約半数が、喫煙を思いとどまっていると伝えられている。(文=佐藤Kay)


(2016.8.23)
 カラオケ市場が下げ止まり傾向を見せる中、最大構成比のカラオケボックス業界では様々な取り組みで顧客の囲い込み図る
マイライフニュース 8月16日
 
 (前略)
 コシダカは、9月1日から、東京・神奈川・埼玉・千葉の「カラオケまねきねこ」および同グループの「カラオケムーン」、「カラオケシンシア」全114店舗において、全室禁煙を開始する。全国たばこ喫煙者率調査(平成28年7月28日、日本たばこ産業発表)によると、成人男女の喫煙者率が19.3%と過去最低となるなど、日本国内においても健康に対する意識が高まってきており、喫煙しない消費者のみならず喫煙する消費者からも、安心安全で清潔なカラオケルームへのニーズが増加している。そのような消費者のニーズに応えるため、まねきねこグループでは喫煙者、非喫煙者どちらの消費者も気持ちよく楽しめるよう、業界に先駆けて全室禁煙化を実施する。なお、喫煙する消費者のために、店舗内には喫煙スペースを設置する。まずは9月1日から、東京・神奈川・埼玉・千葉の「カラオケまねきねこ」および、同グループの「カラオケムーン」、「カラオケシンシア」全114店舗で全室禁煙化を実施し、その後全国に拡大していく予定だ。また、コシダカを含むコシダカホールディングスでは、カラオケルームの禁煙化のほか、社内でも健康増進に向けた取り組みを実施している。代表的なものとして、2013年から実施している、非喫煙者にボーナスを加算する制度があるという。


(2016.8.22)
 社説 受動喫煙の防止 東京五輪機に対策急げ
毎日新聞 8月21日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、受動喫煙防止策の強化が求められている。「たばこのない五輪」をうたう国際オリンピック委員会の意向で、近年の開催地は、屋内禁煙などを定めた罰則のある法令を整えて本番を迎えた。
 
 日本は03年施行の健康増進法による防止策があるが、努力義務にすぎず緩い内容だ。政府は今年初めに省庁横断の組織を設け、新法による対策強化の検討を始めた。飲食店などに早めの準備を促すためにも、対応を急がなくてはいけない。
 
 たばこの煙にはダイオキシンなど約200種類の有害物質が含まれ、受動喫煙を強いられる人への影響も見すごせない。脳卒中や狭心症、ぜんそくなどさまざまな病気の危険を高めると言われる。世界保健機関(WHO)の推計では、たばこの害で毎年約600万人が亡くなり、うち60万人が受動喫煙の影響という。
 
 こうした状況をふまえ、03年に採択された「たばこ規制枠組み条約」に基づくWHOの受動喫煙防止の指針は、屋内の完全禁煙を掲げる。そして五輪開催地もアテネ大会以降、屋内を原則禁煙とする罰則付きの法律や条例を持つ国・都市での開催が一つの流れとなった。
 
 ただし完全禁煙の範囲は濃淡もあり、08年の北京、14年冬季のソチは飲食店を対象にしなかった。一方、リオデジャネイロは09年から、州条例によって飲食店を含めた屋内での全面禁煙に踏み切っている。
 
 日本で罰則付きの条例があるのは神奈川と兵庫両県だ。だが、飲食店やホテルなどは「禁煙あるいは分煙」で禁煙の義務付けではない。東京都は昨年、有識者会議で罰則付き条例の制定を検討したが、客離れを心配する飲食店やたばこ業界の反発もあって、結論を先送りした。
 
 厳しい法規制に反対する理由として、受動喫煙策がすでに十分に機能しているとの声もある。日本の喫煙率は年々低下し、「路上禁煙や分煙などの取り組みも進んでいる」との主張だ。日本たばこ産業の今年の調査によると、男性の喫煙率は初めて3割を切って29・7%となり、男女合わせて19・3%だ。
 
 しかし、医療関係者の多くは、分煙の方法として欧州では密閉空間で減圧した部屋の設置を求めている例をあげ、「日本で多く見られる簡単な仕切りなどは名ばかりの分煙にすぎず、受動喫煙は防ぎきれない」と指摘する。また分煙はそもそも、喫煙可能場所に出入りしなくてはいけない飲食店従業員らの健康を考慮しない問題含みの対応策と言える。
 
 他人のたばこの煙を吸わずにすむ環境を整えるのは、五輪開催地としての責務である。


(2016.8.19)
 【ミャンマー】9月からたばこ箱の警告表示義務化、罰則も
ヤフーニュース(NNA ) 8月19日
 
 ミャンマー保健省は9月1日から、国内で販売される全てのたばこのパッケージに、健康被害への警告とたばこの危険性を訴えるイラストの表示を義務付ける。6カ月の猶予期間後、規定通り箱の表面積の75%以上に警告を表示しない場合、罰則を科す。
 イレブン電子版が17日に伝えたところによると、保健省公共衛生局のトゥザ・チット・ティン局長は、今後、テレビやラジオを通じて周知させると話した。メーカーには警告を表示したパッケージに切り替えるため、6カ月の猶予期間を設ける。
 規定外のタバコを販売した店には初回は1万〜3万チャット(約830〜2,500円)の罰金、再犯なら3万〜10万チャットの罰金と最長1年の禁錮刑を科す。
 ミャンマーではたばこの消費量が多く、喫煙は深刻な公衆衛生上の問題と考えられている。2014年に実施された調査では、喫煙率は26.1%(男性43.8%、女性8.4%)。このうち80%が日常的に喫煙している。かみたばこや、ビンロウの種を葉で包み石灰と一緒にかむベテル・チューイングの利用率は43.2%(男性62.2%、女性24.1%)だった。
 ミャンマーたばこ製品消費規制中央委員会は14年8月、たばこ箱の警告表示などに関するガイドラインを定めていた。


(2016.8.19)
 電子タバコ、ついに18歳未満への販売が米国で違法に
ヤフーニュース(ギズモード・ジャパン) 8月16日
 
 電子タバコも、れっきとしたタバコであることに変わりありません!
 
 ベイピング(ヴェイピング)とよばれる、蒸気を発生させて吸入する新たな喫煙スタイルを生み出した電子タバコ。普通にタバコを吸うよりは安全で健康面の害が少ない、との研究発表もされています。
 
 とはいえ、このほどFDA(アメリカ食品医薬品局)は、厳密にタバコと定義されていなかった、シガー(巻きタバコ)や水タバコとともに、電子タバコを18歳未満に販売することを違法と定める新法を施行。米国内での喫煙最低年齢は18歳ですが、その年齢に達さない未成年は、電子タバコの購入が許されなくなりました。
 
 “ 若者による従来のタバコの喫煙問題が、この10年間で大きく減少した一方で、別の種類のタバコ製品の使用は急増してきた。その結果として、子どもたちが中毒に陥る危険が増している。その代表的な例が、高校生による電子タバコの使用だ ”
 
 FDAのタバコ製品センター、Mitch Zeller長官は、新法の施行発表にあたって、このようにコメントしています。過去5年間で、米国内の高校生による電子タバコの使用率は900%も増加! あらゆるタバコがもたらす害から子どもたちを保護するため、電子タバコも未成年には違法な喫煙であり、ただちに使用をやめるようにとのメッセージが公式に出されたとの説明がなされています。
 
 また、FDAは、あらゆるタバコ製品のパッケージに表示する、喫煙の危険を警告するラベルに関連した規制を強化。どのように健康面で有害な影響がもたらされるのか、より明確に表示することが義務づけられました。電子タバコも危険な喫煙の習慣に変わりないとの正式判断が、はっきりと米国内で示された形です。きっとこの流れは世界へ広がっていくのでしょうね。
image by shutterstock
source: FDA
Eve Peyser - Gizmodo US


(2016.8.16)
 エストニア、子供を乗せた車内での喫煙禁止へ
NNN EUROPE 8月8日
 
 エストニア社会省が、子供を乗せた自動車での喫煙禁止に向けた改正法案を提出した。規制対象には、電子たばこも含まれる。公式書類を元に、公共放送局ERR(電子版)が4日伝えた。
 
 同法案は子供の受動喫煙を防ぐことを目的とし、未成年者が同乗している場合に車内での喫煙を禁止する。違反した場合、400ユーロの罰金が科される。ただし、サンルーフが開いている場合やコンバーチブル車での喫煙は許容される。
 
 同省は法案の注釈で、「たばこの副流煙や電子たばこの蒸気の受動喫煙による健康被害が、密室状態となる車内でより深刻とされる」と説明。電子たばこについては、これにより発生する蒸気に有害物質が含まれるとする研究結果に基づき、禁止対象に含む判断を下したとしている。法案の成立には、政府と議会の承認を経る必要がある。
 
 子供を乗せた車内での喫煙を禁止する法律は昨年10月、イングランドとウェールズで施行されたほか、スコットランドでも今年初めに発効している。ただ、同法律では電子たばこについては規制対象外とされている。


(2016.8.16)
 受動喫煙の防止策強化
公明新聞 7月31日
 
シンポジウムで力説 竹内副大臣
 竹内譲厚生労働副大臣(公明党)は30日、都内で開かれた厚労省と世界保健機関(WHO)、国立がん研究センター主催の「たばこ対策に関する国際シンポジウム」に出席し、あいさつした。
 
 竹内副大臣は、「国民の健康増進や外国人旅行者に日本を楽しんでもらうためにも、受動喫煙防止策の強化が必要」と強調。政府内で法制化も含めた受動喫煙防止策の検討を進めているとし、「たばこフリー(たばこの煙のない環境)の東京五輪・パラリンピックの実現へ取り組んでいく」と力説した。
 
 シンポジウムでは、日本のたばこ対策の現状や、オーストラリアをはじめとする受動喫煙対策の先進国の取り組みが紹介された。


(2016.8.14)
 (Rio to Tokyo:9) 「禁煙五輪」へ、国民の支持カギ
朝日新聞デジタル 8月13日
 
 お酒を楽しむ人々でにぎわうリオの旧市街セントロの夜。時折、店先でたばこをくゆらせる人を見かけたが、数はあまり多くない。ブラジルは20年前に飲食店を含めた屋内での喫煙を原則として禁止した。国民の喫煙率はいまやわずか1割だ。
 
 「最初は大変でした」と国立がん研究所のターニャ・カバルカンティさん。1989年の喫煙率は35%。世界2位の葉タバコ生産国でたばこ会社も多く、抵抗は強かった。喫煙は本人だけでなく周りにも有害だと国民に訴え、「喫煙は習慣でなく依存症」と禁煙治療を無料で受けられるようにした。収入が減る葉タバコ農家には補償金を出した。
 
 理解が広まると、法規制は多くの支持を集めた。だから飲食店への影響も小さかった。バーを営むカルロスさん(67)は「お客さんの意識の方が進んでいたから打撃はほとんどなかった。どの店も一斉に禁煙になったしね」と話す。
 
 厚生労働省によると、日本の喫煙率は19%。最も高い30代男性は44%だ。国際オリンピック委員会は「たばこのない五輪」を掲げるが、東京都の検討会は昨年、議論の末に屋内喫煙禁止の条例制定の提言を見送った。背景に飲食業界などの抵抗があった。
 
 小池百合子新知事は就任後のインタビューで「何らかの制度を主催都市の責任でやるべきだ」と意欲を示している。カバルカンティさんは「禁煙は法律よりも国民の支持がカギ」と強調する。理解を広め、罰則だけに頼ることなく「禁煙後進国」を返上したい。(伊木緑)


(2016.8.12)
 たばこのない五輪へ、小池知事が受動喫煙防止に前向き
朝日新聞デジタル 8月9日
 
 東京都の小池百合子知事が9日、朝日新聞のインタビューに応じ、2020年東京五輪・パラリンピックに向けたたばこの受動喫煙防止について、「何らかの制度を主催都市の責任でやるべきだ」と述べ、前向きに取り組む考えを明らかにした。
 
 04年のアテネ五輪以降、開催都市が罰則付きの法令を定めるなどの対応をとっており、10年には国際オリンピック委員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は「たばこのない五輪」の推進で合意している。舛添要一前知事は受動喫煙防止条例の制定に当初前向きだったが、その後「国全体で検討して欲しい」として見送った経緯がある。
 
 小池氏は「国際標準にあわせられるよう、どのような措置が一番いいのか検討する」とし、受動喫煙対策をとらない施設管理者を罰則付きで規制する新法を議論中の国との連携や都としての条例化など、今後方策を探るという。
 
 ログイン前の続き膨張する東京大会の費用負担については、大会組織委員会や国、日本オリンピック委員会(JOC)に情報公開を求める考えを改めて強調した。特に組織委は都が出資する外郭団体のため「都知事として情報公開をお願いすることはまっとうな要望」とした。
 
 一方、「立ち止まって考える」と話していた築地市場(東京都中央区)の豊洲市場(江東区)への移転については、「(豊洲開場の)11月7日が迫っているからというだけの理由で結論を出すことは避けたい」と発言。関係者のヒアリングを進め、開場延期も視野に検討する考えを示した。(伊藤あずさ)


(2016.8.12)
 JTと電通が露骨な「報道操作」 大メディアでは「煙草批判はタブー」に
選択 2016年7月号
 
「マナー広告を続けようと思う」
 日本たばこ産業(JT)が新聞広告で謳うキャッチコピーだ。JTやメディアの自主規制により、タバコの商品広告を目にする機会は減った。一方で、JTはマナー啓発などをテーマとする広告を各種メディアに出し続けている。実はこれがタバコに関する報道を偏向させているのだ。
 
新聞社による異様な「配慮」
 「世界禁煙デー」の五月三十一日夜、朝刊の早版ゲラを手にした主要各紙の広告担当者は、電通の担当者に急ぎ連絡をした。電通側が最も知りたいのは、「反たばこの記事が載っているか否か」である。早版のゲラが出るのは新聞によってまちまちだが、おおむね二十一時前後。「この時間帯が電通担当者や、そこから連絡を受けるJTの幹部が一番ピリピリする時間帯だ」 新聞の広告事情に詳しいある全国紙の関係者はこう語る。
 
 その日、反たばこのカテゴリーに入る記事は、厚生労働省が発表した受動喫煙の影響に関するものだった。同省研究班の推計で、受動喫煙により年間約一万五千人が死亡しているというものだ。役所による「発表もの」ではあるが、六年前に年間約六千八百人としていた推計から二倍以上に増加している。しかも禁煙デーの翌日であり、「普通に考えれば朝刊に掲載されてしかるべきニュース」(某紙医療担当記者)だ。しかし、翌六月一日付朝刊に掲載した全国紙は朝日と産経だけだった。
 
 「ヨミドクター」で医療記事を多数発信する読売は掲載せず、やはり医療報道に力を入れる日経も掲載を見送った。毎日は地方版で禁煙デーに合わせて行われた受動喫煙関連のイベントを小さく扱ったが、死者増加については触れていない。
 
 ある新聞社幹部は「掲載か非掲載かは、新聞各社の編集上の判断の結果だろう」と擁護する。しかし、JTによる新聞への圧力は実際にかけられているのだ。
 
 それは冒頭の新聞社からJTへの「報告」に如実に現れている。新聞社の広告担当者が連絡を入れるのは、電通の新聞局中央部の担当者だ。そこから同社営業局を経由してJT側に情報が上げられる。最終的には、JTのコミュニケーション担当の執行役員や取締役の耳にも届く。
 
 新聞社広告局の人間は、多かれ少なかれ企業に不利な記事の扱いについて広告代理店や企業側に伝えている。しかし、JTに関しては異様なのだ。大手広告代理店関係者がこっそりと打ち明ける。
 
 「ほかの企業はそこまで報告を求めないのにJTだけは、たばこに関するものであればどんな記事でも報告を要請する。一番しつこいのがJTだ」
 
 近年、喫煙への風当たりが厳しくなっているというのが世間の認識だ。しかし、実際にはメディア側の報道抑制がなければ、もっと大きな逆風が吹いていてもおかしくない。
 
 JTは近年、広告宣伝費を公開していない。決算の際に公開されていたのは二〇一一年までで、当時は年間二百八億円だった。一四年のアニュアルレポートでは二百十二億円(同年四月〜十二月)となっている。昨年からはこの公表も取りやめているが、年間広告費は二百数十億円規模と推計される。この金額は、企業広告費としては上位五十社に入る、メディアにとって重要な広告出稿者だ。
 
 気前の良いJTは、メディアにとって「上顧客」だという。ある中堅広告代理店関係者が語る。
 
 「このご時世に、JTはほぼ定価で広告を入れてくる。ほかに定価で入るのは不祥事の黒枠謝罪広告と選挙広告ぐらいだから、JTはありがたいクライアントだ」
 
 広告料金の多寡によらず、報道への圧力は隅々まで浸透している。雑誌もまたしかりだ。電通の資料によれば、雑誌へのタバコ関連広告は年間十億円弱(一四年)。シェアを考えれば過半がJTによるものだ。細々としたものだが、これにより雑誌に反タバコ記事が掲載されることはほぼない。ある雑誌記者は「JTはタブー」と語り、企画会議に上がることさえないという。
 
 相次ぐ海外M&Aで年間売り上げ二兆円企業となったJT。食品や医療分野への進出は鳴かず飛ばずで、年間約七千億円に上る国内タバコ事業の売り上げはいまだ大きい。わずか二百億円程度の広告費でタバコのネガティブキャンペーンを封殺できるなら安上がりだろう。
 
偏向記事掲載に電通が加担
 「JT以外にも新聞社などメディアからの配慮を受けている企業はある」との指摘が聞こえてきそうだ。しかし、タバコを擁護する記事が意図的に掲載されているとすればどうか。最近、「典型的」(前出全国紙関係者)と指摘されているのが毎日新聞のある記事だ。
 
 同紙一月二十八日付朝刊の記事中で「喫煙の害」ではなく「禁煙の害」を論じているくだりがあった。核心部分を引用する。
 
 「たばことストレスの関係に関しては、異論が出てくることも予想されるが、『禁煙によってストレスが高じてしまうほどの状態になるのなら、無理して禁煙するストレスの害の方が大きい』」
 
 このコメントの主は順天堂大学医学部・奥村康特任教授だ。医学の専門家による「禁煙しないほうがいい」という趣旨の発言を掲載したのである。紙面一ページの三分の二ほどを占めた当該記事は巧妙に構成されていた。全体の趣旨は「健康維持に神経ストレスが見逃されており、ストレスが強ければ、脳や体は疲れ果てる」というものだ。そこに「喫煙によるストレス解消という効能」を巧妙に潜り込ませたのだ。
 
 都内の広告関係者によると、「JTは電通を通じて、どんな派手な広告よりも一本の記事の方が読者に浸透することを学んでいる。そのため、こうした記事を書かせるために広告を出している」という。
 
 実際、毎日新聞には一月以降、ほぼ毎月のようにJTの広告が掲載されている。新聞業界はたばこの商品広告の掲載を自粛し、通常は企業広告を掲載するのが常だが、四月十日付の毎日新聞に載ったJTの広告は大胆にも主力商品の「MEVIUS」の商品広告だった。
 
 二匹目のどじょうを狙ったのだろう、「産経新聞にも電通を通してJTのイメージを向上するような記事掲載の要請がきている」(前出全国紙関係者)という。それを受けてか、産経は「JTが分煙コンサルティング 喫煙者と非喫煙者の共存目指す」(三月十八日付)との記事を掲載した。
 
 JTが電通とタッグを組んで偏向記事掲載を迫っている疑いは濃厚だ。新聞が圧力に屈し、広告主に魂まで売って記事を書くようでは、肝心要の読者に見限られるだけではないか。


(2016.8.11)
 内はNO外はOK分煙の街リオ ポイ捨てたばこなし
ニッカンスポーツ・コム 8月8日
 
 リオのレストラン内に張られていた禁煙を知らせる張り紙
 
 南米初となるリオデジャネイロ五輪が開幕した。五輪で話題になるのが喫煙の問題。昨今の開催都市は受動喫煙防止に関する法整備がなされてきた。リオも同様で、建物内での喫煙は認められていない。駅構内やレストランのテラス席でも、厳しく規制されている。
 
 一方、外での喫煙は基本的に自由。大通りに多く設置されているゴミ箱の上部には、灰皿も付いている。愛煙家はレストランにいても、いったん外に出て、一服し、外の灰皿で処理する。
 
 世界的に有名なコパカバーナビーチでも同様。屋根しかないビーチ沿いの店でも禁煙で、1歩外に出れば喫煙が可能になる。五輪会場のメインプレスセンターでも例外はない。ルールがしっかりと守られ、ポイ捨てたばこもほとんどない。
 
 東京都ではどうか。各自治体で路上喫煙に関する条例の基準がまちまち。飲食店でも「分煙」「全面喫煙可」として、喫煙を認めているところが多い。これでは、訪日外国人も混乱する。愛煙家のために喫煙場所をしっかりと決め、ルールを守れる法整備が必要だ。


(2016.8.11)
 横浜市「勤務中、喫煙減を」 全職員に異例の通知
ヤフーニュース(カナロコ) 8月7日
 
 横浜市庁舎屋上に設置されている喫煙所=横浜市中区
 勤務時間中の喫煙の是非が議論となっていた横浜市で、市が全職員約4万4千人に対して勤務中の喫煙回数や時間を減らすよう呼び掛ける通知を出していたことが6日、分かった。市民の目を意識した“異例”の通知。市の担当者は「これを機会に喫煙習慣の見直しに努めてほしい」と話している。
 
 市職員に関して、3月に策定した「からだの健康づくり計画」で掲げた喫煙率の目標は、平均12・2%(男性17・9%、女性3・6%)。しかし、2015年度時点の市長部局で16・7%と依然高い状況にある。
 
 副市長名で7月22日に出された通知では、勤務中の喫煙について「市民から厳しい目が向けられており、公務員としての自覚ある行動が求められている。(喫煙)時間が長くなれば職務専念義務や業務効率性の面から問題となる可能性もある」と指摘。「健康管理面からも、これまで以上に回数や時間を減らすなど、喫煙習慣の見直しに努めて」と呼び掛けている。
 
 勤務中の喫煙を巡っては、3月の市会予算特別委員会局別審査で、加納重雄氏(公明党)が製薬会社が公表しているシミュレーションに基づき、市の「賃金ロス」を試算。問診で判明している喫煙者4千人が移動時間を含めて1日35分間を喫煙にあてた場合、賃金換算で年間約15億4千万円となり、19日休んだことに相当すると指摘し、是正を求めていた。
 
 通知はこの議論を踏まえたもので(1)喫煙習慣の見直し(2)受動喫煙防止(3)市民から見た職員の働きぶり−の計3点を意識。
 
 勤務時間を禁煙とせず、喫煙習慣の見直しに関しても目標回数や時間を示さなかった点について、市担当者は「健康に害があるとはいえ嗜好(しこう)でもあり、ある程度認められるべきとの意見もある」と説明。「具体的な数値を示すことで、その回数や時間ならば吸っても良いと受け止められてしまう」と懸念も示した。
 
 市によると、昨年3月時点で勤務時間中を禁煙としている政令市は大阪、神戸、堺の3市。横浜市は2014年3月に、市庁舎の3カ所の喫煙所を廃止して屋上1カ所にし、屋内を禁煙化。区役所では栄区のみが敷地内禁煙としており、他の17区役所は市庁舎と同じ屋内禁煙という。


(2016.8.11)
 車内でたばこ、やけどで重傷 冷却スプレーに引火か
朝日新聞デジタル 8月5日
 
 4日午後3時10分ごろ、名古屋市港区中川本町2丁目の路上で、軽貨物車を運転していた20代の男性が車内でたばこを吸おうとして火を付けた際、男性と助手席の20代の男性の体に火が付いた。港署によると、2人は病院に運ばれたが、顔などをやけどする重傷を負った。
 
 署によると、運転手の男性はたばこに火を付ける前、冷却スプレーを使用していたらしい。スプレーのガスに引火したと見て、詳しい原因を調べている。
 
 国民生活センター(東京)によると、スプレー缶の事故は全国にあるという。署は「この時期、使用する機会も増えるため、注意して欲しい」と呼びかけている。


(2016.8.11)
 小学校長“隠れたばこ”で減給処分 禁煙校内に「喫煙所」
西日本新聞 8月5日
 
 福岡市教育委員会は5日、全面禁煙の学校敷地内のプレハブ小屋を「喫煙所」として使った上、部下の教職員を誘って喫煙させていたとして、城南区の男性小学校長(52)を減給10分の1(1カ月)の懲戒処分にした。市教委が学校内禁煙を決めた2005年以降、喫煙に伴う処分は初めて。
 
 市教委によると、校長は15年5月から、始業前と放課後にそれぞれ1、2本喫煙。「ちょっと行こうか」などと教職員2人に声を掛けて誘っていた。小屋は工具置き場などに利用。市教委は、教職員2人と、ほかに小屋で喫煙した用務員4人を厳重注意処分とした。
 
 今年5月、市教委に匿名の手紙が届いて発覚。「校長になり、以前のように敷地外で吸うと地域の目が気になった」と話しているという。市教委は、市の懲戒処分の指針で個人が特定できる情報を明らかにするケースではないとして、氏名や校名は発表していない。


(2016.8.7)
 藤沢市 受動喫煙防止推進 独自ガイドライン 県内市町村で初、10月1日施行 /神奈川
毎日jp 8月6日
 
 藤沢市は、受動喫煙防止を推進するためのガイドラインを独自に策定した。県受動喫煙防止条例を踏まえた指針で、県内の市町村では初めて。10月1日から施行する。ただ、県条例のような罰則規定はなく、市は「あくまで目指す姿なので、市民や関係団体の理解を得ながら取り組んでいきたい」としている。
 
 ガイドラインでは、未成年者や妊婦・有病者が多く利用する医療機関、児童施設、学校、大学などの施設を屋内外を含む敷地内禁煙とし、屋内禁煙の県条例より規制を強めた。
 
 百貨店や集会場など特に公共性の高い施設では敷地内または屋内禁煙とし、飲食店など公共性の高い場所では敷地内もしくは屋内禁煙か分煙とした。また、不特定多数が利用する道路、公園など屋外の公共的な場所では禁煙を求めている。
 
 市は、公的施設などでの禁煙環境について今後も現状把握を続ける方針で、この取り組みの進捗(しんちょく)状況や国の施策をみながら随時見直しを検討するという。【鈴木篤志】


(2016.8.7)
 東京五輪で「屋内全面禁煙」実施!? 知るべき受動喫煙リスク
DOCTORS ME 8月5日
 
 東京五輪が屋内全面禁煙になる可能性が検討されているとニュースになり、受動喫煙の健康リスクに対して関心が高まっています。
 
 乳幼児や妊婦への悪影響も懸念され、年々増加する受動喫煙の死亡率に警鐘を鳴らし、東京五輪開催を機に国をあげて動き出したようです。
 
 今回は、日常の受動喫煙がどのように体に影響するのかを医師の意見と共にまとめてみました。 
 
 4年後の開催を控えた東京オリンピック。国際オリンピック委員会が「タバコのない五輪」を目指していることから、日本も他の開催国と同じように「屋内全面禁煙」が検討されていることが分かり、賛否両論の意見が交わされました。
 
 厚労省は5月に受動喫煙による死亡者は年間1万5000人と発表し、受動喫煙対策をすすめており、東京オリンピックまでにどのような法的措置が取られるのかが注目されます。
 
 私たちの生活に受動喫煙がどのように健康被害を及ぼすのか、医師が専門的に解説します。
 
受動喫煙による体への影響
すぐにあらわれる症状
 タバコの煙そのものや、煙に含まれる有害物質の刺激性などによって、受動喫煙をしてしまうとすぐにあらわれることのある症状には次のようなものがあります。
・目の痛みやのどの痛み、違和感
・ドキドキする感じ(心拍数の上昇)
・咳が出る
 
長期的にあらわれる症状
 副流煙に含まれる有害物質を吸い続けることにより、以下のような病気を発症するリスクが高まることも知られています。
・喘息
・心筋梗塞や狭心症
・脳梗塞
・肺がん
 
受動喫煙による死亡者数が多い病気ランキング TOP3
1位:脳卒中
 主に脳の血管が詰まる脳梗塞と、脳の血管が破れることによって出血する脳出血やくも膜下出血などが含まれます。
2位:虚血性心疾患
 心筋梗塞と狭心症がメインになりますが、心筋梗塞による死亡者が多くなっています。
3位:肺がん
 肺にできる悪性腫瘍で大きく4種類ほどに分けられます。
 
乳児や妊婦の受動喫煙被害数が増加傾向に…そのリスクの高さとは
 乳児やタバコを吸わない女性、妊婦さんなどがたばこの煙にさらされることで、本人は吸っていないたばこの煙が体内に流れ込んで有害物質を吸収してしまうことになります。
 
 それが原因で流産や早産、乳幼児突然死症候群が起こりやすくなったり、生まれてきた赤ちゃんが低出生体重児である確率が高まったりすることが医学的に証明されています。
 
 また、子供のぜんそくの発症や、中耳炎や小児がんの発症にも関わっているといわれます。
 
海外と日本の受動喫煙に対する意識の差
 海外、いわゆる先進国では日本に比べはるかに受動喫煙対策が進んでおり、多くの国で「屋内全面禁煙」を違反した場合には法的な処罰を定めたうえで実施しています。
 
 実際に2010年以降のオリンピック開催国は、罰則つきで「屋内全面禁煙」を決定しています。
 
 日本ほど受動喫煙の対策が「甘い」国家は、少なくとも先進国ではありません。
 
分煙なら安全?分煙の受動喫煙リスク
 例えばレストランを喫煙席とそうでない席に分けたり、多くの人が出入りする建物、例えば駅や空港、役場などに喫煙のための隔離されたボックスを設けているケースをよく見かけます。
 
 ただ、出入りするたびにボックスから煙が漏れたり、ボックス自体も完全に煙が漏れるのを防ぐような構造にはなっておらず、やはり受動喫煙のリスクは避けられないものと思われます。
 
気になる医師の喫煙率はどれくらい?
 医師の喫煙率は、少し前になりますが、2012年に「日本医師会」で実施したアンケートでは以下のデータがあります。
■男性医師:12.5%
■女性医師:2.9%
 
まとめ
 タバコの良い面として、ストレス解消やNK細胞が活性化するという話はあります。しかし、特に子供などの受動喫煙の問題を考えると、やはり東京五輪の「屋内全面禁煙」に関しては、時代の流れや健康被害などの観点から、当然の処置ではないかなと思います。
 
 賛否両論の意見が飛び交う中、今後の動向に注目していきたいですね。 (監修:Doctors Me 医師)


(2016.8.4)
 JT、煙る次世代たばこ対応
日本経済新聞 電子版 8月4日
 
 日本たばこ産業(JT)に難敵が立ちふさがっている。火を使わず煙も出ない次世代たばこ「蒸気たばこ」だ。最大のライバルである米フィリップ・モリス・インターナショナル(PMI)が蒸気たばこ「アイコス」を昨秋から日本市場に投入し、急速にシェアを伸ばしている。1〜6月期決算では米国外事業を買収したナチュラル・アメリカン・スピリット(アメスピ)の貢献もあり好調だったJTだが、次世代化の波にどう対応するかが次の焦点になってきた。
 
 「最近はこればっかりですよ」。東京都内で飲食店を営む30歳代の店主はアイコスを愛好している。先端は紙巻きたばこの吸い口のようになっており、内部で加熱したタバコの葉の蒸気を普通のたばこのように吸って使う。葉が燃えないため副流煙や灰が出ず「たばこを吸わない妻が隣にいても迷惑がられない」と喜んでいる。
 
 アイコスのシェアは都市部の若者を中心に急速に拡大している。7月19日(米国時間)にPMIが発表した1〜6月期決算によると、アイコスの日本市場でのシェアは紙巻きたばこと蒸気たばこを合わせたベースで2.2%だった。1〜3月期は0.8%だったことを考えると「驚異的ペースでの成長」(国内証券アナリスト)だ。
 
JTは蒸気たばこ「プルームテック」を販売してはいるが……
 アイコスの成長とは逆に、紙巻きたばこの国内需要は落ち込んでいる。6月は前年同月比5.2%減った。JTの宮崎秀樹副社長も「アイコスに紙巻きたばこの需要が食われている面がある」と影響を認める。
 
 JTが1日に発表した2016年1〜6月期決算(国際会計基準)では、アイコスの影響はまだ色濃くない。ここ数年横ばいだった国内シェアは、アメスピの買収効果で61.1%と1.2ポイント上昇。高単価のアメスピの伸びが貢献し、国内たばこ事業の営業利益(不動産売却益など特殊要因を除いたベース)は3%増えた。円高の逆風を跳ね返し、純利益も17%増加。16年12月期通期の業績予想も上方修正した。
 
 ただ、国内たばこの通期での販売本数の見込みは従来予想から10億本引き下げた。「一部はアイコスの伸びを考慮したもの」(宮崎副社長)という。たばこ次世代化の波は少しずつ業績にも影を落とし始めている。
 
 一方、JTの次世代たばこ対策はうまくいっているとは言い難い。3月には蒸気たばこ「プルームテック」を発売したが、注文殺到で安定供給ができず、わずか1週間で出荷停止を余儀なくされた。6月下旬から福岡市内とオンラインショップでの販売を再開したが、1店舗に対する出荷は1週当たり6個と制限がかかっている。現段階では全国販売のメドは立っていないという。
 
 市場の視線は厳しい。紙巻きたばこの販売減への懸念から、PMIの1〜6月期決算発表後にJTの株価は下落。3日終値はPMIの決算発表前と比較すると1割弱下落とさえない。「JTはたばこ次世代化でPMIに後れを取った」(国内証券アナリスト)との市場の見方を払拭できずにいる。
 
 JTは19年度までに数百億円程度を蒸気たばこの生産設備などに投資し、プルームテックの安定供給体制を整える考え。「数年以内に蒸気たばこ市場でもトップに立つ」(宮崎副社長)と意気込む。だが、アイコスが急ピッチで成長するなか、全国販売できない現在の状況が続けば続くほどアイコスとの差は広がる。その差が致命傷になりはしないか――。好決算でも伸び悩む株価は、そんな懸念を反映しているかのようにも見える。 (証券部 川路洋助)


(2016.8.3)
 がん発症率に地域差…食習慣や喫煙率など影響
YOMIURI ONLINE YomiDr 7月20日
 
肝臓がんは西日本、胃がんは東北・日本海側
 乳がんは東京、肝臓がんは西日本――。国立がん研究センターが6月末に発表した、がん患者の2012年の全国推計で、都道府県ごとに発症する割合が異なることがわかった。こうした地域差は、なぜ生まれるのだろうか。
 
 推計によると、12年に新たにがんと診断されたのは、86万5000人。今回、47都道府県のがん登録データが初めてそろい、がんの発症率を都道府県で比較することが可能になった。
 
 全国平均を100として年齢などを調整して算出した発症率をみると、がん全体では、男性が秋田、和歌山、石川、鳥取、福岡、島根各県と東京都で、女性は東京都、福岡、石川各県で発症率がそれぞれ110以上と高かった。
 
 乳がんは東京都が133と突出していた。乳がんは女性ホルモンのエストロゲンに長くさらされているほど発症しやすく、出産直後はエストロゲンの分泌が抑えられ、危険性が下がるとされる。
 
 「東京で乳がんが多いのは、結婚年齢が高く出産を経験していない女性が多いことが影響している可能性がある」と、同センター全国がん登録室長の松田智大さんは指摘する。ほかに都会生活によるストレスの影響を指摘する声もある。
 
 肝臓がんは福岡、佐賀、和歌山、大分各県で男女共に130を超え、全体的に西日本に偏っていた。これらはC型肝炎ウイルスの感染者が多い地域と重なる。
 
 このほか、胃がんは食塩の摂取量が多い東北地方や日本海側で増える傾向にあった。肺がんは北海道や北東北、近畿、北九州地方で多く、喫煙率の高い地域とおおむね一致した。
 
 一方、大腸がんは北海道や、東北、中部地方で発症率が高かったが、明確な理由はわからないという。
 
 松田さんは「がんは単一の要因で発症するわけではないので、原因を明らかにするのは難しい。居住地の発症率で一喜一憂するのではなく、喫煙や飲酒を控えるなど、科学的根拠に基づいた予防法を続けることが大切だ」と話している。
 資料は、国立がん研究センターのホームページ
で見ることができる。
 
全国のデータ登録、論理的な分析、対策へ
 がんの地域差の情報は、都道府県のがん対策に役立つのだろうか。
 がん対策に詳しい国際医療福祉大学教授の 埴岡 健一さんによると、がんの死亡率が高い地域は、〈1〉発症率も高い〈2〉発症率は低い――の2通りに分けて考えると問題が見えてくるという。
 〈1〉の場合は高い発症率が死亡率の高さにつながっているとみられ、食生活や生活習慣の改善による予防に力を入れる必要がある。
 〈2〉は、検診が普及しておらず、がんが早期に見つけられていない可能性がある。あるいは地域の医療機関のがん治療成績が悪いことも考えられる。
 
 埴岡さんは「これまでは感覚的に分析せざるを得なかったが、根拠をもって論理的に対策が取れるようになった」と話す。
 
 死亡率が全国最悪の青森県は、発症率は全国平均と大きく変わらないことがわかっている。弘前大学准教授の松坂方士さんらは、がん検診の受診率は高いのに、早期発見につながっていない点を問題視。検診の精度や、各市町村が再検査の受診勧告を行っているかなどを調べ始めた。
 
 松坂さんは「がん登録の結果から課題を洗い出し、有効な対策につなげたい」と話している。
 
 今年1月には、患者情報を一元管理する「全国がん登録」が始まった。都道府県で精度にばらつきがあった点が改善され、質の高い情報が集まり、丁寧ながん対策につながることが期待されている。 (森井雄一)


(2016.8.3)
 久留米学園 暴力と喫煙で対外試合禁止 学生野球審査室会議
スポニチ・アネックス 7月29日
 
 日本学生野球協会は29日の審査室会議で高校14件、大学1件の処分を決め、久留米学園(福岡)は部員の部内暴力と喫煙で7月21日から3カ月の対外試合禁止となった。
 
 部員の喫煙で全国高校選手権の佐賀大会準決勝を辞退した龍谷は上申書が届いておらず、審査は次回以降となった。


(2016.7.30)
 <JR東>仙台駅東に14階建てホテル全室禁煙
ヤフーニュース(河北新報) 7月29日
 
 JR東日本仙台支社は28日、仙台駅東口に2017年夏に開業するホテルの名称を「ホテルメトロポリタン仙台イースト」に決定したと発表した。客室数は282室で、JR東グループのホテルとしては初めて全室禁煙とした。
 
 ホテルは14階建て。5階以上が客室層で、全体の約6割に当たる173室がシングルルーム。ベッド幅は160センチで、駅西口のホテルメトロポリタン仙台のベッドよりも20センチ広い。全室でバスルームとトイレを別にし快適性を高めた。
 
 3階にはレストランを配置。4階には宿泊者専用のラウンジを備えて観光情報などを提供するほか、外国人観光客からの要望が多いフィットネスルームも設ける。1、2階は商業施設が入る予定。
 
 コンセプトは「東北六感 SENSE OF TOHOKU(センス・オブ・東北)」。東北のゲートウエーにふさわしいホテルを目指し、地域性が感じられるインテリアデザインを採用するなどした。
 
 西口のメトロポリタン仙台と同様、仙台ターミナルビル(仙台市)が運営する。JR東日本仙台支社は「シングルルーム数をメトロポリタン仙台より約2割増やし、すみ分けを図った。ビジネスや観光など幅広いニーズに応えていきたい」と話している。


(2016.7.29)
 男性の喫煙率初めて3割割れ、喫煙者率も過去最低19・3% JT調査
ヤフーニュース(産経新聞) 7月28日
 
 日本たばこ産業(JT)が28日発表した平成28年の「全国たばこ喫煙者率調査」で、20歳以上の成人男性の喫煙者率が対前年比1・3ポイント%減の29・7%で、昭和40年の調査開始から初めて30%を割り込んだ。成人女性は同0・1ポイント増の9・7%。男女計は0・6ポイント減の19・3%で過去最低となった。

 JTによると、高齢化の進展や健康意識の高まりや喫煙できる場所が減るといった規制の強化に加え、4月に一部銘柄で値上げしたことも響いたとしている。


(2016.7.26)
 青森)学校の敷地内禁煙進まず 私立高の実施は6割未満
朝日新聞デジタル 7月23日
 
 県内の大学や短大、高等専門学校計17校のうち敷地内禁煙を実施しているのは13校(76・5%)、私立高校17校では10校(58・8%)で、いずれも昨年と同数だった。医師らで作る市民団体「県タバコ問題懇談会」が調べた。
 
 昨年に続き2回目の調査で、4月に県内の11大学、5短大、1高専、私立高校17校を対象に実施。回答率は100%だった。
 
 調査結果によると、大学や短大、高専で敷地内禁煙を実施していないのは、東北女子大、八戸学院大、八戸工業大、八戸学院短大の4校で、いずれも建物内禁煙だった。また学生寮がある12校のうち、10校は敷地内禁煙で1校が建物内禁煙だったが、弘前大の学生寮の敷地内では禁煙・分煙の措置がされていなかった。
 
 同懇談会の事務局担当者は「八戸市内の大学、短大でいずれも敷地内禁煙が実施されておらず、青森市や弘前市の大学と比べて対策が遅れている」と指摘。八戸学院大・同短大は今年度末に敷地内禁煙の実施を予定しているといい、可能な限り実施時期を前倒しするよう求めた。また、敷地内禁煙の実施校数が昨年と変わらなかったことについては、「新たに実施した施設はなく、期待に反する結果」とした。
 
 一方、私立高校では、五所川原商業、東奥義塾、向陵、八戸工業大学第二の4校が建物内禁煙で、弘前学院聖愛、弘前東、千葉学園の3校が建物内分煙だった。このうち、千葉学園は年内に敷地内禁煙を実施する予定という。同懇談会の事務局担当者は「2003年の健康増進法施行後、04年には県立高校が敷地内禁煙になったにもかかわらず、昨年に引き続き私立高校の実施率が6割を切っているのは大きな問題だ」とした。
 
 これに対し、敷地内禁煙を実施していない高校の担当者は取材に「保護者や生徒、教職員から苦情がきたことはない。敷地内禁煙にすることで来校した保護者などが校門のすぐ外で喫煙しているようなこともない」と話した。敷地内禁煙化の予定はないという。(姫野直行)
 
■ 県内の大学、短大、高専、私立学校の敷地内禁煙化実施状況
大学、短大、高等専門学校
 敷地内禁煙
  弘前大、県立保健大、青森公立大、青森大、青森中央学院大、
  弘前医療福祉大、弘前学院大、北里大獣医学部、青森中央短大、
  青森明の星短大、東北女子短大、弘前医療福祉大短期大学部、
  八戸工業高専
 建物内禁煙
 東北女子大、八戸学院大、八戸工業大、八戸学院短大
 
私立高校
 敷地内禁煙
  東奥学園、青森山田、青森明の星、松風塾、五所川原第一、
  柴田女子、八戸学院野辺ち地西、八戸聖ウルスラ学院、
  八戸学院光星、八戸工業大学第一
 建物内禁煙
  五所川原商業、東奥義塾、向陵、八戸工業大学第二
 建物内分煙
  弘前学院聖愛、弘前東、千葉学園


(2016.7.26)
 在宅酸素療法、火災が5年で24件…22人死亡
YOMIURI ONLINE 7月23日
 
 肺の病気のため酸素吸入をする在宅酸素療法が原因とみられる火災が、この5年間で計24件あり、患者22人が死亡したことが、一般社団法人「日本産業・医療ガス協会」のまとめでわかった。
 
 吸入中の喫煙が原因となるケースも多く、同協会や厚生労働省は近くで火を使わないように呼びかけている。
 
 在宅酸素療法では主に、酸素濃縮装置から鼻につないだチューブを通し酸素を吸入する。長年の喫煙が原因で肺が酸素を取り込みにくくなる慢性閉塞性肺疾患(COPD)や、肺結核の後遺症の患者ら約16万人が受けている。
 
 同協会のまとめによると、2012〜16年6月に患者宅で起きた火災は、14年の7件を最多に計24件あった。


(2016.7.25)
 佐賀・龍谷高、喫煙で県大会辞退
西日本新聞 7月22日
 
 佐賀市の私立龍谷高校は22日、複数の野球部員が部室で喫煙したとして、24日に行われる全国高校選手権佐賀大会の準決勝出場を辞退すると、県高野連に伝えた。部室で21日に火事があり喫煙が判明した。


(2016.7.25)
 韓国の飲食店全面禁煙は「合憲」 憲法裁判所が判断
ソウル聯合ニュース 7月21日
 
 昨年1月から施行された全ての飲食店における全面禁煙政策について、飲食店の経営者が違憲性を問うた訴訟で、韓国憲法裁判所は21日までに合憲の判断を下した。
 
 同裁判所と保健福祉部によると、国民健康増進法と同法施行規則に伴う飲食店の全面禁煙について憲法栽の裁判官9人全員が合憲と判断した。
 
 国民健康増進法は第9条4項で保健福祉部令(施行規則)として決められた広さ以上の一般飲食店などについて、禁煙区域を指定するよう定めている。同法施行規則は6条で禁煙区域指定対象を段階的に拡大し、昨年1月1日から全ての営業所を禁煙区域に指定すると定めた。
 
 これに対し飲食店経営者は昨年8月、「飲食店の全面禁煙による被害発生について正当な補償がないため財産権が侵害されたほか、飲食店を自由に運営することが制限され幸福追求権も侵害された」と訴えていた。
 
 憲法裁判所は決定文で「関連条項が飲食店の施設や設備などの撤去、変更を強制するものではないため財産権と幸福追求権を侵害したとは言えない。受動喫煙を通じた健康上の脅威から飲食店に滞在する人々を保護するための立法であるため目的の適切性も認められる」とした。
 
 飲食店経営者は「全ての飲食店を禁煙区域に定めたのは一定規模以上の飲食店に限って禁煙区域指定義務を賦課するとした法律の立法趣旨に反する」と主張したが、憲法裁判所はこれを認めなかった。
 
 禁煙区域に関してはこれまでほかに3件の訴訟があったが、全て合憲の判断が下されている。


(2016.7.25)
 湘南工科大学 構内全面禁煙の実施について
湘南工科大学 7月20日
 
学生各位
                       学生部長 森井 亨
 構内全面禁煙の実施について平成 28 年 10 月 1 日(土)から、本学及び本学附属高校の建物を含む敷地内全面禁煙を実施いたします。本年度初頭に告知したとおり、健康増進法を基に制定された、神奈川県受動喫煙防止条例の厳格化を骨子とした『藤沢市公共的施設等における受動喫煙防止を推進するためのガイドライン』が策定され、10 月 1 日から施行される。この措置は、4 年後の東京オリンピック・パラリンピック開催に向け、セーリング競技会場である藤沢市が禁煙モデル地区として世界に発信する好機であると考える。これに従い、本学においても構内全面禁煙とし、屋外の喫煙所を全廃すると共に、建物、体育施設等屋内外を含む大学・附属高校の敷地内での喫煙を認めないこととする。教職員・大学関係者及び本学に在籍する全学生、院生はこれを遵守すること。なお、来校する部外者へも十分に説明し、理解とご協力を頂くことになる。本学は、学びの場として健康増進を目的に、出来ればこれを機に禁煙を勧める。以上
 
(意見)藤沢市のガイドラインの影響および東京オリンピック・パラリンピックとの関わりで、湘南工科大学の敷地内禁煙が実現したのですね。素晴らしい事例です!!


(2016.7.21)
 湘南工科大学 【学生課】構内全面禁煙の実施について
湘南工科大学 7月20日
 
 平成28年10月1日(土曜日)から、本学及び本学附属高校の建物を含む敷地内全面禁煙を実施いたします。


(2016.7.21)
 仕事の生産性は健康から 伊藤忠、メタボ対策や禁煙支援
朝日新聞デジタル 石橋亮介 6月10日
 
 朝型勤務で早く出社すると、社員食堂で無料の朝食を受け取れる=東京都港区、伊藤忠商事提供
メタボ気味な若手社員の生活管理、禁煙治療費の会社負担――。大手商社の伊藤忠商事が、社員に健康管理を促す取り組みを次々と打ち出している。社員の「健康力」を、生産性アップにつなげるねらいがあるという。
 
 2013年に午後8時以降の残業を禁じて早朝出勤を促す「朝型勤務」を導入するなど、伊藤忠は働き方改革に取り組んでいる。朝型勤務で社員の総残業時間は12%減ったが、16年3月期決算は純利益が国内業界トップになり、効率よくもうけている。
 
 そこで、取り組みを強化することにした。メタボ対策では、35歳以下で太り気味の社員に、歩数や睡眠時間などを自動で測る携帯型の活動量計を無料で配る。管理栄養士に日々の食事の写真を送れば、指導を受けられるようにもする。
 
 ログイン前の続き禁煙治療では、通常3割の自己負担費用を会社が肩代わりする。
 
 また、東京・青山の本社まで通勤に1時間以上かかる4カ所の独身寮を、約30分で通える新しい独身寮に集約する。通勤のストレスを和らげ、新独身寮が備えるジムやサウナ、朝夕の食事を通じ、心身両面でサポートするという。
 
 人事・総務部の垣見俊之部長は「心身ともに健康でいてこそ仕事に没頭できる。企業価値の向上にもつながる取り組みだ」と話す。こうした会社の姿勢を示す「憲章」も定めた。(石橋亮介)


(2016.7.21)
 たばこ販売、1万店割れ 四国の昨年度末、個人の廃業多く
日本経済新聞Web刊 6月24日
 
 四国財務局がまとめた2015年度の四国4県のたばこ小売販売業に関する調査によると、同年度末のたばこ小売店数は前年度比2.3%減の9842店だった。減少は14年連続。後継者不足や喫煙率低下の影響で個人経営の廃業が多い。ピークの01年度(1万2786店)以降、初の1万店割れとなった。
 
 15年度の販売許可は前年度に比べ同33.9%減の191件。許可は店舗ごとに受ける必要があり、コンビニエンスストアの出店も落ち着いてきたことから大幅減となった。廃業は同0.9%減の425件で、経営者の高齢化が目立つ個人経営が6割を占めた。
 
 許可を加え廃業を差し引いた小売店数は234店減って9842店。県別にみると、愛媛が3431店と最も多く、香川が2213店、徳島2116店、高知2082店となり、いずれも2〜3%減となった。
 
 財務局は「今後も個人経営を中心に廃業が進み、全体の減少傾向は続く」とみている。


(2016.7.18)
 6月のたばこ販売本数5.2%減 メビウス値上げ響く
日本経済新聞Web刊 7月15日
 
  日本たばこ協会(東京・港)が15日発表した6月のたばこ販売本数は 前年同月比5.2%減の146億本だった。販売金額は3158億円と同 4.2%落ち込んだ。日本たばこ産業(JT)の販売本数は同4.6%減の 88億本。4月に値上げしたメビウスの影響が残り、販売本数が伸び悩 んだ。


(2016.7.18)
 スタバ、日本進出から20年 喫茶店文化の変容促す
朝日新聞デジタル 7月15日
 
 日本1号店で最初に売れたという「ダブルトールラテ」を手にするスターバックスコーヒージャパンの水口貴文CEO=東京都中央区
 
 スターバックスコーヒーが日本に進出して今年で20年。完全禁煙の店づくりや、こだわりのコーヒーをゆっくり楽しむスタイルを提案し、「喫茶店文化」を変えた。ただ、コーヒー市場のすそ野が広がったことで、コンビニなどが相次いで参入しており、競争は厳しさを増しそうだ。
 
 【写真】スターバックスコーヒーと国内コーヒー市場の20年
 
 スターバックスコーヒージャパンの水口貴文・最高経営責任者(CEO)は14日、都内で日本進出20年を踏まえた記者会見を開いた。「交流の場から個々の空間を求めるお客が増えた」と、1996年8月2日に1号店を東京・銀座に出店してからの変化を振り返った。
 
 スターバックスは米西海岸の都市シアトルで生まれたコーヒーチェーンだ。そのスタイルはカウンターでカップの大きさを選んでコーヒーを頼み、店内だけでなく店外に持ち出しても飲む。濃いエスプレッソをミルクで割った「カフェラテ」を看板商品に掲げた。
 
 喫煙ができて、様々な軽食も提供する日本の一般的な喫茶店よりも斬新で、若者や女性の支持を獲得。コーヒーだけでなく、果物のフレーバーを使ったフラペチーノやケーキなどの新商品も次々に打ち出した。昨年5月に鳥取市に出店し、47都道府県全てに展開。国内の喫茶店業界の大きな一角を占めるようになった。
 
 スタバが入って以来、国内の従来型の喫茶店が姿を変えた。「タリーズ」や「シアトルズベスト」などスタバと同じシアトル系と呼ばれるコーヒーチェーンも拡大。最大手のドトールも喫煙ができて手頃な価格のコーヒーを提供する店舗が中心だったが、99年に本格的なエスプレッソを扱う「エクセルシオールカフェ」を出すなど新しい形態の店舗を展開し始めた。


(2016.7.17)
 受動喫煙で会社が訴えられる場合も!? 今こそ徹底したい分煙対策
節約社長 7月12日
 
他人が吸ったタバコの副流煙を強制的に受動喫煙させられるのは、嫌な人にとっては非常に不快なことです。しかし、受動喫煙させられた側が、もしも副流煙が原因で病気になったら大問題となります。裁判に訴えられるケースも生じているからです。会社全体で、真剣に受動喫煙問題を考える時代が到来しているようです。
 
喫煙率の低下と共に職場の受動喫煙防止に対する意識が高まる
 
たばこ産業の「平成26年全国たばこ喫煙者率調査」によると、成人男性の平均喫煙率は30.3%でしたが、これは昭和40年以降のピーク時(昭和41年)の83.7%と比較すると、48年間で実に53ポイント減少したことになります。
 
信じられない方もいるかもしれませんが、一昔前なら、デスクで仕事中であろうと、電車のどこの座席に座っていようと、喫煙者はタバコを自由に吸うことができました。でも、今はそんな風景は見られなくなりましたよね。このように、日本における喫煙率が著しく低下すると同時に大きな問題となっているのが、受動喫煙の問題です。
 
受動喫煙とは、ほかの人が吸うタバコによって生じた副流煙(タバコの先から出ている煙)や、呼出煙(タバコを吸う人が吐いた煙)を元にした有害物質を含んだ煙を吸うことです。間接喫煙という呼ばれ方もしていますね。ほかに、二次喫煙、セカンドハンドスモークと呼ばれることもあります。
 
労働安全衛生法(以下、安衛法)の改正によって、平成27年6月1日からは、職場での「受動喫煙防止対策」が事業主の努力義務になりました。
 
厚生労働省が実施する支援事業・厚生労働省資料(PDF)より
 
厚生労働省では、これに関して企業への支援もしていますので、ぜひ活用してみてください。近年では受動喫煙を理由に疾病した場合、裁判で訴えられるケースも発生しているからです。そこで今日は、受動喫煙に対して、企業が何も対策を打たないことのリスクを、ご紹介したいと思います。
 
安全配慮義務を怠ると罰則と賠償金の支払いリスクが生じる
 
平成20年3月から施行された労働契約法の第5条では、会社が労働者の安全に対して配慮することについて書かれています。事業主が労働者に対して負う安全配慮義務とは、事業主と労働者が労働契約をしていれば、ほかに特別な規定をしなくても、事業主は労働者を危険や有害なものから保護しなければいけないというものです。この安全配慮義務において、近年重要視されているのが、受動喫煙に対する企業の防止措置義務です。というのも、事業主がタバコを吸わない人への安全配慮義務を果たしていないケースが、まだまだ散見されています。ところが、会社が受動喫煙対策をとらないと、事業主は、安全配慮義務に違反した場合、労働基準法、安衛法(第22条、23条、71条の2)の罰則を受け、それに加えて訴えられたあげく、高額の損害賠償金を請求される可能性があることさえあるのです。次項では、受動喫煙に対する安全配慮義務を怠ったがゆえに、裁判で訴えられたケースをご紹介したいと思います。
 
受動喫煙による裁判では700万円の支払いも
 
古くから受動喫煙に関係する裁判はありましたが、健康増進法が施行されたことで、受動喫煙の対策を講ずる努力義務が明文化されました。先述の通り、この法律に違反しても罰則はありませんが、努力義務を怠った場合、裁判に訴えられる可能性があります。厚生労働省が発表した受動喫煙をめぐる訴訟の動向によると、2004年7月に受動喫煙で初の賠償命令(5万円)が出て、2009年4月には受動喫煙に対して700万円での和解が成立したという判例もあります。
 
1980年の嫌煙権訴訟は、タバコを吸わない人の権利を主張する問題提起型の訴訟とは、内容が変化していることにも留意すべきです。損害賠償額の多少も気になるところですが、対外的な影響を考えても、事業場内では受動喫煙の防止も含めて、安全配慮義務を果たすことが賢明となります。実際、この訴訟後、公共施設での禁煙や分煙が進むようになってきましたし、大手企業においても受動喫煙を防止する措置を講ずる企業は増えてきました。
 
受動喫煙の防止措置は視点を変えれば快適な職場環境を作ることに繋る
 
では、これらの訴訟リスクを避けるために、事業者はどのような対策を打つべきなのでしょうか? まず、もしも労働者から受動喫煙に関する苦情を受けた時には、誠意をもって対応するようにしましょう。勤務中のタバコによる体調の悪化や、健康診断による異常の発見などは、決して問題を放置してはなりません。
受動喫煙の防止に関して、努力義務が設定されたことの意味をよく考えて、事業場内の禁煙、分煙を徹底してください。受動喫煙の防止は、喫煙しない人が多くなった世の中で、優秀な労働者を雇用する上でも、これからの時代に必要な措置です。また、受動喫煙の防止措置は、別の視点で見れば、労働者が健康的な環境で就業できるように、適切な環境を整えることにつながります。訴訟を恐れるのではなく、労働者の健康が会社の健康につながると考えて、早期の検討をお勧めいたします。


(2016.7.15)
 都知事選出馬4氏、東京五輪「全面禁煙を」「経費最小限に」 
日本経済新聞Web刊 7月13日
 
 東京都知事選(14日告示、31日投開票)への出馬を表明した4氏が日本記者クラブで共同記者会見し、2020年五輪・パラリンピックへの取り組みを説明した。
 
 共同記者会見で握手する(右から)増田氏、鳥越氏、小池氏、宇都宮氏(13日午後、東京都千代田区)
 
 増田氏は「費用負担やスケジュールを聞いて早急に中身を明らかにし、強力に執行する体制を作る」と話した。宇都宮氏は「経費を最小限に抑えるべきだ」として「無駄を省いて都民の生活を充実させるために使う」と述べた。
 
 小池氏は「五輪では、たばこフリー(禁煙)を世界的にやっている」として東京大会でも踏襲する方針を示した。鳥越氏は「国際的に輝かしい美しい都とアピールする絶好の機会」と強調した。


(2016.7.10)
 受動喫煙防止で独自ガイドライン 藤沢市、神奈川県内で初めて
 ヤフーニュース(カナロコ by 神奈川新聞) 7月9日
 
 藤沢市は、公共施設や不特定多数の利用者のいる施設での受動喫煙防止を進めるため、独自のガイドラインを県内で初めて策定した。県受動喫煙防止条例を補完するものだが、法的拘束力や罰則はなく、あくまで「目指す姿」を定めた指針との位置付け。10月1日から施行する。
 
 ガイドラインでは、施設の種別に禁煙や分煙などの方針を規定。「未成年者や妊婦・有病者が多く利用する施設」(医療機関、児童施設、学校、大学など)は敷地内禁煙とし、屋内禁煙としている県条例より一歩踏み込んだ。
 
 劇場や百貨店、駅、福祉施設など「特に公共性の高い施設」は敷地内禁煙または屋内禁煙に、飲食店や遊戯関連の「公共性の高い施設」に関しては、敷地内禁煙、屋内禁煙、分煙のいずれかを選ぶとした。
 
 また、県条例に規定のない「屋外の公共的な場所」(道路、駅前広場、公園など)についても、禁煙とした。ただ、禁煙が困難な場合は、受動喫煙防止に十分に配慮して喫煙所を設置するともした。
 
 市は2015年3月に健康増進計画(第2次)を策定。受動喫煙防止の取り組みについても必要性が明記され、市は県条例を補うガイドラインづくりを進めてきた。


(2016.7.6)
 タバコの警告表示 画像10種が最終確定/韓国
KBS WORLD Radio 6月23日
 
 タバコの有害性を消費者に伝えるために、ことし12月23日からタバコのパッケージに表示される予定の警告画像10種が決まりました。

 画像は、発症部位である、肺がん、喉頭がん、口腔がん、心臓疾患、脳卒中をデザイン化したものと、間接喫煙、妊婦の喫煙、性機能障害、肌の老化、早期死亡を警告する画像、あわせて10種類で、保険福祉部は、激しい嫌悪感を与えない程度で禁煙に効果的な画像を選んだとしています。

 この警告画像は、タバコのパッケージの前面と背面それぞれ30%以上の面積を使って表示される予定で、24か月周期で変更されるということです。タバコのパッケージの警告表示は、喫煙の有害性を消費者に伝えるためのもので、2001年にカナダで初めて導入されて以来、現在は世界101か国で施行されています。


(2016.7.6)
 市政レポートNo.76市職員の喫煙に人件費"8億円"損失!?
 川崎市議会議員 おしもと よしじ
タウンニュース 7月1日
 
 本市職員が勤務時間中、タバコを吸うことの労働損失は、年間8億円以上に上る―。そんな試算を市議会議場にて明らかにしました。 市職員は、地方公務員法に基づき、その勤務時間及び職務上の注意力のすべてをその職責遂行のために用いて職務に従事しなければならないとする”職務専念義務”が課せられております。この勤務時間中の喫煙について、市の見解は、「こうした義務を踏まえ、社会通念上認められる常識の範囲を逸脱することのないよう節度ある姿勢が必要」とするものの職員の自制任せで、これまで規則等を定めて来ませんでした。

 そういったことから私は、とある製薬会社が公表する喫煙による企業のコスト・シュミレーションの計算式を用い、本市職員の喫煙による労働損失額を算出した所、その額約8億4千万円超、1人あたりの年間喫煙時間による離席時間の合計は、日数にして18日分にも上ると指摘。これら数字を示した上で、こうした労働損失の観点も含め、非喫煙者との勤務時間の公平性や職員の健康管理からも勤務時間中の喫煙の是正に取り組むべきと副市長に質したところ「喫煙に対する社会全体の意識の変化に応じて、市民の信頼を損なうことがないような節度ある態度が、より一層必要」とし、再度の職務専念義務の自覚を促し、節度ある態度を周知すると応じました。

 愛煙者やたばこ販売を生業とする方にとっては、耳の痛い話であるかと存じます。しかしながら、市民の奉仕者である公務員については一般の職業と違い、納税者の市民からその働きぶりを厳しい目で見られております。大阪市・堺市といった他政令市でも勤務時間中の喫煙を禁止する取り組みが始まっています。本市においてもそのような事例を参考に効果等を検証し、職員の喫煙是正に向けて取り組みを進めて参ります。


(2016.7.5)
 立川駅周辺の指定喫煙場所、全て廃止へ  11日に実施
立川経済新聞 7月5日
 
 11日の廃止を前に、立川駅周辺でキャンペーンも展開された。
 
 立川市は7月11日に、立川駅周辺に設置中の指定喫煙場所を全て廃止する。
 
 2008年6月に「立川市安全で快適な生活環境を確保するための喫煙制限条例」が施行されて以来、立川市内全域では公共の場所での歩きたばことポイ捨てが禁じられている。立川駅周辺を中心とした半径250メートル以内の区域と、西国立駅を中心とした半径150メートル以内の区域では、立ち止まっての喫煙を含めた路上喫煙を全て禁止しているが、立川駅周辺の特定地区内には喫煙可能な指定喫煙場所を4カ所設置していた。
 
 しかし、市民や来街者からの受動喫煙などに関する苦情が増加し、現在の喫煙場所に効果的な受動喫煙防止策を講じることが難しいことや、適当な代替地がないといった理由から今回の4カ所の指定喫煙場所を全て廃止することになったという。
 
 今回の廃止に向けて、今年1月から地域団体への説明を開始し、4月から本格的に市民に広報。現在ある喫煙場所にも廃止を周知する看板を設置したほか、立川市喫煙マナーアップ実行委員会と協働でキャンペーンも展開している。立川市環境対策課の担当者は「指定喫煙場所の廃止までの間、地域や利用者に周知啓発を図っていく。廃止後も歩きたばこやポイ捨てが増えることが懸念されるので、指導などを強化し、立川駅の美観と快適性を確保していきたい」と話す。


(2016.7.5)
 大麻疑惑のスノボ2選手、スキー連盟が無期限の登録停止
朝日新聞デジタル 4月27日
 
 全日本スキー連盟は27日、スノーボード・スロープスタイル男子の強化指定選手2人が米国合宿中に大麻を使用したとして、無期限の連盟会員登録の停止▽無期限の連盟競技者登録の停止▽連盟強化指定選手の取り消し▽日本オリンピック委員会の強化指定の解除という四つの処分を下したと発表した。2人は国内外の大会に出場できなくなる。ともに未成年のため、名前や年齢は公表しなかった。プロ選手としての活動は制限されない。


(2016.7.5)
 大麻成分、脳に悪影響 神経回路の枝刈る? マウス実験
 朝日新聞デジタル 6月30日
 
大麻の成分が脳内で働くイメージ
・通常−大麻の成分に似た物質:不要な神経の配線を刈り込む
・大麻を摂取−大麻の成分:必要な神経の配線まで刈り込んでしまう
 
 大麻の成分をマウスに与えると、脳神経の回路に異常が起きることを、大阪大の木村文隆准教授(神経科学)らのチームが確認した。大麻の成分が脳に悪影響を与える仕組みを明らかにしたのは世界で初めてという。30日、米神経科学学会誌に発表した。
 
 大麻は合法化されている国もあるが、記憶や認知に悪影響があるという研究もある。ただ、大麻に含まれる「カンナビノイド」に似た化学物質は動物の体内にもあり、神経にどう関わっているのかは不明だった。
 
 木村さんらはまず、マウスの赤ちゃんに少量のカンナビノイドを注射。大脳皮質を調べると、神経回路の先端部の密度が低くなっていた。次に、カンナビノイドを認識するたんぱく質を生まれつき作れないマウスを調べたところ、神経回路の先端部が、通常の範囲をはみ出して広がっていた。
 
 ログイン前の続きこれらの結果から、カンナビノイドは、木の枝のような神経回路から、不要な枝を刈り取る「はさみ」のような働きをしていることが分かった。木村さんは「大麻を使うと、体内の様々な場所で同じようなことが起こっている可能性がある」と指摘する。
 
 大麻などの薬物に詳しい国立精神・神経医療研究センターの舩田正彦室長は「若年層の大麻使用は良くないというこれまでの経験的な報告を裏付ける科学的なデータ。危険ドラッグにも似た成分が含まれていて、乱用の危険性を示している」と話している。(合田禄)


(2016.7.3)
 平群町 町役場敷地内の全面禁煙始まる /奈良
毎日新聞 7月2日
 
 平群町は1日から、町役場本庁舎の敷地内を全面禁煙とした。県内では王寺町に次いで2自治体目とみられる。
 
 職員の健康増進や受動喫煙防止などを目的にした取り組み。これまで喫煙所を建物外に1カ所設けていたが、1日から廃止した。
 
 市町村庁舎の禁煙実施状況については県が毎年4月に調査。今年の調査では本庁舎の敷地内の全面禁煙は王寺町のみで、36市町村は本庁舎(議会部分を除く)の建物内禁煙。大和郡山市と河合町は分煙としている。【熊谷仁志】


(2016.7.3)
 タバコ、箱の警告画像がグロすぎる! がんの患部、性機能障害…将来は箱の半分が警告表示?/韓国
Business Journal 6月29日
 
 公共の建物内が全面禁煙となり、またタバコの値上がりなどの影響も重なって禁煙ブームが到来しつつある韓国。そんなムードの追い風となるような措置が決定した。すでに海外各国のタバコのパッケージでは見かけることが多い警告画像表示が、韓国国内でも義務化されることになったのだ。
 
 今回、表示が義務付けられた警告画像は10種類。肺がん、喉頭がん、口腔がん、心臓病、脳卒中などを患った病人とその患部、また受動喫煙、妊娠中の女性の喫煙、性機能障害、皮膚の老化、早期死亡を警告するイメージ画像だ。12月23日以降に出荷されるタバコの箱両面への掲載が義務化される。
 
 タバコの警告画像はとても衝撃度が強いため、掲載の義務化には慎重が期された。3月の段階では、事前に「嫌悪感を抱くか」という内容でアンケート調査が行われている。対象となったのは、成人および青少年1890人。結果、韓国当局が用意した画像は、海外の警告画像に比べ嫌悪感がそれほど高くないという評価になった。
 
 なお今回は画像だけではなく、警告を促すフレーズについてもガイドラインが設けられた。普通のタバコに加え、電子タバコ、噛みタバコ、水タバコなども、同様の扱いになった。たとえば、電子タバコには注射器の画像とともに「中毒の危険」という文字や、「電子タバコは、ニコチン中毒を起こします」というフレーズが掲載される。
 
 「韓国では、喫煙者の肩身が日ごとに狭くなり始めている。健康志向が社会的にブームになったこともあり、またタバコを吸うと女性から嫌われるので、こそこそ吸っている男性喫煙者も増え始めています。とはいえ、グロ画像を掲載したからといって、喫煙者がタバコをやめるかといえば疑問です」(喫煙者男性、30代)
 
 日本でも5月末に、タバコに警告画像を表示することについてアンケートが実施されている。国立がん研究センターがインターネットで集計したもので、画像の導入には喫煙者・非喫煙者合わせて回答者の7割が賛成している。なお、世界保健機関(WHO)が掲げる「タバコ規制枠組み条約(FCTC)」では、警告表示がパッケージの主な表示面の50%以上を占めるのが望ましいとされている。(取材・文=河鐘基)


(2016.7.3)
 禁煙運動推進を事業化へ
jiji.com 6月27日
 
[株式会社メニコン]
 株式会社メニコン(以下、メニコン)は、6月27日(月)に開催された定時株主総会にて禁煙運動推進の事業化について、定款に追加することが決議されましたので下記にご案内致します。
 
 喫煙者の身体に与える影響は各種報告されておりますが、目の病気として、加齢黄斑変性症を発症しやすいことも確認されています。メニコンは目に携わる企業であり、高度管理医療機器メーカーとして従業員はもちろん、お取引先様や地域社会の皆様にも禁煙運動を推進して参りました。
 
 今後は禁煙運動の推進を事業化する為、「禁煙運動の推進のための研修会、講習会など各種教育事業に関する企画、立案、制作、運営ならびにコンサルティング業務」などにも取り組んで参ります。
 
 「より良い視力の提供を通じて広く社会に貢献する」を企業スローガンとして、今後とも地域の皆様と共に住みやすい環境づくりが出来るよう努めて参ります。
 
<参考> 禁煙運動 詳細 http://www.menicon.co.jp/company/csr/nosmoking/
 
定款 変更後
(目的) 第2条 当会社は次の事業を営むことを目的とする
11.禁煙運動推進のための研修会、講習会など各種教育事業に関する企画、立案、制作、運営ならびにコンサルティング業務


(2016.6.28)
 受動喫煙対策 東京五輪へ規制強化を図ろう
YOMIURI ONLINE 6月28日
 
 他人のたばこの煙を吸い込む「受動喫煙」に対する規制強化は、世界的な潮流である。対策を加速させたい。
 
 受動喫煙との関連が指摘される疾患には、肺がんや心筋梗塞、脳卒中などが挙げられる。世界保健機関(WHO)の報告によると、世界で毎年60万人が受動喫煙により死亡している。
 
 厚生労働省の研究班の推計では、国内の死亡者も年間1万5000人に上る。交通事故による死者数の3倍を超える。推計の手法には異論もあるものの、軽視できない健康被害が生じていることは間違いあるまい。
 
 健康増進法は、病院や官公庁、飲食店など、多数の人が出入りする場所では管理者が防止措置を講じるよう規定している。労働安全衛生法でも、職場での対策を事業主に求めている。
 
 だが、いずれも努力義務のため、徹底されていない面もある。厚労省は、公共の場所について、「原則として全面禁煙であるべきだ」と通知しているが、実際には喫煙室の設置といった分煙対策にとどまるケースが多い。
 
 職場や飲食店では、非喫煙者の4割近くが受動喫煙を強いられているのが実情だ。
 
 海外では約50か国が、飲食店やバーを含めた公共の場所のすべてで、屋内全面禁煙とする法律を整備している。屋外でも競技場などで規制を設ける国は多い。
 
 2020年東京五輪・パラリンピックを控える日本にとって、世界標準との差を縮めるための取り組みが急務である。
 
 国際オリンピック委員会(IOC)とWHOは、「たばこのないオリンピック」を共同で推進する。近年、日本以外の五輪開催地と開催予定地は、罰則を伴う受動喫煙防止策を講じている。
 
 政府は、東京五輪・パラリンピックの基本方針に受動喫煙対策の強化を掲げ、法整備も含めて具体策を検討中だ。実効性ある防止策が求められる。
 
 客離れを危惧する飲食業界などでは、対策強化への反発が強い。罰則付きの受動喫煙防止条例を制定している神奈川県や兵庫県でも、小規模飲食店などについては例外措置を設けている。
 
 一律的な規制には、困難が伴うことを示している。
 
 喫煙者の権利を主張する人たちもいる。ただ、非喫煙者の健康を犠牲にしてはならない。
 
 より根本的な対策である喫煙率の引き下げにも、政府は真摯しんしに取り組む必要がある。


(2016.6.21)
 たばこの悪影響 画像での警告表示に7割賛成
NHK NEWS WEB 6月17日
 
 たばこのパッケージにある健康への悪影響を警告するメッセージを、今よりも広い面積で表示したり、がんが出来た肺などの画像を取り入れたりすることに7割の大人が賛成しているとする調査結果を国立がん研究センターがまとめました。
 
 この調査は、国立がん研究センターが全国の20歳以上の男女2000人を対象に行ったものです。
 
 喫煙は肺がんや心筋梗塞などになるリスクを高めるため、日本では、健康への悪影響を警告するメッセージをたばこのパッケージの3割以上に表示することが法律で定められていますが、世界70か国以上で導入されている画像を使った警告の表示は、義務づけられていません。
 
 これについて調査で警告表示の面積を今よりも増やし、たとえば5割にすることについて賛否を尋ねたところ、賛成は72%、反対は7%でした。また海外のようにがんになった肺などの画像を表示することについては賛成は70%、反対は8%でした。
 
 日本人の喫煙率は、数年前に2割程度にまで下がったもののその後は下げ止まっているということで、国立がん研究センターの平野公康研究員は「海外では、画像つきの警告表示が喫煙率を下げたという報告もある。健康への悪影響を分かりやすく伝える表現が望まれていると思う」と話しています。


(2016.6.20)
 タバコ、室内や服の付着物が強力な発がん性物質放出!
ヤフーニュース(Business Journal) 6月19日
 
 昨今、「三次喫煙」の話題が高まっている。三次喫煙とは、タバコを消した後の残留物から有害物質を吸入することを指す言葉で、米国立がん研究所指定がんセンターのひとつであるダナ・ファーバーがん研究所のジョナサン・ウィニコフ教授らが2009年に発表した論文で初めて用いられた新語だ。残留受動喫煙、サードハンドスモークともいう。
 10年、米国科学アカデミー発行の機関誌「PNAS」において、自動車や部屋の内部に残留するタバコのニコチンが、大気中の亜硝酸と反応して発がん性物質であるニトロソアミンがつくられることを発表した。
 三次喫煙は、タバコから立ち上る煙(副流煙)や喫煙者が吐き出した煙(呼出煙)を吸う受動喫煙(二次喫煙)と比較して、毒性が数倍から数十倍になることもわかっている。また、喫煙が終わってからも、喫煙者の衣服についた有害物質から発がん性物質が発生し続けることが確認された。
 室内で喫煙すれば、壁紙やソファー、カーテンなどに煙の成分が付着して色やにおいが染み付くが、それだけではなくその付着した成分から発がん性物質が生成され続けるのだ。
 ある研究では、喫煙者が住んでいた部屋は、その喫煙者が退去した後2カ月経過しても発がん性物質が生成され続けていると確認されている。つまり、壁紙などを全面的に張り替えて、徹底的に有害な成分を取り除かなければ三次喫煙のリスクは排除できないことになる。
 特に、コットンのクロスは化学物質を多く吸着する性質があるため、一度タバコの煙にさらされると、より多くの有害物質を出し続けることになる。
 室内で喫煙した場合、直接副流煙を浴びなくても、部屋に残留している有害物質から発せられるニトロソアミンで、赤ちゃんや子どもは大きな影響を受ける。床に落ちたり、カーペットに付着した有害物質に近いことや、大人よりも呼吸が速いことが影響していると考えられる。
 統計では、家族に喫煙者がいる家庭で育った子供の学校欠席率は、喫煙者がいない家庭の子に比べ4割高いという。
●タバコのニオイがするだけでも入店不可
 このようなリスクを考えると、今後は喫煙者に対する風当たりがますます強まる可能性もある。たとえば、賃貸住宅の家賃や敷金、清掃費が高くなることが考えられる。また、飲食店などでは完全禁煙にする店舗が増えるだろう。喫煙者でなくても、家族に喫煙者がいる場合には生命保険などの保険料が高くなるかもしれない。

 直接喫煙する人は、自己の責任の元で吸うのでリスクについて言及する必要はないが、非喫煙者は、「喫煙された」空間にいるだけで喫煙と同等の被害を受ける可能性があるのだ。
 そして、とうとう「喫煙者・非喫煙者に関係なく、タバコのニオイがする方は入店できません」という貼り紙をする店が現れ、話題になっている。全面禁煙の店を訪れる際、店外で一服してから入店する愛煙家も多いだろう。だが、それすらも許さぬという店主の強い意思が込められている。
 この店ほどの強硬な姿勢を打ち出す店は多くないだろうが、今後もタバコを規制する動きは強まっていくだろう。そして愛煙家の居場所は確実に減っていく。
 2014年に日本マクドナルドが全面禁煙を導入した際には、サラリーマンを中心に一気に客足が遠のいた。出勤前や昼食時などの休憩時間に、一服するために利用していた客は喫煙できる喫茶店へと流れた。だが、それは「ファミリー層を呼び戻す」というメッセージでもあった。そして今、マクドナルドへファミリー層は戻りつつあるようだ。
 家族が集まる場でタバコを吸うことが難しくなった今、飲食店や娯楽施設においては、喫煙を認めるか否かという決断は、すなわち客層を選ぶことに直結する。
 タバコを取り囲む環境は極めて厳しくなっているといえる。(文=編集部)


(2016.6.19)
 (私の視点)受動喫煙防止 五輪機に日本も法制化を 申英秀
朝日新聞デジタル 6月18日
 
 2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向け、国内外から集まる選手や来場者を受動喫煙による健康影響から守ることができるのか、日本の対応に注目が集まっている。1988年以来すべての五輪大会は、受動喫煙やたばこの広告のない環境で開催された。五輪を契機に受動喫煙のない社会を実現することは、未来の世代へのオリンピックの遺産(レガシー)となるだろう。
 
 世界保健機関(WHO)は、たばことスポーツは相反するとして、五輪開催地のたばこ対策、特に受動喫煙防止対策を支援してきた。対策の重要性は競技会場に限らず、すべての公共施設において全面禁煙とするべきであり、日本は五輪の機会をいかして施策を進めていただきたい。
 
 中国では北京市が08年の北京五輪の経験をいかし、市内の屋内の公共施設や公共交通機関を全面禁煙とし、たばこ広告をも禁止する条例を制定した。現在は中国全土に適用される受動喫煙防止法を検討中だ。
 
 一方、日本の取り組みは、西太平洋地域諸国と比べても大きく遅れている。日本は、たばこの規制に関する枠組み条約の締約国として、屋内の公共の場所には受動喫煙防止対策を講じる義務がある。またWHOは、分煙や喫煙室などではなく、全面禁煙を推奨している。これまで日本で実施されている受動喫煙防止に関する全国的な政策は、義務ではなく、施設管理者らの自主的な取り組みに頼っている。たばこ産業のいう「喫煙マナー」や「分煙」は、受動喫煙防止対策に代わるものではない。健康被害という問題の核心を隠し、全面禁煙を阻み、受動喫煙の被害拡大を助長している。
 
 日本での受動喫煙に起因する死亡者数は、推定で年間約1万5千人に上っていると報告されている。私は、日本の皆さんの多くが、受動喫煙による健康被害を受けているのではないかと危惧している。
 
 現在、日本では受動喫煙の防止を強化するため、立法措置も含めた検討が始まっている。他の国々と同様に、公共施設での全面禁煙や、それに違反した場合の罰則の法制化をぜひ進めてもらいたい。
 
 東京五輪までに受動喫煙防止法を施行できれば、日本は、健康対策の手本を世界に示すことができる。未来の世代をたばこから守り、受動喫煙の環境がなくなるよう、今、私たちは取り組まなければならない。
 
 日本は受動喫煙防止対策を強化し、スポーツのみならず健康対策でも世界の国々を牽引(けんいん)していただきたい。たばこのない環境をつくることは、五輪の金メダルに等しく、気持ちのよい持続的な勝利になることに間違いはない。
 
 (シンヨンス 世界保健機関〈WHO〉西太平洋地域事務局長)


(2016.6.19)
 国連事務総長、たばこ箱の簡易包装を呼びかけ
CRI online 6月1日
 
 国連のパン・ギムン事務総長は、5月31日の世界禁煙デーに当たってこの日演説し、「たばこ箱の包装による消費者への誘惑を弱め、たばこの使用量を減らすべきだ」と各国に呼びかけました。

 演説の中でパン・ギムン事務総長は、「たばこ製品は、毎年600万人近くの死者を出している。2016年の世界禁煙デーに当たって、国連は、たばこの簡易包装という簡単かつ効果的な行動によるたばこ製品へのニーズ減少に向けた対策を支持する。すなわち、統一した色と書体でブランド名と製品名称を表示する以外に、包装にはその他のマーク、色、ブランドのイメージまたは販売促進の文字の使用を制限または禁止することである」と述べました。

 また、パン・ギムン事務総長は「喫煙はガンや心臓病、肺病などといった予防可能である非伝染性疾病を引き起こす主な要因であり、貴重な家庭収入を消耗させてしまう。簡易包装は、たばこ製品へのニーズを減らす重要な取り組みで、たばこ製品からの誘惑を弱めることができる」と強調し、たばこの簡易包装に向けて準備を整えることを各国政府に呼びかけました。(朱)


(2016.6.18)
 インドネシア タバコ農家の児童労働を告発 米NGOが取引停止要求
ヤフーニュース(SankeiBiz) 6月14日
 
 インドネシアは、タバコ農家での児童労働が話題となっている。米国に本拠を置き人権問題を扱う非政府組織(NGO)のヒューマン・ライツ・ウオッチ(HRW)は、インドネシアのタバコの葉を栽培する農家で多数の児童が危険な環境下での労働に従事していると主張。たばこメーカーにこうした生産者との取引を停止するよう訴えた。現地紙ジャカルタ・ポストなどが報じた。
 
 HRWは、インドネシアのタバコ生産の9割を占める西ジャワ州、中央ジャワ州、西ヌサ・トゥンガラ州を含む4州で調査を実施。8〜17歳の子供132人を含む227人に聞き取りを行い、報告書にまとめた。
 
 同報告書によると、インドネシアのタバコ農家では、多くの児童がタバコの葉に含まれ人体に有害なニコチンへの皮膚などの露出、危険な薬品や道具の使用、重量物の運搬など、過酷な状況での労働に従事している。聞き取り調査では、ニコチンを皮膚から吸収した際の症状である嘔吐(おうと)感や頭痛、めまいなどを体験したという子供たちの証言が数多く得られたという。
 
 HRWは、こうした労働環境が、子供たちの健康や長期的な発育に悪影響を及ぼす恐れがあると主張。国内外のたばこメーカーがサプライチェーン(供給網)における生産現場の危機的状況を放置して買い付けを行っているとし、メーカーにこうした生産者との取引を即時停止するよう訴えた。
 
 インドネシアの国内法では、就業年齢は15歳からとされ、13歳以上15歳未満については学業に支障がなく、健康と安全が確約された状況での軽作業が認められている。また、人体に有害な化学物質を扱う仕事は18歳以上とするという法律もある。
 
 しかし、現実には零細農家などをはじめとして相当数の児童が労働に従事しているとみられており、世界労働機関(ILO)は、インドネシアの農業分野における10〜17歳の就業人数は150万人との数字を発表している。
 
 インドネシアは世界5位のタバコ生産国で、零細から小規模農家を中心に50万人の生産者がいる。HRWは「多くの子供たちが医療機関での検診を受けていないため、正確な状況把握も難しい」とし、早期の対応が必要との認識を示した。(シンガポール支局)


(2016.6.14)
 日本はまだまだ受動喫煙から守られていない国
ヤフーニュース(ニュースイッチ) 6月12日
 
 喫煙室の存在は禁煙する意欲を阻害する。
 
 外国人も驚く分煙主流。非喫煙者のサポート推進を
 
 日本が受動喫煙防止対策で遅れた国であることはご存知ですか。最近増加している外国人旅行者が驚くことの一つに、たばこが自由にどこでも吸える点があるようです。欧米先進国では1990年代より屋内禁煙の法律制定が進んでいます。
 
 現在では、新興国のタイやトルコでも原則、屋内禁煙となっています。お客だけではなく飲食店などの従業員も受動喫煙から守るためです。受動喫煙で吸う副流煙には発がん性物資のヒ素が主流煙の5倍以上など、多くの有害性物質が含まれています。
 
 世界保健機関(WHO)は、たばこ規制枠組み条約で2010年2月までに飲食店なども含めて屋内禁煙を求めていました。実は日本も04年にこの条約を締結していますが、屋内禁煙は実現していません。日本の受動喫煙対策は分煙が主流です。
 
 しかし、たばこ煙が扉の開閉で喫煙室から大量に漏れ、有効ではないと言われています。また、喫煙室の存在は禁煙する意欲を阻害します。今年も国は喫煙室設置に補助金を出していますが、これは締結している条約の趣旨に矛盾しています。
 
 たばこ煙は肺がん・喉頭がん・食道がんなどの悪性腫瘍や心筋梗塞(こうそく)、脳梗塞など血管の病気、慢性閉塞性肺疾患(COPD)など呼吸器の病気、アルツハイマー型認知症など多くの病気の原因・増悪因子となっています。
 
 01年のデンマークの研究では喫煙により寿命が7年以上短くなる以外に、寝たきりなどの障害を持つ期間も5年長くなっています。逆に禁煙により平均余命が回復することが報告されており、禁煙は最高の病気予防と言えます。禁煙までいかず喫煙本数を減らしたり、タールやニコチンの少ない「軽い」たばこに変えるという対策をとることがありますが、これは意味がないといえます。なぜなら本数を減らそうとするとたばこの端まで1本を極力長く吸おうとしますし、「軽い」たばこに変更すると、減ったニコチンを補うために強く深くたばこを吸うようになるからです。
 
 「軽い」たばこの方が血中の有害物質濃度が高いというデータもあるくらいなので、たばこ規制枠組み条約でも「ライト」「マイルド」などの表現は禁止されています。そのため、日本のたばこメーカーの主力商品も名称が変更されています。
 
 外来禁煙は、一定の条件を満たせば健康保険が適応でき、3割負担の方で3か月合計5回の外来受診で約2万円となっています。ニコチンの貼り薬やバレニクリン(チャンピックス)という内服薬を本人の状態に合わせて処方します。
 
 喫煙者には、禁煙外来受診などのサポートで、非喫煙者には屋内全面禁煙での受動喫煙対策で、それぞれの健康生活を推進したいものです。
 
 遠藤泰之(社会医療法人社団正志会 花と森の東京病院・内科医師)


(2016.6.14)
 ポジティブ心理学で禁煙 専門家が教える6つのポイント
ヤフーニュース(女性自身) 6月10日
 
 「“長生きなんてしたくない”“タバコがない人生なんてつまらない”−−そんな後ろ向きな感情が禁煙を妨げています。ネガティブな考えの人に、いくらタバコの害を話しても伝わらないんです」
 
 こう語るのは、関西福祉科学大学の島井哲志教授。楽観的な感情で物事をとらえることで、生きがいや充実感を得ることを目指す「ポジティブ心理学」。その第一人者である島井教授は、この考え方にこそ、禁煙成功への近道があるという。
 「たとえば、自分の未来をポジティブに考えるだけでも、喫煙がいかに不必要なことか気づけます」
 そこで、禁煙が成功するポイントを6つ挙げてもらった。
【1】“やめられない自分”でも好きになろう
 「ポジティブな発想の下地作りから始めましょう。それにはまず、自分を好きになることが大事です」
【2】1日に3つ親切なことをしよう
 「こちらもポジティブな発想を持つ下地作りの一環。人に親切にすることで、お礼を言われます。この“感謝される”ということは、人をプラス思考にさせてくれるもの」
【3】禁煙することのメリットを3つ書き出してみよう
 「書き出すことで、自分の心を見直すことができます。たとえば、5分(1本のタバコに費やす時間)×20(1日の本数)で“1日100分も好きなことに使える”とか、“キレイになれる”“家族から尊敬される”など。考えるだけだとタバコをやめるメリットが小さいような気もしますが、書き出すことで大きいことに気づくはずです」
【4】喫煙に代わる、自分を豊かにさせる趣味を考えよう
 「それまでの習慣をやめるということは禁煙に限らず困難なもの。タバコを吸うという習慣を“減らす”というネガティブな発想では、それによって失われた時間に何をすればいいか不安になるのも当然です。そこで、今までの喫煙という習慣に“代わる”何か別の習慣を手に入れるチャンスだと考えてみましょう」
【5】自分が禁煙することについて、家族や親しい仲間の意見を聞いてみよう
 「家族から禁煙の前後にサポートを受けると禁煙の成功率も上昇します。そのためには禁煙に立ち向かうことを家族がどう考えているか聞いておくことは重要。大切に思ってくれている相手なら、反対することはありません。いちばん身近な人たちの意見から、自分がいかに価値のある存在であるかを確認することもできます」
 
【6】健康的なイメージを思い浮かべてみよう
 「自分の顔、体に関心をもつことが大事。そのうえで“美肌になりたい”“ハリのある髪を保ちたい”などのポジティブ・ボディ・イメージを抱くことが大切です。その理想のイメージを実現するためにどのようなことが必要か、しっかり対策を練りましょう」


(2016.6.14)
 仕事の生産性は健康から 伊藤忠、メタボ対策や禁煙支援
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 6月10日
 
 朝型勤務で早く出社すると、社員食堂で無料の朝食を受け取れる=東京都港区、伊藤忠商事提供
 メタボ気味な若手社員の生活管理、禁煙治療費の会社負担――。大手商社の伊藤忠商事が、社員に健康管理を促す取り組みを次々と打ち出している。社員の「健康力」を、生産性アップにつなげるねらいがあるという。
 2013年に午後8時以降の残業を禁じて早朝出勤を促す「朝型勤務」を導入するなど、伊藤忠は働き方改革に取り組んでいる。朝型勤務で社員の総残業時間は12%減ったが、16年3月期決算は純利益が国内業界トップになり、効率よくもうけている。
 そこで、取り組みを強化することにした。メタボ対策では、35歳以下で太り気味の社員に、歩数や睡眠時間などを自動で測る携帯型の活動量計を無料で配る。管理栄養士に日々の食事の写真を送れば、指導を受けられるようにもする。 


(2016.6.9)
 たばこの販売やめるスーパー 「健康のため」  社会性を意識
産経ニュース 6月9日
 
 静岡県内でチェーン展開するスーパーが4月、「健康を害する」としてたばこの販売をやめた。2020年の東京五輪・パラリンピックに向けて国は、受動喫煙防止対策の強化を検討しており、一部の小売店でたばこの取り扱いを控える動きが出てきている。(平沢裕子)
 
売り上げ年9千万円
 たばこの販売をやめたのは、静岡県内中部エリアを中心に33店舗を展開するスーパー、静鉄ストア(静岡市)。もともと30店舗にたばこの自動販売機を設置し、平成23年度には年間約9千万円の売り上げがあった。26年に店舗改装に伴い1店舗で自販機を撤去したのをきっかけに、27年に7店舗、今年3月末には全店舗で撤去した。
 
 厚生労働省によると、たばこは、がんや心筋梗塞など多くの病気の原因となっている。同社は「安心・安全・健康・美味(おい)しい・楽しい」を企業理念としており、人事・総務部の担当者は「健康をモットーに掲げる会社として、健康に害を及ぼすたばこは販売すべきではないと判断した」と説明する。
 
 30年以上も前に販売をやめた会社もある。千葉県内で8店舗を展開する京北スーパー(千葉県柏市)は、昭和59年にたばこの害が社会問題となったことをきっかけに中止。経営企画開発部の小金井通裕(ゆきひろ)部長は「お客さまの健康のため、と社長が決断した。ただ、当時は国の事業としてたばこを販売し、その税収が期待されていただけに、販売中止にはお叱りの声の方が多かった」と話す。

目標は喫煙率12%
 平成22年に販売をやめた東北大学生活協同組合(仙台市)は、大学の「キャンパス内全面禁煙宣言」を受け、理事会が全会一致で決めた。当時、理事会室長だった小野塚一郎さんは「たばこ販売をめぐっては長い間、賛否両論あった。販売中止によって、健康で安全なキャンパスライフを支えることに貢献できたと思う」と話す。
 
 厚労省によると、26年の喫煙率は19・6%(男性32・2%、女性8・5%)。24年のがん対策推進基本計画では、34年度までに成人の喫煙率を12%に下げ、未成年者の喫煙をなくすことを目標としている。
 
 タバコ問題情報センター代表理事の渡辺文学(ぶんがく)さんは「取扱店舗が減れば、喫煙率の減少につながる」と期待を寄せる。
 
喫煙のニーズも
 ただ、一部店舗で販売をやめても、吸いたい人は別の店でたばこを買うので、喫煙率減少につながらないとの声もある。喫煙歴30年以上という愛煙家の男性(55)=東京都板橋区=は、「自動販売機が減ったり、喫煙所が少なくなったりして苦労するが、今のところ、たばこをやめる気はない」と説明する。
 
 東北大では生協が販売をやめた後、しばらくの間、キャンパス内のコンビニエンスストアが販売を継続(現在は販売中止)し、「売り上げは相当なものになったらしい」(同大関係者)。
 
実際、たばこの販売を中止している小売店は少数派だ。
 
 たばこを販売するスーパーの広報担当者は「たばこを吸いたいお客さまもいる。ニーズがある以上、できるだけそのニーズに応えるのも小売業の役割」と説明する。
 
 CS(顧客満足)経営などに詳しい消費生活アドバイザーの久新(きゅうしん)大四郎さんは「受動喫煙などで他人に迷惑をかけなければ、たばこを吸うことは、憲法13条の幸福追求権に基づく個人の自由ともいえる」とする。その上で、「企業の社会的責任という考え方が浸透するなか、社会性を意識し、販売を中止する取り組みが広がる可能性はある」と話している。
 
 ■自販機はピークの3分の1
 財務省によると、たばこの販売店数は平成14年度の約30万7000店をピークに減少を続けており、26年度は約26万5000店と約4万2000店減った。また、日本自動販売機工業会によると、14年末に約62万9000台だったたばこの自動販売機数は、27年末には約21万2000台と約3分の1にまで減少した。


(2016.6.9)
 九州看護福祉大学 敷地内の全面禁煙について
九州看護福祉大学 6月6日
 
 本学は、学生・教職員・来大者等を受動喫煙による健康被害から守るために、平成28年7月1日(金)より敷地内全面禁煙を実施いたします。


(2016.6.6)
 全国の大学 全面禁煙2割 中京大教授調査 県内では11校
読売新聞 6月4日 (愛知県版)
 
 全国の4年制大学775校のうち全キャンパスの禁煙に踏み切っているのは152校(19.6%)で、一部のキャンパスだけで実施は37校(4.8%)との調査結果がまとまった。「受動喫煙のない社会」の実現を目標に掲げた禁煙週間(6日まで)を前に、日本学校保健学会「タバコのない学校」推進プロジェクトのメンバー、家田重晴・中京大教授(健康教育学)が5月末時点でまとめた。

 完全実施は国公立の32.0%に比べ、私立は16.1%だった。県内では、11校(22.4%)が完全、6校(11.2%)が一部禁煙としている。日本福祉大が昨年新設した東海キャンパス(東海市)も加えて全キャンパスを禁煙としているほか、藤田保健衛生大(豊明市)が今年1月から、キャンパスの外にまで禁煙区域を拡大したという。

 家田教授は「若者に喫煙の習慣をつけさせないことが大事。分煙では受動喫煙は防ぎきれない。キャンパスの全面禁煙に踏み切るべきだ」と訴えている。


(2016.6.6)
 <積水ハウス>「受動喫煙で被害」元社員と和解
ヤフーニュース(毎日新聞) 6月4日
 
 大手住宅メーカー「積水ハウス」(大阪市北区)の社員だった女性(55)が職場の受動喫煙対策が不十分で健康被害を受けたなどとして、同社に約590万円の賠償を求めた訴訟が大阪高裁であり、会社側が女性に解決金約350万円を支払う内容で和解していたことが3日、分かった。和解は先月31日付。1審の大阪地裁は「対策は取られていた」と認定し、女性の訴えを退けていた。
 
 高裁が双方に和解勧告をしていたとみられ、協議が進んでいた。
 
 訴状などによると、女性は2004年11月に採用され、配属先の滋賀工場のミシン室で作業服の修繕などを担当していた。工場内には喫煙所があったが、複数の社員がミシン室で頻繁に喫煙するなどしていた。女性は入社間もなく頭痛やめまいに悩まされ、08年5月に受動喫煙症と診断された。その後休職し、会社は14年10月に解雇した。
 
 女性は「会社に何度も体調不良や対策を訴えたが、聞き入れてもらえなかった」と主張。病気は受動喫煙が原因で、会社側は対策を講じる義務を怠ったと訴えていた。
 
 昨年2月の1審判決は、会社側が03年施行の健康増進法を踏まえ分煙措置をしたり、女性の申し入れでミシン室を禁煙にしたりしていたと認定。「必ずしも徹底されていたとは言えないが、相応の対応はしていた」として、会社側の責任を否定していた。
 
 女性の代理人弁護士は「和解内容についてコメントできない」。積水ハウスは「当社が積極的に受動喫煙対策を十分に取っていたことなどは裁判所も認めている」との談話を出した。【向畑泰司】


(2016.6.4)
 完全禁煙店 14年前の60倍 市民団体が2016年調査 /愛知
毎日新聞 地方版 6月3日
 
 受動喫煙の防止に取り組む県内の市民団体「タバコと健康を考える愛知の会」(事務局・刈谷市)はこのほど、県内の喫茶店と食事を提供する店舗で、2002年から2年ごとに調べている完全禁煙飲食店の2016年集計をまとめた。2年前より1958店多い8707店を数え、増加率は過去の調査6回(12年は中止)の平均とほぼ同じ29%だった。【安間教雄】
 
 集計によると、喫茶店が2年前より605店多い2251店で増加率36%、食事店は同1348店多い6451店で同26%だった。第1回調査(02年)の全体143店に比べると、今回は60倍余に増えている。
 
 調査は会員が各店へ直接電話をかけたり、情報誌やインターネットで調べたりした。各店の住所や電話番号、営業時間、駐車台数などが記載され、市町村ごとにまとめてある。食事店にはレストランや料理店、居酒屋、バー、パブ、ファストフード店(すし、牛丼、ハンバーガー、ドーナツ、フライドチキンなど)などが入る。
 
 同会は02年、04年、06年、08年の4回、全禁煙店の調査結果を掲載した冊子「空気もおいしい禁煙飲食店」を発行した。しかし、店数の増加で10年から発行を中止し、詳細は事務局(0566・36・5583)で対応している。
 
 事務局の坂田仲市さんは「禁煙にすると客が減るという考えは時代遅れ。早い国では30年以上も前から全面禁煙を実施しており、東京五輪を控え、一刻も早く法律で全面禁煙にするべきだ」と訴えている。


(2016.6.4)
 近鉄、数年後めどに特急の全席禁煙へ  受動喫煙防止求める声に応え
産経WEST 6月3日
 
 近畿日本鉄道は、特急列車の分煙対策を強化する。関西の大手私鉄の特急では、近鉄だけに依然として喫煙車があるが、受動喫煙防止を求める声に応え、数年後をめどに全ての特急で座席では禁煙にする方針だ。
 
 20日から大阪阿部野橋(大阪市)−吉野(奈良県吉野町)間の特急で全席を禁煙とする。既に名古屋、京都、大阪と伊勢志摩を結ぶ観光特急「しまかぜ」などでは全席禁煙にし、車両内部に喫煙室を設けている。
 
 近鉄の特急は、大阪と名古屋間など比較的長い距離を走行することもあり、5月時点で64両の喫煙車が残る。喫煙室への切り替えにより順次減らしていく。
 
 近鉄の担当者は「愛煙家のお客さまには負担をかける面もあるかもしれないが、理解してほしい」と話している。
 
 関西圏を走る特急では、南海電気鉄道が平成23年、喫煙車を廃止。大阪と和歌山を結ぶ「サザン」といった列車は全スペースが禁煙となっている。JR西日本管内の在来線特急では、東京と四国や山陰を結ぶサンライズ瀬戸、サンライズ出雲以外は全面禁煙としている。


(2016.6.2)
 ニュージーランドとノルウェー、たばこ包装の無地統一を義務付けへ
ヤフーニュース(Bloomberg) 6月1日
 
 (ブルームバーグ):ニュージーランドとノルウェーはたばこ会社に対し、たばこ製品の包装の無地統一を義務付ける方針だ。世界各国でオーストラリアに追随する動きが広がっている。
 
 2025年までに禁煙国家になることを目指すニュージーランド政府は、たばこのパッケージからたばこ画像を全面排除し、前面の面積の75%以上を健康に関する警告に充てるよう提案している。ノルウェー政府はたばこ製品のロゴを廃止する法案を6月に議会に送付すると、ホイエ保健相が5月31日にオスロの会議で明らかにした。
 
 オーストラリアは、たばこ包装の無地統一義務化で先行。欧州では英国やアイルランド、フランスが同様の措置を導入しており、フィリップ・モリス・インターナショナルやブリティッシュ・アメリカン・タバコ(BAT)などたばこメーカーがこれに異議を唱えて訴訟を起こしている。
 
原題:New Zealand, Norway Plan to Require Plain Packs for
Tobacco (2)(抜粋)
 
記事に関する記者への問い合わせ先:ウェリントン Matthew Brockett ,mbrockett1@bloomberg.net
記事についてのエディターへの問い合わせ先:
Matthew Boyle Thomas Mulier ,mboyle20@bloomberg.net


(2016.6.2)
 明日31日は世界禁煙デー
化学工業日報 5月30日
 
 ニュージーランド政府が先週、タバコ税の大幅増税を発表した。2017年から4年間、毎年10%ずつ引き上げるという内容。いまでも20本入り1箱20NZドル(約1500円)と高いが、これが20年には30NZドル(2200円)まで上がる
 
▼25年に禁煙国家になるというのが同国の政府目標。すでに公共施設はもとよりホテルやバーでも屋内は全面禁煙にしている。数年前には店頭
にタバコを陳列するのも禁じたと聞く。値上げで低所得者の負担が重くなるが、禁煙して健康になるべしというのが当局の立場だ
 
▼タバコの煙には、200種類ともいわれる有害物質が含まれる。その中には発がん物質も多い。喫煙者本人だけが吸い込むなら自己責任で片付くが、副流煙の方が有害だから問題は大きい。加えてニコチンは中毒物質である
 
▼劣勢に立たされた愛煙家が持ち出す屁理屈が、日本では国と地方合わせて2兆円以上の税収をもたらしている話。1箱440円の6割以上が税金であるが、もっと払わせてもいいというのが国際的な潮流だ
 
▼来年4月に予定されていた消費税率引き上げが先送りされる様相である。その代替には程遠いにせよ、タバコ増税が浮上することは避けられまい。いまの2倍にしても欧米より安いのが実態だ。明日31日は世界禁煙デー。禁煙週間が6日まで。


(2016.5.31)
 <たばこ>警告画像に7割賛成 喫煙者も46%
ヤフーニュース(毎日新聞) 5月30日
 
 オーストラリアのたばこの画像付き警告表示=WHO西太平洋事務局提供
 たばこのパッケージの警告表示について、国立がん研究センターが成人男女にインターネットで意識調査したところ、画像付きの警告の導入に7割が賛成し、喫煙者でも半数近くは賛成していることが分かった。世界禁煙デー(31日)を前に同センターが公表した。
 調査は4月に実施し、喫煙者と非喫煙者1000人ずつが回答。年齢や喫煙状況を実際の構成比率に調整した上で分析した。
 同センターによると、画像による警告表示は昨年段階で世界77カ国が導入している。こうした表示について、成人全体の70%は「強く賛成」か「賛成」と回答。喫煙者は46%が賛成し、反対は21%、「どちらとも言えない」が33%だった。
 また、喫煙が肺がんの原因の一つになることの警告を、文字だけの3種類と、文字と変色した肺などの画像を組み合わせた2種類の中から、最も読まれると思うものを選んでもらったところ、喫煙者、非喫煙者ともに画像付きが1位だった。一方で、喫煙者の63%は画像を「不快に感じる」と回答した。
 世界保健機関(WHO)の「たばこ規制枠組み条約」は、警告表示はパッケージの主な表示面の50%以上を占めるべきで、写真や絵を付けられるなどとしている。日本のたばこの警告表示は文字だけで、面積は30%にとどまっている。【下桐実雅子】


(2016.5.31)
 受動喫煙が原因の死者数、年間1万5,000人 厚労省調査
ヤフーニュース(フジテレビ系(FNN)) 5月30日
 
 受動喫煙の影響で死亡する人が、年間1万5,000人と推計されることがわかった。厚生労働省の研究班の調査によると、非喫煙者で、家族や職場の同僚が喫煙している場合、受動喫煙が原因で死亡する人は、年間1万5,000人と推計されるという。

 前回、2010年の調査では、6800人と推定されていたが、今回の調査で、倍増したことになる。

 これまで、受動喫煙は、肺がんや心筋梗塞などに因果関係があるとされていたが、前回調査以降、脳卒中やSIDS(乳幼児突然死症候群)にも因果関係があるとされたため、大幅に増えたという。

 厚労省は、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向け、受動喫煙対策を強化する方針。

(注:前回推定値の6800人は、肺がんと心筋梗塞についてだけの値でした。)


(2016.5.29)
 学生の喫煙率:3.8% 「タバコ0社会実現を」 調査の弘前学院大生、あす報告会 青森
毎日新聞 5月28日
 
 弘前保健所と弘前学院大(弘前市稔町)が昨秋、弘前市内の大学・短大6校の学生を対象に実施した「健康度意識調査」で、「学生の喫煙率は3.8%にとどまり、予想以上にたばこ離れが進んでいる」ことが分かった。


(2016.5.29)
 京都・向日神社ライトアップ 世界禁煙デーに合わせ
ヤフーニュース(京都新聞) 5月26日
 
 世界禁煙デー(5月31日)に合わせ、NPO法人「京都禁煙推進研究会」が京都タワーなどで実施しているライトアップに、今年は向日神社(向日市向日町)が乙訓地域で初めて加わる。25日に同研究会のメンバーが準備作業を行った。
 
 世界禁煙デーは、世界保健機関(WHO)が定めたもので、国は31日〜6月6日を「禁煙週間」としている。毎年、全国各地でさまざまなイベントが開催されている。
 
 府内では、同研究会が府と京都市の協力を得て、東山区の高台寺でイベントを開いたり、同寺庭園や京都タワー、府庁旧本館などでライトアップを実施したりしている。
 
 今年は同研究会が向日市と向日神社に依頼し、同神社でもライトアップをすることが決まった。31日から6月5日まで、本殿と鳥居をイメージカラーの黄緑色に照らす。
 
 25日は安田雄司理事長(64)らが向日神社を訪れ、案内看板を境内に立て掛けたり、ライトを設置したりした。安田理事長は「たばこを吸う人も吸わない人も、ライトアップを見て禁煙について考えてほしい」と話していた。


(2016.5.28)
 テルモ、WHO世界禁煙デーに合わせて9社合同で禁煙を社内啓発
 ―KENKO企業会の活動で、社員の健康増進を加速―
TERUMO プレスリリース 5月26日
 
 テルモ株式会社(本社:東京都渋谷区、社長:新宅 祐太郎)は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」である5月31日より、社員が喫煙による健康へのリスクに関心を持ち、理解を深めるための啓発活動を行います。
 この活動は、経営トップが主導して社員の健康増進に取り組む企業が集まる「KENKO企業会」に参加する企業36社のうち禁煙促進に注力する9社※が合同で行います。複数の企業が社員の禁煙促進を合同で行うことは珍しく、各社の取り組みの活性化が期待されます。
 
※参加企業9社(五十音順)
 サトーホールディングス株式会社、第一生命保険株式会社、
 大黒天物産株式会社、株式会社タニタ、帝人株式会社、
 テルモ株式会社、日本航空株式会社、株式会社ブルボン、
 株式会社丸井グループ
 
KENKO企業会とは
 2015年6月、経営トップが主導して社員の健康増進に取り組む企業14社で設立された会費無料(2016年5月現在)の団体。
 会員各企業が、自社の社員の健康増進の取り組みやノウハウを共有し、学び合うことで、新しいアイディアを生み出し、各社の取り組みのレベルアップを図ることを目的としています。
 現在は、「禁煙」「ウォーキング」「食事」「メンタルヘルス」の4つの分科会に分かれて議論を進めています。
 
世界禁煙デーとは
 毎年5月31日は、世界保健機関(WHO)が定める「世界禁煙デー」で、今年で29回目を迎えます。日本ではさらに厚生労働省が、世界禁煙デーから始まる1週間を「禁煙週間」(5月31日〜6月6日)と定めて、禁煙活動の普及啓発を行っています。


(2016.5.28)
 カンボジア保健省、公共の場所での喫煙者に罰金を科す[社会]
PARTNERS 5月23日
 
 先週、保健省が公共の場所での喫煙者に5ドルの罰金を科す省令を公布したと、クメールタイムズ紙が報じた。今後、公衆衛生の改善と受動喫煙の防止のため、同省は施設入口やトイレの近くなどに禁煙標識の設置や監視員が必要となる。
 
 なお、3ヶ月前に同趣旨の政令が公布されていたが今まで効果は無かった。
 
 2006年に設立されたNGO、カンボジア健康運動(Cambodian Movement for Health=CMH)の責任者は、「国内の喫煙者数は約100万人、また約50万人が噛みタバコを使用しており、タバコが要因の死亡者数は毎年約1万人、そのうち90%が肺癌によるもの」と語っている。
 
 計画省の報告書によると、国内の60%が毎年受動喫煙の影響を受けており、これは他アセアン諸国に比べても割合が高く、受動喫煙はレストランやカフェで発生する可能性が最も高いという。


(2016.5.27)
 たばこ1箱20年に2200円=「禁煙国家」目指し増税―NZ
ヤフーニュース(時事通信) 5月26日
 
 【シドニー時事】ニュージーランド政府は26日、たばこ税を2017年から4年間、毎年10%ずつ引き上げると発表した。
 
 現在でも20本入り1箱が20NZドル(約1500円)と高いが、20年には30NZドル(約2200円)になる。
 
 政府は「25年までに禁煙国家になる」との目標を掲げている。増税は違法販売や密輸入を助長し、低所得層の負担を重くするとの批判があるものの、保健省幹部は「喫煙に関連した深刻な疾病を減らす」と効果を強調した。
 
 NZの現在の喫煙率は15%。増税で喫煙率が下がっても、4億2500万NZドル(約315億円)の税収増を見込めるという。
 
 たばこ価格が世界最高水準にある隣国オーストラリアも今月、たばこ増税を発表。25本入り1箱が25豪ドル(約2000円)から20年には40豪ドル(約3200円)になる。 


(2016.5.27)
 「たばこのない五輪」へ伊豆市役所全面禁煙に
Yomiuri online 5月26日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックで自転車競技2種目の開催地となる伊豆市は25日、市役所などの敷地内を31日から全面禁煙にすると発表した。国際オリンピック委員会(IOC)の掲げる「たばこのない五輪」を受けた措置という。
 
 市によると、IOCは1988年、スポーツの祭典にたばこはふさわしくないと、五輪大会での禁煙の方針を採択。2010年には世界保健機関(WHO)と「たばこのない五輪」を目指す協定を締結した。
 
 これに伴い、今夏の五輪開催地のリオデジャネイロと、18年冬季五輪の韓国・平昌は、罰則付きの禁煙対策を講じている。日本でも、東京都などが公共の場での受動喫煙防止についての検討を始めたという。
 
 こうした国際的な流れを受け、市施設で喫煙が可能だった伊豆市も、本庁と別館、各支所の灰皿を撤去して、敷地内を全面禁煙にすることにした。菊地豊市長は「職員はもちろんだが、市民などの来庁者には理解を求める」と話した。
 
 市健康支援課のまとめでは、県内では掛川市と東伊豆、南伊豆町が庁舎敷地内の全面禁煙を実施している。


(2016.5.25)
 カンボジア保健省、公共の場所での喫煙者に 罰金を科す[社会]
PARTNERS 5月23日
 
 先週、保健省が公共の場所での喫煙者に5ドルの罰金を科す省令を公布したと、クメールタイムズ紙が報じた。今後、公衆衛生の改善と受動喫煙の防止のため、同省は施設入口やトイレの近くなどに禁煙標識の設置や監視員が必要となる。
 
 なお、3ヶ月前に同趣旨の政令が公布されていたが今まで効果は無かった。
 
 2006年に設立されたNGO、カンボジア健康運動(Cambodian Movement for Health=CMH)の責任者は、「国内の喫煙者数は約100万人、また約50万人が噛みタバコを使用しており、タバコが要因の死亡者数は毎年約1万人、そのうち90%が肺癌によるもの」と語っている。
 
 計画省の報告書によると、国内の60%が毎年受動喫煙の影響を受けており、これは他アセアン諸国に比べても割合が高く、受動喫煙はレストランやカフェで発生する可能性が最も高いという。


(2016.5.24)
 世界禁煙デー前にパレード
NHK 四国NEWSWEB 5月22日
 
 WHO=世界保健機関が定めた5月31日の「世界禁煙デー」を前に、松山市で禁煙を呼びかけるパレードが行われ、たばこの有害性を訴えました。
 このパレードは、松山市のNPO法人、「禁煙推進の会えひめ」が、毎年、この時期に市の中心部の商店街で行っていて、22日は、医療関係者や教員など、およそ100人が参加しました。
 
 参加者は、たばこの着ぐるみを着たり、禁煙を呼びかけるマークのステッカーを衣服に貼ったりして、パレードを行い、道行く人にたばこの有害性を記したティッシュを配って、「喫煙は百害あって一利なし」とか、「たばこの害から子どもを守ろう」などと声をかけていました。
 
 パレードを行ったNPO法人によりますと、国内外の複数の調査で、たばこを吸う人は、吸わない人に比べて余命が短くなるとされていて、がんの原因のおよそ30%が「喫煙」だということです。
 
 また、NPO法人が、22日朝、松山市の条例で歩きたばこなどが禁止されている商店街の周辺で、たばこの吸い殻を拾ったところ、およそ3,000本に上ったということで、歩きたばこなどに対する罰則化を市に要望することにしています。
 
 NPO法人の会長を務める、県立今治病院の松岡宏副院長は、「たばこは、本人だけでなく、受動喫煙で家族など周囲の人にも影響を及ぼすもので、ぜひ禁煙をしてほしい」と話していました。


(2016.5.24)
  英国、最後のタバコ工場が閉鎖
SPUTNIK 5月21日
 
 英国で国内最後のタバコ工場が稼働停止した。21日、BBCが伝えた。
 
 2年前に予告されていた通り、インペリアル・タバコ社のノッティンガムホライゾン工場が閉鎖。500の雇用が失われた。
 
 最盛期は従業員7000人を擁し、年520億本を生産した。しかし、労働組合代表クリス・ニーダム氏によると、以来英国のたばこ需要は大きく低落した。


(2016.5.23)
 <ビッグデータ>生保「健康」で活用、非喫煙者の保険料割引
ヤフーニュース(毎日新聞) 5月21日
 
 健康に関わるビッグデータを保険商品に活用する取り組みが広がっている。第一生命保険子会社の「ネオファースト生命保険」は昨年、非喫煙者の保険料を割り引く終身医療保険を発売した。個人の生活習慣に応じて保険料を設定する手法は、仏保険大手アクサなど海外で先行していたが、国内大手生保も商品開発を見据えた健康データの収集を始めており、情報技術の革新と共に新しい保険の形が生まれつつある。【中島和哉】
 
 肥満度を示す体格指数(BMI)や、喫煙状況、血圧状態などに基づいて保険料を割り引く保険商品は既に複数の生保が発売しているが、これまでは主に死亡保険に適用されていた。「喫煙と死亡の因果関係に比べ、喫煙の有無と健康の関係を定量的に導き出せるデータがなかった」(大手生保)ことが理由だ。
 
 一方、ネオファースト生命は、第一生命が蓄積してきた約1000万人の顧客データから、たばこを吸う人と吸わない人の病気発生率を独自に割り出し、単体の医療保険としては初めて非喫煙者の保険料を最大3割安くする商品を発売した。ビッグデータ分析能力の高度化に加え、割引制度を柔軟に導入できる保険システムを構築できたことが実現につながったという。
 
 海外では、腕などに着用するウエアラブル端末で得た健康データを活用した保険サービスが導入されている。仏アクサは2014年から、毎日7000歩または1万歩以上の歩行を続けた場合、医療サービスに使える商品券を提供する医療保険をフランス国内で販売。実質的な保険料割引サービスを実施している。日本国内のアクサ生命保険も、すでにスマートフォン向け健康管理アプリを提供しており、将来的にはウエアラブル端末などと連携させて個人の生活習慣に応じた商品の開発を検討している。
 
 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命保険も4月、従業員3000人に腕時計型ウエアラブル端末を配布して心拍数や歩数などのデータ収集を始めた。個人の健康データと疾病との関係を分析し、商品開発につなげる予定だ。第一生命も今秋から同様の取り組みを開始する。
 
 日本生命では、昨年10月に買収を決めたオーストラリア大手銀行傘下の生保事業子会社が、ウエアラブル端末によるデータ収集を実施中。日本生命はこうしたデータを活用した保険商品について野村総合研究所と共同研究に着手しており、国内や海外現地法人での商品展開を目指している。
 
◇ビッグデータ
 情報通信技術(ICT)の進展に伴い、世界中で生み出されている膨大で多種多様な電子情報。ホームページやブログの掲載内容やインターネットの検索履歴、店舗での購買履歴、交通機関の利用履歴、全地球測位システム(GPS)に基づく携帯電話や自動車の位置情報など多種多様な情報が含まれる。コンピューター処理能力の向上に伴い、こうした膨大な情報を分析、活用し、新たなビジネスや社会問題の解決につなげる取り組みが進んでいる。2015年9月成立の「改正個人情報保護法」は、企業が蓄積した購買履歴や移動履歴を個人が識別できない匿名のデータに加工すれば、第三者が利用することを容認。ビッグデータがより幅広く活用される道を開いた。


(2016.5.22)
 たばこ販売本数10%減
日本経済新聞Web刊 5月20日
 
 日本たばこ協会(東京・港) 4月のたばこ販売本数が前年同月比10.1%減の137億本だったと20日発表した。販売金額は同8.7%減の2979億円だった。日本たばこ産業(JT)の販売本数は同13.5%減の80億本。主力ブランド「メビウス」などを4月1日から10円値上げした。3月は駆け込み需要のため好調だったが反動で落ち込んだ。


(2016.5.22)
 たばこ包装ロゴ廃止=英仏で新法施行
ヤフーニュース(時事通信) 5月21日
 
 【ロンドンAFP=時事】英仏で20日、喫煙を抑制するため、たばこの包装のロゴを廃止する新たな法律が施行された。
 
 ブランド独自のデザインは撤廃され、健康に関する警告が半分以上を占める地味な深緑色の包装に移行される。
 
 英国では今後1年以内、フランスでは来年1月1日までに、ロゴの付いた現行のたばこの在庫販売を終了する。オーストラリアでは既に同様の規制が導入されており、若者を中心に喫煙率の低下に効果を表しているとされる。
 
 英国の健康団体幹部は「巧妙にデザインされた派手なたばこの包装は若者を誘惑してきた」と強調。フランスのトゥーレーヌ保健相は「たばこをあえて醜い包装にし、魅力をなくすことが目的だ」と話した。


(2016.5.20)
 伊勢志摩サミット いい空気ようこそ 「受動喫煙ゼロ」賛同店広がる
CHUNICHI Web 5月20日
 
 店内の飲食スペースに掲示された「禁煙」のステッカー=三重県伊勢市の「味工房五十鈴川磯揚げひげ天」で
 
 三重県志摩市の賢島で二十六、二十七日に開かれる主要国首脳会議(伊勢志摩サミット)に合わせ、伊勢志摩地域で禁煙や分煙の取り組みが進む。鈴木英敬知事が四月に出した「伊勢志摩サミット受動喫煙ゼロ宣言」に、賢島や伊勢市の伊勢神宮周辺の飲食店、観光施設が協力し、県が配布したステッカーを掲げる。
 
 賢島で遊覧船が発着する賢島港近くにある喫茶店「コーヒーみきや」。知事の宣言後、約三十席の店内を全面禁煙にした。客の反応はおおむね好評で、経営する三橋義弘さん(76)は「サミットが成功してもらわなくてはいけないから」と思いを語る。
 
 県によると、宣言の目的は「来訪者や県民に快適な環境を提供する」ことで、志摩、伊勢、鳥羽各市と南伊勢町が対象。県は「禁煙」「完全分煙」「空間分煙」「喫煙可」のステッカーを五千枚作製、協力施設に配った。ステッカーには英語や中国語、韓国語も併記し、店頭などに明示することで、受動喫煙を避ける環境を整える。伊勢市の伊勢神宮内宮前のおはらい町で練り物を販売する「味工房五十鈴川 磯揚げひげ天」では、禁煙としていた店内の飲食スペースに「禁煙」のステッカーを掲げた。「吸いかけたお客さんに声を掛けるのは申し訳ないし、見て気付いてもらえたら」と中村美穂店長(63)。「サミット後も海外のお客さんがたくさん来てくれることを期待している」
 
 土産や飲食など五十六店が並ぶ近くの「おかげ横丁」では、宣言に先立ち三月から各店内を原則禁煙にしている。運営会社「伊勢福」は「たばこを吸う人にも、吸わない人にも優しい環境を」と狙いを説明する。新設された喫煙所で休憩していた静岡県下田市の女性(23)は「吸わない人は煙を気にするから分煙は必要」と理解を示した。
 
 宣言の対象期間は五月一日から、「禁煙週間」最終日の六月六日だが、県は終了後も取り組みの継続を目指している。ステッカーと一緒にアンケート用紙も配っており、県健康づくり課の加太竜一課長は「県民からもっと禁煙にしてもらいたいとの声も届いている。まだ全体の把握はできていないが、結果を踏まえてどう広げていくか検討したい」と今後を模索する。
 
 (中山梓)


(2016.5.20)
 子ども利用施設、禁煙100%達成 山形の「受動喫煙防止宣言」実行委が報告
ヤフーニュース(山形新聞) 5月19日
 
 県の「やまがた受動喫煙防止宣言」の効果的な推進策などを協議する実行委員会(委員長・高橋秀昭米沢市医師会長)が18日、山形市の県建設会館で開かれた。2015年度の敷地内禁煙の実施率について、小中高校、保育園や幼稚園など子どもが主に利用する県内の約800施設で100%となり、同年度までの中期目標をクリアしたことが報告された。16年度は飲食店での浸透を狙い、啓発活動を強化する方針を確認した。
 
 この日は委員15人が出席した。県は4月1日現在で、同宣言を提出した施設数が1130件だったことを説明。県が掲げた数値目標の進捗(しんちょく)状況は、15年度末までに病院の敷地内禁煙率を100%とする目標だったが、75%で未達成であることも明らかにした。
 
 委員から「そば屋をはじめ、観光キャンペーンとタイアップして禁煙を推進する取り組みはできないか」「子どもが主に利用する施設で100%となり、安堵(あんど)している」「喫煙マナーが届いていない。のぼり旗など視覚的に訴えることが重要」などの意見や感想が出された。
 
 今後の取り組みとして、飲食店での宣言提出数が伸び悩んでいることから、新たにリーフレットを作り、今月末から県内一円で配ることなども確認した。


(2016.5.20)
  “スモハラ”控訴審 100万円で和解
ヤフーニュース(日本テレビ系(NNN)) 5月19日
 
 神奈川・横浜市の自動車教習所の男性職員が、職場での受動喫煙によって心臓病を再発したなどとして、スモークハラスメントいわゆる『スモハラ』を訴えた民事訴訟の控訴審で、会社側が男性に100万円を支払うことで和解していたことがわかった。
 
 この裁判は、横浜市の自動車教習所に勤める小野里純彦さんが、職場での受動喫煙の影響で持病の心臓病を再発したほか、分煙を求めるなどした結果、職場で嫌がらせを受けたとして、会社に損害賠償を求めていたもの。
 
 一審の横浜地裁は、去年、「職場の受動喫煙と病気の再発の因果関係を認めるに足りる証拠はなく、嫌がらせを行ったと認めることもできない」などとして、小野里さんの訴えを退ける判決を言い渡していた。
 
 小野里さんは判決を不服として控訴していたが、裁判資料などによると、会社側が小野里さんに100万円を支払うことで和解していたことがわかった。
 
 また、和解では、「経営に支障のない範囲で、受動喫煙防止のための環境の整備、改善に努めるものとする」とされていて、分煙を求めていた小野里さんの主張に沿った内容となっている。


(2016.5.9)
 電子たばこ、初めて全米規模で規制 18歳未満に販売禁止へ
産経ニュース 5月6日
 
 米食品医薬品局(FDA)は5日、電子たばこの18歳未満への販売を8月から禁止すると発表した。米国で未成年者の利用が急増しており健康被害を防ぐのが狙い。州単位の規制はあったが、全米規模は初めて。
 
 FDAは一般のたばこと同様に健康被害に関する警告文を商品に載せるようメーカーに求めた。商品の事前検査や不適切な広告の規制もできるようになる。バーウェル厚生長官は電子たばこが「若者を中毒のリスクにさらしている」と指摘した。
 
 電子たばこは果物の風味やニコチンを添加した液体の蒸気を吸引器で吸う。米疾病対策センターの推計によると、昨年は300万人の中高生が利用した。日本は、一部製品から発がん性物質が検出されたため、厚生労働省が対策を検討している。
 
 調査会社ユーロモニターインターナショナルによると、世界販売額は2014年に60億ドル(6400億円)と前年から倍増した。(共同)


(2016.5.8)
 たばこ1箱3200円に=豪が増税、愛煙家は悲鳴
jiji.com 5月4日
 
 【シドニー時事】オーストラリア政府は3日発表した新年度予算案に、2017年から4年間、毎年12.5%ずつ税率を上げる大幅なたばこ増税を盛り込んだ。25本入りの1箱が25豪ドル(約2000円)と、今でも世界屈指の高さだが、20年には40豪ドル(約3200円)になる。愛煙家からは悲鳴が上がっている。
 
 ターンブル首相は「税収増だけでなく、国民を喫煙から遠ざけるのも狙いだ」と説明した。
 
 1995年には1箱5豪ドルで、喫煙率は25%。その後の度重なる増税に加え、2012年には健康被害を警告する写真を箱に大きく表示させる規制を世界に先駆けて導入した効果もあり、現在では喫煙率は13%前後まで低下した。
 
 豪メディアによると、国民は総じて今回の増税に好意的だが、一部では「喫煙者いじめ」との声も。たばこ会社は「(政府は)増税反対との過去の方針に矛盾しており、怒りを覚える」と反発した。


(2016.5.7)
 やっとやめました−三重県庁、喫煙所全廃、サミット関連で残るは新潟県のみ…
産経WEST 5月4日
 
 三重県議会棟の裏口付近に設けられた喫煙コーナー=4月、津市
 
 三重県が伊勢志摩サミット開催をきっかけに本庁舎内にあった喫煙スペースを全廃した。受動喫煙防止に重い腰を上げた。「時代の流れか…」。愛煙家は庁舎の外に追いやられ、ますます肩身が狭くなっている。
 
 県関係者によると、厚生労働省からの働き掛けもあり、4月に5カ所あった喫煙スペースを撤去。本庁舎や県議会棟の裏口付近が喫煙場所に指定された。主会場がある志摩市など10カ所にある総合庁舎からも撤去する。
 
 産業医科大によると、昨年3月時点、47都道府県で庁舎内に喫煙スペースを設けていたのは三重県を含む14都県。これでサミットや関連閣僚会合の開催地計11県のうち、残っているのは新潟県だけとなった。
 
 三重県はスペースを撤去すると、矢継ぎ早に伊勢志摩サミット受動喫煙ゼロ宣言を発表。志摩市などの飲食店に防止への協力を呼び掛けている。


(2016.5.7)
 販促の「おまけ」中止=財務省の警告受け―たばこ各社
msnニュース 5月6日
 
 たばこ大手各社が、コンビニエンスストアやスーパーで販売促進活動の一環として配っているコーヒーのクーポン券など「おまけ」の提供を2016年末で中止することが6日、分かった。財務省から「法律違反の恐れがある」との指摘を受け、業界団体の日本たばこ協会が加盟社に対し、年末までに景品提供をやめるよう要請した。
 
 たばこは、国内首位の日本たばこ産業(JT)が4月から主力ブランド「メビウス」の全銘柄を10円引き上げ440円にするなど、値上げが相次ぐ。喫煙者にとっては新たな「逆風」となりそうだ。
 
 たばこ事業法36条は、財務相の認可を受けた小売価格以外でのたばこ販売を禁止しており、値引きを認めていない。以前から、たばこ各社が街角のたばこ店などを通じて、ライターや灰皿といった関連グッズをおまけとして渡す例はあったが、財務省は問題視してこなかった。
 
 しかし最近では、たばこ販売の中心となっているコンビニやスーパーなどで、たばこ各社の販促キャンペーンが過熱。缶コーヒーやタブレット清涼菓子、ティッシュなど現物のおまけに加え、いれたてコーヒーなどに店頭で交換できるクーポン券を配るケースも増えていた。
 
 こうしたおまけの拡大に対し、財務省は「実質的な値引き販売に該当すると認められる場合、たばこ事業法違反となる恐れがある」と、たばこ協会に警告。協会はこれを踏まえ、景品を使った販促の自粛を決めた。


(2016.4.25)
 一流アスリートを転落させる「2つの呪縛」  バドミントン男子の賭博問題で考える
東洋経済ONLINE AERA編集部 2016年4月19日
 
 (前略)
キャンプ通じて正しい行動学ぶ
 一連の事件を受け、日本バスケットボール協会の川淵三郎会長が「ジュニアから教育を」と提案したように、選手への早期の社会教育が叫ばれ始めた。
 
 以前から早期教育に取り組んできたのが、Jリーグ2部・京都サンガF.C.普及部長の池上正さんだ。数年前からジュニアのスクールのプログラムにデイキャンプを採用。小学生が自分たちの力でテントを立て、米を研ぎ、料理をつくって親たちにふるまう。活動のなかで、仲間と助け合い、人として正しい行動や哲学を経験から学びとる。「言動がしっかりしてくる」「自分から取り組むようになった」と保護者からも評価を得ている。
 
 「オシムさん(元日本代表監督)が、サッカーは人を育てると言ったように、本来スポーツは人を成長させるもの。それなのに、大人が勝ち負けや技術の進歩だけに注目していると、子どもの全人格的な育ちはない。ジュニアのうちに、勝ち負けよりも重要なこと、リスペクトされる選手像とは具体的にどういうものなのかを、心と体にしみ込ませなくてはいけません」
 
 そう話す池上さんもかつて、旧知のブラジル人コーチから聞いて驚いたことがある。7歳でクラブとプロ契約したそのコーチはその後、さまざまな講習を受けた。たばこやアルコールがどれだけ健康を害するか。ドラッグがいかに恐ろしいものか。すべて専門の医師がやってきて、映像や画像を用いて頭と心にたたき込む。
 
 また選手たちは、自分のクラブが輩出した代表選手の名前を、加入年も含めて全員暗唱できた。ブラジル国旗をつけるセレソン(代表)は国民の英雄。特別な存在だからこそ、格段にリスペクトされる人間にならなければいけない、と教え込まれていた。
 
 「ブラジルはそんなことを40年前からやっていた。日本も育成そのものを見直す時期だと思う」
 
 アスリートとしての名声を得られても、大人になり切れなかった面々の後悔の涙から、日本のスポーツ界が学ぶべきものは大きい。(ライター・島沢優子)


(2016.4.18)
 日本生命「禁煙デー」導入 全従業員7万7000人対象
ヤフーニュース(産経新聞) 4月13日
 
 日本生命保険は12日、社員らに就業時間中の喫煙を控えてもらう「禁煙デー」を導入した。日本全国で働く約7万7千人の全従業員が対象。月3回実施し、健康増進に役立てる。社員の健康状態を経営問題として位置付ける「健康経営」の一環。今後は、女性従業員向けのがん検診の受診率を引き上げる方針だ。
 
 生保大手の日生が健康経営を本格化させたことで、ほかの企業でも関心が一段と高まりそうだ。
 
 禁煙デーは毎月2日、12日、22日の月3回。数字の「2」が側面から見た白鳥の形に似ており、英語の「スワン=吸わん」の発音にちなんで毎月22日が「禁煙の日」とされていることから「2」の付く日に定めた。
 
 日生は平成26年度から、禁煙外来受診費用や禁煙補助剤代金に補助金を出し、すでに従業員約200人が禁煙に成功した実績がある。それでも社内の喫煙率は、国民平均(平成25年、約19%)よりやや高く、禁煙デーを設け、さらに喫煙率を下げる方針だ。
 
 日生は禁煙の推奨だけでなく、子宮がんと乳がんのがん検診の受診率を引き上げる目標を立てた。
 
 乳がんの受診率は約6割だが、子宮がんは15・3%にとどまっている。5月には本店に「子宮がん検診車」を手配、500人規模の集団検診ができるようにしてがんの早期発見につなげる。
 
 日生が目指す健康経営は、従業員の健康管理を経営的な視点で考え、生産性や業績向上などに反映させる発想。例えば喫煙は、肺がんなどさまざまな疾病を引き起こすリスクを高める。従業員の健康を損なうばかりか、企業側にとっても医療費の負担増や人事にもかかわる重大な問題だ。
 
 経済産業省と東京証券取引所は共同で、健康経営に積極的な上場企業を公表。今年1月には、「喫煙率ゼロ」を目指す塩野義製薬や、乳がん・子宮がん検診を定期健康診断の際に受診できるようにしたワコールホールディングスなど25銘柄が「健康経営銘柄」に選ばれた。
 
             「健康経営」の取り組み例
――――――――――――――――――――――――――――
長時間労働改善   住友林業、ブリジストン、伊藤忠商事、
             リコーリース
メンタルヘルス対策  アサヒグループホールディングス、
             コニカミノルタ、神戸製鋼所、IHI
スポーツイベント   TOTO、リンナイ、大和証券グループ本社
生活改善プログラム ローソン、川崎重工業
検診受診率向上   ワーコールホールディングス(乳がん、
             子宮がん)、フジ住宅(ピロリ菌)
――――――――――――――――――――――――――――
* 東京証券取引所「健康経営銘柄2016」選定企業紹介レポートから抜粋
「健康経営」の取り組み例(写真:産経新聞)


(2016.4.17)
 「脱たばこ」の出前授業 愛知学院大短期大学部 稲垣幸司さん 医人伝
CHUNICHI Web 中日メディカルサイト 4月12日
 
 愛知学院大短期大学部(名古屋市千種区) 歯科衛生学科教授 稲垣幸司さん(59)
 
 児童たちにたばこの害について教える稲垣幸司さん
 
 「たばこは、やめたいと思ってもなかなかやめられない。お父さんやお母さんら大切な人が吸っていたら、みなさんが正しい知識を伝え、救ってあげて」。2月、名古屋市東区の山吹小学校で開いた出前授業の「脱タバコ教室」。6年生約70人に、こう呼び掛けた。
 
 2004年に医師や看護師らで設立した「子どもをタバコから守る会・愛知」の世話人代表を務め、小中学校を回ってたばこの害を訴える。喫煙者には成人してからではなく、中高生の頃から隠れてたばこを吸い始める人も少なくない。喫煙者を減らしていくには、小中学生にたばこに手を出さないよう呼び掛けるのが効果的と考え、会では年に計3千?4千人の子どもに向けて授業を開いている。
 
 この日は、喫煙者の黒ずんだ肺や、口腔がんになった人の口内の様子など、ショッキングな写真や映像を示しながら、たばこの害を説明。ニコチンの影響で禁煙しにくくなるメカニズムも丁寧に教えた。児童たちは、鼻をつまんでストローをくわえて呼吸する実験を通じて、長年の喫煙習慣で起こる慢性閉塞(へいそく)肺疾患(COPD)による息苦しさを体験。「これが24時間続く」と聞き「えーっ、いやだ」と悲鳴を上げた。
 
 三重県朝日町出身。学生時代は、全身の病気と関係する歯周病に興味を持ち、歯周病学を専攻した。歯周病の要因の一つが喫煙習慣。自らたばこの害について学ぶうち、歯科医師の立場から禁煙を勧める必要性を痛感した。
 
 子どもの受動喫煙の被害を目の当たりにすることも。喫煙者の中には、歯茎が黒ずんだ人がいる。ニコチンやタールなどの有害物質から歯肉を守ろうと、メラニン色素が作られるためだが、喫煙経験がない子どもが同じように黒ずんでいることがある。決まって親が喫煙者だ。「受動喫煙は、歯周病だけでなく、ぜんそくや中耳炎なども引き起こす。周りの人にも健康被害を与えることを知ってほしい」と話す。
 
 今、取り組んでいるのが歯科での禁煙支援の普及だ。喫煙者2千万人のうち、500万人が「やめたい」と思いながら、実際に禁煙外来を受診したのは100万人程度。「年間500万人が訪れる歯科医院で禁煙を勧めれば、ほんの一部が禁煙に成功するだけでも大きな意義がある」と語る。(稲田雅文)


(2016.4.16)
 喫煙者には台湾旅行はきついかも? たばこを吸える場所がない 台湾の喫煙ルールまとめ
Taiwanzine 2015年6月11日
 
海外旅行先として人気の台湾ですが、喫煙者にとってはちょっときつい旅行先になるかもしれません。
 
台湾は喫煙者に厳しく、たばこを吸える場所があまりないんです。2009年に台湾のたばこ煙害防止法という法律が改正されてから、喫煙に関してとても厳しくなりました。
 
簡単に説明すると、台湾では、三人以上集まる建物内、公共の場所(公園を含む)、交通機関内は全面禁煙です。つまり学校、病院、オフィス、ホテル、電車、バス、タクシーなどすべて禁煙です。
 
台湾の新幹線には喫煙可能車両がありませんし喫煙ルームもありません。地下鉄にいたっては禁煙そして飲食禁止です。ホテルでは建物内に喫煙ルームがなくホテルの外に出て喫煙しなければならないため、わざわざ1階まで降りて外に出て吸う事になります。
 
観光客の多い国立公園などでは、喫煙可能エリアが定められていますので、たばこを吸う際にはそちらのエリアで吸うようにしてください。
 
台北市では市内の学校周辺の歩道の全面禁煙化を行なっています。学校の敷地外からのたばこの煙の流入による受動喫煙の被害を防ぐためです。
 
また、歩きたばこも禁止です。台湾で外でたばこを吸っている人をよく見ると、立ち止まって吸っていることが分かると思います。実は路上で立ち止まって吸うのはOK。禁止されてるのは”歩きたばこ”なんです。夜市内で歩きたばこされようものなら絶対にこどもの目に当たりますからね。
 
違反者は罰金2000元(約8千円)〜10000元(約4万円)です。外国人なので知りませんでした、は通用しません。もしも違反を摘発された場合には外国人でも罰金を支払わなければなりません。(後略)


(2016.4.12)
 喫煙者に就職が難しくなる傾向、米研究
ヤフーニュース(AFP=時事) 4月12日
 
【AFP=時事】喫煙者は、喫煙しない人に比べて就職がより難しく、収入も少ない傾向があるとする研究論文が11日、米国の研究チームにより発表された。
 
喫煙者の雇用で年間費用は60万円増に、米調査
 
米国医師会雑誌(JAMA)に発表されたこの研究論文は、米サンフランシスコ(San Francisco)地区の失業中の求職者250人以上を対象としており、その約半数はタバコを1日平均13本吸う喫煙者で、残りの半数は喫煙者ではなかった。
 
対象者を1年間追跡調査した結果、非喫煙者の56%が仕事を見つけたのに対し、喫煙者ではわずか27%だった。また就職した人をみると、喫煙者の時給は、非喫煙者に比べて平均5ドル低かった。
 
対象者の3分の2近くは男性で、全体の平均年齢は48歳だった。
 
ただ今回の研究は、小規模な調査や地理的要因など、やや限定的なものでもある。調査が行われたカリフォルニア(California)州北部は、健康に対する意識が高く、喫煙が大きな汚点となる場合もある。
 
また、分析対象となった両グループの間にも大きな相違点がいくつかあり、喫煙者のグループは、非喫煙者のグループに比べて年齢が若く、教育レベルや健康状態が劣っている傾向があった。
 
論文は、タバコ関連の出費や賃金の減少、健康への被害、低い再就職率との関連性についての認識を高め、求職者の禁煙を支援する情報源としてこの研究結果を活用するよう、雇用サービス機関に呼び掛けている。【翻訳編集】 AFPBB News


(2016.4.11)
 タバコ1箱、その値段は安い?高い?
msnライフスタイル Mocosuku 4月10日
 
 2015年世界保健機構(WHO)が、タバコの税率を少なくとも販売価格の75%相当にすることを提言しました。WHOが各国の税制に言及するのは異例とも言える事態ですが、いったいどんな意図があるのでしょうか?

 タバコの健康被害を減らし税収を上げる策WHOが昨年発表したタバコに関する報告書「The Global Tobacco Epidemic 2015」によれば、タバコが関係する病気で死亡する人は世界で年間600万人おり、これはエイズやマラリア、結核による死亡者の合計よりも多いそうです。

 WHOは、タバコの税率を上げて小売価格を上げることが、タバコの需要を減らす最も効果的な手段だとしています。これは富裕層から貧困層までのさまざまな人々に対してタバコの健康被害を削減し、特に若年層に対して効果があるそうです。それだけでなく、タバコ税を上げることは税収を増やす効果も一石二鳥の施策だと主張しています。

75%以上が望ましいとするWHO
 WHOの研究によれば、タバコの消費量を減らし、かつ税収を上げるために効果的な税率は、タバコ1箱の価格につき75%以上とのこと。すでにこれ以上の税率を実施している国もあり、イギリス、フランス、アイルランド、スペイン、ポルトガル、ノルウェーなどが該当します。

 一方、日本のタバコの税率は60%以上で、日本たばこ産業株式会社(JT)によれば、1箱430円の製品で64.4%、約277円が税額です。決して低くはありませんが、WHOが推奨する税率と比べると10ポイントほど低い数値です。

1箱612円が適正価格!?
 仮に、タバコの本体価格を変えずに税率を75%まで上げるとすると、1箱の価格は612円となり、現在より4割以上の値上げとなります。税率として非常に高いのはもちろん、税金の上げ方としてもかなり極端と言えます。

 一方、国内では以前からタバコ税の増税が議論されています。一部には「1箱1,000円にすべき」という声も聞かれました。1,000円に比べれば612円でもまだ安い、という意見が出ることも十分考えられます。増税反対派としては、「健康被害が減って税収も上がる」と言われると反論するのが難しくなりそうですね。

 現在は他の話題に押されてやや沈静化した観はありますが、再びタバコ税の増税に関して議論が沸くかもしれません。

<参考資料>
WHO report on the global tobacco epidemic, 2015
http://www.who.int/tobacco/global_report/2015/en/


(2016.4.10)
 宿泊施設の6割 受動喫煙対策なく/青森県内
ヤフーニュース(デイリー東北新聞社) 4月8日
 
非喫煙者、空きなく喫煙室宿泊も
 青森県は7日、県内の宿泊施設の受動喫煙防止対策実施状況をまとめた。施設内禁煙や分煙など何らかの対策を講じている施設は全体の約3割にとどまり、約6割が未実施だった。一方、利用者のうち、非喫煙者の約4割が喫煙部屋に泊まった理由について「喫煙室しか空いていなかった」と回答。非喫煙者の多くが受動喫煙を避けたいと感じているにもかかわらず、3分の2の施設で具体的な対策がなく、利用者のニーズと施設側とのギャップも明らかになった。
 
 調査は、サービス業の受動喫煙防止対策の推進を目的に初めて実施。2015年6〜12月に県内のホテルや旅館、簡易宿所を対象にアンケートを実施し、315施設から回答があった。施設の利用者にはウェブアンケートを行い、県内外の738人から回答を得た。
 
 施設の受動喫煙防止対策では、敷地内禁煙や施設内禁煙、喫煙場所の設置による分煙など、何らかの対策を講じていると回答したのは108施設(34・3%)で、未実施は200施設(63・5%)。7施設(2・2%)が未回答だった。
 
 未実施のうち「今後も対策の予定がない」と答えたのは65・5%。理由は「たばこを吸いたいという利用者の要望がある」、「喫煙室の利用が多い」などが多かった。
 
 一方、利用者が喫煙部屋に宿泊した理由は、「喫煙したい」39・8%、「喫煙室しか空いていなかった」22・7%、「同室に喫煙者がいた」14・1%など。
 
 このうち、非喫煙者に限定すると「喫煙室しか空いていなかった」が41・9%、「市町村内で別の施設も探したが喫煙室しか空いていなかった」が15・1%に上り、本来は禁煙室に泊まりたい非喫煙者が、仕方なく喫煙室に宿泊している実態が浮かび上がった。
 
 また、利用者のうち「禁煙室があることが重要」と答えたのは73・7%。一方、施設の喫煙室の割合は、62・7%で、禁煙部屋より比率が高かった。
 
 喫煙部屋の割合は、地域別では下北が最も高く78・5%。三八は64・8%、上十三は52・8%だった。
 
 県がん・生活習慣病対策課は「禁煙部屋を希望する利用客の声に施設が応えていない」と課題を指摘。「業界全体として対策が進むよう力を入れ、受動喫煙のない環境づくりに取り組んでいきたい」と強調した。


(2016.3.31)
 信大、全面禁煙に 全5キャンパスの敷地内
信毎Web 3月31日
 

全面禁煙化に向けて、廃止予定の喫煙所を巡回する信大総合健康安全センターの担当者ら=信大松本キャンパス

 信州大(本部・松本市)は4月から、全5キャンパスで敷地内を全面的に禁煙にする。全面禁煙は、2014年4月に上伊那郡南箕輪村の農学部、昨年8月に上田市の繊維学部で既に実施。4月から残りの松本市の松本キャンパス、長野市の教育、工学部でも行うことで、信大全体が全面禁煙となる。

 これまで施設内は禁煙、屋外は喫煙所を利用する「分煙」としてきた松本キャンパスでは、31日夕、経済学部棟や医学部棟の近くにある喫煙所を撤去。全面禁煙化をPRしている信大総合健康安全センター(松本市)が4月以降、キャンパスの敷地周辺で喫煙者が増えないか、巡回を強める。担当者は「喫煙者に厳しい指導はせず、地道に協力をお願いしていく」とする。

 信大は、公共施設などの管理者に受動喫煙防止の対策を求める健康増進法が03年に施行されたのをきっかけに分煙化を推進。今回の全面禁煙化は、11年度に大学役員や学生代表でつくるワーキンググループが行程表を定めた。同年度末には、山沢清人学長(当時)が「信州大学禁煙宣言」を発表し、全面禁煙化を進めてきた。

 これまでは、各キャンパスが喫煙場所を毎年半減させたり、希望する喫煙者には禁煙補助薬の無償提供や保健師による相談に応じたりしてきた。センターが昨年度の健康診断で行った聞き取り調査によると、喫煙者は教職員で1割弱、学生は3、4年生で5%ほどという。

 3月中旬に喫煙スペースでタバコを吸っていた喫煙歴約30年の男性職員(51)は「世の中の流れに沿った対応で仕方がない。良いタイミングと捉え、自分の力でタバコをやめたい」と話した。

 信大総合健康安全センターの川茂幸センター長は「喫煙を禁止するのはどうか、との意見も内部にはある。吸う人、吸わない人の対立を招かないよう、粘り強く全面禁煙を進めたい」としている。



(2016.3.25) 
 「加熱式たばこ、公共の場で吸うべきではない」とWHO幹部
ヤフーニュース(フジテレビ系(FNN)) 3月24日
 
2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて、受動喫煙防止への取り組みが求められている中、WHO(世界保健機関)の幹部が、FNNの取材に応じ、需要が広がる「加熱式たばこ」について、「公共の場で吸うべきではない」との認識を示した。

WHO生活習慣病予防部のダグラス・ベッチャー部長は「たばこの成分を含んでいるものは、全てリスクがあるし、死に至る可能性がある。加熱式でも煙を吸うものでも、どちらでも有害だ」などと話した。

煙を出さずに、水蒸気が出る「加熱式たばこ」は、喫煙者を中心に需要が拡大していて、禁煙の飲食店でも、「加熱式たばこ」の喫煙は認めるところもある。

こうした中、WHOのベッチャー部長は、「健康リスクについては、さらなる研究が必要だ」としたうえで、「成分はタバコと同じなので、飲食店など、公共の場で吸うべきではない」との認識を示した。

一方、加熱式たばこを販売するJT(日本たばこ産業)は、喫煙場所について「行政や、施設の管理者が判断するべき」としているほか、フィリップモリスジャパンは「各自治体や飲食店のルールに従っていただきたい」としている。

IOC(国際オリンピック委員会)は、「たばこのない五輪」を掲げていて、東京オリンピックに向けて、厚労省などは、加熱式たばこについても、新たな対策が求められるとみられる。


(2016.3.19) 
 勤務中のタバコは不公平 横浜市職員、喫煙是正へ
カナロコ 3月10日
 
 勤務時間中の喫煙は非喫煙者との間に不公平感が生じるのではないか−。9日に開かれた横浜市会予算特別委員会局別審査で、職員の喫煙をめぐる議論があった。

 市によると、職員の喫煙者は約4千人(水道・交通局などを除く)。20
14年3月に本庁舎内を禁煙化、3カ所の喫煙所を廃止するとともに、屋上1カ所に設置した。

 質問したのは加納重雄氏(公明党)。製薬会社が公表しているシミュレ
ーションに基づき、勤務時間中に喫煙することによる市の「賃金ロス」を試算。仮に4千人が移動時間を含めて1日35分間、喫煙した場合、年間約15億4千万円となり、19日休んだことになると示した。

 その上で「職員の健康管理や勤務時間の公平性、費用対効果から考
えて、勤務時間の喫煙是正に取り組むべき」と求めた。

 渡辺巧教副市長は「納税者の市民からは公務員の働きぶりを厳しい目
で見られている。職場全体で共通認識を持ってしっかりと進めたい」と述べ、勤務時間内の喫煙是正の周知や禁煙支援に取り組む考えを示した。

 市によると、昨年3月時点で勤務時間内の喫煙を禁じている政令市は
大阪市、神戸市、堺市。


(2016.3.19) 
 住環境トラブル実務マニュアル
岡本 光輝 フェイスブック 3月19日
 
 本を初めて執筆しました。共著で弁護士会から上梓しました。この1年間、検討や会議を重ね、ようやく成果物ができました。

 東京弁護士会、東京第1弁護士会、東京第2弁護士会:
 
住環境トラブル実務マニュアル,
 弁護士会館ブックセンター出版部LABO、2016
 定価2500円+税 ISBN 978-4-904497-23-4


(2016.3.19) 
 岡山で禁煙支援フォーラム 医師や保健師が患者への指導学ぶ
山陽新聞デジタル 3月13日
 
 医師や保健師らを対象にした初めての岡山県禁煙支援フォーラム(県主催)が13日、岡山市北区南方のきらめきプラザで開かれ、約100人が禁煙指導について学んだ。

 岡山済生会総合病院がん化学療法センター長の川井治之医師が「禁煙支援を行うための基礎知識」と題して講演。1日単位から目標を
設定する「スモールステップ法」の導入を勧めたほか、禁煙継続のために患者に空腹や孤独、疲れ、けんかなどを避けてもらうようアドバイスした。

 禁煙のストレスについては「依存性があるニコチンの離脱症状で一
時的に不安や緊張が高まるが、遅くとも1カ月以内には改善する」と説明した。

 国立がん研究センターたばこ対策支援部の望月友美子部長の講演、専門家らによるシンポジウムもあった。

 【写真】医師らが禁煙支援について学んだフォーラム
 


(2016.3.8)
 プノンペンの公共施設やレストランで分煙を導入、違反者には罰金[社会]
カンボジア ビジネス パートナー 3月6日
 
 3月4日の閣僚会議で、公衆衛生を強化するためタバコの使用を削減し、オフィスや公共での喫煙に対して罰金を科す閣僚会議令が可決された。職場、レストラン、バーや公共の場での喫煙者に20,000リエル(約5ドル)、禁煙エリアを設けない飲食店等オーナーへは50,000リエル(約12.5ドル)の罰金を科すという。

 プノンペンポスト紙によると、閣議会義の広報官は、全面禁止ではなく
分煙で対応し、公共施設や空港などのレストランやバーなどで制限を行うと説明し、喫煙エリアの設定には保健省と飲食店のオーナーが協力して行うと話している。

 日付は未定だが、規制は間もなく施行され、禁煙の標識がプノンペンの
公共施設や公園に設置される見込み。愛煙家だったフン・セン首相も現在は禁煙に成功しており、喫煙者だった当時は公共での喫煙禁止の閣議書へは署名拒否していた。


(2016.3.8)
 月より、たばこのパッケージに健康被害の表記義務づけへ  ミャンマーの喫煙率は26.1%に
 ミャンマーニュース 3月4日
 
 ミャンマー保健省は、9月1日より同国内で販売されるたばこについて、パッケージに健康被害の警告文と、たばこの健康被害をイメージするイラストの記載を義務づけると発表した。

 2014年の調査によると、ミャンマーの喫煙率は26.1%であるという。ま
た、男性の喫煙率は43.8%、女性の喫煙率は8.4%であるという。なお、喫煙者のうち約80%は毎日喫煙しているとされる。同国ではたばこの消費量が多く、喫煙による健康被害も多く見られるのが現状だ。

たばこの危険性について、さらなる喚起が必要との声も
 たばこのパッケージに記載される警告文とイラストは、パッケージ全体
の75%の範囲に記載するものとしている。また、イラストについては、国民の意見をもとに10種類の中から選ばれる予定だ。

 さらに、たばこの表記では、「低タール」「ライト」「ウルトラライト」「マイル
ド」など、曖昧な表記については、記載を禁止することとした。同国の博士は、保健省の発表を評価したが、博士は、中国製のたばこが安く簡単に入手できる現状があることから、たばこの危険性についてさらなる喚起が必要であるとの考えを示した。


(2016.3.8)
 アメリカ運輸省、機内での電子タバコ使用禁止に 有害化学物質の人体への影響懸念
トライシー 3月6日
 
 アメリカ運輸省は3月2日、旅客便での電子タバコの使用を禁止する最終規則を発表した。アメリカ国内線やアメリカを発着する外国の航空会社を含む全ての定期便で適用となる。

 電子タバコから発生する「エアロゾル」が有害な化学物質としており
高齢者や子供、呼吸器に障害がある方に深刻な懸念が拭えないため、完全にリスクについて判明するまでは予防的に禁止すべきとしている。従来は電子タバコでの喫煙禁止は明示的されていなかった。タバコと同様の制限を設けることにより、タバコと電子タバコの間での混乱を排除するとしている。

 アメリカ運輸省や危険物安全局は、電子タバコの預け入れを安全性に
懸念があるため禁止している。


(2016.3.6) 
  たばこの火、若者から消せ 医療費膨張の芽を摘む禁煙外来、公費投入に賛否両論
日経電子版 3月6日
 
 若い世代の禁煙治療を支援する動きが広がってきた。独自の制度を設ける自治体が増え、国も将来の医療費削減を狙い4月から保険治療に道を開く。今や主役は若者だ。
 
 「(禁煙開始後は)1本も吸っていませんか」「飲み薬の副作用は?」――。
 
 2月下旬、青森市の「ひでかず胃腸科内科」(鈴木秀和院長)で、会社員の菅原広大さん(27)が禁煙治療を受診していた。菅原さんは昨年12月に治療を始め、受診は4回目。院長に1本も吸っていないと答え、「気持ちはだいぶ落ち着いてきました。薬は少し吐き気がしますが、つらくはありません」と伝えた。
 
 青森県は2015年度に若者の禁煙支援を始めた。喫煙歴が浅く、公的医療保険の対象にならない若者に保険相当額(治療費の7割)を支給する。菅原さんもたばこの値上げや健康を考え制度を利用した一人。「起床後にたんが絡まず、呼吸も楽になった」
 
 青森県の男性喫煙率は全国1位、女性は2位。たばこのニコチンは血管を収縮させ、依存性も強い。吸い始め時期が早いほどニコチン依存症になりやすく、喫煙歴が長くなるとがんなど疾病リスクも高まる。若者の禁煙を進め、早期に疾病の芽を摘む狙いだ。
 
■自治体が補助金
 若者の治療費を支援する自治体は増えている。鳥取県は11年度に、岡山市は14年度に始めた。15年度には岡山県と岡山市が未成年者に治療費の9割を出す制度を設けた。
 
 日本で禁煙治療に保険が適用されたのは06年。禁煙治療や受動喫煙防止を推進する国際条約が発効した翌年だ。歴史は意外と浅いが、日本禁煙学会の集計では保険治療施設は今や1万6千施設を超す。
 
 ところが保険適用には喫煙本数と年数を掛けた数値が基準になる。1日1箱(20本)を10年吸って初めて基準200を満たす。現在、20代のニコチン依存症患者だけでも約8割が保険対象外にある。若者が保険治療を受けたくてもこの基準が壁だった。禁煙外来の第一人者、高橋裕子・奈良女子大教授は「当時は若い世代のニコチン依存度が強いという認識が十分に広がっていなかったが、近年ようやく浸透してきた」と若者の治療の重要性を指摘する。
 
 こうした流れを受け、国も動き出した。厚生労働省は今年4月の診療報酬改定で、喫煙の指数基準を35歳以上に限定する方針だ。34歳以下の喫煙者は指数に関わらず、3割負担で済む。治療の総費用は最長12週間で約6万6千円。保険適用で自己負担は2万円以内に収まる。
 
 禁煙治療は、喫煙に伴う疾病の医療費も減らす。厚労省研究班の試算では、20代全員に禁煙治療を広げれば132億円削減できる。20〜70代の全員なら1346億円減らせる。禁煙で寿命が延びれば所得や消費が増えて税収や経済活力も増す。何よりも生活が豊かになる効果は大きい。
 
■成功率は高くなく
 国内喫煙率は現在約20%と1990年代の半分以下だが、近年ほぼ横ばいだ。厚労省の14年の調査で禁煙を希望する喫煙者の割合は約3割だった。絶対禁煙しない「コアスモーカー」を除いても喫煙率にはまだ低下余地がある。そこで期待されるのが若い世代。「若い世代はニコチン依存度が強くなりやすいが、治療効果も大きい」(日本禁煙学会の作田学理事長)
 
 ただ禁煙治療の成功率は決して高くない。4週間の禁煙継続率は8割近いが、日本禁煙学会が集計した1年後の禁煙継続率は約35%だ。1本でも再喫煙すると再びニコチン依存症になりやすく、医療関係者は「1本おばけ」と呼ぶ。再治療までは最低1年と決まっているが、治療と失敗を繰り返せば医療費は膨らむ。再喫煙の主因の一つは周囲の喫煙環境だとされる。喫煙環境の縮小や禁煙教育の徹底がさらに求められそうだ。
                          ◇
■非喫煙者にインセンティブを
 ツイッターでも様々な意見が書き込まれていた。賛成論では「たばこを吸って病気になりたばこ税より多額の税金を使うより、禁煙するために税金を使って下さい」のほか、「年取ってから高額医療費払って入院生活したくないなら、早いうちに禁煙外来でも何でも通ってやめたほうがいいよ本当に」との声があった。
 
 一方、「一度も手を出してない人間にしたら、やめたくなったから世間様に助けて下さいってどんだけ」「非喫煙者には何か無いの? インセンティブ出してよ! 不公平」と、公費投入には疑問
だというつぶやきもあった。
 
 また、「国はたばこ売るのはOKだけど、一方で禁煙勧めるのってなんか滑稽な感じ」と政策の矛盾を指摘する声もあった。調査はNTTコムオンラインの分析ツール「バズファインダー」を用いた。(福士譲)


(2016.3.6) 
 敷地内禁煙率100パーセントを前倒して今月中に
インターネットTUY Nスタ山形 3月3日
 
 吉村知事はきょう、受動喫煙による健康被害を防ぐため、保育園や 幼稚園の敷地内完全禁煙を今年度中に実現する考えを明らかにしました。
 
 吉村知事「子どもが主に利用する施設は今年度中に敷地内禁煙の実施率を100%になるようにしていく」
 
 これはきょう開かれた県議会予算特別委員会で吉村知事が明らかにしたものです。県は去年2月に「やまがた受動喫煙防止宣言」を行い、これまでに1000を超える事業所から受動喫煙防止の宣言書が提出されています。
 
 県ではその取り組みの一環として、子どもが多く利用する保育園や幼稚園は再来年度までに敷地内完全禁煙を目指してきました。
 
 しかし県民総参加の意識を高め、受動喫煙防止の取り組みをさらに広めるため、目標時期を前倒しして今年度中の実現を目指すことにしたということです。また、公共性の高い美術館や体育館でも、屋内完全禁煙の目標時期を再来年度から来年度に前倒しされるということです。


(2016.3.4) 
 禁煙・防煙の取り組み紹介 ポスター、標語表彰 加古川 /兵庫
毎日jp 2月28日
 
 「第10回禁煙・防煙、いのちを守るフォーラム」(加古川医師会・高砂市医師会主催、毎日新聞姫路支局など後援)が27日、加古川総合保健センター(加古川市加古川町篠原町)であり、「考えよう! 地域で育むこどもと健康」のテーマのもと、たばこの害や健康づくりを考えた。【藤田宰司】

 加古川、高砂市と播磨、稲美町などから約300人が集まった。稲美
町立天満南小5年1組は、毎日取り組んでいるあいさつリレーやほめ言葉のシャワーで笑顔を増やし、心の健康を増進する活動を紹介し、播磨町立播磨西小は8年間取り組んできた禁煙学習の成果などを発表。禁煙・防煙啓発ポスターで特選に選ばれた加古川市立志方中3年の橋本美空さん、禁煙標語の最優秀賞を受けた播磨町立播磨小1年の吉岡昂紀さんらに表彰状が贈られた。

 続いて大和浩・産業医科大教授が「子どもたちのために、家庭・学校
・地域で取り組む無煙環境」と題して講演した。「喫煙者の平均余命は非喫煙者より10年短い」「たばこの煙の粒子のサイズはPM0・5」などのデータを示しながら「ベランダで吸ってもサッシのすき間から室内に入り込む」「喫煙者に接客するだけで、受動喫煙してしまう」と解説し、「会社も自宅も屋内では吸えないようにするのが無煙環境への早道。業務中の喫煙も禁止すべきだ」と語った。

 【写真】友人からたばこをすすめられた時の断り方を実演する播磨町
立播磨西小の児童=兵庫県加古川市で、藤田宰司撮影


(2016.3.4) 
 受動喫煙防止 国際標準へ近づく新法に
西日本新聞 3月1日
 
 他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止対策強化に向けて政府は新法制定の検討を始めた。

 全面禁煙など具体的な対策を取らない公共施設や飲食店には罰則を設ける方向という。日本はたばこの煙による屋内の空気汚染が越境大気汚染より深刻とされる。受動喫煙の防止対策を国際標準に近づける契機としたい。

 きっかけは2020年の東京五輪・パラリンピックだ。国際オリンピック委
員会(IOC)と世界保健機関(WHO)は「たばこのない五輪」を目指している。近年は会場だけでなく、飲食店などを含む屋内施設が全面禁煙の国・都市での開催が慣例となっている。

 日本は健康増進法で学校や病院、官公庁、飲食店などの管理者に受動喫煙を防ぐ対策を講じるよう求めている。だが、現状では罰則のない
努力義務にとどまる。

 東京都は国際標準の条例制定を検討したが、飲食・サービス業界の反
発が強く、結論を先送りした。そこで政府が率先して対応することになった経緯がある。

 受動喫煙対策の強化は時代の流れだ。職場や飲食店を全面禁煙にする動きが多くの国に広がっている。健康への悪影響がはっきりしてきたか
らだ。

 WHOの推計では毎年600万人がたばこの害で亡くなり、うち60万人
が受動喫煙の影響とされる。日本でも受動喫煙で年間約6800人が死亡し、その半数以上は職場での被害と推定される。

 日本のたばこ規制は国際的にも遅いと批判されている。特に受動喫煙
対策はWHOの評価でここ数年、常に最低のランクだ。

 厚生労働省によると、法律で屋内喫煙が禁じられた国では心疾患や呼
吸器疾患の減少が報告されている。新法策定で難しいのは飲食店の扱いだろう。禁煙ではお客が減ると心配する声は根強い。だが、全面禁煙化した国でも売り上げは変わらないか逆に上昇したとの調査結果もあるという。

 国民的理解が必要である。最新の知見に基づく検討を深め、その情報
公開にも努めてほしい。
=2016/03/01付 西日本新聞朝刊=


(2016.3.4) 
 米国・ハワイ州、喫煙の認められる最低年齢を21歳に引き上げ
財経新聞 1月9日
 
 米国・ハワイ州では、喫煙の認められる最低年齢(MLA: Minimum age of Legal Access)を21歳に引き上げる法律が1月1日に施行された(Big Island Nowの記事、KHON2の記事、Consumeristの記事、プレスリリース)。

 米国の州ではMLAを19歳に引き上げたアラバマ、アラスカ、ニュージャージー、ユタの4州を除き、18歳以上の喫煙を認めている。市や郡単位ではMLAを21歳に引き上げているところもあり、ハワイではハワイ郡が一昨年から実施しているが、州としてMLAを21歳に引き上げるのはハワイが初とのこと。これにより、紙巻きタバコやその他のタバコ製品、電子タバコについて、21歳未満への販売が禁じられるほか、21歳未満の購入、所持、使用が禁じられる。ハワイの米軍でも、この法律を順守する新たなポリシーを制定している。

 ハワイは既に喫煙のコントロールに成功しており、2000年に成人の5人に1人近くいた喫煙者は13%まで減少し、全米で3番目に成人喫煙者の少ない州になっている。その結果、州民の健康状態も大きく改善し、心疾患
や脳卒中、肺がんによる死者が大幅に減少しているとのこと。MLAの引き上げにより、若者が喫煙者になる可能性をさらに低下させる狙いだ。全米でMLAが21歳に引き上げられれば、若年死を223,000件減少させるといった試算もあるそうだ。

 このほか、1月1日からハワイでは電子タバコや電気的な喫煙器具につい
て、禁煙場所での使用を禁じているとのことだ。


(2016.3.1)
 梅田の暴走事故 運転手が送っていた食生活から見えるもの
ライブドアニュース(日刊ゲンダイ) 2月28日
 
死因は「大動脈解離」 梅田暴走事故運転者はかなりの偏食
 
 「食生活がヤバすぎる」とネット上で話題になっている。
 
 大阪・梅田の繁華街で車が暴走、11人が死傷した事故で、運転者の会社経営、大橋篤さん(51=奈良市)の死因は大動脈解離による心タンポナーデと判明した。
 
 事故を目撃した50代女性は「(大橋さんは)ハンドルを握っている感じではなく、気を失っていると思った」と証言していた。要するに、大橋さんはいきなり心臓の大動脈が裂けて死亡し、車がそのまま暴走してしまった可能性が高い。
 
 大橋さんには「持病はなかった」(家族)という。近所の40代主婦も、「体を鍛えたりウオーキングしたりしているのを見たことがある。健康に気を使っていたようだ」と証言するが、本人のツイッターを見る限り、食生活はかなり偏っていたようだ。
 
 どうやら、大橋さんはラーメン、それも「こってり」が好みだったらしく、今月1〜20日の間に少なくとも9回は食べていた。9日はラーメン、10日はうなぎ、11日はラーメンとすし、12日はラーメン……といった具合なのだ。
 
 1日おいて14日は焼き肉で、15日はラーメン、16日は佐世保で長崎ちゃんぽんを食べた後、大阪に戻って居酒屋へ。17日は焼き肉にうなぎ、18日は香川でちくわ天付きうどんを2回、19日も香川でラーメンにうどんにマクドナルド、20日は居酒屋で飲んだ後につけめんを食べ、22日には1回でうどんを2杯。その間にコンビニ菓子などの間食もしていた。
 
 いかに大橋さんが身長186センチ、体重100キロの巨漢とはいえ、まるで若者のような食生活。ツイッターには「喫煙」をうかがわせる書き込みもあった。医学博士の米山公啓氏は「あくまで一般論ですが」とこう言う。
 
 「塩分の取りすぎによる高血圧、こってりした食事による高コレステロール、肥満、喫煙は、いずれも(大動脈解離などの)血管病変の危険因子です。中年になれば、ひとつぐらいは当てはまるものですが、すべてというのは珍しい。それだけリスクが高まっていたと考えられます」
 
 血管病変はこれといった自覚症状がないまま突然死を招くこともある。そもそも大橋さんには、経営者のストレスもあったはず。それも危険因子のひとつだ。運転手の急病、発作による交通事故は14年に209件発生。他人事じゃない。


(2016.2.26)
 公共施設の禁煙求めず=自民たばこ議連
ヤフーニュース(時事通信) 2月23日
 
 たばこ産業の健全な発展を目指す自民党のたばこ議員連盟は23日、受動喫煙防止に向けた分煙対策推進法案をまとめた。

 公共施設に禁煙までは求めず、分煙対策を講じることにとどめたのが特徴。超党派の「受動喫煙防止法を実現する議員連盟」は既に、教育施設などを禁煙とする法案骨子をまとめており、今後、一本化に向け調整する。


(2016.2.26)
 「におい」だけでも害 交通事故より多い受動喫煙死者数
ヤフーニュース(伊豆新聞) 2月22日
 
 わが国の受動喫煙による死者は年間6800人に上ると推計(厚生労働省発表)され、交通事故による死者数(2014年4113人)をはるかに上回っています。交通事故で死亡する可能性よりも、他人のたばこの煙で命を落とす可能性の方が高いことになります。

 また「15(平成27)年度健康に関する県民意識調査」によると、県内では伊豆、東部地域の喫煙率は男女とも他の地域より高いことが分かりま
した。残念ながら前年も同じ結果でした。

 「たばこの害」というと、今さら? と思うかもしれませんが、たばこの煙
にはニコチンや一酸化炭素など、約250種類もの有害物質が含まれ、そのうち約70種類に発がん性が認められています。喫煙の害は言うまでもありませんが、他人のたばこの煙による「受動喫煙」の害も深刻です。

 喫煙後の部屋は「たばこ臭い」と感じますね。これは壁などに付いた煙
の成分が揮発して漂っているもので、「残留たばこ成分」といいます。この成分に発がん物質が含まれることが明らかになっています。つまり、煙はなくてもたばこ臭い「におい」を吸うだけで害があるということです。

 15年12月に20年東京五輪の自転車一部競技の伊豆開催が決まりまし
た。美しい自然とともに国内外の皆さんを「きれいな空気」でおもてなししたいですね。これを機に、喫煙されている方は受動喫煙の被害を生み出さないために、また、ご自身の健康のためにも喫煙の習慣を見直してみましょう。(県健康増進課・藤浪正子)


(2016.2.24)
 喫煙場所を撤去 立川駅前、7月めど/東京
産経ニュース 2月22日
 
 立川市の玄関口であるJR立川駅の駅前に南北計4カ所設置された喫煙場所が、7月をめどに閉鎖・撤去されることになった。駅周辺の美観、快適性を確保し、市民や来街者に対する街のイメージアップにつなげるためという。

 喫煙場所は平成20年6月、同駅周辺の路上喫煙を禁止した際に設置
された。しかし、市民や来街者から受動喫煙に関する苦情が増えているうえに、受動喫煙の効果的な防止対策が難しく、適当な移転場所がないことなどから撤去することにした。

 清水庄平市長は「トップダウンで廃止を決めた。喫煙所からたき火のよ
うな煙がもうもうと上がるのは、この街にふさわしくない」と廃止決断の背景を説明している。

 同市は今後、喫煙場所の撤去について利用者や地域の関係者に周知
するほか、撤去後に予想される歩きたばこ、吸い殻のポイ捨てなどマナー違反の指導を強化する方針で、28年度予算案に関連予算を計上した。


(2016.2.24)
 近鉄、吉野特急6/20から全席禁煙 - 分煙強化へ
 近鉄特急全列車に喫煙室設置 上新大介
マイナビニュース 2月16日
 
 近畿日本鉄道は16日、大阪阿部野橋〜吉野間で運行される特急列車の全席禁煙化を発表した。同区間の特急車両に喫煙室を設置し、6月20日から全席禁煙とする。

 大阪阿部野橋〜吉野間(近鉄南大阪線・吉野線)の特急列車は6月20日
から全席禁煙に。喫煙室も設置(車両によって形状は異なる)

 南大阪線・吉野線経由で大阪阿部野橋〜吉野間(一部列車は大阪阿部
野橋〜橿原神宮前間)を走る特急列車は吉野特急とも呼ばれる。吉野特急の使用車両のうち、すでに喫煙室が導入されている車両は26000系「さくらライナー」・16600系「Ace」など。

 近鉄特急は今後、全列車で分煙を強化する方針としており、大阪阿部野
橋〜吉野間では6月20日以降、平日54本・土休日66本(1日あたりの下り・上り合計)の特急列車で全席禁煙となる。「同区間を運行する特急では、タバコは喫煙室にてお吸いいただくことになります」(近鉄)とのこと。他の区間の特急列車も喫煙室の設置工事を順次進め、将来的には全線の特急列車を座席禁煙として分煙強化を図る。


(2016.2.22)
 JT、たばこ値上げ認可 メビウスは10円高に
ヤフーニュース(産経新聞) 2月22日
 
 日本たばこ産業(JT)は22日、財務省から4月1日以降のたばこの値上げが認可されたと発表した。対象は「メビウス(旧マイルドセブン)」の35銘柄と「旧3級品」と呼ばれる「わかば」「エコー」「ウルマ」「バイオレット」「しんせい」「ゴールデンバット」の6銘柄。「メビウス」は10円、「旧3級品」の6銘柄は30〜50円それぞれ値上げされる。


(2016.2.19)
 
「受動喫煙防止」希望し寄付 美唄市にふるさと納税相次ぐ
どうしんWeb 2月6日
 
 【美唄】道内の自治体で初の「受動喫煙防止条例」を制定した美唄市
に、受動喫煙防止への活用を希望する、ふるさと納税が相次ぎ寄せら
れている。市議会で条例案が可決された昨年12月11日以降、条例に
関連して集まった寄付は道内外から8件、計32万円。豪華な返礼品を
用意し、寄付の獲得競争を展開する自治体も目立つ中、専門家は「制
度の本来あるべき姿だ」と評価している。

 美唄市によると、8件の寄付は条例成立直後の12月15〜24日に申
請があった。寄付者は「(今年7月1日の)条例施行の準備資金に使って」など、活用の目的を具体的に記述した。市は「予想外の反響だ」と喜び、条例周知に向けて新年度事業に役立てたい考えだ。

 昨年12月から1月末までの寄付申請額は全体で1023件、1492万
円だった。

 ふるさと納税の制度設計に携わった千葉商科大の島田晴雄学長は、美唄市の例について「応援したいマチに寄付する制度の趣旨に合う。他自治体も、独自の取り組みを発信することにも目を向けてほしい」と
指摘する。


(2016.2.19)
 保険で禁煙、若者も...来年度に適用拡大へ〔読売新聞〕
メディカル・トリビューン 2月4日
 
 厚生労働省は来年度の診療報酬改定から、たばこをやめられないニコ チン依存症の治療について、保険適用の対象を20歳代を中心にした若者に拡大する方針を固めた。

 禁煙治療では、たばこを吸いたい欲求を抑える飲み薬や貼り薬を使う。
現在保険の適用範囲は1日の喫煙本数と喫煙年数をかけ合わせた指数が200以上の患者に限られ、喫煙期間が短い20歳代の多くが対象から外れていた。

 厚労省は今回、指数が保険適用の要件となるのは35歳以上とし、34
歳以下は指数と無関係に保険の範囲とすることにした。また、年齢に関係なく、治療を中断する患者が一定以上いる医療機関に対する報酬を少なくする措置も設け、禁煙の達成を促す姿勢も示した。

 厚労省によると、20歳代の喫煙率は男性37%、女性12%で、近年横ばい。喫煙を始めた年齢が低いとがん発症のリスクが高まるという研究成果もある。(2016年2月4日 読売新聞)


(2016.2.17)
 大学全面禁煙、全体の4分の1に 川口敦子
朝日新聞デジタル 2月8日
 
 たばこを吸わない大学生が増えている。受動喫煙を防ぐ取り組みを求める2003年施行の健康増進法を機に、構内を全面禁煙にする4年制大学は全体の約4分の1に増えた。一方、禁煙後にトラブルがあり、分煙に戻す大学もある。

 ■卒煙相談 要項に明記
 正門前に「構内全面禁煙」という看板を掲げる創価大学(東京都八王子市)は、11年度から週3回、「卒煙」相談を設けている。狙いは「全面禁煙の環境づくり」だ。

 希望者に原則1週間分のパッチを無料配布する。3カ月禁煙が続けば、「成功」だ。これまで52人が禁煙に取り組み、4人が達成した。その一人、4年生の男子学生(22)は「1日1箱吸っていた。同年代では喫煙者が少なく、飲み会で自分のためだけに喫煙席を頼むの
は気が引けた」と話す。2年生の女子留学生(21)も禁煙に挑戦中だ。「たばこを吸うために、休み時間を使って校外に出るのがもったいないと思った」と言う。

 創価大が全面禁煙にしたのは13年だが、事前に学生数約6千という同規模の大学で全面禁煙に取り組んでいた岩手大を視察したという。企画広報課の担当者は「全面禁煙反対者の意見も聞いた上で、納得してもらうのが肝心。一定数は必ず喫煙者はいるので、試行錯誤の
連続です」と話す。

 崇城(そうじょう)大学(熊本県)は11年度から薬学部について、「入学
者は非喫煙者とする」と要項に明記している。受験生の多くは喫煙が法で禁じられた10代だが、浪人生ら成人を想定。入学後もたばこを吸わないことを前提としている。要項に反しても明確な処分はないが、「薬剤師は健康増進、病気の予防が仕事。学生も喫煙してほしくないという大学の意思表示」と担当者は言う。崇城大によると、因果関係は不明だが、その後受験者数は増えているという。

 喫煙する大学生は全国的に減っている。就職情報大手マイナビが昨年12月11〜14日、インターネットで行ったアンケートでは、20歳以上
の大学生の男女399人のうち、9割の359人が「喫煙しない」と回答した。理由は「たばこのためにお金を使うぐらいなら別のことに使う」(宮城県の大学院生の男性)、「将来の職業的に吸うべきでないし、健康に悪いから」(石川県の大学2年の女性)など。吸う派は「気分転換に」という声が大半だった。

■周辺に吸い殻、分煙に戻す例も
 大学の全面禁煙は広がっている。日本学校保健学会の「タバコのない
学校」推進プロジェクト代表の家田重晴・中京大教授によると、敷地内の全面禁煙を導入した4年制大学は昨年12月時点で775校のうち186校で、およそ4分の1を占める。

 ただ、受動喫煙防止対策を望む場所を、20歳以上の非喫煙者に複
数回答可で聞いた厚生労働省の国民健康・栄養調査(13年11月)では、「路上」が42・7%、「飲食店」が42・1%と高いのに対し、「学校」は14%だった。家田教授は「職員の喫煙者が嫌がるケースもあり、学内全体での合意形成が必要」と話す。

 一度は全面禁煙に踏み切ったものの、分煙に戻す動きもある。山形
大学の小白川キャンパスでは、08年に全面禁煙にした。だがキャンパス付近で喫煙をしたり、道路に吸い殻を捨てたりする学生が多く、周辺から苦情が寄せられた。

 このため、13年から通行量が少ない場所に喫煙所を3カ所設けた。
秋田大学手形キャンパスも10年に全面禁煙としたが、同じ理由で13年から「暫定措置」として屋外に喫煙スペースを設けている。

 一方、金沢医科大学では04年から全面禁煙が続く。周辺住民に迷惑
をかけないよう、年に2回「禁煙パトロール週間」を設け、学生と教職員が道路などの吸い殻の掃除をしている。それでもマナー違反が減らなかったため、08年からは周辺道路と近隣の公園も禁煙エリアに拡大したという。

 職場や学校の受動喫煙問題に詳しい産業医科大の大和浩教授は「吸
いにくい環境をつくれば、喫煙者は減ってくる。10代のうちに喫煙を始めた人も多く、大学を全面禁煙にする意義は大きい。職員の健康管理のためにもなる」と話す。

 【写真】創価大学の校門前には、「構内全面禁煙」の看板が掲げられて
いる=1月25日、東京都八王子市
 
(注:当メーリングリスト管理者のコメントが載っています。) 


(2016.2.17)
 JT たばこ10万箱を自主回収へ、健康に問題はない
 テレ朝ニュース 2月4日
 
 JT(日本たばこ産業)がたばこの一部製品について自主回収を行うと発表しました。ただ、健康に問題はないとしています。

 回収の対象となったのは、「メビウス・プレミアムメンソール・オプション
・5」です。賞味期限が今年9月の商品の一部で、約10万箱にあたります。同じメビウスの別銘柄のフィルターが製造の過程で誤って入ったということで、使用した場合、味や香りは異なるものの健康には影響ないということです。

(注:元々タバコは健康に悪影響を及ぼしますよ!)


(2016.2.17)
 タイ政府、タバコ税を引き上げ
タイ通 2月12日
 
 タイ政府は、10日からタバコ製品の物品税をこれまでの87%から90%に引き上げた。これによってタバコの販売価格は1箱あたり約5−10バーツ値上げされる。

 タイ地元紙によると、この増税によって年間約150億バーツの増収と
なる見込み。

 これに対して、高額な外国産タバコを販売するフィリップ・モリス・タイラ
ンドの関係者は、現在45バーツ以下の低価格帯のタバコが市場シェアを急速に拡大させており、今回の増税で販売価格が更に上昇すれば、低価格帯のタバコまたは手製のタバコ(無税)に流れる喫煙者が増加すると危機感を抱いている。

 45バーツ以下の低価格帯のタバコの市場シェアは、2012年時点で
23.5%だったものが、現在34.6%まで伸ばしているそうだ。


(2016.2.14)
 たばこ包装の警告大きく? 財政審検討、欧州並み50%超案
ヤフーニュース(産経新聞) 2月2日
 
 たばこ包装の警告、今より大きくなるか(写真:産経新聞)
 
 財務省は1日、財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、たばこの警告表示規制を強化する検討を始めた。分科会の下に新設した部会で、現在は包装の30%以上となっている、喫煙が健康に与える影響を警告する表示面積を広げる案などを議論。早ければ平成29年にも警告が大きくなる可能性がある。
 
 世界保健機関(WHO)は2003年に採択した条約で、たばこ包装面積の最低30%以上を警告表示に使うよう求めた。この基準に基づいて、現在、日本国内で販売される銘柄については30%以上の面積を使って警告が表示されている。ただ、規制先進国の欧州やオーストラリアでは表示面積が50%を超えているケースがほとんど。財政審は、喫煙による健康被害が医療費負担を増大させていることなども踏まえ、警告を欧州並みにすることなどを議論する。
 
 財政審は今後、分科会の下に設置した「表示等部会」を通じて、たばこ会社や有識者への意見聴取を行い、6月をめどに中間報告をまとめる方針。中間報告などを踏まえて財務省は省令の改正を目指す。


(2016.2.14)
 喫煙場面ある映画に年齢制限を=若者のきっかけと警告―WHO
ヤフーニュース(時事通信) 2月2日
 
 【ベルリン時事】世界保健機関(WHO)は1日、若者をたばこの誘惑から守るため、喫煙場面のある映画の鑑賞に年齢制限を課すよう各国政府に求める報告書を発表した。
 
 報告書はたばこの広告に対する規制が強まる中で、映画の喫煙場面には制限がなかったと指摘。「映画の中で喫煙は極めて印象的に描かれている。若者が多くの映画を見ることもあり、喫煙を促す効果が著しい」と問題視した。
 2014年のハリウッド映画のうち、44%で喫煙シーンがあったと説明。喫煙を始めた若者の37%が映画の影響を受けたという米国の調査結果も紹介している。 


(2016.2.11)
 広がる大学全面禁煙 4年制の4分の1、トラブルも
ヤフーニュース(朝日新聞デジタル) 2月7日
 
 創価大学の校門前には、「構内全面禁煙」の看板が掲げられている=1月25日、東京都八王子市
 
 たばこを吸わない大学生が増えている。受動喫煙を防ぐ取り組みを求める2003年施行の健康増進法を機に、構内を全面禁煙にする4年制大学は全体の約4分の1に増えた。一方、禁煙後にトラブルがあり、分煙に戻す大学もある。
 
 【写真】創価大学の正門前には「構内全面禁煙」の看板が掲げられている=1月25日、東京都八王子市
 
 正門前に「構内全面禁煙」という看板を掲げる創価大学(東京都八王子市)は、11年度から週3回、「卒煙」相談を設けている。狙いは「全面禁煙の環境づくり」だ。
 
 希望者に原則1週間分のパッチを無料配布する。3カ月禁煙が続けば、「成功」だ。これまで52人が禁煙に取り組み、4人が達成した。その一人、4年生の男子学生(22)は「1日1箱吸っていた。同年代では喫煙者が少なく、飲み会で自分のためだけに喫煙席を頼むのは気が引けた」と話す。2年生の女子留学生(21)も禁煙に挑戦中だ。「たばこを吸うために、休み時間を使って校外に出るのがもったいないと思った」と言う。
 
 創価大が全面禁煙にしたのは13年だが、事前に学生数約6千人という同規模の大学で全面禁煙に取り組んでいた岩手大を視察したという。企画広報課の担当者は「全面禁煙反対者の意見も聞いた上で、納得してもらうのが肝心。一定数は必ず喫煙者はいるので、試行錯誤の連続です」と話す。
 
 崇城(そうじょう)大学(熊本県)は11年度から薬学部について、「入学者は非喫煙者とする」と要項に明記している。受験生の多くは喫煙が法で禁じられた10代だが、浪人生ら成人を想定。入学後もたばこを吸わないことを前提としている。要項に反しても明確な処分はないが、「薬剤師は健康増進、病気の予防が仕事。学生も喫煙してほしくないという大学の意思表示」と担当者は言う。崇城大によると、因果関係は不明だが、その後受験者数は増えているという。
 
 喫煙する大学生は全国的に減っている。就職情報大手マイナビが昨年12月11〜14日、インターネットで行ったアンケートでは、20歳以上の大学生の男女399人のうち、9割の359人が「喫煙しない」と回答した。理由は「たばこのためにお金を使うぐらいなら別のことに使う」(宮城県の大学院生の男性)、「将来の職業的に吸うべきでないし、健康に悪いから」(石川県の大学2年の女性)など。吸う派は「気分転換に」という声が大半だった。


(2016.2.11)
 リコー「就業中は全面禁煙」にネット称賛  「さすがやで」「サボリ防止にもなる!」
ガジェット通信 1月28日
 
 オフィス機器のリコーは2015年1月5日から、国内グループ社内での喫煙、就業時間内の喫煙を「全面的に禁止」したことを発表した。ねらいは社員の「健康障害防止・健康増進」と「社内における受動喫煙防止」だ。
 就業時間中の喫煙に関しては、タバコを吸わない人から「なぜタバコ休憩だけは許されているのか」と不満の声があがっていたことも確かだ。ネット上ではそうした非喫煙者から「思い切った決断で素晴らしい!」と称賛の声もあがっている。
「これを機に禁煙しよう」という社員も増えた
 禁煙の対象は広く、生産、物流、販売会社を含む国内リコーグループすべての敷地建物内で、社員以外の来所者も喫煙してはいけないことになった。さらに社員は、就業時間内は外出先や出張先、移動中を含めた「あらゆる場所」で禁煙を求められる。
 リコー広報によると、2014年の7月から「喫煙者の禁煙支援」が始まっていたそうだ。産業医や保健師の指導のもと禁煙が達成されれば康保険組合から禁煙補助薬や治療にかかった費用の半分が支給されるようになったという。
    「1月5日の施行から喫煙ルームも撤去されました。補助制度もあるので、周囲には『これを機に禁煙しよう』という人も増えましたよ」
 ただし、休憩時間などは禁煙の対象でないので、昼休みに敷地内以外で喫煙をする分には問題ないという。また、工場など喫煙者割合が高い職場については「一律で禁煙化すると業務上のインパクトが大きい」ので、期間や範囲を限定して喫煙を可能にする特別措置をとっている。
 とはいえ、外出先や社外からの来所者も禁煙の対象にすることなどに対し、ネットには「これは思い切ったなあ」「徹底してる…」と驚きの声のほか、一部には「やり過ぎだろ」「トイレ行くなと言ってるのと同じだろ」と反対する声もある。しかし、数でいえば全面禁煙化を称賛する声のほうが多いようだ。
    「流石リコーはんやで!」
    「会社のタバコに対する姿勢が明白。喫煙後の営業は印象はよくないし、社員の健康リスクも脅かされる、社員を疾病から遠ざける施策だ」
喫煙者から「喫煙中の会話は業務に役立つ」の反論も
さらに多くの人が指摘しているのが、これによってタバコ休憩や喫煙所会議が減ることだ。これについても「タバコ会議は絶滅するべき」「喫煙者って休憩時間以外にもしょっちゅうタバコ吸いに消えるからなぁ」と歓迎する声のほうが多い。
 「サボリ防止にもなる!喫煙所でしか交流の場がない人は社交性が無いだけ!」
 「喫煙ルームで時間潰してる人がいっぱいいるけど、1日の合計時間出したら非喫煙者は余計に働いているわけで、いままでめちゃ差別されていたと思ったり」
 ただ喫煙者からは「喫煙所って必要。タバコ上での会話は業務に無茶苦茶役に立つんだよ」と反対する声もあがっている。コミュニケーション面で従業員から不満の声はあがっていないのか。リコー広報に聞いてみると、「すでにコミュニケーションをしやすい社内環境を整えているので、全面禁煙によって、業務上なにか不具合が起こるということはない」と話していた。


(2016.1.26)
 受動喫煙放置に新法で罰則 五輪へ政府検討、飲食店など対象
CHUNICHI Web 1月26日
 
 政府は二十五日、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙の防止に向け、全面禁煙など具体的な対策を取らない国内の公共施設や飲食店に罰金などの罰則を科すよう定める新法の検討を始めた。二〇二〇年の東京五輪・パラリンピックに向けた受動喫煙対策強化の一環。内閣官房や財務省、厚生労働省などによる検討チームは二十五日、初会合を開催、今後、全面禁煙や分煙など施設ごとの対策の在り方などを協議する。
 
 〇三年施行の健康増進法は、施設管理者に受動喫煙対策を課したが、罰則のない「努力義務」にとどまっている。国内では、公共の場での全面禁煙実現を求める声が上がる一方、たばこ販売業者や飲食店関係者らの間には強制力を伴う措置への抵抗感が強いとされ、議論の行方が注目される。
 
 政府は、国際オリンピック委員会(IOC)などが「たばこのない五輪」を打ち出す中、ロシアや北京など五輪開催を機に罰則付きの法律制定など受動喫煙防止対策を進めた国や都市もあることから、東京五輪に向け対応を本格化する方針を示している。
 
 検討チームの初会合で、座長を務める杉田和博官房副長官は「多くの外国の方を受け入れるに当たり環境を整える必要がある」と発言。今後、国内の受動喫煙対策の実施状況を検証した上で(1)病院や学校、官公庁などの公共施設は全面禁煙(2)飲食店やホテルなど不特定多数が利用する場所は分煙−といったように施設の種類や規模に応じた対策を議論する。
 
 健康増進法は、病院、官公庁施設、飲食店などの管理者に受動喫煙防止に必要な措置を講じるよう求めているが、あくまで努力義務だ。厚労省も一〇年、公共的な施設の原則全面禁煙を求める都道府県宛ての通知を出したが、強制力はない。
 
 超党派の「受動喫煙防止法を実現する議員連盟」は法案提出の準備も進めているが、自民党の支持層である葉タバコ農家への配慮などから罰則付き規制に慎重な声もあるという。


(2016.1.22)
 受動喫煙、罰則付き法制化を検討 政府
朝日新聞デジタル(アピタル) 1月23日
 
 政府は、他人のたばこの煙を吸わされる受動喫煙を防ぐため、対策をとらない施設管理者を罰則付きで規制する新法の検討を始める。内閣官房や厚生労働省、農林水産省、国土交通省などによる検討チームを25日に立ち上げる。2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、海外に比べて遅れているとされる受動喫煙対策を強化する。
 
 検討チームは新法での規制について、学校や病院、官公庁などの公共施設は全面禁煙とし、飲食店は分煙とするなど、施設の種類や規模などで対策を分けるべきか議論する。罰則を盛り込むことも検討する。
 
 日本も批准しているたばこ規制枠組み条約では、加盟国は受動喫煙を法律で防止するよう求められている。厚労省によると、少なくとも08年以降、日本以外のすべての五輪開催地や予定地で罰則を伴う受動喫煙対策がとられている。
 
 日本は03年施行の健康増進法で施設管理者に受動喫煙対策を課しているが、努力義務にとどまる。


(2016.1.22)
 たばこ離れが加速する可能性も JTが主力商品「メビウス」値上げ
SankeiBiz 1月23日
 
 日本たばこ産業(JT)は22日、主力商品「メビウス(旧マイルドセブン)」の値上げを財務省に申請したと発表した。認可されれば、4月1日から改定する。2013年2月にブランド名を変更したことに伴う費用などを転嫁する。マイルドセブン時代を含めてメビウスが増税時以外に値上げするのは、1985年の民営化後で初めて。
 
 少子高齢化を背景に、国内たばこ消費量は毎年2〜3%程度減少しており、値上げによりたばこ離れが加速する可能性もある。「メビウス」シリーズの全35銘柄は10円引き上げ、440円となる。メビウスの値上げは消費税率が8%に上がった2014年4月以来2年ぶり。
 
 同日、東京都内で会見した岩井睦雄専務執行役員はメビウスの値上げについて、「収益基盤の強化だけでなく、これまで以上に満足いただける品質の向上やサービスを提供していくため」と説明した。
 
 同時に「旧3級品」と呼ばれる「わかば」「エコー」「ウルマ」「バイオレット」「しんせい」「ゴールデンバット」の6銘柄も30〜50円の値上げを申請した。6銘柄はメビウスなどと比べてたばこ税が安いが、こうした軽減措置が16年4月から縮小されるため、引き上げ分を価格へ転嫁する。


(2016.1.22)
 台湾・台中の大学、構内を全面禁煙に 学生の生活環境向上に期待
フォーカス台湾 1月15日
 
 (台中 5日 中央社)東海大学(台中市)は4日、大学構内を全面禁煙にした。林振東・学長代理は、禁煙化によって教員や学生の生活マナーや環境の改善を図り、薬物乱用やたばこによる健康被害を防止できればと期待を述べた。

 この日、同大正門の地面に設置された全面禁煙を示すスローガ
ンがお披露目され、学生らはダンスや喫煙防止の劇などで禁煙化を祝った。

 同大はこれまでもたばこの健康被害の問題を授業のテーマとし
て取り入れるほか、違反喫煙が多いエリアの見回り、広報映像の上映などを通じて喫煙防止対策を進めてきた。喫煙エリアは2014年には13カ所あったものの、2015年は7カ所に減らしていた。(趙麗妍/編集:名切千絵)


(2016.1.18)
 たばこパッケージの警告表示強化を医療関係者などで作る団体が要望
ヤフーニュース(フジテレビ系(FNN) ) 1月16日
 
 たばこパッケージの警告表示の強化を要望した。
 
 医療関係者などで作る団体が、たばこの健康への影響に関する警告表示の大きさを、現在の「パッケージの30%以上」から「50%以上」にすることなどを、厚生労働省や財務省に要望した。
 
 このほか、画像を入れることや、パッケージのデザイン性を排することなどを求めている。
 
 画像での警告は、80カ国以上で実施されていて、この団体は、「画像の方が、はるかに効果があることが確認されている。このままでは、世界の潮流に遅れてしまう」としている。


(2016.1.18)
 妊娠中の喫煙 子どもの体重軽くなる傾向
ヤフーニュース(日本テレビ系(NNN)) 1月16日
 
 子どもの成長や健康を調べる環境省の大規模な全国調査で、妊婦が喫煙していた場合、生まれた子どもの体重が軽くなる傾向がわかったことが都内で開かれたシンポジウムで報告された。
 
 これは環境省が5年前から、化学物質が子どもの発達にどう影響するかなどについて、全国10万組の親子を継続調査しているもの。
 
 このうち妊婦の喫煙が赤ちゃんに与える影響を詳しく調べた結果、妊娠中も喫煙した母親から生まれた赤ちゃんの平均体重は男の子が2960グラム、女の子が2894グラムと3000グラムに届かず、たばこを吸わない母親の赤ちゃん(男の子が3096グラム、女の子が3018グラム)と比べ、平均で100グラム以上軽かったという。
 
 軽い体重で生まれると、将来、肥満のリスクが高まるなどの可能性が指摘されている。
 
 一方、喫煙する女性でも妊娠判明後にたばこをやめれば、赤ちゃんの体重に大きな差はなく、研究者は妊娠が判明してからでも禁煙したほうがよいと呼びかけている。


(2016.1.18)
 たばこの健康被害強調を 東京五輪へ110団体が要望書
CHUNICHI Web 1月15日
 
 2020年東京五輪・パラリンピックに向け、たばこ対策の強化を目指す110の団体が15日、パッケージに健康被害を強調する写真を入れ、警告表示を大きくするよう求める要望書を財務省と厚生労働省に提出した。
 
 提出したのは、健康やスポーツに関連する民間団体や医師会など。記者会見した日本禁煙学会の作田学理事長は「日本では健康警告は文字だけだが、82カ国が画像を使って警告しており、世界の潮流に遅れてしまう」と話した。
 
 海外では、がんで苦しむ患者や黒ずんだ肺などの写真が使用されている。


(2016.1.17)
 JTの国内たばこ販売 2.8%減=15年
ヤフーニュース(時事通信) 1月15日
 
 日本たばこ産業(JT)は15日、2015年の同社の国内紙巻きたばこ販売実績が前年比2.8%減の1092億本だったと発表した。健康志向の高まりなどでたばこ離れが進んだほか、銘柄別では「キャスター」などが振るわなかった。JTの国内販売シェアは59.9%(14年は60.4%)に低下した。


(2016.1.17)
 喫煙が不妊の原因に
妊活・卵活 2015年12月29日
 
喫煙と不妊の関係性
 研究論文「Tobacco Control」より、能動喫煙と受動喫煙ともに、不妊のリスクを高め、閉経の時期を早めると明らかになった。

 喫煙者や受動喫煙している女性は、非喫煙者や受動喫煙していない女性と比べ、閉経時期が1〜2年早まるという。また、タバコの煙に含まれる化合物は生殖能力に影響を与え、ホルモン生成や作用に支障をきたす。

能動喫煙が与える影響
 喫煙歴がある女性を含め喫煙者は、非喫煙者と比べ、不妊のリスクが14%高くなると判明した。

 また、専門家らは、喫煙者の平均閉経年齢が47.6歳である一方、受動喫煙していない非喫煙者は49.4歳であると明言した。例えば、喫煙量が1日あたり25本の場合、閉経時期は18カ月早まる。喫煙者は、受動喫煙していない非喫煙者よりも50歳前に閉経する傾向にあるという。

受動喫煙が与える影響
 10〜20年以上、高い濃度の受動喫煙をしている非喫煙者(喫煙歴なし)の女性は、受動喫煙していない女性と比べ、不妊になるリスクが18%高くなると判明した。合わせて、高い濃度の受動喫煙している女性は、受動喫煙していない女性と比べ、閉経年齢が平均13カ月早まったという。しかしながら、受動喫煙と不妊の因果関係は証明されていない。


(2016.1.17)
 三池崇史監督の分煙提案が業界に波及 撮影所にメッセージも
ビッグローブニュース(NEWSポストセブン) 2015年12月28日
 
 受動喫煙防止の目的などから職場内で進む分煙対策。いまでは大企業を中心に屋内・屋外に専用の喫煙スペースを設ける事業所は増えた。ところが、喫煙者にとってみたら、必ずしも「快適な空間」とはなっていない。

 「ウチの会社の喫煙所は質素なプレハブづくりで4人も入ればギュウギュウ詰め。たばこをゆっくり吸いながら気分を落ち着かせるなんてことは到底できません。

 屋外にも喫煙所はありますが、建物の裏手にある倉庫脇、しかも日の当たらない場所で、〈私語厳禁〉〈長時間の喫煙禁止〉〈吸い殻以外のゴミを出すな〉なんて注意書きだらけ。ささやかな休憩も後ろめたい気分になります」(千葉県内にある機械メーカーの従業員)

 これでは仕事で張り詰めた緊張を解きほぐす“一服の効用”など望めるはずもない。

 しかし、こんな空間だったらどうだろう――。喫煙所をはっきりと示すデザイン調の共通標識。そのスペース内には、灰皿と街中のオープンカフェを思わせるオシャレな赤いチェアが数脚置かれている。

 そして、各喫煙所の壁面には、
〈議論の火花は散らしても、火の粉は散らすな〉
〈常識をこえた作品を。スペースをこえない喫煙を〉
〈物語の行方と煙の行方は、最後まで見届ける〉
〈マナーを守ると、現場の空気はちょっとよくなる〉

 といった、センス溢れるキャッチコピーの書かれたプレートが掲げられている。コピーライターの岡本欣也氏が手掛けた、さり気なくも目を引く文言が喫煙者を和ませつつ、マナー啓発にも役立っている。実に気の利いた喫煙所だ。

 これは映画会社、日活の調布撮影所(東京・調布市)内で今秋整備されたばかりの喫煙スペース。日々、独創的な作品づくりに追われる映画会社らしい分煙対策といえるが、発案者は『十三人の刺客』や『クローズZERO』、『ヤッターマン』などの作品を次々と世に送り出す三池崇史監督だった。自らもスモーカーの三池監督は、兼ねてより撮影所の喫煙スペースの在り方について、一家言を持っていたという。(中略)

 日活・調布撮影所内の屋外11か所に設けられた喫煙スペース。その中でも三池監督が特にお気に入りの場所には、こんなコピーが躍っていた。

〈極道もお化けも怪獣も。ここではマナーを守ります〉
 自身がメガホンをとる『極道大戦争』の撮影中に考案されたというメッセージだ。三池監督が分煙対策で魅せた演出は、たばこ議論に象徴される“マイノリティー排除”の社会風潮にも一石を投じたのではないか。


(2016.1.15)
  「タバコのパッケージに健康被害の画像を表示すべき」 医師らが厚労省に要望書提出
弁護士ドットコムニュース 1月15日
 
健康被害が画像で示されたMILD SEVENのパッケージ

医療関係者などで構成される「受動喫煙のない日本を目指す委員会」は1月15日、内閣総理大臣と財務大臣、厚生労働大臣に対して、タバコパッケージの健康警告表示についての要望書を提出した。

●「画像のほうがはるかに効果がある」
要望書に賛同したのは、日本医師会など110団体。要望書では、「政府はタバコ販売を許可するにあたり、それがいかに依存性が強く生命に危険な物質であるかを正確に国民に知らしめる義務がある」と指摘。タバコパッケージの健康警告表示について、表示面積を現状より大きくすることや、文字ではなく写真やイラストによって健康警告をすること、そしてパッケージにタバコの販売促進につながる情報を載せない「プレインパッケージ」とすることの3点を要望している。

同日、東京・霞ヶ関の厚生労働省記者クラブで記者会見が行われた。記者会見での説明によると、「プレインパッケージ」とは、タバコの箱にブランドのカラー、ロゴ、画像などを印刷することを禁止する方策だという。タバコのパッケージがタバコ販売促進の看板となることを防ぐねらいがある。

オーストラリアでは2012年12月から、世界に先駆けて全面的にプレインパッケージを導入。あるタバコのパッケージには、ブランドロゴなどの代わりに、「SMOKING CAUSES LUNG CANCER(喫煙は肺がんの原因になる)」という警告文とともに、肺がんを患ってやせ細った男性の画像が大きく表示されている。フランスやカナダでも、プレインパッケージ導入に向けた議論が行われているという。

日本禁煙学会の作田学理事長は、タバコによる健康警告を画像で示すことについて、「既に82カ国がおこなっているが、我が国は依然として文言だけの警告表示である」と指摘。「画像と文言を比べると、画像のほうが喫煙抑止にはるかに効果があるということが、厚労省からも報告されている。危険を知らせるという意味でも、画像による警告表示に変えていかなければ、世界の潮流に遅れてしまう」と述べた。


(2016.1.11)
 英歌手デビッド・ボウイさんが死去 がん闘病の末に
朝日新聞デジタル
        渡辺志帆=ロンドン、篠崎弘 1月11日
 
 自らの音楽を変革しながら、世界の音楽やアートを刺激し続けた英国人ロック歌手デビッド・ボウイ(本名デビッド・ロバート・ジョーンズ)さんが10日、死去した。69歳だった。ソーシャルメディアの公式アカウントが11日、公表した。がんのため18カ月にわたり闘病していたという。69歳の誕生日だった今月8日に最新アルバム「★(ブラックスター)」をリリースしたばかりだった。ポップカルチャーに影響を及ぼし続けた伝説的歌手の突然の訃報(ふほう)を、各国メディアは衝撃をもって伝えた。


(2016.1.11)
 「肺がんください」たばこ広告は適法=ソウル中央地裁
ヤフーニュース(chosun Online) 1月1日
 
 ソウル中央地裁は12月31日、韓国たばこ販売人中央会の会員J氏ら5人が政府を相手取り、特定のたばこ広告の禁止を求めた仮処分申請を棄却した。
 たばこ販売人らが問題にした広告は、たばこを買いに訪れた男女が「喉頭がん1ミリグラムください」「肺がん1つ、脳卒中2つください」などと話す様子を描いたものだ。
 裁判所は「広告内容は喫煙自粛を勧めているだけであって、それ自体がたばこ販売人の名誉を傷つけたとは見なせない」と理由を説明した。


(2016.1.11)
 喫煙や受動喫煙が不妊および早期閉経に関連
健康美容EXPOニュース 2015年12月15日
 
喫煙および受動喫煙が女性の早期閉経や不妊の引き金となる可能性が、新たな研究で示唆された。これまでにも喫煙と不妊や早期閉経との関連は認められていたが、特に喫煙経験のない女性の受動喫煙については十分に研究されていなかったと、研究著者である米ロズウェルパークがん研究所(ニューヨーク州)のAndrew Hyland氏は述べている。
 
今回の研究では、健康な閉経後女性16万人以上を対象に1991年に開始された大規模研究「女性の健康イニシアチブ(WHI)」に登録された女性の閉経年齢および生殖能力に関する情報と、タバコへの曝露について調べた。生殖能力については約8万8,000人、自然閉経の開始については約8万人を対象に分析した結果、喫煙および受動喫煙のいずれも、不妊および早期閉経(50歳前の閉経)との関連が認められた。
 
喫煙経験のない女性に比べ、現喫煙者または元喫煙者は不妊の確率が14%高く、早期閉経の確率は26%高かった。Hyland氏によると、早期閉経は死亡リスクにも関連することがわかっているという。非喫煙者のうち高レベルの受動喫煙に曝露している人(喫煙者と10年以上同居しているなど)は、不妊の確率が18%高いこともわかった。喫煙経験者は、喫煙も受動喫煙もない人に比べて閉経が約22カ月早く、高レベルの受動喫煙に曝露していた女性は、曝露のない女性よりも閉経が13カ月早かった。
 
ただし、今回の研究はすでに収集されたデータに着目した観察研究であり、因果関係を明らかにするものではないとHyland氏は述べ、「小児期の発達と曝露が関連している可能性もある」と指摘している。喫煙がホルモンと相互に作用し、有害な影響を及ぼす可能性もあるという。この研究は「Tobacco Control」オンライン版に12月14日掲載された。
 
米ノースショア-LIJヘルスシステム(ニューヨーク州)のPatricia Folan氏は、「今回の研究は、あらゆる年代の女性にとって喫煙および受動喫煙を避け、禁煙する新たな動機となるものである」と述べている。いずれも早産、低出生体重、乳児死亡、一部の先天性欠損にも関連すると同氏は指摘し、このエビデンスは医療従事者が女性に禁煙を勧めるうえで必要な情報となるものだと付け加えている。
(HealthDay News 2015年12月15日) 


(2016.1.10)
 <子どもの健康>長期喫煙ほど低体重児傾向…妊婦分析で判明
ヤフーニュース(毎日新聞) 1月6日
 
 妊娠中の女性の喫煙期間が長いほど、より低体重の子が生まれることが、環境省などの大規模調査で明らかになった。妊娠前に喫煙をやめても、子の低体重につながる可能性が示された。喫煙期間が生まれた子の低体重に影響することが分かったのは初めて。低体重の子は将来、肥満などの生活習慣病になる危険性が高まるという。【渡辺諒】

◇妊婦9369人分析
 「子どもの健康と環境に関する全国調査」(エコチル調査)に協力する全国の妊婦9369人と生まれた子を分析した。その結果、喫煙経験のない妊婦が出産した男児の平均体重は3096.2グラムだったが、出産時まで喫煙していた妊婦の男児は2959.8グラムと136.4グラムも少なかった。一方、妊娠初期に禁煙した場合は、喫煙経験なしよりも27.8グラム少ないとの結果だった。

 妊娠前から禁煙した場合も同7グラム少なかった。妊婦が喫煙すると、さい帯血が減って胎児が低体重になる。分析を担当した山梨大の山縣然太朗教授は「喫煙期間が長いほど影響が大きいことがはっきりした。妊娠前から禁煙しても、喫煙による健康状態や生活習慣などから低体重の子が生まれる危険性があるようだ」と話した。

◇3歳児の花粉症、山梨・長野最多
 また、エコチル調査に基づく子どものアレルギー疾患の罹患(りかん)状況が発表された。そのうち花粉症を持つ3歳児は全体(回答数2万5963人)の4%に上った。地域によって割合が異なり、山梨・長野両県が最多の10%で、京都府6%、神奈川県5%と続いた。沖縄県が最も少なく1%未満だった。

 環境省は16日、これらの結果について、日本科学未来館(東京都江東区)で開くシンポジウムで公表する。【渡辺諒】

◇エコチル調査
 化学物質や環境が子どもの健康に与える影響を調べるため、妊娠初期から子どもが13歳になるまで追跡する。2011年1月に募集を始め、現在の登録している母子は10万3106組。母子の血液や毛髪、半年ごとのアンケートなどを継続的に調べ、子の成長に影響する環境要因を32年までに解析する。


(2016.1.8)
 受動喫煙防止へ検討チーム=東京五輪にらみ制度具体化
ヤフーニュース(時事通信) 1月8日
 
 政府は2020年東京五輪・パラリンピックに向け、公共の場での禁煙・分煙を法制化する方針を固め、「受動喫煙防止対策強化検討チーム(仮称)」を設置して制度設計に着手する準備に入った。
 
 座長には杉田和博官房副長官を充てる方向で調整。月内にも初会合を開き、夏をめどに罰則を含む具体的措置を取りまとめる。
 
 政府関係者が7日、明らかにした。政府は来年の通常国会での法整備を視野に入れており、2年程度の周知期間を経て、五輪開催前年の19年にも施行したい考えだ。
 
 検討チームの副座長には、東京五輪・パラリンピック推進本部の平田竹男事務局長を起用することで調整。厚生労働省など関係省庁の課長級によるワーキンググループも併せて設ける。
 
 検討作業は、喫煙を規制する施設の範囲をどう定めるかや、違反した施設管理者や喫煙者に対する罰則の在り方が主な課題となる。焦点の罰則規定は、注意、指導、勧告を経て、それでも従わない違反者に罰金を科す案が検討されている。
 
 政府が受動喫煙防止の法整備に乗り出すのは、東京五輪開催が4年半後に迫る中、国際オリンピック委員会(IOC)が掲げる「たばこのない五輪」への環境整備を急ぐためだ。厚労省によると、08年の北京五輪以降、いずれの開催国でも罰則を伴う受動喫煙防止の対策が講じられている。


(2016.1.8)
 たばこ箱に健康被害写真表示を義務化 来年末から=韓国
ソウル聯合ニュース 2015年10月7日
 
 韓国で来年末から、たばこパッケージへの健康被害写真の表示が義務付けられる。パッケージの表と裏の両面に面積の30%以上の写真を表示しなければならない。
 
 韓国保健福祉部は7日、こうした内容を盛り込んだ国民健康増進法施行令改正案を12日から来月21日まで立法予告すると明らかにした。来年12月23日の施行を予定している。
 
 改正案では、健康被害写真はパッケージの上部に表示する。既に同様の法律が施行されている海外で、店に陳列されているときには健康被害写真が見えないようたばこメーカーが写真を下段に表示するケースが少なくなかったためだ。
 
 また、パッケージには健康被害についての警告文を掲載しなければならず、写真と合わせパッケージ面積の半分以上に表示する義務がある。
 
 健康被害写真をめぐっては「事実に基づき著しい嫌悪感を与えてはならない」と規定されているが、具体的な写真の内容については議論の余地が残る。
 
 同部は民間の専門家が参加する「警告図制定委員会」(仮称)を今月末に立ち上げ、具体的な健康被害写真のテーマや内容を検討していく。


(2016.1.5)
 公共施設を全面禁煙、ホテル分煙…罰則科す新法
Yomiuri online 1月5日
 
 2020年の東京五輪・パラリンピックに向け、政府が受動喫煙規制のための新法の整備に乗り出すことが分かった。

 スポーツ施設や学校、病院などの公共施設を全面禁煙に、レストランやホテルなど不特定多数の人が利用する施設は喫煙スペースを設置するなどして分煙とするよう、施設管理者らに義務づける。違反者への罰則も盛り込む方針だ。

 国際オリンピック委員会(IOC)は「たばこのない五輪」を掲げており、04年のアテネ大会以降の開催国・開催都市は、法律や条例で禁煙や分煙を義務化。ほとんどが違反者や施設管理者に罰則を科している。

 日本では、03年施行の健康増進法が「多数の者が利用する施設」での受動喫煙の防止を明記、同年に銀行、郵便局、関東の私鉄が煙化された。その後、タクシーやJRの禁煙化へと拡大したものの、事業者に対しては適切な措置を講じるよう求める努力規定にとどまっている。


(2015.1.2)
 世界の国々で進む「喫煙率」を下げる政策― ―将来は「タバコのない社会」になる?
弁護士ドットコムニュース 12月12日
 
タバコを店頭購入できる年齢を「18歳以上」から「21歳以上」に引き上げる条例が、このほど米ニューヨーク市で成立した。18〜20歳の喫煙率を下げることで、「タバコ依存症」を防ぐことが狙いのようだ。
 
米連邦法では、タバコが購入できる最低年齢は18歳とされているが、いくつかの州で19歳となっており、21歳は全米で最高となるという。
 
日本でも、未成年者の喫煙は深刻な問題とされており、2008年には「taspo」が導入されるなど、対策はなされてきている。今後、日本のタバコ法規制はどのような方向に向かうのだろうか。受動喫煙の訴訟に数多くかかわっている岡本光樹弁護士に聞いた。
 
●1900年に制定された「未成年者喫煙禁止法」
「我が国では、未成年者喫煙禁止法により、20歳未満の喫煙が禁止されています。この法律は明治33年(1900年)、帝国議会衆議院議員根本正氏の活動により制定されました。
 
制定前は小学生くらいの子供が喫煙し、社会問題になっていたようです。これは世界的に見ても早い時期で、同氏の功績は高く評価されています」
 
未成年者の喫煙防止に関して、当時の日本は「先進的」だったわけだ。
 
「医学的には、喫煙を開始する年齢が早いほど、ニコチン依存に容易になりやすく、かつニコチン依存度が強くなることが明らかにされています。
 
また、喫煙開始年齢が早いほど、発達期の体に与える害は大きく、ガンや心臓病等のリスクも高いことが明らかにされています。
 
未成年者の喫煙問題は、非行という観点だけでなく、健康被害からの保護という観点が重要です」
 
タバコの影響は医学的にも明らかなようだ。
 
●喫煙率「0%」を目指している国もある
タバコの法規制をめぐる、国内外の議論はいま、どんな潮流にあるのだろうか。
 
「ニューヨーク市では、年齢の引上げと同時に、タバコ1箱の最低価格を10.5ドル(約1050円)とすることも定められました。未成年者のタバコ購入を防止する上で、価格の引上げは非常に有効な政策であり、日本でもタバコ1箱700円以上や1000円以上にすべきと議論されています。
 
世界の他の国々、たとえば、オーストラリアやシンガポール等では、現在の若い世代に今後生涯にわたって喫煙を防止するという法律(いわゆるタバコフリー・ジェネレイション法)が検討されています。豪タスマニア州では、2000年より後に生まれた世代へのタバコの販売を将来にわたって禁止する法律が、上院で全会一致で可決されたと報道されています。
 
また、成人の喫煙についても、ニュージーランドでは2025年までに喫煙率を5%に減らす、スコットランドでは2034年までに5%に減らす、フィンランドでは2040年までに0%にする、という政府の方針が次々と出されています」
 
国によっては、そもそもタバコを社会から無くしてしまおう、という動きもあるようだ。岡本弁護士はこうした流れを肯定的に受け止め、次のように話していた。
 
「このように世界の情勢は、タバコ消費の削減のみならず、タバコのない社会を目指す政策が進展しています。我が国でも、未成年の喫煙禁止は当然ながら、成人後も喫煙はしないほうがよいという議論がなされていくものと思われます」

1982年岡山県生まれ。05年東大法卒、06年弁護士登録。国内最大手の法律事務所などを経て、11年に独立。企業法務や労働案件、受動喫煙に関する係争・訴訟、家事事件などを幅広く扱う。第二東京弁護士会で人権擁護委・副委員長や受動喫煙防止部会長などを務める。


(2015.1.2)
 こんなに少ないの!? 20歳以上の大学生9割以上 が「タバコ吸わない」→「お金がかかる」「メリットが ない」
マイナビニュース 12月22日
 
「taspo」の導入や、喫煙所の減少、税金の引き上げなど、タバコが吸いづらい環境になってきました。これらをきっかけに、タバコを卒業した方も多いのではないでしょうか。若者の間でも、タバコを吸わない人が増えていると言われていますが、実際のところどうなのでしょう。大学生を対象にアンケートを取りました。
 
■タバコを吸いますか?
はい 40人(10.0%)
いいえ 359人(90.0%)
 
9割の人がタバコを「吸わない」と回答。タバコを吸っているのは、ほんの1割しかいないのですね。それぞれの回答理由をご紹介します。
 
■吸う派
・なんとなく気晴らしで(大学2年生/長野県/女性)
・疲れたときに欲しくなる(大学3年生/千葉県/女性)
・ストレス解消に(大学院生/愛知県/女性)
・気分転換になるから(大学院生/兵庫県/男性)
・タバコは俺の人生の一部(大学院生/東京都/男性)
・忘れた。もう習慣になっている(大学4年生/神奈川県/女性)
吸う派は、気分転換に吸っている人が多いようですね。また、「きっかけは覚えていないが気づいたら習慣になっていた」という声も見られました。一度習慣化すると、なかなかやめられませんよね。
 
■吸わない派
●お金がもったいない!
・興味がないし高価だから(その他/宮崎県/女性)
・お金を出して体に悪いことをする意味がわからない(大学4年生/愛知県/男性)
・お金を払ってまで寿命を縮めようと思わない(その他/岡山県/女性)
・タバコのためにお金を使うぐらいなら別のことに使う(大学院生/宮城県/男性)
 
●ニオイが嫌
・煙が苦手だから(大学2年生/東京都/女性)
・ニオイが気になる(大学4年生/愛知県/女性)
・健康に悪いしニオイが嫌なので(その他/東京都/女性)
・ニオイがけっこうするので。他の人にばれたくない(大学院生/埼玉県/女性)
 
●健康に悪い
・肺が黒くなるのは嫌(大学院生/広島県/女性)
・気管支が弱いから。咳き込むし、むせる(短大・専門学校生/奈良県/女性)
・煙で咳が出ることがあるので自分の体質には合わない(大学3年生/京都府/女性)
 
・煙草を吸うことは、緩やかな自殺と考えている(大学2年生/埼玉県/女性)
 
●こんな理由も……
・健康に悪いし、タバコを買う金もない。また、住んでいる部屋が火気厳禁のため(大学1年生/兵庫県/女性)
・将来の職業的に吸うべきでないし、健康に悪いから(大学2年生/石川県/女性)
・酒とタバコが原因で父が亡くなったので、それがトラウマになっている(大学4年生/京都府/女性)
・歯の矯正に数百万かけているのに、タバコごときで歯を黄ばませたくない(大学4年生/愛知県/女性)
 
吸わない理由としては、金額やニオイ、健康面が大きいようですね。タバコの匂いは吸わない人にとってはとても不快ですし、健康面にも影響があっては、なかなか吸いたいと思えませんよね。また、ホワイトニングが流行っていることもあってか、歯の黄ばみを気にする声も多く見られました。
 
いかがでしたか? 学生の禁煙率が減っているのは、とてもいいことですよね。最近はタバコマナーが悪い人も見かけなくなったので、吸わない人にとっては、大分快適になったのではないでしょうか。喫煙者にとっては、ちょっぴり寂しいかもしれませんけどね。皆さんはタバコを吸っていますか? それともタバコは苦手ですか?
 
文●ロックスター
 
マイナビ学生の窓口調べ
調査日時:2015年12月11日〜2015年12月14日
調査人数:20歳以上の大学生男女399人

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